第3章 Red Hat build of OpenTelemetry の設定とデプロイ


Red Hat build of OpenTelemetry Operatorは、Red Hat build of OpenTelemetry リソースを作成およびデプロイするときに使用されるアーキテクチャーと設定を定義するカスタムリソース定義 (CRD) ファイルを使用します。デフォルト設定をインストールするか、ファイルを変更できます。

3.1. OpenTelemetry Collector 設定オプション

OpenTelemetry Collector は、テレメトリーデータにアクセスする 5 種類のコンポーネントで構成されます。

レシーバー
レシーバー (プッシュまたはプルベース) は、データが Collector に到達する方法です。通常、レシーバーは指定された形式のデータを受け入れて内部形式に変換し、それを適用可能なパイプラインで定義されるプロセッサーおよびエクスポーターに渡します。デフォルトでは、レシーバーは設定されていません。1 つまたは複数のレシーバーを設定する必要があります。レシーバーは 1 つまたは複数のデータソースをサポートする場合があります。
プロセッサー
オプション: プロセッサーは、データを受信してからエクスポートするまでにデータを処理します。デフォルトでは、プロセッサーは有効になっていません。プロセッサーは、すべてのデータソースに対して有効にする必要があります。すべてのプロセッサーがすべてのデータソースをサポートするわけではありません。データソースによっては、複数のプロセッサーが有効になっている可能性があります。プロセッサーの順序が重要であることに注意してください。
エクスポーター
エクスポーター (プッシュまたはプルベース) は、データを 1 つ以上のバックエンドまたは宛先に送信する方法です。デフォルトでは、エクスポーターは設定されていません。1 つまたは複数のエクスポーターを設定する必要があります。エクスポーターは 1 つ以上のデータソースをサポートできます。エクスポーターはデフォルト設定で使用できますが、多くの場合、少なくとも宛先およびセキュリティー設定を指定するための設定が必要です。
コネクター
コネクターは 2 つのパイプラインを接続します。1 つのパイプラインの終了時にエクスポーターとしてデータを消費し、別のパイプラインの開始時にレシーバーとしてデータを出力します。同じまたは異なるデータ型のデータを消費および出力できます。データを生成および出力して、消費されたデータを要約することも、単にデータを複製またはルーティングすることもできます。
エクステンション
エクステンションにより、Collector に機能が追加されます。たとえば、認証をレシーバーとエクスポーターに自動的に追加できます。

カスタムリソース YAML ファイルで、コンポーネントのインスタンスを複数定義できます。コンポーネントは、設定した後に YAML ファイルの spec.config.service セクションで定義されたパイプラインで有効にする必要があります。ベストプラクティスとしては、必要なコンポーネントのみを有効にします。

OpenTelemetry Collector カスタムリソースファイルの例

apiVersion: opentelemetry.io/v1alpha1
kind: OpenTelemetryCollector
metadata:
  name: cluster-collector
  namespace: tracing-system
spec:
  mode: deployment
  observability:
    metrics:
      enableMetrics: true
  config: |
    receivers:
      otlp:
        protocols:
          grpc:
          http:
    processors:
    exporters:
      otlp:
        endpoint: jaeger-production-collector-headless.tracing-system.svc:4317
        tls:
          ca_file: "/var/run/secrets/kubernetes.io/serviceaccount/service-ca.crt"
      prometheus:
        endpoint: 0.0.0.0:8889
        resource_to_telemetry_conversion:
          enabled: true # by default resource attributes are dropped
    service: 
1

      pipelines:
        traces:
          receivers: [otlp]
          processors: []
          exporters: [jaeger]
        metrics:
          receivers: [otlp]
          processors: []
          exporters: [prometheus]
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1
コンポーネントが設定されていても、service セクションで定義されていない場合、そのコンポーネントは有効になりません。
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表3.1 Operator が OpenTelemetry Collector を定義するために使用するパラメーター
パラメーター説明デフォルト
receivers:
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レシーバーは、データが Collector に到達する方法です。デフォルトでは、レシーバーは設定されていません。設定が有効とみなされるためには、少なくとも 1 つの有効なレシーバーが必要です。レシーバーは、パイプラインに追加して有効にされます。

otlpjaegerprometheuszipkinkafkaopencensus

None

processors:
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プロセッサーは、データの受信とエクスポートの間にデータを処理します。デフォルトでは、プロセッサーは有効になっていません。

batchmemory_limiterresourcedetectionattributesspank8sattributesfilterrouting

None

exporters:
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エクスポーターは、1 つ以上のバックエンドまたは宛先にデータを送信します。デフォルトでは、エクスポーターは設定されていません。設定が有効とみなされるためには、少なくとも 1 つの有効なエクスポーターが必要です。エクスポーターは、パイプラインに追加して有効にされます。エクスポーターはデフォルト設定で使用できますが、多くの場合、少なくとも宛先およびセキュリティー設定を指定するための設定が必要です。

otlpotlphttpdebugprometheuskafka

None

connectors:
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コネクターはパイプラインのペアを結合します。つまり、パイプラインの終わりのエクスポーターとしてデータを消費し、パイプラインの開始レシーバーとしてデータを出力します。これを使用して、消費されたデータを要約、複製、またはルーティングすることができます。

spanmetrics

None

extensions:
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テレメトリーデータの処理を含まないタスク用のオプションのコンポーネント。

bearertokenauthoauth2clientjaegerremotesamplinpprofhealth_checkmemory_ballastzpages

