6.5. 移行計画の作成
Red Hat OpenShift Web コンソールを使用して、移行計画を作成します。移行元プロバイダー、移行する仮想マシン (VM)、およびその他の計画の情報を指定します。
Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) 接続や Network File System (NFS) マウントなど、ゲストが開始するストレージ接続が指定された仮想マシンを含めないでください。これらには、移行前の追加の計画、または移行後の再設定が必要です。
これにより、ゲストが参照するストレージのディスクに同時にアクセスされないようにします。
プランには 500 台を超える仮想マシンまたは 500 台を超えるディスクを含めることはできません。
手順
Red Hat OpenShift Web コンソールで、Plans for virtualization、Create Plan の順にクリックします。
Create migration plan ウィザードが開き、Select source provider インターフェイスが表示されます。
移行する仮想マシンの移行元プロバイダーを選択します。
Select virtual machines インターフェイスが開きます。
移行する仮想マシンを選択し、Next をクリックします。
Create migration plan ペインが開きます。移行元プロバイダーの名前と、移行先プロバイダーと namespace、ネットワークマップ、ストレージマップに関する提案が表示されます。
- Plan name を入力します。
- Target provider、Target namespace、または Network map または Storage map の要素を変更するには、関連するリストから項目を選択します。
- Network map または Storage map を追加するには、+ 記号をクリックしてマッピングを追加します。
Create migration plan をクリックします。
MTV によって移行計画が検証されます。Plan details ページが開き、計画が使用可能かどうか、またはエラーが含まれているかどうかが示されます。
プランの詳細が表示され、前のページで入力した項目を編集できます。変更を加えると、MTV によってプランが再度検証されます。
このページの Settings セクションで、以下の項目を確認します。
Migration type: 移行のタイプ。デフォルトでは、MTV は移行タイプを
cold
に設定します。ウォーム移行の場合は、次の手順を実行します。
- Edit アイコンをクリックします。
- Whether this is a warm migration スイッチを切り替えます。
- Save をクリックします。
Transfer Network: 仮想マシンを OpenShift Virtualization に転送するために使用されるネットワーク。プロバイダーのデフォルトの転送ネットワークです。転送ネットワークが選択したターゲット namespace にあることを確認します。
転送ネットワークを編集するには、次の手順を実行します。
- Edit アイコンをクリックします。
- リストから別の転送ネットワークを選択します。
- Save をクリックします。
オプション: OpenShift Web コンソールで OpenShift ネットワークを設定するには、Networking > NetworkAttachmentDefinitions をクリックします。
OpenShift がサポートするさまざまなタイプのネットワークの詳細は、OpenShift Container Platform の追加のネットワーク を参照してください。
- オプション: OpenShift 転送ネットワークの最大転送単位 (MTU) を調整する場合は、VMware 移行ネットワークの MTU も変更する必要があります。詳細は、VMware 移行元プロバイダーの移行ネットワークの選択 を参照してください。
Target namespace: 移行されたすべての仮想マシンの宛先 namespace。デフォルトでは、宛先 namespace は現在の、またはアクティブな namespace です。
namespace を編集するには、次の手順を実行します。
- Edit アイコンをクリックします。
- 開いたウィンドウのリストから別のターゲット namespace を選択します。
- Save をクリックします。
Preserve static IPs: デフォルトでは、仮想ネットワークインターフェイスコントローラー (vNIC) は移行プロセス中に変更されます。その結果、ゲスト仮想マシンのインターフェイス名にリンクされた静的 IP で設定された vNIC は移行中に IP を失います。
静的 IP を保持するには、次の手順を実行します。
- Edit アイコンをクリックします。
- Whether to preserve the static IPs スイッチを切り替えます。
Save をクリックします。
その後、MTV は、vNIC プロパティーが欠落している仮想マシンに関する警告メッセージを発行します。欠落している vNIC プロパティーを取得するには、vSphere でそれらの仮想マシンを実行します。これにより、vNIC プロパティーが MTV に報告されます。
Disk decryption passphrases: Linux Unified Key Setup (LUKS) を使用して暗号化されたディスクの場合。
LUKS で暗号化されたデバイスの復号パスフレーズのリストを入力するには、次の手順を実行します。
- Edit アイコンをクリックします。
- パスフレーズを入力します。
Save をクリックします。
パスフレーズは特定の順序で入力する必要はありません。LUKS 暗号化デバイスごとに、MTV はデバイスのロックを解除するまで各パスフレーズを試みます。
Root device: マルチブートの仮想マシン移行のみに適用されます。デフォルトでは、MTV はルートデバイスとして検出された最初の起動可能なデバイスを使用します。
別の root デバイスを指定するには、次の手順を実行します。
- Root device の横にある Edit アイコンをクリックします。
- リストからデバイスを選択するか、テキストボックスにデバイスを入力します。
Save をクリックします。
MTV はディスクの場所に
/dev/sd<disk_identifier><disk_partition>
という形式を使用します。たとえば、2 番目のディスクがルートデバイスであり、オペレーティングシステムがディスクの 2 番目のパーティションにある場合、形式は/dev/sdb2
になります。起動デバイスを入力したら、Save をクリックします。指定した起動デバイスが正しくないために変換が失敗した場合は、変換 Pod のログを確認することで正確な情報を取得できます。
