第4章 静的ルートおよびデフォルトゲートウェイの設定
本章は、静的ルートおよびデフォルトゲートウェイの設定を説明します。
4.1. ルーティングおよびゲートウェイの概要
ルーティングは、別のシステムへのネットワークパスをシステムが見つけられるようにするメカニズムです。ルーティングは、しばしば、ルーティング専用のネットワーク上で、デバイスにより処理されます (ただし、デバイスはルーティングを行うように設定できます)。したがって、Red Hat Enterprise Linux サーバーまたはクライアントで静的ルートを設定する必要がない場合もしばしばあります。例外は、暗号化された VPN トンネルを通過する必要があるトラフィックや、コストやセキュリティー上の理由から、特定のルートを通過する必要があるトラフィックが含まれます。ホストのルーティングテーブルには、ネットワークに直接接続しているルートが自動的に追加されます。このルートは、ネットワークインターフェイスが 「起動」 していると調べられます。リモートネットワークまたはホストに到達するには、システムには、トラフィックが送られるゲートウェイのアドレスが指定されている必要があります。
ホストのインターフェイスが
DHCP
によって設定されている場合、通常はアップストリームネットワークまたはインターネットにつながるゲートウェイのアドレスが割り当てられます。このゲートウェイは、通常はデフォルトのゲートウェイと呼ばれます。これは、システムがこれ以上のルールを認識していない場合 (ルーティングテーブルに存在しない場合)、使用するゲートウェイとなるためです。ネットワーク管理者は、ネットワーク内の最初または最後のホスト IP
アドレスをゲートウェイアドレスとして使用します(例:192.168.10 .1
または 192.168.10.254
)。ネットワーク自体を表すアドレス(この例では 192 .
168.10.0)と、サブネットのブロードキャストアドレス(この例では 192. 168.10.255)と混同しないようにしてください
。デフォルトゲートウェイは、従来のネットワークルーターです。デフォルトゲートウェイは、ローカルネットワーク宛ではなく、ルーティングテーブルで優先ルートが指定されていないすべてのトラフィックに適用されます。
注記
専門知識を深めるには、Red Hat システム管理 I (RH124) トレーニングコースの受講を推奨します。