None

service:
  pipelines:
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コンポーネントは、それらを services.pipeline セクションのパイプラインに追加して有効にされます。

  
service:
  pipelines:
    traces:
      receivers:
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レシーバーは、それらを service.pipelines.traces セクションに追加してトレース用に有効にします。

 

None

service:
  pipelines:
    traces:
      processors:
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プロセッサーは、それらを service.pipelines.traces セクションに追加してトレース用に有効にします。

 

None

service:
  pipelines:
    traces:
      exporters:
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エクスポーターは、それらを service.pipelines.traces セクションに追加してトレース用に有効にします。

 

None

service:
  pipelines:
    metrics:
      receivers:
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メトリクスのレシーバーを有効にするには、service.pipelines.metrics の下に追加します。

 

None

service:
  pipelines:
    metrics:
      processors:
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メトリクスのプロセッサーを有効にするには、service.pipelines.metrics の下に追加します。

 

None

service:
  pipelines:
    metrics:
      exporters:
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メトリクスのエクスポーターを有効にするには、service.pipelines.metrics の下に追加します。

 

None

3.1.1. OpenTelemetry Collector コンポーネント

3.1.1.1. レシーバー

レシーバーはデータをCollector に入れます。

3.1.1.1.1. OTLP レシーバー

OTLP レシーバーは、OpenTelemetry Protocol (OTLP) を使用してトレースとメトリクスを取り込みます。

OTLP レシーバーが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    receivers:
      otlp:
        protocols:
          grpc:
            endpoint: 0.0.0.0:4317 
1

            tls: 
2

              ca_file: ca.pem
              cert_file: cert.pem
              key_file: key.pem
              client_ca_file: client.pem 
3

              reload_interval: 1h 
4

          http:
            endpoint: 0.0.0.0:4318 
5

            tls: 
6


    service:
      pipelines:
        traces:
          receivers: [otlp]
        metrics:
          receivers: [otlp]
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1
OTLP gRPC エンドポイント。省略した場合、デフォルトの 0.0.0.0:4317 が使用されます。
2
サーバー側の TLS 設定。TLS 証明書へのパスを定義します。省略した場合、TLS は無効になります。
3
サーバーがクライアント証明書を検証する TLS 証明書へのパス。これにより、TLSConfigClientCAs および ClientAuth の値が RequireAndVerifyClientCert に設定されます。詳細は、Config of the Golang TLS package を参照してください。
4
証明書をリロードする間隔を指定します。この値が設定されていない場合、証明書はリロードされません。reload_interval は、nsus (または µs)、mssmh などの有効な時間単位を含む文字列を受け入れます。
5
OTLP HTTP エンドポイント。デフォルト値は 0.0.0.0:4318 です。
6
サーバー側の TLS 設定。詳細は、grpc プロトコル設定セクションを参照してください。
3.1.1.1.2. Jaeger レシーバー

Jaeger レシーバーは、Jaeger 形式でトレースを取り込みます。

Jaeger レシーバーが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    receivers:
      jaeger:
        protocols:
          grpc:
            endpoint: 0.0.0.0:14250 
1

          thrift_http:
            endpoint: 0.0.0.0:14268 
2

          thrift_compact:
            endpoint: 0.0.0.0:6831 
3

          thrift_binary:
            endpoint: 0.0.0.0:6832 
4

          tls: 
5


    service:
      pipelines:
        traces:
          receivers: [jaeger]
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1
Jaeger gRPC エンドポイント。省略した場合、デフォルトの 0.0.0.0:14250 が使用されます。
2
Jaeger Thrift HTTP エンドポイント。省略した場合、デフォルトの 0.0.0.0:14268 が使用されます。
3
Jaeger Thrift Compact エンドポイント。省略した場合、デフォルトの 0.0.0.0:6831 が使用されます。
4
Jaeger Thrift Binary エンドポイント。省略した場合、デフォルトの 0.0.0.0:6832 が使用されます。
5
サーバー側の TLS 設定。詳細は、OTLP レシーバー設定セクションを参照してください。
3.1.1.1.3. Prometheus レシーバー

Prometheus レシーバーは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Prometheus レシーバーはメトリクスエンドポイントをスクレイプします。

Prometheus レシーバーが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    receivers:
        prometheus:
          config:
            scrape_configs: 
1

              - job_name: 'my-app'  
2

                scrape_interval: 5s 
3

                static_configs:
                  - targets: ['my-app.example.svc.cluster.local:8888'] 
4

    service:
      pipelines:
        metrics:
          receivers: [prometheus]
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1
Prometheus 形式を使用して設定をスクレイプします。
2
Prometheus のジョブ名。
3
メトリクスデータをスクレイプする間隔。時間単位を受け入れます。デフォルト値は 1m です。
4
メトリクスが公開されるターゲット。この例では、example プロジェクトの my-app アプリケーションからメトリクスをスクレイプします。
3.1.1.1.4. Zipkin レシーバー

Zipkin レシーバーは、Zipkin v1 および v2 形式でトレースを取り込みます。

Zipkin レシーバーが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    receivers:
      zipkin:
        endpoint: 0.0.0.0:9411 
1

        tls: 
2


    service:
      pipelines:
        traces:
          receivers: [zipkin]
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1
Zipkin HTTP エンドポイント。省略した場合、デフォルトの 0.0.0.0:9411 が使用されます。
2
サーバー側の TLS 設定。詳細は、OTLP レシーバー設定セクションを参照してください。
3.1.1.1.5. Kafka レシーバー

Kafka レシーバーは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Kafka レシーバーは、Kafka からトレース、メトリクス、ログを OTLP 形式で受信します。

