5.13. インストール設定パラメーター


OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。

注記

インストール後は、これらのパラメーターを install-config.yaml ファイルで変更することはできません。

5.13.1. 必須設定パラメーター

必須のインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。

表5.2 必須パラメーター
パラメーター説明

apiVersion

install-config.yaml コンテンツの API バージョン。現在のバージョンは v1 です。インストールプログラムは、古い API バージョンもサポートしている場合があります。

文字列

baseDomain

クラウドプロバイダーのベースドメイン。ベースドメインは、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、baseDomain<metadata.name>.<baseDomain> 形式を使用する metadata.name パラメーターの値の組み合わせです。

example.com などの完全修飾ドメインまたはサブドメイン名。

metadata

Kubernetes リソース ObjectMeta。ここからは name パラメーターのみが消費されます。

オブジェクト

metadata.name

クラスターの名前。クラスターの DNS レコードはすべて {{.metadata.name}}.{{.baseDomain}} のサブドメインです。

dev などの小文字、ハイフン (-)、およびピリオド (.) が含まれる文字列。文字列は 14 文字以上でなければなりません。

platform

インストールを実行する特定のプラットフォームの設定: alibabacloudawsbaremetalazuregcpibmcloudnutanixopenstackovirtvsphere、または {}platform.<platform> パラメーターに関する追加情報は、以下の表で特定のプラットフォームを参照してください。

オブジェクト

pullSecret

Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を取得して、Quay.io などのサービスから OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージをダウンロードすることを認証します。

{
   "auths":{
      "cloud.openshift.com":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      },
      "quay.io":{
         "auth":"b3Blb=",
         "email":"you@example.com"
      }
   }
}

5.13.2. ネットワーク設定パラメーター

既存のネットワークインフラストラクチャーの要件に基づいて、インストール設定をカスタマイズできます。たとえば、クラスターネットワークの IP アドレスブロックを拡張するか、デフォルトとは異なる IP アドレスブロックを指定できます。

IPv4 アドレスのみがサポートされます。

注記

Globalnet は、Red Hat OpenShift Data Foundation ディザスターリカバリーソリューションではサポートされていません。局地的なディザスターリカバリーのシナリオでは、各クラスター内のクラスターとサービスネットワークに重複しない範囲のプライベート IP アドレスを使用するようにしてください。

表5.3 ネットワークパラメーター
パラメーター説明

networking

クラスターのネットワークの設定。

オブジェクト

注記

インストール後に networking オブジェクトで指定したパラメーターを変更することはできません。

networking.networkType

インストールする Red Hat OpenShift Networking ネットワークプラグイン。

OpenShiftSDN または OVNKubernetes のいずれか。OpenShiftSDN は、全 Linux ネットワーク用の CNI プラグインです。OVNKubernetes は、Linux ネットワークと、Linux サーバーと Windows サーバーの両方を含む Linux ネットワークおよびハイブリッドネットワーク用の CNI プラグインです。デフォルトの値は OVNkubernetes です。

networking.clusterNetwork

Pod の IP アドレスブロック。

デフォルト値は 10.128.0.0/14 で、ホストの接頭辞は /23 です。

複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。

オブジェクトの配列。以下に例を示します。

networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23

networking.clusterNetwork.cidr

networking.clusterNetwork を使用する場合に必須です。IP アドレスブロック。

IPv4 ネットワーク

CIDR (Classless Inter-Domain Routing) 表記の IP アドレスブロック。IPv4 ブロックの接頭辞長は 0 から 32 の間になります。

networking.clusterNetwork.hostPrefix

それぞれの個別ノードに割り当てるサブネット接頭辞長。たとえば、hostPrefix23 に設定される場合、各ノードに指定の cidr から /23 サブネットが割り当てられます。hostPrefix 値の 23 は、510 (2^(32 - 23) - 2) Pod IP アドレスを提供します。

