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第10章 クラスターローダーの使用

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10.1. クラスターローダーの機能

クラスターローダーとは、クラスターに対してさまざまなオブジェクトを多数デプロイするツールであり、ユーザー定義のクラスターオブジェクトを作成します。クラスターローダーをビルド、設定、実行して、さまざまなクラスターの状態にある OpenShift Container Platform デプロイメントのパフォーマンスメトリクスを測定します。

10.2. クラスターローダーのインストール

クラスターローダーは atomic-openshift-tests パッケージに含まれます。これをインストールするには、以下を実行します。

$ yum install atomic-openshift-tests

インストールが終わると、テスト用の実行ファイル extended.test/usr/libexec/atomic-openshift/extended.test に配置されます。

10.3. クラスターローダーの実行

  1. KUBECONFIG 変数は、管理者 kubeconfig の場所に設定します。

    $ export KUBECONFIG=${KUBECONFIG-$HOME/.kube/config}
  2. 組み込まれているテスト設定を使用してクラスターローダーを実行し、5 つのテンプレートビルドをデプロイして、デプロイメントが完了するまで待ちます。

    $ cd /usr/libexec/atomic-openshift/
    ./extended.test --ginkgo.focus="Load cluster"

    または --viper-config のフラグを追加して、ユーザー定義の設定でクラスターローダーを実行します。

    $ ./extended.test --ginkgo.focus="Load cluster" --viper-config=config/test 1
    1
    この例では、config/ というサブディレクトリーに test.yml ファイルが配置されています。コマンドラインでは、ファイルタイプと拡張子はツールが自動的に判断するので、設定ファイルを拡張子なしで実行します。

10.4. クラスターローダーの設定

複数のテンプレートや Pod を含む、namespaces (プロジェクト) を複数作成します。

クラスターローダーの設定ファイルを config/ サブディレクトリーに配置します。これらの設定ファイルで参照される Pod ファイルとテンプレートファイルは、content/ サブディレクトリーにあります。

10.4.1. 設定フィールド

表10.1 クラスターローダーの最上位のフィールド
フィールド説明

cleanup

true または false に設定します。設定ごとに 1 つの定義を設定します。true に設定すると、cleanup は、テストの最後にクラスターローダーが作成した namespaces (プロジェクト) すべてを削除します。

projects

1 つまたは多数の定義が指定されたサブオブジェクト。projects の配下に、作成する各 namespace が定義され、projects には必須のサブヘッダーが複数指定されています。

tuningset

設定ごとに 1 つの定義が指定されたサブオブジェクト。tuningset では、チューニングセットを定義して、プロジェクトやオブジェクト作成に対して設定可能なタイミングを追加することができます (Pod、テンプレートなど)。