Kafka レシーバーが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    receivers:
      kafka:
        brokers: ["localhost:9092"] 
1

        protocol_version: 2.0.0 
2

        topic: otlp_spans 
3

        auth:
          plain_text: 
4

            username: example
            password: example
          tls: 
5

            ca_file: ca.pem
            cert_file: cert.pem
            key_file: key.pem
            insecure: false 
6

            server_name_override: kafka.example.corp 
7

    service:
      pipelines:
        traces:
          receivers: [kafka]
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1
Kafka ブローカーのリスト。デフォルトは localhost:9092 です。
2
Kafka プロトコルのバージョン。たとえば、2.0.0 などです。これは必須フィールドです。
3
読み取り元の Kafka トピックの名前。デフォルトは otlp_spans です。
4
平文認証設定。省略した場合、平文認証は無効になります。
5
クライアント側の TLS 設定。TLS 証明書へのパスを定義します。省略した場合、TLS 認証は無効になります。
6
サーバーの証明書チェーンとホスト名の検証を無効にします。デフォルトは false です。
7
ServerName は、仮想ホスティングをサポートするためにクライアントによって要求されたサーバーの名前を示します。
3.1.1.1.6. OpenCensus レシーバー

OpenCensus レシーバーは、OpenCensus プロジェクトとの下位互換性を提供し、インストルメント化されたコードベースの移行を容易にします。gRPC または HTTP および Json を介して OpenCensus 形式でメトリクスとトレースを受信します。

OpenCensus レシーバーが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    receivers:
      opencensus:
        endpoint: 0.0.0.0:9411 
1

        tls: 
2

        cors_allowed_origins: 
3

          - https://*.<example>.com
    service:
      pipelines:
        traces:
          receivers: [opencensus]
          ...
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1
OpenCensus エンドポイント。省略した場合、デフォルトは 0.0.0.0:55678 です。
2
サーバー側の TLS 設定。詳細は、OTLP レシーバー設定セクションを参照してください。
3
HTTP JSON エンドポイントを使用して、オプションで CORS を設定することもできます。これは、このフィールドで許可される CORS オリジンのリストを指定することで有効になります。* を含むワイルドカードは、cors_allowed_origins で受け入れられます。任意のオリジンと一致させるには、* のみを入力します。

3.1.1.2. プロセッサー

プロセッサーは、データの受信とエクスポートの間にデータを処理します。

3.1.1.2.1. Batch プロセッサー

Batch プロセッサーは、トレースとメトリクスをバッチ処理して、テレメトリー情報の転送に必要な発信接続の数を減らします。

Batch プロセッサーを使用する場合の OpenTelemetry Collector カスタムリソースの例

  config: |
    processor:
      batch:
        timeout: 5s
        send_batch_max_size: 10000
    service:
      pipelines:
        traces:
          processors: [batch]
        metrics:
          processors: [batch]
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Expand
表3.2 Batch プロセッサーで使用されるパラメーター
パラメーター説明デフォルト
timeout
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バッチサイズに関係なく、特定の期間後にバッチを送信します。

200ms

send_batch_size
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指定された数のスパンまたはメトリクスの後に、Telemetry データのバッチを送信します。

8192

send_batch_max_size
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バッチの最大許容サイズ。send_batch_size 以上である必要があります。

0

metadata_keys
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アクティブにすると、client.Metadata で見つかった一意の値セットごとにバッチャーインスタンスが作成されます。

[]

metadata_cardinality_limit
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metadata_keys を設定すると、プロセス中に処理されるメタデータのキーと値の組み合わせの数が制限されます。

1000

3.1.1.2.2. Memory Limiter プロセッサー

Memory Limiter プロセッサーは、Collector のメモリー使用量を定期的にチェックし、ソフトメモリーリミットに達するとデータ処理を一時停止します。このプロセッサーは、トレース、メトリクス、およびログをサポートします。先行コンポーネント (通常はレシーバー) は、同じデータの送信を再試行することが想定されており、受信データにバックプレッシャーを適用する場合があります。メモリー使用量がハードリミットを超えると、Memory Limiter プロセッサーによってガベージコレクションが強制的に実行されます。

Memory Limiter プロセッサーを使用する場合の OpenTelemetry Collector カスタムリソースの例

  config: |
    processor:
      memory_limiter:
        check_interval: 1s
        limit_mib: 4000
        spike_limit_mib: 800
    service:
      pipelines:
        traces:
          processors: [batch]
        metrics:
          processors: [batch]
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表3.3 Memory Limiter プロセッサーによって使用されるパラメーター
パラメーター説明デフォルト
check_interval
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メモリー使用量の測定間の時間。最適な値は 1s です。トラフィックが急増するパターンの場合は、check_interval を減らすか、spike_limit_mib を増やすことができます。

0s

limit_mib
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ハードリミット。ヒープに割り当てられるメモリーの最大量 (MiB 単位)。通常、OpenTelemetry Collector の合計メモリー使用量は、この値より約 50 MiB 大きくなります。

0

spike_limit_mib
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スパイクリミット。これは、予想されるメモリー使用量の最大スパイク (MiB 単位) です。最適な値は、limit_mib の約 20% です。ソフトリミットを計算するには、limit_mib から spike_limit_mib を減算します。

limit_mib の 20%

limit_percentage
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limit_mib と同じですが、使用可能な合計メモリーのパーセンテージとして表されます。limit_mib 設定は、この設定よりも優先されます。

0

spike_limit_percentage
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spike_limit_mib と同じですが、使用可能な合計メモリーのパーセンテージとして表されます。limit_percentage 設定と併用することを目的としています。