サブネット接頭辞。

デフォルト値は 23 です。

networking.serviceNetwork

サービスの IP アドレスブロック。デフォルト値は 172.30.0.0/16 です。

OpenShift SDN および OVN-Kubernetes ネットワークプラグインは、サービスネットワークの単一 IP アドレスブロックのみをサポートします。

CIDR 形式の IP アドレスブロックを持つ配列。以下に例を示します。

networking:
  serviceNetwork:
   - 172.30.0.0/16

networking.machineNetwork

マシンの IP アドレスブロック。

複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。

オブジェクトの配列。以下に例を示します。

networking:
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16

networking.machineNetwork.cidr

networking.machineNetwork を使用する場合に必須です。IP アドレスブロック。libvirt 以外のすべてのプラットフォームでは、デフォルト値は 10.0.0.0/16 です。libvirt の場合、デフォルト値は 192.168.126.0/24 です。

CIDR 表記の IP ネットワークブロック。

例: 10.0.0.0/16

注記

優先される NIC が置かれている CIDR に一致する networking.machineNetwork を設定します。

5.13.3. オプションの設定パラメーター

オプションのインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。

表5.4 オプションのパラメーター
パラメーター説明

additionalTrustBundle

ノードの信頼済み証明書ストアに追加される PEM でエンコードされた X.509 証明書バンドル。この信頼バンドルは、プロキシーが設定される際にも使用できます。

文字列

capabilities

オプションのコアクラスターコンポーネントのインストールを制御します。オプションのコンポーネントを無効にすることで、OpenShift Container Platform クラスターのフットプリントを削減できます。詳細は、インストール の「クラスター機能ページ」を参照してください。

文字列配列

capabilities.baselineCapabilitySet

有効にするオプション機能の初期セットを選択します。有効な値は Nonev4.11v4.12vCurrent です。デフォルト値は vCurrent です。

文字列

capabilities.additionalEnabledCapabilities

オプションの機能のセットを、baselineCapabilitySet で指定したものを超えて拡張します。このパラメーターで複数の機能を指定できます。

文字列配列

compute

コンピュートノードを設定するマシンの設定。

MachinePool オブジェクトの配列。

compute.architecture

プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は amd64 (デフォルト) です。

文字列

compute.hyperthreading

コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

compute.name

compute を使用する場合に必須です。マシンプールの名前。

worker

compute.platform

compute を使用する場合に必須です。このパラメーターを使用して、ワーカーマシンをホストするクラウドプロバイダーを指定します。このパラメーターの値は controlPlane.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

alibabacloudawsazure, gcpibmcloudnutanixopenstackovirtvsphere、または {}

compute.replicas

プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。

2 以上の正の整数。デフォルト値は 3 です。

featureSet

機能セットのクラスターを有効にします。機能セットは、デフォルトで有効にされない OpenShift Container Platform 機能のコレクションです。インストール中に機能セットを有効にする方法の詳細は、「機能ゲートの使用による各種機能の有効化」を参照してください。

文字列。TechPreviewNoUpgrade など、有効にする機能セットの名前。

controlPlane

コントロールプレーンを設定するマシンの設定。

MachinePool オブジェクトの配列。

controlPlane.architecture

プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は amd64 (デフォルト) です。

文字列

controlPlane.hyperthreading

コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは hyperthreading を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。

重要

同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。

Enabled または Disabled

controlPlane.name

controlPlane を使用する場合に必須です。マシンプールの名前。

master

controlPlane.platform

controlPlane を使用する場合に必須です。このパラメーターを使用して、コントロールプレーンマシンをホストするクラウドプロバイダーを指定します。このパラメーターの値は compute.platform パラメーターの値に一致する必要があります。

alibabacloudawsazure, gcpibmcloudnutanixopenstackovirtvsphere、または {}

controlPlane.replicas

プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。

サポートされる値は 3 のみです (これはデフォルト値です)。

credentialsMode

Cloud Credential Operator (CCO) モード。モードを指定しないと、CCO は指定された認証情報の機能を動的に判別しようとします。この場合、複数のモードがサポートされるプラットフォームで Mint モードが優先されます。

