RHEL 7 で .NET を使い始める
多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ を参照してください。
Red Hat ドキュメントへのフィードバック (英語のみ)
弊社ドキュメントに対するご意見をお聞かせください。ドキュメントの改善点があればお知らせください。改善点を報告する場合は、以下のように行います。
特定の文章に簡単なコメントを記入する場合は、以下の手順を行います。
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- Component として Documentation を使用します。
- Description フィールドに、ドキュメントの改善に向けたご提案を記入してください。ドキュメントの該当部分へのリンクも追加してください。
- Submit Bug をクリックします。
第1章 .NET 6.0 の概要
.NET は、自動メモリー管理と最新のプログラミング言語を備えた汎用開発プラットフォームです。.NET を使用することで、ユーザーは高品質のアプリケーションを効率的に構築できます。.NET は、認定済みのコンテナーを介して Red Hat Enterprise Linux (RHEL) および OpenShift Container Platform で利用できます。
.NET には次の機能があります。
- マイクロサービスベースのアプローチに従う機能。一部のコンポーネントは .NET で構築され、他のコンポーネントは Java で構築されますが、すべてが RHEL および OpenShift Container Platform でサポートされている共通のプラットフォームで実行できます。
- Microsoft Windows で新しい .NET ワークロードをより簡単に開発する機能。RHEL または Windows Server のいずれかにアプリケーションをデプロイして実行できます。
- 異機種環境のデータセンター。基盤となるインフラストラクチャーが Windows Server にのみ依存することなく .NET アプリケーションを実行できます。
.NET 6.0 は、RHEL 7、RHEL 8、RHEL 9、および OpenShift Container Platform バージョン 3.11 以降でサポートされます。
第2章 .NET 6.0 のインストール
RHEL 7 に .NET をインストールするには、まず .NET ソフトウェアリポジトリーを有効にして scl
ツールをインストールする必要があります。
前提条件
割り当てられたサブスクリプションで RHEL 7 をインストールして登録します。
詳細は、システム登録およびサブスクリプションの割り当て を参照してください。
手順
.NET ソフトウェアリポジトリーを有効にします。
$ sudo subscription-manager repos --enable=rhel-7-variant-dotnet-rpms
実行している RHEL システム (RHEL 7 Server、RHEL 7 Workstation、または HPC Compute Node) に応じて、
server
、workstation
、またはhpc-node
に variant を置き換えます。システムに割り当てられているサブスクリプションの一覧を確認します。
$ sudo subscription-manager list --consumed
scl
ツールをインストールします。$ sudo yum install scl-utils -y
.NET 6.0 とそのすべての依存関係をインストールします。
$ sudo yum install rh-dotnet60 -y
rh-dotnet60
Software Collection 環境を有効にします。$ scl enable rh-dotnet60 bash
この
bash
シェルセッションでdotnet
コマンドを実行できるようになりました。ログアウト、別のシェルを使用するか、または新しいターミナルを開くと、
dotnet
コマンドが有効にならなくなります。警告Red Hat は、他のプログラムに影響を及ぼす可能性があるため、
rh-dotnet60
を永続的に有効にすることは推奨していません。rh-dotnet
を永続的に有効にする場合は、source scl_source enable rh-dotnet60
を~/.bashrc
ファイルに追加します。
検証手順
インストールを確認します。
$ dotnet --info
出力は、.NET インストールおよび環境の関連情報を返します。
第3章 .NET 6.0 を使用したアプリケーションの作成
C# hello-world
アプリケーションを作成する方法を学びます。
手順
my-app
という名前のディレクトリーに、新しい Console アプリケーションを作成します。$ dotnet new console --output my-app
返される出力は以下のとおりです。
The template "Console Application" was created successfully. Processing post-creation actions... Running 'dotnet restore' on my-app/my-app.csproj... Determining projects to restore... Restored /home/username/my-app/my-app.csproj (in 67 ms). Restore succeeded.
単純な
Hello World
コンソールアプリケーションが、テンプレートから作成されます。アプリケーションは指定のmy-app
ディレクトリーに保存されます。
検証手順
プロジェクトを実行します。
$ dotnet run --project my-app
返される出力は以下のとおりです。
Hello World!