sync

設定ごとに 1 つの定義が指定されたオプションのサブオブジェクト。オブジェクト作成時に同期できるかどうかを追加します。

表10.2 projects の配下のフィールド
フィールド説明

num

整数。作成するプロジェクト数の 1つの定義。

basename

文字列。プロジェクトのベース名の定義。競合が発生しないように、同一の namespaces の数が Basename に追加されます。

tuning

文字列。オブジェクトに適用するチューニングセットの 1 つの定義。これは対象の namespace にデプロイします。

configmaps

キーと値のペア一覧。キーは ConfigMap の名前で、値はこの ConfigMap の作成元のファイルへのパスです。

secrets

キーと値のペア一覧。キーはシークレットの名前で、値はこのシークレットの作成元のファイルへのパスです。

pods

デプロイする Pod の 1 つまたは多数の定義を持つサブオブジェクト

templates

デプロイするテンプレートの 1 つまたは多数の定義を持つサブオブジェクト

表10.3 pods および templates のフィールド
フィールド説明

total

このフィールドは使用しません。

num

整数。デプロイする Pod またはテンプレート数。

image

文字列。プルが可能なリポジトリーに対する Docker イメージの URL。

basename

文字列。作成するテンプレート (または Pod) のベース名の 1 つの定義。

file

文字列。ローカルファイルへのパス。作成する PodSpec またはテンプレートのいずれかです。

parameters

キーと値のペア。parameters の配下で、Pod またはテンプレートでオーバーライドする値の一覧を指定できます。

表10.4 tuningset の配下のフィールド
フィールド説明

name

文字列。チューニングセットの名前。プロジェクトのチューニングを定義する時に指定した名前と一致します。

pods

Pod に適用される tuningset を識別するサブオブジェクト

templates

テンプレートに適用される tuningset を識別するサブオブジェクト

表10.5 tuningset pods または tuningset templates の配下のフィールド
フィールド説明

stepping

サブオブジェクト。ステップ作成パターンでオブジェクトを作成する場合に使用するステップ設定。

rate_limit

サブオブジェクト。オブジェクト作成速度を制限するための速度制限チューニングセットの設定。

表10.6 tuningset pods または tuningset templates、stepping の配下のフィールド
フィールド説明

stepsize

整数。オブジェクト作成を一時停止するまでに作成するオブジェクト数。

pause

整数。stepsize で定義したオブジェクト数を作成後に一時停止する秒数。

timeout

整数。オブジェクト作成に成功しなかった場合に失敗するまで待機する秒数。

delay

整数。次の作成要求まで待機する時間 (ミリ秒)。

表10.7 sync の配下のフィールド
フィールド説明

server

enabled および port フィールドを持つサブオブジェクト。ブール値 enabled を指定すると、Pod を同期するために HTTP サーバーを起動するかどうか定義します。port の整数はリッスンする HTTP サーバーポートを定義します (デフォルトでは 9090)。

running

ブール値。selectors に一致するラベルが指定された Pod が Running の状態になるまで待機します。

succeeded

ブール値。selectors に一致するラベルが指定された Pod が Completed の状態になるまで待機します。

selectors

Running または Completed の状態の Pod に一致するセレクター一覧

timeout

文字列。Running または Completed の状態の Pod を待機してから同期をタイムアウトするまでの時間。0 以外の値は、単位 [ns|us|ms|s|m|h] を使用してください。

10.4.2. クラスターローダー設定ファイルの例

クラスターローダーの設定ファイルは基本的な YAML ファイルです。

provider: local 1
ClusterLoader:
  cleanup: true
  projects:
    - num: 1
      basename: clusterloader-cakephp-mysql
      tuning: default
      templates:
        - num: 1
          file: ./examples/quickstarts/cakephp-mysql.json

    - num: 1
      basename: clusterloader-dancer-mysql
      tuning: default
      templates:
        - num: 1
          file: ./examples/quickstarts/dancer-mysql.json

    - num: 1
      basename: clusterloader-django-postgresql
      tuning: default
      templates:
        - num: 1
          file: ./examples/quickstarts/django-postgresql.json

    - num: 1
      basename: clusterloader-nodejs-mongodb
      tuning: default
      templates:
        - num: 1
          file: ./examples/quickstarts/nodejs-mongodb.json

    - num: 1
      basename: clusterloader-rails-postgresql
      tuning: default
      templates:
        - num: 1
          file: ./examples/quickstarts/rails-postgresql.json

  tuningset: 2
    - name: default
      pods:
        stepping: 3
          stepsize: 5
          pause: 0 s
        rate_limit: 4
          delay: 0 ms
1
エンドツーエンドテストのオプション設定。local に設定して、過剰に長いログメッセージを回避します。
2
このチューニングセットでは、速度制限やステップ設定、複数の Pod バッチ作成、セット間での一時停止などが可能になります。クラスターローダーは、以前のステップが完了したことをモニタリングしてから、続行します。
3
ステップでは、オブジェクトが N 個作成されてから、M 秒間一時停止します。
4
速度制限は、次のオブジェクトを作成するまで M ミリ秒間待機します。
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