注記

すべてのクラウドプロバイダーですべての CCO モードがサポートされているわけではありません。CCO モードの詳細は、Cluster Operators リファレンスCloud Credential Operator を参照してください。

注記

AWS アカウントでサービスコントロールポリシー (SCP) が有効になっている場合は、credentialsMode パラメーターを MintPassthrough または Manual に設定する必要があります。

MintPassthroughManual、または空の文字列 ("")。

fips

FIPS モードを有効または無効にします。デフォルトは false (無効) です。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。

重要

クラスターで FIPS モードを有効にするには、FIPS モードで動作するように設定された Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピューターからインストールプログラムを実行する必要があります。RHEL での FIPS モードの設定の詳細は、FIPS モードでのシステムのインストール を参照してください。FIPS 検証済み/Modules In Process 暗号ライブラリーの使用は、x86_64ppc64le、および s390x アーキテクチャー上の OpenShift Container Platform デプロイメントでのみサポートされます。

注記

Azure File ストレージを使用している場合、FIPS モードを有効にすることはできません。

false または true

imageContentSources

release-image コンテンツのソースおよびリポジトリー。

オブジェクトの配列。この表の以下の行で説明されているように、source およびオプションで mirrors が含まれます。

imageContentSources.source

imageContentSources を使用する場合に必須です。ユーザーが参照するリポジトリーを指定します (例: イメージプル仕様)。

文字列

imageContentSources.mirrors

同じイメージが含まれる可能性のあるリポジトリーを 1 つ以上指定します。

文字列の配列。

publish

Kubernetes API、OpenShift ルートなどのクラスターのユーザーに表示されるエンドポイントをパブリッシュまたは公開する方法。

Internal または External。デフォルト値は External です。

このパラメーターを Internal に設定することは、クラウド以外のプラットフォームではサポートされません。

重要

フィールドの値が Internal に設定されている場合、クラスターは機能しなくなります。詳細は、BZ#1953035 を参照してください。

sshKey

クラスターマシンへのアクセスを認証するための SSH キー。

注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

たとえば、sshKey: ssh-ed25519 AAAA.. です。

5.13.4. 追加の Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 設定パラメーター

追加の RHOSP 設定パラメーターは以下の表で説明されています。

表5.5 追加の RHOSP パラメーター
パラメーター説明

compute.platform.openstack.rootVolume.size

コンピュートマシンの場合、root ボリュームのギガバイトのサイズになります。この値を設定しない場合、マシンは一時ストレージを使用します。

整数 (例: 30)。

compute.platform.openstack.rootVolume.type

コンピュートマシンの場合、root のボリュームタイプです。

文字列 (例: performance)。

controlPlane.platform.openstack.rootVolume.size

コントロールプレーンマシンの場合、root ボリュームのギガバイトのサイズになります。この値を設定しない場合、マシンは一時ストレージを使用します。

整数 (例: 30)。

controlPlane.platform.openstack.rootVolume.type

コントロールプレーンマシンの場合、root ボリュームのタイプです。

文字列 (例: performance)。

platform.openstack.cloud

clouds.yaml ファイルのクラウドリストにある使用する RHOCP クラウドの名前。

文字列 (例: MyCloud)。

platform.openstack.externalNetwork

インストールに使用される RHOSP の外部ネットワーク名。

文字列 (例: external)。

platform.openstack.computeFlavor

コントロールプレーンおよびコンピュートマシンに使用する RHOSP フレーバー。

このプロパティーは非推奨にされています。すべてのマシンプールのデフォルトとしてフレーバーを使用するには、これを platform.openstack.defaultMachinePlatform プロパティーで type キーの値として追加します。それぞれのマシンプールのフレーバー値を個別に設定することもできます。