0

3.1.1.2.3. Resource Detection プロセッサー

Resource Detection プロセッサーは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Resource Detection プロセッサーは、OpenTelemetry のリソースセマンティック標準に合わせて、ホストリソースの詳細を識別します。検出された情報を使用して、テレメトリーデータ内のリソース値を追加または置換できます。このプロセッサーはトレース、メトリクスをサポートしており、Docket メタデータディテクターや OTEL_RESOURCE_ATTRIBUTES 環境変数ディテクターなどの複数のディテクターと併用できます。

Resource Detection プロセッサーに必要な OpenShift Container Platform の権限

kind: ClusterRole
metadata:
  name: otel-collector
rules:
- apiGroups: ["config.openshift.io"]
  resources: ["infrastructures", "infrastructures/status"]
  verbs: ["get", "watch", "list"]
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Resource Detection プロセッサーを使用する OpenTelemetry Collector

  config: |
    processor:
      resourcedetection:
        detectors: [openshift]
        override: true
    service:
      pipelines:
        traces:
          processors: [resourcedetection]
        metrics:
          processors: [resourcedetection]
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環境変数ディテクターを備えた Resource Detection Processor を使用する OpenTelemetry Collector

  config: |
    processors:
      resourcedetection/env:
        detectors: [env] 
1

        timeout: 2s
        override: false
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1
使用するディテクターを指定します。この例では、環境ディテクターが指定されています。
3.1.1.2.4. Attributes プロセッサー

Attributes プロセッサーは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Attributes プロセッサーは、スパン、ログ、またはメトリクスの属性を変更できます。入力データをフィルタリングして照合し、特定のアクションに対してそのようなデータを含めたり除外したりするようにこのプロセッサーを設定できます。

プロセッサーはアクションのリストを操作し、設定で指定された順序でアクションを実行します。次のアクションがサポートされています。

Insert
指定されたキーがまだ存在しない場合は、入力データに新しい属性を挿入します。
Update
キーがすでに存在する場合は、入力データの属性を更新します。
Upsert
挿入アクションと更新アクションを組み合わせます。キーがまだ存在しない場合は、新しい属性を挿入します。キーがすでに存在する場合は属性を更新します。
Delete
入力データから属性を削除します。
Hash
既存の属性値を SHA1 としてハッシュします。
Extract
正規表現ルールを使用して、ルールで定義された入力キーからターゲットキーまでの値を抽出します。ターゲットキーがすでに存在する場合は、Span プロセッサーの to_attributes 設定と同様に、既存の属性をソースとしてオーバーライドされます。
Convert
既存の属性を指定された型に変換します。

Attributes プロセッサーを使用した OpenTelemetry Collector

  config: |
    processors:
      attributes/example:
        actions:
          - key: db.table
            action: delete
          - key: redacted_span
            value: true
            action: upsert
          - key: copy_key
            from_attribute: key_original
            action: update
          - key: account_id
            value: 2245
            action: insert
          - key: account_password
            action: delete
          - key: account_email
            action: hash
          - key: http.status_code
            action: convert
            converted_type: int
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3.1.1.2.5. Resource プロセッサー

Resource プロセッサーは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Resource プロセッサーは、リソース属性に変更を適用します。このプロセッサーは、トレース、メトリクス、およびログをサポートします。

Resource Detection プロセッサーを使用する OpenTelemetry Collector

  config: |
    processor:
      attributes:
      - key: cloud.availability_zone
        value: "zone-1"
        action: upsert
      - key: k8s.cluster.name
        from_attribute: k8s-cluster
        action: insert
      - key: redundant-attribute
        action: delete
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属性は、属性の削除、属性の挿入、または属性のアップサートなど、リソース属性に適用されるアクションを表します。

3.1.1.2.6. Span プロセッサー

Span プロセッサーは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Span プロセッサーは、その属性に基づいてスパン名を変更するか、スパン名からスパン属性を抽出します。スパンステータスを変更することもできます。スパンを含めたり除外したりすることもできます。このプロセッサーはトレースをサポートしています。

スパンの名前変更には、from_attributes 設定を使用して、新しい名前の属性を指定する必要があります。

Span プロセッサーを使用してスパンの名前を変更する OpenTelemetry Collector

  config: |
    processor:
      span:
        name:
          from_attributes: [<key1>, <key2>, ...] 
1

          separator: <value> 
2
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1
新しいスパン名を形成するキーを定義します。
2
オプションの区切り文字。

プロセッサーを使用して、スパン名から属性を抽出できます。

Span プロセッサーを使用してスパン名から属性を抽出する OpenTelemetry Collector

  config: |
    processor:
      span/to_attributes:
        name:
          to_attributes:
            rules:
              - ^\/api\/v1\/document\/(?P<documentId>.*)\/update$ 
1
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1
このルールは、抽出の実行方法を定義します。さらにルールを定義できます。たとえば、この場合、正規表現が名前と一致すると、documentID 属性が作成されます。この例では、入力スパン名が /api/v1/document/12345678/update の場合、出力スパン名は /api/v1/document/{documentId}/update となり、新しい "documentId"="12345678" 属性がスパンに追加されます。

スパンステータスを変更できます。

ステータス変更に Span プロセッサーを使用する OpenTelemetry Collector

  config: |
    processor:
      span/set_status:
        status:
          code: Error
          description: "<error_description>"
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3.1.1.2.7. Kubernetes Attributes プロセッサー

