2.7. VMware の前提条件
移行を加速するために、VDDK イメージの作成が強く推奨されます。詳細は、VDDK イメージの作成 を参照してください。
VMware の移行には、以下の前提条件が適用されます。
- 互換性のあるバージョン の VMware vSphere を使用している。
- 少なくとも最小限の VMware 権限 を持つユーザーとしてログインしている。
- VMware ツール をすべてのソース仮想マシン (VM) にインストールしている。
-
仮想マシンオペレーティングシステムが、OpenShift Virtualization のゲストオペレーティングシステム としての使用 および
virt-v2v
での KVM への変換 に対して認定およびサポートされている。 - ウォーム移行を実行している場合は、仮想マシンおよび仮想マシンディスクで 変更ブロックのトラッキング (CBT) を有効にしている。
- vCenter ホストの SHA-1 フィンガープリントを取得している。
- 同じ移行計画の ESXi ホストから 10 台を超える仮想マシンを移行する場合は、ホストの NFC サービスメモリーを増やしている。
- Migration Toolkit for Virtualization (MTV) は休止状態の仮想マシンの移行をサポートしていないため、休止状態を無効にすることを強く推奨する。
停電が発生した場合、休止状態が無効になっている仮想マシンのデータが失われる可能性があります。ただし、ハイバネーションが無効になっていない場合は移行に失敗します。
MTV も OpenShift Virtualization も、VMWare から仮想マシンを移行するための Btrfs の変換をサポートしていません。
VMware 権限
Migration Toolkit for Virtualization (MTV) を使用して仮想マシンを OpenShift Virtualization に移行するには、次の最小限の VMware 権限のセットが必要です。
特権 | 説明 |
---|---|
| |
| 電源がオンになっている仮想マシンの電源をオフにできます。この操作により、ゲストオペレーティングシステムの電源がオフになります。 |
| 電源がオフになっている仮想マシンの電源をオンにし、中断している仮想マシンを再開できます。 |
注記
すべての | |
| ランダムな読み取りおよび書き込みアクセスのために仮想マシンでディスクを開くことができます。主にリモートディスクマウントに使用されます。 |
| VMX、ディスク、ログ、NVRAM など、仮想マシンに関連付けられたファイルの操作を許可します。 |
| ランダムな読み取りアクセスのために仮想マシンでディスクを開くことができます。主にリモートディスクマウントに使用されます。 |
| VMX、ディスク、ログ、NVRAM など、仮想マシンに関連付けられたファイルの読み取り操作を許可します。 |
| VMX、ディスク、ログ、NVRAM など、仮想マシンに関連付けられたファイルの書き込み操作を許可します。 |
| テンプレートのクローンを作成できます。 |
| 既存の仮想マシンのクローン作成とリソースの割り当てを許可します。 |
| 仮想マシンから新しいテンプレートを作成できます。 |
| 仮想マシンを移行せずに、仮想マシンのゲストオペレーティングシステムをカスタマイズできます。 |
| テンプレートからの仮想マシンのデプロイメントを許可します。 |
| 既存の電源がオフになっている仮想マシンをテンプレートとしてマークできます。 |
| 既存のテンプレートを仮想マシンとしてマークできます。 |
| カスタマイズ仕様の作成、変更、または削除を許可します。 |
| 仮想マシンのディスクでのプロモート操作を許可します。 |
| カスタマイズ仕様の読み取りを許可します。 |
| |
| 仮想マシンの現在の状態からスナップショットを作成できます。 |
| スナップショット履歴からスナップショットを削除できます。 |
2.7.1. VDDK イメージの作成
Migration Toolkit for Virtualization (MTV) は、VMware Virtual Disk Development Kit (VDDK) SDK を使用して、VMware vSphere からの仮想ディスクの転送を高速化します。したがって、オプションではありますが、VDDK イメージを作成することを強く推奨します。
この機能を利用するには、VMware Virtual Disk Development Kit (VDDK) をダウンロードし、VDDK イメージをビルドして、VDDK イメージをイメージレジストリーにプッシュします。
VDDK パッケージにはシンボリックリンクが含まれているため、VDDK イメージの作成手順は、シンボリックリンク (symlink) を保持するファイルシステム上で実行する必要があります。
VDDK イメージをパブリックレジストリーに保存すると、VMware ライセンスの条項に違反する可能性があります。
前提条件
- Red Hat OpenShift イメージレジストリー
-
podman
がインストールされている。 - シンボリックリンク (symlink) を保存するファイルシステム上で作業している。
- 外部レジストリーを使用している場合、OpenShift Virtualization がこれにアクセスできる。
手順
一時ディレクトリーを作成し、これに移動します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow mkdir /tmp/<dir_name> && cd /tmp/<dir_name>
$ mkdir /tmp/<dir_name> && cd /tmp/<dir_name>
- ブラウザーで、VMware VDDK バージョン 8 ダウンロードページ に移動します。
バージョン 8.0.1 を選択し、Download をクリックします。