文字列 (例: m1.xlarge)。

5.13.5. オプションの RHOSP 設定パラメーター

オプションの RHOSP 設定パラメーターは、以下の表で説明されています。

表5.6 オプションの RHOSP パラメーター
パラメーター説明

compute.platform.openstack.additionalNetworkIDs

コンピュートマシンに関連付けられた追加のネットワーク。追加ネットワーク用に許可されるアドレスのペアは作成されません。

文字列としての 1 つ以上の UUID のリスト。例: fa806b2f-ac49-4bce-b9db-124bc64209bf

compute.platform.openstack.additionalSecurityGroupIDs

コンピュートマシンに関連付けられた追加のセキュリティーグループ。

文字列としての 1 つ以上の UUID のリスト。例: 7ee219f3-d2e9-48a1-96c2-e7429f1b0da7.

compute.platform.openstack.zones

マシンをインストールする RHOSP Compute (Nova) アベイラビリティーゾーン (AZs)。このパラメーターが設定されていない場合、インストールプログラムは RHOSP 管理者が設定した Nova のデフォルト設定に依存します。

Kuryr を使用するクラスターでは、RHOSP Octavia はアベイラビリティーゾーンをサポートしません。ロードバランサーおよび Amphora プロバイダードライバーを使用している場合、Amphora 仮想マシンに依存する OpenShift Container Platform サービスは、このプロパティーの値に基づいて作成されません。

文字列のリスト(例: ["zone-1", "zone-2"])。

compute.platform.openstack.rootVolume.zones

コンピュートマシンの root ボリュームをインストールするアベイラビリティーゾーン。このパラメーターに値を設定しない場合、インストールプログラムはデフォルトのアベイラビリティーゾーンを選択します。

文字列のリスト (例: ["zone-1", "zone-2"])。

compute.platform.openstack.serverGroupPolicy

プール内のコンピュートマシンを含むグループに適用するサーバーグループポリシー。作成後にサーバーグループのポリシーまたは所属を変更することはできません。サポートされているオプションには、anti-affinitysoft-affinity、および soft-anti-affinity が含まれます。デフォルト値は soft-anti-affinity です。

affinity ポリシーは移行を防止するため、RHOSP のアップグレードに影響します。affinity ポリシーはサポートされていません。

厳密な anti-affinity ポリシーを使用する場合は、インスタンスの移行中に追加の RHOSP ホストが必要です。

マシンプールに適用するサーバーグループポリシー。たとえば、soft-affinity

controlPlane.platform.openstack.additionalNetworkIDs

コントロールプレーンマシンに関連付けられた追加のネットワーク。追加ネットワーク用に許可されるアドレスのペアは作成されません。

コントロールプレーンマシンに接続されている追加のネットワークも、ブートストラップノードに接続されています。

文字列としての 1 つ以上の UUID のリスト。例: fa806b2f-ac49-4bce-b9db-124bc64209bf

controlPlane.platform.openstack.additionalSecurityGroupIDs

コントロールプレーンマシンに関連付けられた追加のセキュリティーグループ。

文字列としての 1 つ以上の UUID のリスト。例: 7ee219f3-d2e9-48a1-96c2-e7429f1b0da7.

controlPlane.platform.openstack.zones

マシンをインストールする RHOSP Compute (Nova) アベイラビリティーゾーン (AZs)。このパラメーターが設定されていない場合、インストールプログラムは RHOSP 管理者が設定した Nova のデフォルト設定に依存します。

Kuryr を使用するクラスターでは、RHOSP Octavia はアベイラビリティーゾーンをサポートしません。ロードバランサーおよび Amphora プロバイダードライバーを使用している場合、Amphora 仮想マシンに依存する OpenShift Container Platform サービスは、このプロパティーの値に基づいて作成されません。

