11.6. リソースおよびリソース操作のデフォルトを使用した高可用性クラスターの設定
(RHEL 9.3 以降) クラスター設定では、全リソースのリソースオプションの Pacemaker デフォルト値を変更できます。クラスター内の全リソース操作のデフォルト値を変更することもできます。
リソースオプションのデフォルト値を変更する方法については、リソースオプションのデフォルト値の変更 を参照してください。グローバルリソース操作のデフォルトについては、グローバルリソース操作のデフォルトの設定 を参照してください。
次の手順の例では、ha_cluster
RHEL システムロールを使用して、リソースとリソース操作のデフォルトを定義する高可用性クラスターを作成します。
ha_cluster
RHEL システムロールは、指定されたノードの既存のクラスター設定を置き換えます。Playbook に指定されていない設定はすべて失われます。
前提条件
- コントロールノードと管理対象ノードの準備が完了している。
- 管理対象ノードで Playbook を実行できるユーザーとしてコントロールノードにログインしている。
-
管理対象ノードへの接続に使用するアカウントに、そのノードに対する
sudo
権限がある。 - クラスターメンバーとして使用するシステムには、RHEL および RHEL High Availability Add-On のアクティブなサブスクリプションがある。
- ha_cluster RHEL システムロールのインベントリーの指定 で説明されているように、インベントリーファイルでクラスターノードが指定されている。インベントリーファイルの作成に関する一般的な情報については、RHEL 9 でのコントロールノードの準備 を参照してください。
手順
機密性の高い変数を暗号化されたファイルに保存します。
vault を作成します。
$ ansible-vault create vault.yml New Vault password: <vault_password> Confirm New Vault password: <vault_password>
ansible-vault create
コマンドでエディターが開いたら、機密データを<key>: <value>
形式で入力します。cluster_password: <cluster_password>
- 変更を保存して、エディターを閉じます。Ansible は vault 内のデータを暗号化します。
次の内容を含む Playbook ファイル (例:
~/playbook.yml
) を作成します。--- - name: Create a high availability cluster hosts: node1 node2 vars_files: - vault.yml tasks: - name: Create cluster with fencing and resource operation defaults ansible.builtin.include_role: name: rhel-system-roles.ha_cluster vars: ha_cluster_cluster_name: my-new-cluster ha_cluster_hacluster_password: "{{ cluster_password }}" ha_cluster_manage_firewall: true ha_cluster_manage_selinux: true # Set a different
resource-stickiness
value during # and outside work hours. This allows resources to # automatically move back to their most # preferred hosts, but at a time that # does not interfere with business activities. ha_cluster_resource_defaults: meta_attrs: - id: core-hours rule: date-spec hours=9-16 weekdays=1-5 score: 2 attrs: - name: resource-stickiness value: INFINITY - id: after-hours score: 1 attrs: - name: resource-stickiness value: 0 # Default the timeout on all 10-second-interval # monitor actions on IPaddr2 resources to 8 seconds. ha_cluster_resource_operation_defaults: meta_attrs: - rule: resource ::IPaddr2 and op monitor interval=10s score: INFINITY attrs: - name: timeout value: 8sサンプル Playbook で指定されている設定は次のとおりです。
ha_cluster_cluster_name: <cluster_name>
- 作成するクラスターの名前。
ha_cluster_hacluster_password: <password>
-
hacluster
ユーザーのパスワード。hacluster
ユーザーには、クラスターへのフルアクセス権が付与されます。 ha_cluster_manage_firewall: true
-
ha_cluster
RHEL システムロールがファイアウォールを管理するかどうかを決定する変数。 ha_cluster_manage_selinux: true
-
ha_cluster
RHEL システムロールがselinux
RHEL システムロールを使用してファイアウォール高可用性サービスのポートを管理するかどうかを決定する変数。 ha_cluster_resource_defaults: <resource_defaults>
- リソースのデフォルトのセットを定義する変数。
ha_cluster_resource_operation_defaults: <resource_operation_defaults>
- リソース操作のデフォルトのセットを定義する変数。
Playbook で使用されるすべての変数の詳細は、コントロールノードの
/usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.ha_cluster/README.md
ファイルを参照してください。Playbook の構文を検証します。
$ ansible-playbook --syntax-check --ask-vault-pass ~/playbook.yml
このコマンドは構文を検証するだけであり、有効だが不適切な設定から保護するものではないことに注意してください。
Playbook を実行します。
$ ansible-playbook --ask-vault-pass ~/playbook.yml
関連情報
-
/usr/share/ansible/roles/rhel-system-roles.ha_cluster/README.md
ファイル -
/usr/share/doc/rhel-system-roles/ha_cluster/
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