Kubernetes Attributes プロセッサーは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Kubernetes Attributes プロセッサーでは、Kubernetes メタデータを使用してスパン、メトリクス、およびログリソース属性を自動設定できます。このプロセッサーは、トレース、メトリクス、およびログをサポートします。このプロセッサーは、Kubernetes リソースを自動的に識別し、そこからメタデータを抽出して、この抽出されたメタデータをリソース属性として関連するスパン、メトリクス、ログに組み込みます。Kubernetes API を利用してクラスター内で動作しているすべての Pod を検出し、IP アドレス、Pod UID、およびその他の関連メタデータの記録を維持します。

Kubernetes Attributes プロセッサーに必要な最小限の OpenShift Container Platform 権限

kind: ClusterRole
metadata:
  name: otel-collector
rules:
  - apiGroups: ['']
    resources: ['pods', 'namespaces']
    verbs: ['get', 'watch', 'list']
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Kubernetes Attributes プロセッサーを使用した OpenTelemetry Collector

  config: |
    processors:
         k8sattributes:
             filter:
                 node_from_env_var: KUBE_NODE_NAME
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3.1.1.3. Filter プロセッサー

Filter プロセッサーは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Filter プロセッサーは、OpenTelemetry Transformation Language を活用して、テレメトリーデータを破棄する基準を確立します。これらの条件のいずれかが満たされると、テレメトリーデータは破棄されます。論理 OR 演算子を使用して条件を組み合わせることができます。このプロセッサーは、トレース、メトリクス、およびログをサポートします。

OTLP エクスポーターが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

config: |
  processors:
    filter/ottl:
      error_mode: ignore 
1

      traces:
        span:
          - 'attributes["container.name"] == "app_container_1"' 
2

          - 'resource.attributes["host.name"] == "localhost"' 
3
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1
エラーモードを定義します。ignore に設定すると、条件によって返されたエラーが無視されます。propagate に設定すると、エラーがパイプラインに返されます。エラーが発生すると、ペイロードが Collector から削除されます。
2
container.name == app_container_1 属性を持つスパンをフィルタリングします。
3
host.name == localhost リソース属性を持つスパンをフィルタリングします。

3.1.1.4. Routing プロセッサー

Routing プロセッサーは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Routing プロセッサーは、ログ、メトリクス、またはトレースを特定のエクスポーターにルーティングします。このプロセッサーは、受信 HTTP 要求 (gRPC またはプレーン HTTP) からヘッダーを読み取るか、リソース属性を読み取ることができ、読み取った値に従って、関連するエクスポーターにトレース情報を送信します。

OTLP エクスポーターが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

config: |
  processors:
    routing:
      from_attribute: X-Tenant 
1

      default_exporters: 
2

      - jaeger
      table: 
3

      - value: acme
        exporters: [jaeger/acme]
  exporters:
    jaeger:
      endpoint: localhost:14250
    jaeger/acme:
      endpoint: localhost:24250
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1
ルートを実行するときのルックアップ値の HTTP ヘッダー名。
2
属性値が次のセクションの表に存在しない場合のデフォルトのエクスポーター。
3
どの値をどのエクスポーターにルーティングするかを定義するテーブル。

オプションで、from_attribute 内での属性の検索場所を定義する attribute_source 設定を作成できます。許可される値は、HTTP ヘッダーを含むコンテキストを検索する場合は context、またはリソース属性を検索する場合は resource です。

3.1.1.5. エクスポーター

エクスポーターは、1 つ以上のバックエンドまたは宛先にデータを送信します。

3.1.1.5.1. OTLP エクスポーター

OTLP gRPC エクスポーターは、OpenTelemetry Protocol (OTLP) を使用してトレースとメトリクスをエクスポートします。

OTLP エクスポーターが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    exporters:
      otlp:
        endpoint: tempo-ingester:4317 
1

        tls: 
2

          ca_file: ca.pem
          cert_file: cert.pem
          key_file: key.pem
          insecure: false 
3

          insecure_skip_verify: false # 
4

          reload_interval: 1h 
5

          server_name_override: <name> 
6

        headers: 
7

          X-Scope-OrgID: "dev"
    service:
      pipelines:
        traces:
          exporters: [otlp]
        metrics:
          exporters: [otlp]
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1
OTLP gRPC エンドポイント。https:// スキームが使用される場合、クライアントトランスポートセキュリティーが有効になり、tlsinsecure 設定をオーバーライドします。
2
クライアント側の TLS 設定。TLS 証明書へのパスを定義します。
3
true に設定すると、クライアントトランスポートセキュリティーは無効になります。デフォルト値は false です。
4
true に設定されている場合、証明書の検証は省略します。デフォルト値は false です。
5
証明書をリロードする間隔を指定します。この値が設定されていない場合、証明書はリロードされません。reload_interval は、nsus (または µs)、mssmh などの有効な時間単位を含む文字列を受け入れます。
6
要求の authority ヘッダーフィールドなど、認証局の仮想ホスト名をオーバーライドします。これをテストに使用できます。
7
ヘッダーは、接続が確立されている間に実行されるすべての要求に対して送信されます。
3.1.1.5.2. OTLP HTTP エクスポーター

OTLP HTTP エクスポーターは、OpenTelemetry Protocol (OTLP) を使用してトレースとメトリクスをエクスポートします。

OTLP エクスポーターが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    exporters:
      otlphttp:
        endpoint: http://tempo-ingester:4318 
1

        tls: 
2

        headers: 
3

          X-Scope-OrgID: "dev"
        disable_keep_alives: false 
4


    service:
      pipelines:
        traces:
          exporters: [otlphttp]
        metrics:
          exporters: [otlphttp]
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1
OTLP HTTP エンドポイント。https:// スキームが使用される場合、クライアントトランスポートセキュリティーが有効になり、tlsinsecure 設定をオーバーライドします。
2
クライアント側の TLS 設定。TLS 証明書へのパスを定義します。
3
ヘッダーは、すべての HTTP 要求で送信されます。
4
true の場合、HTTP keep-alives を無効にします。単一の HTTP リクエストに対してのみ、サーバーへの接続を使用します。
3.1.1.5.3. デバッグエクスポーター