文字列のリスト(例: ["zone-1", "zone-2"])。

controlPlane.platform.openstack.rootVolume.zones

コントロールプレーンマシンの root ボリュームをインストールするアベイラビリティーゾーン。この値を設定しない場合、インストールプログラムはデフォルトのアベイラビリティーゾーンを選択します。

文字列の一覧 (例: ["zone-1", "zone-2"])。

controlPlane.platform.openstack.serverGroupPolicy

プール内のコントロールプレーンマシンを含むグループに適用するサーバーグループポリシー。作成後にサーバーグループのポリシーまたは所属を変更することはできません。サポートされているオプションには、anti-affinitysoft-affinity、および soft-anti-affinity が含まれます。デフォルト値は soft-anti-affinity です。

affinity ポリシーは移行を防止するため、RHOSP のアップグレードに影響します。affinity ポリシーはサポートされていません。

厳密な anti-affinity ポリシーを使用する場合は、インスタンスの移行中に追加の RHOSP ホストが必要です。

マシンプールに適用するサーバーグループポリシー。たとえば、soft-affinity

platform.openstack.clusterOSImage

インストールプログラムが RHCOS イメージをダウンロードする場所。

ネットワークが制限された環境でインストールを実行するには、このパラメーターを設定する必要があります。

HTTP または HTTPS の URL (オプションで SHA-256 形式のチェックサムを使用)。

例: http://mirror.example.com/images/rhcos-43.81.201912131630.0-openstack.x86_64.qcow2.gz?sha256=ffebbd68e8a1f2a245ca19522c16c86f67f9ac8e4e0c1f0a812b068b16f7265d。この値は、既存の Glance イメージの名前にもなり得ます (例: my-rhcos)。

platform.openstack.clusterOSImageProperties

Glance のインストーラーでアップロードされた ClusterOSImage に追加するプロパティー。このプロパティーは、platform.openstack.clusterOSImage が既存の Glance イメージに設定されている場合は無視されます。

このプロパティーを使用し、ノードあたり 26 PV の RHOSP のデフォルト永続ボリューム (PV) の制限を超過することができます。制限を超えるには、hw_scsi_model プロパティーの値を virtio-scsi に設定し、hw_disk_bus の値を scsi に設定します。

このプロパティーを使用し、hw_qemu_guest_agent プロパティーを yes の値で追加して QEMU ゲストエージェントを有効にすることもできます。

キーと値の文字列のペアのリスト。例: ["hw_scsi_model": "virtio-scsi", "hw_disk_bus": "scsi"]

platform.openstack.defaultMachinePlatform

デフォルトのマシンプールプラットフォームの設定。

{
   "type": "ml.large",
   "rootVolume": {
      "size": 30,
      "type": "performance"
   }
}

platform.openstack.ingressFloatingIP

Ingress ポートに関連付ける既存の Floating IP アドレス。このプロパティーを使用するには、platform.openstack.externalNetwork プロパティーも定義する必要があります。

IP アドレス (例: 128.0.0.1)。

platform.openstack.apiFloatingIP

API ロードバランサーに関連付ける既存の Floating IP アドレス。このプロパティーを使用するには、platform.openstack.externalNetwork プロパティーも定義する必要があります。

IP アドレス (例: 128.0.0.1)。

platform.openstack.externalDNS

クラスターインスタンスが DNS 解決に使用する外部 DNS サーバーの IP アドレス。

文字列としての IP アドレスのリスト。例: ["8.8.8.8", "192.168.1.12"]

platform.openstack.machinesSubnet

クラスターのノードが使用する RHOSP サブネットの UUID。ノードおよび仮想 IP (VIP) ポートがこのサブネットに作成されます。

networking.machineNetwork の最初の項目は machinesSubnet の値に一致する必要があります。

カスタムサブネットにデプロイする場合、OpenShift Container Platform インストーラーに外部 DNS サーバーを指定することはできません。代わりに、DNS を RHOSP のサブネットに追加 します。