Shared disks: コールド移行にのみ適用されます。共有ディスクは、複数の仮想マシンにアタッチされ、multi-writer オプションを使用するディスクです。これらの特性があるため、共有ディスクの移行は困難です。デフォルトでは、MTV は共有ディスクを移行しません。
注記共有ディスクを移行すると、移行プロセスが遅くなる可能性があります。
移行計画で共有ディスクを移行するには、次の手順を実行します。
- Edit アイコンをクリックします。
- Migrate shared disks スイッチを切り替えます。
- Save をクリックします。
オプション: PVC name template: 計画に含まれる仮想マシンの永続ボリューム要求 (PVC) の名前テンプレートを指定します。
テンプレートは Go テンプレート構文に準拠し、次の変数にアクセスできます。
-
.VmName
: 仮想マシンの名前 -
.PlanName
: 移行計画の名前 -
.DiskIndex
: ディスクの初期ボリュームインデックス .RootDiskIndex
: ルートディスクのインデックス例
-
"{{.VmName}}-disk-{{.DiskIndex}}"
"{{if eq .DiskIndex .RootDiskIndex}}root{{else}}data{{end}}-{{.DiskIndex}}"
変数名は 63 文字以内でなければなりません。
計画に含まれるすべての仮想マシンの PVC 名テンプレートを指定するには、次の手順を実行します。
- Edit アイコンをクリックします。
- Enter custom naming template をクリックします。
- 指示に従ってテンプレートを入力します。
- Save をクリックします。
特定の仮想マシンに対してのみ PVC 名テンプレートを指定するには、次の手順を実行します。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択します。
-
仮想マシンの Options メニュー
をクリックします。
- Edit PVC name template を選択します。
- 指示に従ってテンプレートを入力します。
Save をクリックします。
重要Virtual Machines タブで行った変更は、Plan details ページで行った変更をオーバーライドします。
-
オプション: Volume name template: 計画に含まれる仮想マシンのボリュームインターフェイス名のテンプレートを指定します。
テンプレートは Go テンプレート構文に準拠し、次の変数にアクセスできます。
-
.PVCName
: このボリュームを使用して仮想マシンにマウントされた PVC の名前 .VolumeIndex
: ボリュームインターフェイスの連続インデックス (0-based)例
-
"disk-{{.VolumeIndex}}"
"pvc-{{.PVCName}}"
変数名は 63 文字以内でなければなりません。
計画内のすべての仮想マシンのボリューム名テンプレートを指定するには、次の手順を実行します。
- Edit アイコンをクリックします。
- Enter custom naming template をクリックします。
- 指示に従ってテンプレートを入力します。
- Save をクリックします。
特定の仮想マシンに対してのみ異なるボリューム名テンプレートを指定するには、次の手順を実行します。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択します。
-
仮想マシンの Options メニュー
をクリックします。
- Edit Volume name template を選択します。
- 指示に従ってテンプレートを入力します。
Save をクリックします。
重要Virtual Machines タブで行った変更は、Plan details ページで行った変更をオーバーライドします。
-
オプション: Network name template: 計画に含まれる仮想マシンのネットワークインターフェイス名のテンプレートを指定します。
テンプレートは Go テンプレート構文に準拠し、次の変数にアクセスできます。
-
.NetworkName
: ターゲットネットワークがmultus
の場合は、Multus ネットワーク接続定義の名前を追加します。それ以外の場合は、この変数を空のままにします。 -
.NetworkNamespace
: ターゲットネットワークがmultus
の場合、Multus ネットワーク接続定義が配置されている namespace を追加します。 -
.NetworkType
: ネットワークタイプ。オプション:multus
またはpod
。 .NetworkIndex
: ネットワークインターフェイスの連続インデックス (0-based)。例
-
"net-{{.NetworkIndex}}"
{{if eq .NetworkType "pod"}}pod{{else}}multus-{{.NetworkIndex}}{{end}}"
変数名は 63 文字以内でなければなりません。
計画に含まれるすべての仮想マシンのネットワーク名テンプレートを指定するには、次の手順を実行します。
- Edit アイコンをクリックします。
- Enter custom naming template をクリックします。
- 指示に従ってテンプレートを入力します。
- Save をクリックします。
特定の仮想マシンに対してのみ異なるネットワーク名テンプレートを指定するには、次の手順を実行します。
- Virtual Machines タブをクリックします。
- 仮想マシンを選択します。
-
仮想マシンの Options メニュー
をクリックします。
- Edit Network name template を選択します。
- 指示に従ってテンプレートを入力します。
Save をクリックします。
重要Virtual Machines タブで行った変更は、Plan details ページで行った変更をオーバーライドします。
-
計画が有効な場合、以下のいずれかを実行できます。
- Start migration をクリックして、すぐに計画を実行します。
- 後で Plans for virtualization ページで計画を選択し、移行計画の実行 の手順に従うことで、計画を実行します。
移行の開始後に仮想マシンのスナップショットを作成しないでください。移行の開始後にスナップショットを作成すると、移行が失敗する可能性があります。
VMware 7 仮想マシンを CentOS 7.9 を使用する OpenShift 4.13+ プラットフォームに移行すると、ネットワークインターフェイスの名前が変更され、仮想マシンの静的 IP 設定が機能しなくなります。