15.2. 移行の要件および制限


KVM の移行を使用する前に、システムが移行の要件を満たしていることを確認し、その制限事項について理解しておく必要があります。

移行の要件

  • 次のいずれかのプロトコルを使用して、共有ストレージにインストールされたゲスト仮想マシン。
    • ファイバーチャネルベースの LUN
    • iSCSI
    • NFS
    • GFS2
    • SCSI RDMA プロトコル (SCSI RCP) - Infiniband アダプターおよび 10GbE iWARP アダプターで使用されるブロックエクスポートプロトコル
  • libvirtd サービスが有効で、実行していることを確認します。
    # systemctl enable libvirtd.service
    # systemctl restart libvirtd.service
  • 効果的に移行する機能は、/etc/libvirt/libvirtd.conf ファイル内のパラメーター設定により異なります。このファイルを編集するには、以下の手順を使用します。

    手順15.1 libvirtd.conf の設定

    1. libvirtd.conf を開くには、root で次のコマンドを実行する必要があります。
      # vim /etc/libvirt/libvirtd.conf
    2. 必要に応じてパラメーターを変更し、ファイルを保存します。
    3. libvirtd サービスを再起動します。
      # systemctl restart libvirtd
  • 移行プラットフォームとバージョンは、表15.1「ライブマイグレーションの互換性」 に対してチェックする必要があります。
  • 共有ストレージメディアをエクスポートする別のシステムを使用してください。ストレージは、移行に使用される 2 台のホスト物理マシンのいずれにも存在しないようにする必要があります。
  • 共有ストレージは、移行元システムと移行先システムの同じ場所にマウントする必要があります。マウントするディレクトリー名は同じである必要があります。別のパスを使用してイメージを保持することもできますが、推奨されません。virt-manager を使用して移行を実行する場合は、パス名が同じである必要があります。virsh を使用して移行を実行する場合は、--xml オプションまたは pre-hooks で別のネットワーク設定とマウントディレクトリーを使用できます。pre-hooks の詳細は libvirt upstream documentation を参照し、XML オプションの詳細は23章ドメイン XML の操作 を参照してください。
  • パブリックブリッジ + タップネットワーク内の既存のゲスト仮想マシンで移行を試行する場合、移行元ホストマシンと移行先ホストマシンが同じネットワークに存在する必要があります。この手順を行わないと、ゲストの仮想マシンネットワークが移行後に動作しません。

移行の制限

  • KVM に基づく仮想化技術を使用する Red Hat Enterprise Linux でゲスト仮想マシンの移行を使用する場合には、以下の制限があります。
    • ポイントツーポイント移行 – 送信元ハイパーバイザーから宛先ハイパーバイザーを指定するには手動で実行する必要があります
    • 検証またはロールバックは利用できません
    • ターゲットの決定は手動でのみ行うことができます。
    • ストレージの移行は Red Hat Enterprise Linux 7™ ではライブで実行できませんが、ゲスト仮想マシンの電源がオフのときにストレージを移行できます。ライブストレージの移行は、Red Hat Virtualization™ で利用できます。詳細は、サービス担当者にお問い合わせください。
注記
virtio デバイスを含むゲストマシンを移行する場合は、いずれかのプラットフォームの virtio デバイスのベクトル数を 32 以下に設定してください。詳細は、「Devices」 を参照してください。
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