文字列としての UUID。例: fa806b2f-ac49-4bce-b9db-124bc64209bf

5.13.6. RHOSP デプロイメントでのカスタムサブネット

オプションで、選択する Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) サブネットにクラスターをデプロイすることができます。サブネットの GUID は、install-config.yaml ファイルの platform.openstack.machinesSubnet の値として渡されます。

このサブネットはクラスターのプライマリーサブネットとして使用されます。デフォルトで、ノードおよびポートはこの上に作成されます。platform.openstack.machinesSubnet プロパティーの値をサブネットの UUID に設定すると、異なる RHOSP サブネットにノードおよびポートを作成することができます。

カスタムサブネットを使用して OpenShift Container Platform インストーラーを実行する前に、設定が以下の要件を満たしていることを確認してください。

  • platform.openstack.machinesSubnet で使用されるサブネットで DHCP が有効にされている。
  • platform.openstack.machinesSubnet の CIDR は networking.machineNetwork の CIDR に一致する。
  • インストールプログラムのユーザーには、固定 IP アドレスを持つポートなど、このネットワークでポートを作成するパーミッションがある。

カスタムサブネットを使用するクラスターには、以下の制限があります。

  • Floating IP アドレスを使用するクラスターをインストールする予定の場合には、platform.openstack.machinesSubnet サブネットを externalNetwork ネットワークに接続されているルーターに接続する必要があります。
  • platform.openstack.machinesSubnet の値が install-config.yaml ファイルに設定されている場合、インストールプログラムは RHOSP マシンのプライベートネットワークまたはサブネットを作成しません。
  • platform.openstack.externalDNS プロパティーは、カスタムサブネットと同時に使用することはできません。カスタムサブネットを使用するクラスターに DNS を追加するには、RHOSP ネットワークで DNS を設定します。
注記

デフォルトでは、API VIP は x.x.x.5 を取得し、Ingress VIP はネットワークの CIDR ブロックから x.x.x.7 を取得します。これらのデフォルト値を上書きするには、DHCP 割り当てプール外の platform.openstack.apiVIPs および platform.openstack.ingressVIPs の値を設定します。

重要

ネットワークの CIDR 範囲は、クラスターのインストール後に調整できません。Red Hat は、namespace ごとに作成される Pod の数を慎重に検討する必要があるため、クラスターのインストール時に範囲を決定するための直接的なガイダンスを提供していません。

5.13.7. RHOSP のカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル

このサンプル install-config.yaml は、すべての可能な Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) カスタマイズオプションを示しています。

重要

このサンプルファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml ファイルを取得する必要があります。

apiVersion: v1
baseDomain: example.com
controlPlane:
  name: master
  platform: {}
  replicas: 3
compute:
- name: worker
  platform:
    openstack:
      type: ml.large
  replicas: 3
metadata:
  name: example
networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16
  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
  networkType: OVNKubernetes
platform:
  openstack:
    cloud: mycloud
    externalNetwork: external
    computeFlavor: m1.xlarge
    apiFloatingIP: 128.0.0.1
fips: false
pullSecret: '{"auths": ...}'
sshKey: ssh-ed25519 AAAA...

5.13.8. マシンのカスタムサブネットの設定

インストールプログラムがデフォルトで使用する IP 範囲は、OpenShift Container Platform のインストール時に作成する Neutron サブネットと一致しない可能性があります。必要な場合は、インストール設定ファイルを編集して、新規マシンの CIDR 値を更新します。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラムで生成された install-config.yaml ファイルがあります。

手順

  1. コマンドラインで、install-config.yaml が含まれるディレクトリーを参照します。
  2. そのディレクトリーからスクリプトを実行して install-config.yaml ファイルを編集するか、手動でファイルを更新します。