第4章 .NET 6.0 でのアプリケーションの公開
.NET 6.0 アプリケーションを公開して、共有されたシステム全体で使用される .NET を使用するか、.NET を追加できます。
.NET 6.0 アプリケーションを公開するには、以下の方法があります。
- 単一ファイルアプリケーション: アプリケーションは自己完結型であり、1 つのバイナリーに依存関係ファイルをすべて含む、単一の実行可能ファイルとしてデプロイできます。
- フレームワーク依存デプロイメント (FDD): アプリケーションは、共有されたシステム全体の .NET バージョンを使用します。
RHEL にアプリケーションを公開する場合、Red Hat では FDD を使用することを推奨しています。これは、アプリケーションが、Red Hat が構築した最新バージョンの .NET を使用していることを保証するためです。これは、特定のネイティブ依存関係のセットを使用します。これらのネイティブライブラリーは、rh-dotnet60
Software Collection に含まれます。
-
SCD (自己完結型デプロイメント): アプリケーションには .NET が含まれます。この方法では、Microsoft が構築したランタイムを使用します。ネイティブライブラリーが使用できなくなるため、
rh-dotnet60
Software Collection 以外でアプリケーションを実行すると問題が発生する可能性があります。
前提条件
既存の .NET アプリケーション。
.NET アプリケーションの作成方法は、.NET を使用したアプリケーションの作成 を参照してください。
4.1. .NET アプリケーションの公開
以下の手順では、フレームワーク依存アプリケーションを公開する方法を概説します。
手順
フレームワーク依存アプリケーションを公開します。
$ dotnet publish my-app -f net6.0 -c Release
my-app は、公開するアプリケーションの名前に置き換えます。
任意: アプリケーションが RHEL 専用の場合は、次のコマンドを使用してその他のプラットフォームに必要な依存関係を削除します。
$ dotnet restore my-app -r rhel.7-x64 $ dotnet publish my-app -f net6.0 -c Release -r rhel.7-x64 --self-contained false
Software Collection を有効にし、アプリケーションを渡して、RHEL システムでアプリケーションを実行します。
$ scl enable rh-dotnet60 -- dotnet <app>.dll
scl enable rh-dotnet60 — dotnet <app>.dll
コマンドを、アプリケーションで公開されるスクリプトに追加できます。以下のスクリプトをプロジェクトに追加し、変数を更新します。
#!/bin/bash APP=<app> SCL=rh-dotnet60 DIR="$(dirname "$(readlink -f "$0")")" scl enable $SCL -- "$DIR/$APP" "$@"
パブリッシュ時にスクリプトを含めるには、この ItemGroup を
csproj
ファイルに追加します。<ItemGroup> <None Update="<scriptname>" Condition="'$(RuntimeIdentifier)' == 'rhel.7-x64' and '$(SelfContained)' == 'false'" CopyToPublishDirectory="PreserveNewest" /> </ItemGroup>
第5章 コンテナーでの .NET 6.0 アプリケーションの実行
ubi8/dotnet-60-runtime
イメージを使用して、Linux コンテナーで事前コンパイルされたアプリケーションを実行します。
前提条件
事前設定されたコンテナー。
以下の例では podman を使用しています。
手順
オプション: 別のプロジェクトのディレクトリーで作業しており、ネストされたプロジェクトの作成を希望しない場合は、プロジェクトの親ディレクトリーに戻ります。
# cd ..
mvc_runtime_example
という名前のディレクトリーに新しい MVC プロジェクトを作成します。$ dotnet new mvc --output mvc_runtime_example
プロジェクトを公開します。
$ dotnet publish mvc_runtime_example -f net6.0 -c Release
Dockerfile
を作成します。$ cat > Dockerfile <<EOF FROM registry.redhat.io/ubi8/dotnet-60-runtime ADD bin/Release/net6.0/publish/ . CMD ["dotnet", "mvc_runtime_example.dll"] EOF
イメージを構築します。
$ podman build -t dotnet-60-runtime-example .