デバッグエクスポーターは、トレースとメトリクスを標準出力に出力します。

デバッグエクスポーターが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    exporters:
      debug:
        verbosity: detailed 
1

    service:
      pipelines:
        traces:
          exporters: [logging]
        metrics:
          exporters: [logging]
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1
デバッグエクスポートの詳細度: detailed または normal または basicdetailed に設定すると、パイプラインデータの詳細がログに記録されます。デフォルトは normal です。
3.1.1.5.4. Prometheus エクスポーター

Prometheus エクスポーターは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Prometheus エクスポーターは、Prometheus または OpenMetrics 形式でメトリクスをエクスポートします。

Prometheus エクスポーターが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  ports:
  - name: promexporter 
1

    port: 8889
    protocol: TCP
  config: |
    exporters:
      prometheus:
        endpoint: 0.0.0.0:8889 
2

        tls: 
3

          ca_file: ca.pem
          cert_file: cert.pem
          key_file: key.pem
        namespace: prefix 
4

        const_labels: 
5

          label1: value1
        enable_open_metrics: true 
6

        resource_to_telemetry_conversion: 
7

          enabled: true
        metric_expiration: 180m 
8

        add_metric_suffixes: false 
9

    service:
      pipelines:
        metrics:
          exporters: [prometheus]
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1
Collector Pod およびサービスから Prometheus ポートを公開します。ServiceMonitor または PodMonitor カスタムリソースのポート名を使用して、Prometheus によるメトリクスのスクレイピングを有効にできます。
2
メトリクスが公開されるネットワークエンドポイント。
3
サーバー側の TLS 設定。TLS 証明書へのパスを定義します。
4
設定されている場合は、提供された値でメトリクスをエクスポートします。デフォルトはありません。
5
エクスポートされたすべてのメトリクスに適用されるキーと値のペアのラベル。デフォルトはありません。
6
true の場合、メトリクスは OpenMetrics 形式を使用してエクスポートされます。手本 (exemplar) は、OpenMetrics 形式で、ヒストグラムおよびモノトニックサムメトリクス (counter など) に対してのみエクスポートできます。デフォルトでは無効になっています。
7
enabledtrue の場合、すべてのリソース属性はデフォルトでメトリクスラベルに変換されます。デフォルトでは無効になっています。
8
更新なしでメトリクスが公開される期間を定義します。デフォルトは 5m です。
9
メトリクスの型と単位の接尾辞を追加します。Jaeger コンソールの監視タブが有効になっている場合は、無効にする必要があります。デフォルトは true です。
3.1.1.5.5. Kafka エクスポーター

Kafka エクスポータは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Kafka エクスポータは、ログ、メトリクス、およびトレースを Kafka にエクスポートします。このエクスポーターは、メッセージをブロックしてバッチ処理しない同期プロデューサーを使用します。スループットと回復力を高めるには、バッチおよびキュー再試行プロセッサーと併用する必要があります。

Kafka エクスポーターが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    exporters:
      kafka:
        brokers: ["localhost:9092"] 
1

        protocol_version: 2.0.0 
2

        topic: otlp_spans 
3

        auth:
          plain_text: 
4

            username: example
            password: example
          tls: 
5

            ca_file: ca.pem
            cert_file: cert.pem
            key_file: key.pem
            insecure: false 
6

            server_name_override: kafka.example.corp 
7

    service:
      pipelines:
        traces:
          exporters: [kafka]
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1
Kafka ブローカーのリスト。デフォルトは localhost:9092 です。
2
Kafka プロトコルのバージョン。たとえば、2.0.0 などです。これは必須フィールドです。
3
読み取り元の Kafka トピックの名前。デフォルトは次のとおりです。トレースの場合は otlp_spans、メトリクスの場合は otlp_metrics、ログの場合は otlp_logs です。
4
平文認証設定。省略した場合、平文認証は無効になります。
5
クライアント側の TLS 設定。TLS 証明書へのパスを定義します。省略した場合、TLS 認証は無効になります。
6
サーバーの証明書チェーンとホスト名の検証を無効にします。デフォルトは false です。
7
ServerName は、仮想ホスティングをサポートするためにクライアントによって要求されたサーバーの名前を示します。

3.1.1.6. コネクター

コネクターは 2 つのパイプラインを接続します。

3.1.1.6.1. Spanmetrics コネクター

Spanmetrics コネクターは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Spanmetrics コネクターは、スパンデータからの Request, Error, Duration (R.E.D) OpenTelemetry メトリクスを集計します。

Spanmetrics コネクターが有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    connectors:
      spanmetrics:
        metrics_flush_interval: 15s 
1

    service:
      pipelines:
        traces:
          exporters: [spanmetrics]
        metrics:
          receivers: [spanmetrics]
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1
生成されたメトリクスのフラッシュ間隔を定義します。デフォルトは 15s です。

3.1.1.7. エクステンション

エクステンションにより、Collector に機能が追加されます。

3.1.1.7.1. BearerTokenAuth エクステンション

BearerTokenAuth エクステンションは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

BearerTokenAuth エクステンションは、HTTP および gRPC プロトコルに基づくレシーバーとエクスポーター用のオーセンティケーターです。OpenTelemetry Collector カスタムリソースを使用して、レシーバーおよびエクスポーター側で BearerTokenAuth エクステンションのクライアント認証とサーバー認証を設定できます。このエクステンションは、トレース、メトリクス、およびログをサポートします。