    • スクリプトを使用して値を設定するには、以下を実行します。

      $ python -c '
      import yaml;
      path = "install-config.yaml";
      data = yaml.safe_load(open(path));
      data["networking"]["machineNetwork"] = [{"cidr": "192.168.0.0/18"}]; 1
      open(path, "w").write(yaml.dump(data, default_flow_style=False))'
      1
      必要な Neutron サブネットに一致する値 (例: 192.0.2.0/24) を挿入します。
    • 値を手動で設定するには、ファイルを開き、networking.machineCIDR の値を必要な Neutron サブネットに一致する値に設定します。

5.13.9. コンピュートマシンプールを空にする

独自のインフラストラクチャーを使用するインストールを実行するには、インストール設定ファイルのコンピュートマシンの数をゼロに設定します。その後、これらのマシンを手動で作成します。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラムで生成された install-config.yaml ファイルがあります。

手順

  1. コマンドラインで、install-config.yaml が含まれるディレクトリーを参照します。
  2. そのディレクトリーからスクリプトを実行して install-config.yaml ファイルを編集するか、手動でファイルを更新します。

    • スクリプトを使用して値を設定するには、以下を実行します。

      $ python -c '
      import yaml;
      path = "install-config.yaml";
      data = yaml.safe_load(open(path));
      data["compute"][0]["replicas"] = 0;
      open(path, "w").write(yaml.dump(data, default_flow_style=False))'
    • 値を手動で設定するには、ファイルを開き、compute.<first entry>.replicas の値を 0 に設定します。

5.13.10. RHOSP プロバイダーネットワーク上のクラスターデプロイメント

プロバイダーネットワーク上のプライマリーネットワークインターフェイスを使用して、OpenShift Container Platform クラスターを Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) にデプロイできます。プロバイダーネットワークは一般的に、インターネットへの到達に使用可能なパブリックネットワークに、プロジェクトが直接アクセスできるように使用します。ネットワーク作成プロセスの一環として、プロバイダーネットワークをプロジェクト間で共有することもできます。

RHOSP プロバイダーネットワークは、データセンター内の既存の物理ネットワークに直接マップします。RHOSP 管理者はこれらを作成する必要があります。

以下の例では、OpenShift Container Platform ワークロードはプロバイダーネットワークを使用してデータセンターに接続されます。

OpenStack 上の 4 つの OpenShift ワークロードを示す図。各ワークロードは、プロバイダーネットワークを使用して、NIC によって外部のデータセンターに接続されます。

プロバイダーネットワークにインストールされている OpenShift Container Platform クラスターは、テナントネットワークまたは Floating IP アドレスを必要としません。インストーラーは、インストール中にこれらのリソースを作成しません。

プロバイダーネットワークタイプの例には、フラット (タグなし) および VLAN (802.1Q タグ付き) が含まれます。

注記

クラスターは、ネットワークタイプが許可する限り多くのプロバイダーネットワーク接続をサポートできます。たとえば、VLAN ネットワークは、通常最大 4096 の接続をサポートします。

プロバイダーネットワークおよびテナントネットワークの詳細は、RHOSP のドキュメント を参照してください。

5.13.10.1. クラスターのインストールにおける RHOSP プロバイダーネットワーク要件

OpenShift Container Platform クラスターをインストールする前に、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) のデプロイメントおよびプロバイダーネットワークは、さまざまな条件を満たす必要があります。

  • RHOSP ネットワークサービス (Neutron) が有効化され、RHOSP ネットワーク API 経由でアクセス可能であること。
  • RHOSP ネットワークサービスでは、ポートセキュリティーと許可するアドレスペアの機能拡張が有効化 されていること。
  • プロバイダーネットワークは他のテナントと共有できます。