イメージを実行します。
$ podman run -d -p8080:8080 dotnet-60-runtime-example
検証手順
コンテナーで実行されているアプリケーションを表示します。
$ xdg-open http://127.0.0.1:8080
第6章 OpenShift Container Platform での .NET 6.0 の使用
6.1. 概要
NET イメージは、s2i-dotnetcore からイメージストリーム定義をインポートすることで OpenShift に追加されます。
イメージストリーム定義には、サポートされる異なるバージョンの .NET の sdk イメージが含まれる dotnet
イメージストリームが含まれます。.NET Life Cycle は、サポートされているバージョンの最新の概要を提供します。
バージョン | タグ | エイリアス |
---|---|---|
.NET Core 3.1 | dotnet:3.1-el7 | dotnet:3.1 |
dotnet:3.1-ubi8 | ||
.NET 5 | dotnet:5.0-ubi8 | dotnet:5.0 |
.NET 6 | dotnet:6.0-ubi8 | dotnet:6.0 |
sdk イメージには、dotnet-runtime
イメージストリームで定義される対応するランタイムイメージがあります。
コンテナーイメージは、Red Hat Enterprise Linux と OpenShift の異なるバージョン間で機能します。
RHEL7 ベース (suffix -el7) は、registry.redhat.io
イメージリポジトリーでホストされます。これらのイメージをプルするには、認証が必要です。このような認証情報は、プルシークレットを OpenShift の namespace に追加して設定されます。
UBI-8 ベースのイメージ (suffix -ubi8) は registry.access.redhat.com
でホストされ、認証は必要ありません。
6.2. .NET イメージストリームのインストール
.NET イメージストリームをインストールするには、s2i-dotnetcore のイメージストリーム定義と OpenShift Client (oc
) バイナリーを使用してインストールされます。イメージストリームは、Linux、Mac、Windows からインストールできます。スクリプトを使用すると、イメージストリームのインストール、更新、または削除を行うことができます。
.NET イメージストリームは、グローバルな openshift
namespace で定義するか、プロジェクト namespace でローカルにストリームします。openshift
namespace の定義を更新するには、十分な権限が必要です。
6.2.1. OpenShift Client を使用したイメージストリームのインストール
OpenShift クライアント (oc
) を使用して .NET イメージストリームをインストールできます。
前提条件
- namespace に既存のプルシークレットが存在する。namespace にプルシークレットが存在しない場合は、Red Hat Container Registry Authentication の手順に従ってこれを追加します。
手順
利用可能な .NET イメージストリームの一覧を表示します。
$ oc describe is dotnet
出力には、インストールされているイメージが表示されます。イメージがインストールされていない場合は、
Error from server (NotFound)
メッセージが表示されます。Error from server (NotFound)
メッセージが表示される場合は、以下を行います。.NET イメージストリームをインストールします。
$ oc create -f https://raw.githubusercontent.com/redhat-developer/s2i-dotnetcore/master/dotnet_imagestreams.json
Error from server (NotFound)
メッセージが表示されない場合は、以下を行います。.NET イメージストリームがすでにインストールされている場合は、以下を実行して新しいバージョンを含めることができます。
$ oc replace -f https://raw.githubusercontent.com/redhat-developer/s2i-dotnetcore/master/dotnet_imagestreams.json
6.2.2. Linux および macOS へのイメージストリームのインストール
このスクリプト を使用して、Linux および macOS においてイメージストリームのインストール、アップグレード、または削除を行うことができます。
手順
スクリプトをダウンロードします。
Linux では、以下を使用します。
$ wget https://raw.githubusercontent.com/redhat-developer/s2i-dotnetcore/master/install-imagestreams.sh
Mac の場合は、以下を使用します。
$ curl https://raw.githubusercontent.com/redhat-developer/s2i-dotnetcore/master/install-imagestreams.sh -o install-imagestreams.sh
スクリプトを実行可能にします。
$ chmod +x install-imagestreams.sh
OpenShift クラスターにログインします。
$ oc login
イメージストリームをインストールし、
registry.redhat.io
に対して認証用のプルシークレットを追加します。./install-imagestreams.sh --os rhel [--user subscription_username --password subscription_password]
subscription_username はユーザーの名前に置き換え、subscription_password はユーザーのパスワードに置き換えます。RHEL7 ベースのイメージを使用する予定がない場合は、認証情報は省略できます。
プルシークレットが存在する場合は、
--user
と--password
引数は無視されます。
追加情報
