1.2. KVM ハイパーバイザーの要件
KVM ハイパーバイザーには、以下が必要です。
- x86 ベースのシステム用の Intel VT-x および Intel 64 の仮想化拡張機能を搭載した Intel プロセッサー。
- AMD-V および AMD64 仮想化拡張機能を搭載した AMD プロセッサー。
完全仮想化には、仮想化拡張機能 (Intel VT-x または AMD-V) が必要です。次のコマンドを入力して、システムにハードウェア仮想化拡張機能があるかどうか、およびそれらが有効になっているかどうかを確認します。
手順1.1 仮想化拡張機能の検証
CPU 仮想化拡張機能が利用可能であることを確認します。
次のコマンドを実行して、CPU 仮想化拡張機能が利用可能であることを確認します。$ grep -E 'svm|vmx' /proc/cpuinfo
出力を分析します。
- 以下の例では、Intel VT-x 拡張機能を持つ Intel プロセッサーを示す
vmx
エントリーが含まれています。flags : fpu tsc msr pae mce cx8
vmx
apic mtrr mca cmov pat pse36 clflush dts acpi mmx fxsr sse sse2 ss ht tm syscall lm constant_tsc pni monitor ds_cpl vmx est tm2 cx16 xtpr lahf_lm - 以下の例では、AMD-V 拡張機能を持つ AMD プロセッサーを示す
svm
エントリーが含まれています。flags : fpu tsc msr pae mce cx8 apic mtrr mca cmov pat pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 ht syscall nx mmxext
svm
fxsr_opt lm 3dnowext 3dnow pni cx16 lahf_lm cmp_legacy svm cr8legacy ts fid vid ttp tm stc
grep -E 'svm|vmx' /proc/cpuinfo コマンドが出力を返す場合、プロセッサーにはハードウェア仮想化の拡張機能が含まれます。状況によっては、製造元が BIOS で仮想化拡張機能を無効にする場合があります。拡張機能が表示されない、または完全仮想化が機能しない場合は、BIOS 設定ユーティリティーで拡張機能を有効にする手順の 手順A.3「BIOS での仮想化拡張機能の有効化」 を参照してください。KVM カーネルモジュールが読み込まれていることを確認します。
追加の確認として、以下のコマンドを使用して、kvm
モジュールがカーネルに読み込まれていることを確認します。# lsmod | grep kvm
出力にkvm_intel
またはkvm_amd
が含まれる場合は、kvm
ハードウェア仮想化モジュールが読み込まれます。
注記
virsh ユーティリティー (libvirt-client パッケージにより提供) では、以下のコマンドを使用して、システムの仮想化機能の完全なリストを出力できます。
# virsh capabilities