BearerTokenAuth エクステンション用に設定されたクライアントおよびサーバー認証を含む OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    extensions:
      bearertokenauth:
        scheme: "Bearer" 
1

        token: "<token>" 
2

        filename: "<token_file>" 
3


    receivers:
      otlp:
        protocols:
          http:
            auth:
              authenticator: bearertokenauth 
4

    exporters:
      otlp:
        auth:
          authenticator: bearertokenauth 
5


    service:
      extensions: [bearertokenauth]
      pipelines:
        traces:
          receivers: [otlp]
          exporters: [otlp]
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1
BearerTokenAuth エクステンションを設定して、カスタム scheme を送信できます。デフォルトは Bearer です。
2
BearerTokenAuth エクステンショントークンをメタデータとして追加して、メッセージを識別できます。
3
すべてのメッセージとともに送信される認証トークンを含むファイルへのパス。
4
オーセンティケーター設定を OTLP レシーバーに割り当てることができます。
5
オーセンティケーター設定を OTLP エクスポーターに割り当てることができます。
3.1.1.7.2. OAuth2Client エクステンション

OAuth2Client エクステンションは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

OAuth2Client エクステンションは、HTTP および gRPC プロトコルに基づくエクスポーター用のオーセンティケーターです。OAuth2Client エクステンションのクライアント認証は、OpenTelemetry Collector カスタムリソースの別のセクションで設定されます。このエクステンションは、トレース、メトリクス、およびログをサポートします。

OAuth2Client エクステンション用にクライアント認証が設定された OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    extensions:
      oauth2client:
        client_id: <client_id> 
1

        client_secret: <client_secret> 
2

        endpoint_params: 
3

          audience: <audience>
        token_url: https://example.com/oauth2/default/v1/token 
4

        scopes: ["api.metrics"] 
5

        # tls settings for the token client
        tls: 
6

          insecure: true 
7

          ca_file: /var/lib/mycert.pem 
8

          cert_file: <cert_file> 
9

          key_file: <key_file> 
10

        timeout: 2s 
11


    receivers:
      otlp:
        protocols:
          http:

    exporters:
      otlp:
        auth:
          authenticator: oauth2client 
12


    service:
      extensions: [oauth2client]
      pipelines:
        traces:
          receivers: [otlp]
          exporters: [otlp]
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1
ID プロバイダーによって提供されるクライアント ID。
2
ID プロバイダーに対してクライアントを認証するために使用される機密キー。
3
キーと値のペア形式の追加のメタデータ。認証中に転送されます。たとえば audience は、アクセストークンの対象を指定し、トークンの受信者を示します。
4
Collector がアクセストークンを要求する OAuth2 トークンエンドポイントの URL。
5
スコープは、クライアントによって要求された特定の権限またはアクセスレベルを定義します。
6
トークンクライアントの Transport Layer Security (TLS) 設定。トークンを要求するときに安全な接続を確立するために使用されます。
7
true に設定すると、安全でないまたは検証されていない TLS 接続を使用して、設定されたトークンエンドポイントを呼び出すようにCollector が設定されます。
8
TLS ハンドシェイク中にサーバーの証明書を検証するために使用される認証局 (CA) ファイルへのパス。
9
クライアントが必要に応じて OAuth2 サーバーに対して自身を認証するために使用する必要があるクライアント証明書ファイルへのパス。
10
認証に必要な場合にクライアント証明書と併用されるクライアントの秘密キーファイルへのパス。
11
トークンクライアントのリクエストのタイムアウトを設定します。
12
オーセンティケーター設定を OTLP エクスポーターに割り当てることができます。
3.1.1.7.3. Jaeger Remote Sampling エクステンション

Jaeger Remote Sampling エクステンションは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Jaeger Remote Sampling エクステンションを使用すると、Jaeger のリモートサンプリング API の後にサンプリングストラテジーを提供できるようになります。このエクステンションを設定して、パイプラインの Jaeger Collector などのバッキングリモートサンプリングサーバーに、またはローカルファイルシステムから静的 JSON ファイルにリクエストをプロキシーできます。

設定された Jaeger Remote Sampling エクステンションを備えた OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    extensions:
      jaegerremotesampling:
        source:
          reload_interval: 30s 
1

          remote:
            endpoint: jaeger-collector:14250 
2

          file: /etc/otelcol/sampling_strategies.json 
3


    receivers:
      otlp:
        protocols:
          http:

    exporters:
      otlp:

    service:
      extensions: [jaegerremotesampling]
      pipelines:
        traces:
          receivers: [otlp]
          exporters: [otlp]
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1
サンプリング設定が更新される時間間隔。
2
Jaeger Remote Sampling ストラテジープロバイダーに到達するためのエンドポイント。
3
JSON 形式のサンプリングストラテジー設定を含むローカルファイルへのパス。

Jaeger Remote Sampling ストラテジーファイルの例

{
  "service_strategies": [
    {
      "service": "foo",
      "type": "probabilistic",
      "param": 0.8,
      "operation_strategies": [
        {
          "operation": "op1",
          "type": "probabilistic",
          "param": 0.2
        },
        {
          "operation": "op2",
          "type": "probabilistic",
          "param": 0.4
        }
      ]
    },
    {
      "service": "bar",
      "type": "ratelimiting",
      "param": 5
    }
  ],
  "default_strategy": {
    "type": "probabilistic",
    "param": 0.5,
    "operation_strategies": [
      {
        "operation": "/health",
        "type": "probabilistic",
        "param": 0.0
      },
      {
        "operation": "/metrics",
        "type": "probabilistic",
        "param": 0.0
      }
    ]
  }
}
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3.1.1.7.4. パフォーマンスプロファイラーエクステンション