-
./install-imagestreams.sh --help
6.2.3. Windows でのイメージストリームのインストール
このスクリプト を使用すると、Windows のイメージストリームのインストール、アップグレード、または削除を行うことができます。
手順
スクリプトをダウンロードします。
Invoke-WebRequest https://raw.githubusercontent.com/redhat-developer/s2i-dotnetcore/master/install-imagestreams.ps1 -UseBasicParsing -OutFile install-imagestreams.ps1
OpenShift クラスターにログインします。
$ oc login
イメージストリームをインストールし、
registry.redhat.io
に対して認証用のプルシークレットを追加します。.\install-imagestreams.ps1 --OS rhel [-User subscription_username -Password subscription_password]
subscription_username はユーザーの名前に置き換え、subscription_password はユーザーのパスワードに置き換えます。RHEL7 ベースのイメージを使用する予定がない場合は、認証情報は省略できます。
プルシークレットがすでに存在する場合は、
-User
と-Password
引数は無視されます。
PowerShell の ExecutionPolicy
では、このスクリプトの実行が禁止される場合があります。ポリシーを緩和するには、Set-ExecutionPolicy -Scope Process -ExecutionPolicy Bypass -Force
を実行します。
追加情報
-
Get-Help .\install-imagestreams.ps1
6.3. oc
を使用したソースからのアプリケーションのデプロイメント
次の例では、oc
を使用して example-app アプリケーションをデプロイする方法を示しています。このアプリケーションは、GitHub リポジトリー redhat-developer/s2i-dotnetcore-ex
の {dotnet-branch}
ブランチにある app
フォルダーにあります。
手順
新しい OpenShift プロジェクトを作成します。
$ oc new-project sample-project
ASP .NET Core アプリケーションを追加します。
$ oc new-app --name=example-app 'dotnet:6.0-ubi8~https://github.com/redhat-developer/s2i-dotnetcore-ex#{dotnet-branch}' --build-env DOTNET_STARTUP_PROJECT=app
ビルドの進捗を追跡します。
$ oc logs -f bc/example-app
ビルドが完了したら、デプロイされたアプリケーションを表示します。
$ oc logs -f dc/example-app
これで、プロジェクト内でアプリケーションにアクセスできます。
オプション: プロジェクトを外部からアクセス可能にします。
$ oc expose svc/example-app
共有可能な URL を取得します。
$ oc get routes
6.4. oc
を使用したバイナリーアーティファクトからアプリケーションのデプロイ
.NET Source-to-Image (S2I) ビルダーイメージを使用して、提供するバイナリーアーティファクトを使用してアプリケーションをビルドできます。
前提条件
公開済みアプリケーション。
詳細は、.NET 6.0 を使用したアプリケーションの公開 を参照してください。
手順
新しいバイナリービルドを作成します。
$ oc new-build --name=my-web-app dotnet:6.0-ubi8 --binary=true
ビルドを開始し、ローカルマシンのバイナリーアーティファクトへのパスを指定します。
$ oc start-build my-web-app --from-dir=bin/Release/net6.0/publish
新規アプリケーションを作成します。
$ oc new-app my-web-app
6.5. .NET 6.0 の環境変数
.NET イメージは、.NET アプリケーションのビルド動作を制御する複数の環境変数をサポートします。これらの変数はビルド設定の一部として設定したり、アプリケーションのソースコードリポジトリーの .s2i/environment
ファイルに追加できます。
変数名 | 説明 | デフォルト |
---|---|---|
DOTNET_STARTUP_PROJECT |
実行するプロジェクトを選択します。これは、プロジェクトファイル ( |
|
DOTNET_ASSEMBLY_NAME |
実行するアセンブリーを選択します。これには |
|
DOTNET_PUBLISH_READYTORUN |
|
|
DOTNET_RESTORE_SOURCES |
復元操作中に使用される NuGet パッケージソースのスペース区切り一覧を指定します。これにより、 | |
DOTNET_RESTORE_CONFIGFILE |
復元操作に使用される | |
DOTNET_TOOLS |
アプリをビルドする前にインストールする .NET ツールの一覧を指定します。 | |
DOTNET_NPM_TOOLS | アプリケーションをビルドする前にインストールする NPM パッケージの一覧を指定します。 | |
DOTNET_TEST_PROJECTS |
テストするテストプロジェクトの一覧を指定します。これは、プロジェクトファイルまたは、単一のプロジェクトファイルを含むディレクトリーである必要があります。各項目に対して | |
DOTNET_CONFIGURATION |
Debug モードまたは Release モードでアプリケーションを実行します。この値は、 |
|
DOTNET_VERBOSITY |
| |
HTTP_PROXY, HTTPS_PROXY | アプリケーションをビルドおよび実行するときにそれぞれ使用される HTTP または HTTPS プロキシーを設定します。 | |
DOTNET_RM_SRC |
| |
DOTNET_SSL_DIRS |