    ヒント

    --share フラグを指定して openstack network create コマンドを使用して、共有できるネットワークを作成します。

  • クラスターのインストールに使用する RHOSP プロジェクトは、プロバイダーネットワークと適切なサブネットを所有する必要があります。

    ヒント
    "openshift" という名前のプロジェクトのネットワークを作成するには、以下のコマンドを入力します。
    $ openstack network create --project openshift
    "openshift" という名前のプロジェクトのサブネットを作成するには、以下のコマンドを入力します。
    $ openstack subnet create --project openshift

    RHOSP でのネットワークの作成に関する詳細は、プロバイダーネットワークに関するドキュメント を参照してください。

    クラスターが admin ユーザーによって所有されている場合、そのユーザーとしてインストーラーを実行してネットワーク上でポートを作成する必要があります。

    重要

    プロバイダーネットワークは、クラスターの作成に使用される RHOSP プロジェクトによって所有されている必要があります。所有されていない場合は、RHOSP Compute サービス (Nova) はそのネットワークからポートを要求できません。

  • プロバイダーネットワークが、デフォルトで 169.254.169.254 である RHOSP メタデータサービスの IP アドレスに到達できることを確認します。

    RHOSP SDN とネットワークサービス設定によっては、サブネットを作成する際に、ルートを提供しなければならない場合があります。以下に例を示します。

    $ openstack subnet create --dhcp --host-route destination=169.254.169.254/32,gateway=192.0.2.2 ...
  • オプション: ネットワークのセキュリティーを保護するには、単一のプロジェクトへのネットワークアクセスを制限する ロールベースのアクセス制御 (RBAC) ルールを作成します。

5.13.10.2. プロバイダーネットワークにプライマリーインターフェイスを持つクラスターのデプロイ

Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) プロバイダーネットワーク上にプライマリーネットワークインターフェイスを持つ OpenShift Container Platform クラスターをデプロイすることができます。

前提条件

  • 「クラスターのインストールにおける RHOSP プロバイダーネットワーク要件」に記載されているとおりに、お使いの Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) のデプロイメントが設定されています。

手順

  1. テキストエディターで install-config.yaml ファイルを開きます。
  2. platform.openstack.apiVIPs プロパティーの値を API VIP の IP アドレスに設定します。
  3. platform.openstack.ingressVIPs プロパティーの値を Ingress VIP の IP アドレスに設定します。
  4. platform.openstack.machinesSubnet プロパティーの値をプロバイダーネットワークサブネットの UUID に設定します。
  5. networking.machineNetwork.cidr プロパティーの値をプロバイダーネットワークサブネットの CIDR ブロックに設定します。
重要

platform.openstack.apiVIPs プロパティーおよび platform.openstack.ingressVIPs プロパティーはいずれも、networking.machineNetwork.cidr ブロックから割り当てられていない IP アドレスである必要があります。

RHOSP プロバイダーネットワークに依存するクラスターのインストール設定ファイルのセクション

        ...
        platform:
          openstack:
            apiVIPs: 1
              - 192.0.2.13
            ingressVIPs: 2
              - 192.0.2.23
            machinesSubnet: fa806b2f-ac49-4bce-b9db-124bc64209bf
            # ...
        networking:
          machineNetwork:
          - cidr: 192.0.2.0/24

1 2
OpenShift Container Platform 4.12 以降では、apiVIP および ingressVIP 設定は非推奨です。代わりに、リスト形式を使用して、apiVIPs および ingressVIPs 設定に値を入力します。
警告

プライマリーネットワークインターフェイスにプロバイダーネットワークを使用している間は、platform.openstack.externalNetwork パラメーターまたは platform.openstack.externalDNS パラメーターを設定することはできません。

クラスターをデプロイする際に、インストーラーは install-config.yaml ファイルを使用してプロバイダーネットワークにクラスターをデプロイします。

ヒント

プロバイダーネットワークを含むネットワークを platform.openstack.additionalNetworkIDs リストに追加できます。

クラスターのデプロイ後に、Pod を追加のネットワークに接続することができます。詳細は、複数ネットワークについて を参照してください。

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