第1章 新機能および機能拡張
Migration Toolkit for Applications (MTA) バージョン 8.0.0 では、次の主要な新機能と拡張機能が提供されます。
Red Hat Developer Lightspeed for MTA が VS Code 拡張機能で利用可能になりました
VS Code 拡張機能で Red Hat Developer Lightspeed for MTA 機能の使用を選択できます。Developer Lightspeed 機能を使用すると、任意の大規模言語モデル (LLM) を使用して、Java アプリケーションの静的コード分析で見つかった問題を解決するためのコード変更をリクエストできます。
Red Hat Developer Lightspeed for MTA には、以下のコア機能があります。
RAG ソリューション: Red Hat Developer Lightspeed for MTA は、コードに存在する問題をコンテキストベースで解決するために Retrieval Augmented Generation (RAG) を使用します。Developer Lightspeed は、LLM と共有されたコンテキストを改善し、コードの問題を修正するためのより正確な提案を生成します。
コンテキストは、ソースコード、問題の説明、解決済み事例を組み合わせたものです。解決済み事例には、別の移行で受け入れたコード変更、手動で変更したコード、今後使用できる問題の解決策のパターンが含まれます。
ソリューションサーバー (テクノロジープレビュー): ソリューションサーバーは、Red Hat Developer Lightspeed for MTA が、組織内で実行されたすべての分析に基づくコード変更の集合的なメモリーを構築することを可能にするコンポーネントです。また、LLM と連携して、解決済み事例からの解決策のパターンを今後の分析のために改善します。
ソリューションサーバーは、ユーザーに 2 つの主な利点をもたらします。
- コンテキストヒント: 成功したユーザー変更や承認された修正など、移行に関する過去の解決策の例をすくい上げ、困難な移行問題やこれまで解決できなかった移行問題に対する実用的なヒントを提供します。
- 移行の成功メトリクス: 実際の使用状況データから得た、各移行ルールの詳細な成功メトリクスを明らかにします。これらのメトリクスを IDE または自動化ツールで使用すると、Red Hat Developer Lightspeed for MTA により特定の移行問題またはインシデントを、コードセグメントを正常に解決できる “信頼性の度合い” または確率をユーザーに提示できます。
- エージェント型 AI (テクノロジープレビュー): エージェントモードでは、Red Hat Developer Lightspeed for MTA はコード内の問題に対してイテレーティブな解決策を作成します。提案された解決策を受け入れると、Developer Lightspeed はコードをスキャンして、受け入れられた解決策によって発生する可能性のある診断またはリンティングの問題を検索し、それらの問題を修正します。注記: Red Hat Developer Lightspeed for MTA の機能のサポートを受けるには、有効な Red Hat Advanced Developer Suite (RHADS) のサブスクリプションが必要です。(MTA-5738)
MTA は、移行元プラットフォームインスタンスからアプリケーションをインポートするためのプラットフォーム認識をサポートします
プラットフォーム認識を使用すると、移行元プラットフォームからアプリケーションを検出し、MTA アプリケーションインベントリーにインポートできます。MTA は、アプリケーションがデプロイされている移行元プラットフォーム内の座標によってアプリケーションを検出します。プラットフォーム認識を使用すると、アプリケーションのプラットフォームおよびランタイム設定を使用して、他のデプロイメントアセットの生成に使用できる検出マニフェストを作成できます。MTA 8.0.0 では、Cloud Foundry プラットフォームにデプロイされたアプリケーションを検出できます。
(MTA-4846)
MTA は、Web コンソールでのアプリケーション移行のためのアセット生成をサポートします
検出マニフェストを使用して、Web コンソールでアセットを生成し、Red Hat OpenShift または Kubernetes にアプリケーションをデプロイできます。アセット生成ワークフローには、ジェネレーター、ターゲットプロファイル、およびアーキタイプが含まれます。ジェネレーターは、アプリケーションマニフェスト設定を解析して、特定の種類のターゲットプラットフォーム用のデプロイメントアセットを作成します。ターゲットプロファイルでは、指定されたアーキタイプに対して 1 つ以上のジェネレーターを順番に実行できます。
(MTA-4847)
MTA CLI は、リモート CF インスタンスでのライブ検出の実行をサポートします。
この更新により、特定の Cloud Foundry (CF) クラスターに何がデプロイされているかを確認する場合に、ライブ検出を実行できるようになります。たとえば、クラスター内にあるアプリケーションの数を確認できます。ライブ検出は、マニフェスト YAML ファイルにアクセスできない場合にも使用できます。
詳細は、リモート CF インスタンスでのライブ検出の実行 を参照してください。
(MTA-4847)
MTA CLI は検出マニフェスト内の機密情報の秘匿化をサポートします
mta-cli discover cloud-foundry --conceal-sensitive-data コマンドを使用すると、Cloud Foundry (CF) 検出マニフェスト内のサービスや Docker 認証情報などの機密情報を秘匿化できます。このコマンドは次のファイルを生成します。
- 検出マニフェスト
- 秘匿化されたデータが含まれるファイル
詳細は、検出マニフェストで機密情報を秘匿化する を参照してください。
(MTA-4847)
MTA UI で分析の Insights を使用できます
分析の Insights には、アプリケーションで使用されるテクノロジーとコード内でのその使用状況に関する情報が含まれています。この更新前は、Insights 情報は、アプリケーション分析を実行した後の分析出力と静的レポートでのみ使用できました。この機能強化により、Migration Toolkit for Applications (MTA) ユーザーインターフェイス (UI) からも Insights 情報にアクセスできるようになりました。
(MTA-5420)
アプリケーション分析用の新しい VS Code IDE プラグイン
この機能強化により、次の機能を備えた新しい Visual Studio Code (VS Code) IDE プラグインを使用できるようになりました。
- 標準的なアプリケーション分析と問題検出
生成 AI (GenAI) 機能:
- 有効にすると、GenAI を使用して分析インシデントの解決策を見つけることができます。GenAI はデフォルトで有効になっています。
- 無効にすると、標準のアプリケーション分析を実行できます。
注記: 変更を適用するには、Gen AI 設定の変更後にサーバーを再起動する必要があります。
(MTA-5360)
MTA UI でデフォルト認証情報の設定がサポートされました
この更新前は、このアプリケーションを Migration Toolkit for Applications (MTA) ユーザーインターフェイス (UI) に追加またはインポートした後でなければ、アプリケーションに認証情報を手動で割り当てることができまませんでした。しかし、言語およびテクノロジーの検出タスクのために各アプリケーションの認証情報が必要な、大規模なアプリケーションセットをインポートする必要がある場合もあります。この更新により、認証情報を手動で定義する代わりに、認証情報が割り当てられていないアプリケーションに対してデフォルトで使用される認証情報を定義できます。
デフォルトの認証情報として設定できるのは、Maven またはソース管理の認証情報のみです。認証情報のタイプごとに定義できるデフォルトの認証情報セットは 1 つだけです。
詳細は、デフォルト認証情報の設定 を参照してください。
(MTA-5254)