信頼する追加の SSL 証明書を含むディレクトリーまたはファイルの一覧を指定します。証明書は、ビルド中に実行する各プロセスと、ビルド後のイメージで実行するすべてのプロセス (ビルドされたアプリケーションを含む) により信頼されます。項目は、絶対パス ( | |
NPM_MIRROR | ビルドプロセス中にカスタム NPM レジストリーミラーを使用してパッケージをダウンロードします。 | |
ASPNETCORE_URLS |
この変数を | |
DOTNET_RESTORE_DISABLE_PARALLEL |
|
|
DOTNET_INCREMENTAL |
|
|
DOTNET_PACK |
|
6.6. MVC サンプルアプリケーションの作成
s2i-dotnetcore-ex
は、.NET のデフォルトの .NET Core Model、View、Controller (MVC) テンプレートアプリケーションです。
このアプリケーションは、.NET S2I イメージによってサンプルアプリケーションとして使用され、Try Example リンクを使用して OpenShift UI から直接作成できます。
アプリケーションは、OpenShift クライアントバイナリー (oc
) を使用して作成することもできます。
手順
oc
を使用してサンプルアプリケーションを作成するには、以下を行います。
.NET アプリケーションを追加します。
$ oc new-app dotnet:6.0-ubi8~https://github.com/redhat-developer/s2i-dotnetcore-ex#{dotnet-branch} --context-dir=app
アプリケーションによる外部アクセスを可能にします。
$ oc expose service s2i-dotnetcore-ex
共有可能な URL を取得します。
$ oc get route s2i-dotnetcore-ex
6.7. CRUD サンプルアプリケーションの作成
s2i-dotnetcore-persistent-ex
は、PostgreSQL データベースにデータを格納する単純な Create、Read、Update、Delete (CRUD) の .NET Core Web アプリケーションです。
手順
oc
を使用してサンプルアプリケーションを作成するには、以下を行います。
データベースを追加します。
$ oc new-app postgresql-ephemeral
.NET アプリケーションを追加します。
$ oc new-app dotnet:6.0-ubi8~https://github.com/redhat-developer/s2i-dotnetcore-persistent-ex#{dotnet-branch} --context-dir app
postgresql
シークレットおよびデータベースサービス名環境変数から環境変数を追加します。$ oc set env dc/s2i-dotnetcore-persistent-ex --from=secret/postgresql -e database-service=postgresql
アプリケーションによる外部アクセスを可能にします。
$ oc expose service s2i-dotnetcore-persistent-ex
共有可能な URL を取得します。
$ oc get route s2i-dotnetcore-persistent-ex
第7章 以前のバージョンの .NET からの移行
7.1. 以前のバージョンの .NET からの移行
Microsoft 社は、ほとんどの以前の .NET Core バージョンから移行する手順を提供します。
サポート対象外になったバージョンの .NET を使用している場合や、新しいバージョンの .NET に移行して機能を拡張する場合は、以下のアーティクルを参照してください。
.NET Core 1.x から 2.0 に移行する場合は、Migrate from ASP.NET Core 1.x to 2.0 の最初のいくつかのセクションを参照してください。これらのセクションでは、.NET Core 1.x から 2.0 への移行パスに適した概略を説明しています。
7.2. .NET Framework からの移植
.NET Framework から移行する場合は、次の Microsoft の記事を参照してください。
- 一般的なガイドラインは、Porting to .NET Core from .NET Framework を参照してください。
- ライブラリーの移植は、Porting to .NET Core - Libraries を参照してください。
- ASP.NET Core への移行は、Migrating to ASP.NET Core を参照してください。
.NET Framework に存在するいくつかの技術と API は、.NET Core および .NET では使用できません。アプリケーションまたはライブラリーにこれらの API が必要な場合は、代わりの方法を検討するか、.NET Framework の使用を継続してください。.NET Core および .NET では、次の技術と API はサポートされません。
- Windows Forms や WPF (Windows Presentation Foundation) などのデスクトップアプリケーション
- Windows Communication Foundation (WCF) サーバー (WCF クライアントがサポートされています)
- .NET リモート処理
さらに、多くの .NET API は、Microsoft Windows 環境でのみ使用できます。次の一覧では、この Windows 固有の API の例を示しています。
-
Microsoft.Win32.Registry
-
System.AppDomains
-
System.Drawing
-
System.Security.Principal.Windows
.NET のデフォルトバージョンでサポートされない一部の API は、Microsoft.Windows.Compatibility NuGet パッケージで利用できます。この NuGet パッケージを使用するときは注意してください。提供されている API の一部 (Microsoft.Win32.Registry
など) は Windows でのみ動作するため、アプリケーションは Red Hat Enterprise Linux と互換性がありません。