3.2. GFS2 ファイルシステムのマウント
GFS2 ファイルシステムをマウントできるようにするには、そのファイルシステムが存在し、そのファイルシステムが存在するボリュームがアクティブな状態で、かつサポート対象のクラスタリングシステムとロッキングシステムが起動している必要があります。以上の要件を満たすと、Linux ファイルシステムと同様に GFS2 ファイルシステムをマウントできます。
mount
コマンドを使用して、手動でファイルシステムをマウントするのではなく、実稼働環境で GFS2 ファイルシステムを管理するには、常に Pacemaker を使用する必要があります。これは、手動でマウントすると、システムのシャットダウン時に問題が発生する可能性があるためです。
ファイルの ACL を操作するには、-o acl
マウントオプションを指定してファイルシステムをマウントする必要があります。ファイルシステムが -o acl
マウントオプションを指定せずにマウントされている場合は、(getfacl
で) ACL を表示できますが、(setfactl
で) それを設定することはできません。
3.2.1. オプションなしで GFS2 ファイルシステムのマウント
この例では、/dev/vg01/lvol0
の GFS2 ファイルシステムが /mygfs2
ディレクトリーにマウントされます。
# mount /dev/vg01/lvol0 /mygfs2
3.2.2. マウントオプションを指定する GFS2 ファイルシステムのマウント
以下は、GFS2 ファイルシステムをマウントするコマンドの形式です。マウントオプションも指定します。
mount BlockDevice MountPoint -o option
BlockDevice
- GFS2 ファイルシステムを置くブロックデバイスを指定します。
MountPoint
- GFS2 ファイルシステムがマウントされるディレクトリーを指定します。
-o option
引数は、GFS2 固有のオプションまたは許容できる標準の Linux mount -o
オプション、もしくはその両方の組み合わせで設定されます。複数の オプション
パラメーターはコンマで区切ります (スペースは使用しません)。
mount
コマンドは、Linux のシステムコマンドです。これらの GFS2 固有のオプションに加えて、他の標準の mount
コマンドオプション (-r
など) を使用することもできます。その他の Linux mount
コマンドオプションは、Linux mount
の man ページを参照してください。
次の表は、マウント時に GFS2 に渡すことができる GFS2 固有の -o option
の値を説明します。
この表では、ローカルファイルシステムでのみ使用されるオプションを説明します。ただし、Red Hat は、シングルノードのファイルシステムとして GFS2 を使用することはサポートしていないことに注意してください。Red Hat は、クラスターファイルシステムのスナップショットのマウントを目的 (例: バックアップ) とした、単一ノードの GFS2 ファイルシステムを引き続きサポートします。
オプション | 説明 |
---|---|
|
ファイル ACL を操作できるようにします。ファイルシステムが |
|
|
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GFS2 がファイルシステムをマルチホストファイルシステムとして扱うように強制します。デフォルトでは、 |
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VFS (仮想ファイルシステム) レイヤーが flock および fcntl をすべて実行するように、GFS2 に命令します。 |
|
ユーザーがファイルシステムで使用するロックプロトコルを指定できるようにします。 |
| ユーザーがファイルシステムで使用するロックテーブルを指定できるようにします。 |
|
ファイルシステムのクォータのオンとオフを切り替えます。クォータを |
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|
| GFS2 が、解放されたブロックの破棄 I/O 要求を生成します。これを適切なハードウェアで使用して、シンプロビジョニングや同様のスキームを実装できます。 |
|
ジャーナルのフラッシュ時に GFS2 が I/O バリアを送信します。デフォルト値は |
| クォータ情報の変更が、クォータファイルに書き込まれる前にノードに留まる秒数を設定します。これは、このパラメーターの設定に推奨される方法です。この値には、ゼロよりも大きい秒数 (整数) を設定します。デフォルトは 60 秒です。短く設定すると、遅延クォータ情報の更新が速くなり、そのクォータを超過する可能性が低くなります。長く設定すると、クォータに関連するファイルシステムの操作が速くなり、より効率的になります。 |
|
|
|
期間の有効期限が切れていない場合でも、マスター |
3.2.3. GFS2 ファイルシステムのマウント解除
Pacemaker を介して自動的で行わずに、手動でマウントした GFS2 ファイルシステムは、システムのシャットダウン時にファイルシステムのマウントが解除されても、システムにより認識されません。これにより、GFS2 リソースエージェントでは GFS2 ファイルシステムのマウントが解除されなくなります。GFS2 リソースエージェントがシャットダウンすると、標準のシャットダウンプロセスがクラスターインフラストラクチャーを含む残りのユーザープロセスをすべて強制終了し、ファイルシステムのマウントを解除しようとします。このマウントの解除はクラスターインフラストラクチャーがないと失敗し、システムがハングします。
GFS2 ファイルシステムのマウントを解除する際にシステムをハングさせないようにするには、次のいずれかを行ってください。
- GFS2 ファイルシステムを管理する際に常に Pacemaker を使用します。
-
GFS2 ファイルシステムが、
mount
コマンドを使用して手動でマウントされている場合は、システムを再起動またはシャットダウンする前に、umount
コマンドを使用してそのファイルシステムのマウントを手動で解除します。
このような状況でのシステムのシャットダウンで、ファイルシステムのマウントを解除しているときにハングする場合は、ハードウェアを再起動します。ファイルシステムはシャットダウンプロセスの早い段階で同期されるため、データが失われることはほとんどありません。
GFS2 ファイルシステムは、umount
コマンドを使用すれば、他の Linux ファイルシステムと同じ方法でマウントを解除できます。
umount
コマンドは、Linux のシステムコマンドです。このコマンドに関する情報は、Linux umount
コマンドの man ページを参照してください。
用途
umount MountPoint
MountPoint
- GFS2 ファイルシステムが現在マウントされているディレクトリーを指定します。