注記OpenShift Virtualization 4.12 に移行するには、VMware VDDK バージョン 7 ダウンロードページ から VDDK バージョン 7.0.3.2 をダウンロードします。
- VDDK アーカイブファイルを一時ディレクトリーに保存します。
VDDK アーカイブをデプロイメントします。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow tar -xzf VMware-vix-disklib-<version>.x86_64.tar.gz
$ tar -xzf VMware-vix-disklib-<version>.x86_64.tar.gz
Dockerfile
を作成します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow cat > Dockerfile <<EOF FROM registry.access.redhat.com/ubi8/ubi-minimal USER 1001 COPY vmware-vix-disklib-distrib /vmware-vix-disklib-distrib RUN mkdir -p /opt ENTRYPOINT ["cp", "-r", "/vmware-vix-disklib-distrib", "/opt"] EOF
$ cat > Dockerfile <<EOF FROM registry.access.redhat.com/ubi8/ubi-minimal USER 1001 COPY vmware-vix-disklib-distrib /vmware-vix-disklib-distrib RUN mkdir -p /opt ENTRYPOINT ["cp", "-r", "/vmware-vix-disklib-distrib", "/opt"] EOF
VDDK イメージをビルドします。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow podman build . -t <registry_route_or_server_path>/vddk:<tag>
$ podman build . -t <registry_route_or_server_path>/vddk:<tag>
VDDK イメージをレジストリーにプッシュします。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow podman push <registry_route_or_server_path>/vddk:<tag>
$ podman push <registry_route_or_server_path>/vddk:<tag>
- イメージが OpenShift Virtualization 環境からアクセスできることを確認します。
2.7.2. vCenter ホストの SHA-1 フィンガープリントの取得
Secret
CR を作成するには、vCenter ホストの SHA-1 フィンガープリントを取得する必要があります。
手順
以下のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow openssl s_client \ -connect <vcenter_host>:443 \ < /dev/null 2>/dev/null \ | openssl x509 -fingerprint -noout -in /dev/stdin \ | cut -d '=' -f 2
$ openssl s_client \ -connect <vcenter_host>:443 \
1 < /dev/null 2>/dev/null \ | openssl x509 -fingerprint -noout -in /dev/stdin \ | cut -d '=' -f 2
- 1
- vCenter ホストの IP アドレスまたは FQDN を指定します。
出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 01:23:45:67:89:AB:CD:EF:01:23:45:67:89:AB:CD:EF:01:23:45:67
01:23:45:67:89:AB:CD:EF:01:23:45:67:89:AB:CD:EF:01:23:45:67
2.7.3. ESXi ホストの NFC サービスメモリーの拡張
同じ移行計画の ESXi ホストから 10 台を超える仮想マシンを移行する場合は、ホストの NFC サービスメモリーを増やしている。有効にしないと、NFC サービスメモリーの同時接続は 10 台に制限されているため、移行に失敗します。
手順
- root として ESXi ホストにログインします。
/etc/vmware/hostd/config.xml
でmaxMemory
の値を1000000000
に変更します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ... <nfcsvc> <path>libnfcsvc.so</path> <enabled>true</enabled> <maxMemory>1000000000</maxMemory> <maxStreamMemory>10485760</maxStreamMemory> </nfcsvc> ...
... <nfcsvc> <path>libnfcsvc.so</path> <enabled>true</enabled> <maxMemory>1000000000</maxMemory> <maxStreamMemory>10485760</maxStreamMemory> </nfcsvc> ...
hostd
を再起動します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow /etc/init.d/hostd restart
# /etc/init.d/hostd restart
ホストを再起動する必要はありません。