Performance Profiler エクステンションは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Performance Profiler エクステンションにより、Go net/http/pprof エンドポイントが有効になります。これは通常、開発者がパフォーマンスプロファイルを収集し、サービスの問題を調査するために使用されます。

Performance Profiler エクステンションが設定された OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    extensions:
      pprof:
        endpoint: localhost:1777 
1

        block_profile_fraction: 0 
2

        mutex_profile_fraction: 0 
3

        save_to_file: test.pprof 
4


    receivers:
      otlp:
        protocols:
          http:

    exporters:
      otlp:

    service:
      extensions: [pprof]
      pipelines:
        traces:
          receivers: [otlp]
          exporters: [otlp]
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1
このエクステンションがリッスンするエンドポイント。localhost: を使用してローカルでのみ使用できるようにするか、":" を使用してすべてのネットワークインターフェイスで使用できるようにします。デフォルト値は localhost:1777 です。
2
ブロッキングイベントの一部がプロファイリングされるように設定します。プロファイリングを無効にするには、これを 0 または負の整数に設定します。runtime パッケージについては、ドキュメント を参照してください。デフォルト値は 0 です。
3
プロファイリングされるミューテックス競合イベントの一部を設定します。プロファイリングを無効にするには、これを 0 または負の整数に設定します。runtime パッケージについては、ドキュメント を参照してください。デフォルト値は 0 です。
4
CPU プロファイルを保存するファイルの名前。Collector が起動すると、プロファイリングが開始されます。プロファイリングは、Collector の終了時にファイルに保存されます。
3.1.1.7.5. ヘルスチェックエクステンション

Health Check エクステンションは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Health Check エクステンションは、OpenTelemetry Collector のステータスをチェックするための HTTP URL を提供します。このエクステンションは、OpenShift の liveness および readiness プローブとして使用できます。

ヘルスチェックエクステンションが設定された OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    extensions:
      health_check:
        endpoint: "0.0.0.0:13133" 
1

        tls: 
2

          ca_file: "/path/to/ca.crt"
          cert_file: "/path/to/cert.crt"
          key_file: "/path/to/key.key"
        path: "/health/status" 
3

        check_collector_pipeline: 
4

          enabled: true 
5

          interval: "5m" 
6

          exporter_failure_threshold: 5 
7


    receivers:
      otlp:
        protocols:
          http:

    exporters:
      otlp:

    service:
      extensions: [health_check]
      pipelines:
        traces:
          receivers: [otlp]
          exporters: [otlp]
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1
ヘルスチェックステータスを公開するためのターゲット IP アドレス。デフォルトは 0.0.0.0:13133 です。
2
TLS サーバー側の設定。TLS 証明書へのパスを定義します。省略した場合、TLS は無効になります。
3
ヘルスチェックサーバーのパス。デフォルトは / です。
4
Collector パイプラインのヘルスチェック用の設定。
5
Collector パイプラインのヘルスチェックを有効にします。デフォルトは false です。
6
失敗数を確認する時間間隔。デフォルトは 5m です。
7
コンテナーが依然として正常であるとマークされる失敗の数のしきい値。デフォルトは 5 です。
3.1.1.7.6. Memory Ballast エクステンション

Memory Ballast エクステンションは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

Memory Ballast エクステンションを使用すると、アプリケーションはプロセスのメモリーバラストを設定できます。

Memory Ballast エクステンションが設定された OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    extensions:
      memory_ballast:
        size_mib: 64 
1

        size_in_percentage: 20 
2


    receivers:
      otlp:
        protocols:
          http:

    exporters:
      otlp:

    service:
      extensions: [memory_ballast]
      pipelines:
        traces:
          receivers: [otlp]
          exporters: [otlp]
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1
メモリーバラストのサイズを MiB 単位で設定します。両方が指定されている場合は、size_in_percentage のよりも優先されます。
2
メモリーバラストを合計メモリーに対するパーセンテージ (1 - 100) として設定します。コンテナー化された物理ホスト環境をサポートします。
3.1.1.7.7. zPages エクステンション

zPages エクステンションは現在、テクノロジープレビュー 機能のみとなっています。

zPages エクステンションは、zPages を提供するエクステンションに HTTP エンドポイントを提供します。エンドポイントでは、このエクステンションは、インストルメントされたコンポーネントをデバッグするためのライブデータを提供します。すべてのコアエクスポーターとレシーバーは、一部の zPages インストルメンテーションを提供します。

zPages は、トレースやメトリクスを調べるためにバックエンドに依存する必要がなく、プロセス内診断に役立ちます。

zPages エクステンションが設定された OpenTelemetry Collector カスタムリソース

  config: |
    extensions:
      zpages:
        endpoint: "localhost:55679" 
1


    receivers:
      otlp:
        protocols:
          http:
    exporters:
      otlp:

    service:
      extensions: [zpages]
      pipelines:
        traces:
          receivers: [otlp]
          exporters: [otlp]
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1
zPages を提供する HTTP エンドポイントを指定します。localhost: を使用してローカルでのみ使用できるようにするか、":" を使用してすべてのネットワークインターフェイスで使用できるようにします。デフォルトは localhost:55679 です。
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