2.3. Red Hat Windows Machine Config Operator 10.16.0 のリリースノート
WMCO のこのリリースは、OpenShift Container Platform クラスターで Windows コンピュートノードを実行するための新機能とバグ修正を提供します。WMCO 10.16.0 のコンポーネントは RHBA-2024:5014 でリリースされました。
2.3.1. バグ修正
- 以前は、WMCO は Windows 仮想マシンの再起動完了まで適切に待機しませんでした。そのため、WMCO が再起動中のノードとの対話を試行することで、WMCO がエラーをログに記録してノード設定を再起動するというタイミングの問題が発生することがありました。現在、WMCO はインスタンスが完全に再起動するまで待機します。(OCPBUGS-36171)
-
以前は、
emptyDir
ボリュームが接続されているノードをドレインするために必要なDeleteEmptyDirData: true
フィールドが WMCO の設定にありませんでした。そのため、emptyDir
ボリュームがあるノードを持つお客様のログに、エラーcannot delete Pods with local storage
が表示されていました。今回の修正により、WMCO のノードドレインヘルパー構造体にDeleteEmptyDirData: true
フィールドが追加されました。その結果、お客様はemptyDir
ボリュームが接続されたノードをドレインできるようになりました。(OCPBUGS-36171)
- 以前は、ネットワーク設定スクリプトのロジックが間違っていたため、WICD は CNI 設定ファイル内の改行を誤って変更として読み取り、ファイルが変更されたものとして識別していました。これにより、CNI 設定が不必要に再ロードされ、コンテナーの再起動や短時間のネットワーク停止が発生する可能性がありました。今回の修正により、WICD は、CNI 設定が実際に変更された場合にのみ CNI 設定をリロードするようになりました。(OCPBUGS-36171)
- 以前のバージョンでは、WMCO は Windows ノード CSR だけでなく、クラスターに参加しようとするすべてのノードでノード証明書署名要求(CSR)を誤って承認していました。今回の修正により、WMCO は Windows ノードのみの CSR を予想通りに承認するようになりました。(OCPBUGS-36171)
- 以前は、Windows Server 2019 に存在するルーティングの問題により、特定の条件下で 1 時間以上実行した後、Windows Server 2019 上のワークロードは、クラスター内の他のコンテナーと通信するときにパケット損失が発生する可能性がありました。この修正により、kube-proxy 内で Direct Server Return (DSR) ルーティングが有効になります。その結果、DSR により、要求トラフィックと応答トラフィックが異なるネットワークパスを使用するようになり、Windows Server 2019 内のバグが回避されます。(OCPBUGS-36171)
- 以前は、WMCO 6.x から WMCO 7.x へのアップグレードパスに以前にリリースされたバージョンが含まれていたため、WMCO はアップグレード中に失敗していました。今回の修正により、WMCO 6.x から WMCO 7.x に正常にアップグレードできるようになりました。(OCPBUGS-36171)
- 以前は、Windows コンピュートマシンセットノードと Bring-Your-Own-Host (BYOH)インスタンス間で同期がないため、コンピュートマシンセットノードと BYOH インスタンスを同時に更新し、実行中のワークロードに影響を与える可能性がありました。今回の修正でロックメカニズムが導入され、マシンセットノードと BYOH インスタンスは個別に更新されるようになりました。(OCPBUGS-36171)