5.6. Azure Stack Hub のインストールファイルの作成


user-provisioned infrastructure を使用して OpenShift Container Platform を Microsoft Azure Stack Hub にインストールするには、インストールプログラムがクラスターをデプロイするために必要なファイルを生成し、クラスターが使用するマシンのみを作成するようにそれらのファイルを変更する必要があります。install-config.yaml ファイルを手動で作成し、Kubernetes マニフェストおよび Ignition 設定ファイルを生成し、カスタマイズします。また、インストールの準備フェーズ時にまず別の var パーティションを設定するオプションもあります。

5.6.1. インストール設定ファイルの手動作成

前提条件

  • ローカルマシンには、インストールプログラムに提供する SSH 公開鍵があります。このキーは、デバッグおよび障害復旧のためにクラスターノードへの SSH 認証に使用されます。
  • OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットを取得しています。

手順

  1. 必要なインストールアセットを保存するためのインストールディレクトリーを作成します。

    $ mkdir <installation_directory>
    Copy to Clipboard
    重要

    ディレクトリーを作成する必要があります。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。

  2. 提供されるサンプルの install-config.yaml ファイルテンプレートをカスタマイズし、これを <installation_directory> に保存します。

    注記

    この設定ファイルの名前を install-config.yaml と付ける必要があります。

    Azure Stack Hub について以下の変更を加えます。

    1. compute プールの replicas パラメーターを 0 に設定します。

      compute:
      - hyperthreading: Enabled
        name: worker
        platform: {}
        replicas: 0 
      1
      Copy to Clipboard
      1
      0 に設定します。

      コンピュートマシンは後で手動でプロビジョニングされます。

    2. install-config.yaml ファイルの platform.azure セクションを更新し、Azure Stack Hub 設定を設定します。

      platform:
        azure:
          armEndpoint: <azurestack_arm_endpoint> 
      1
      
          baseDomainResourceGroupName: <resource_group> 
      2
      
          cloudName: AzureStackCloud 
      3
      
          region: <azurestack_region> 
      4
      Copy to Clipboard
      1
      https://management.local.azurestack.external など、Azure Stack Hub 環境の Azure Resource Manager エンドポイントを指定します。
      2
      ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前を指定します。
      3
      適切な Azure API エンドポイントで Azure SDK を設定するために使用される Azure Stack Hub 環境を指定します。
      4
      Azure Stack Hub リージョンの名前を指定します。
  3. install-config.yaml ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。

    重要

    install-config.yaml ファイルは、インストールプロセスの次の手順で使用されます。この時点でこれをバックアップする必要があります。

5.6.2. Azure Stack Hub 用にカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル

install-config.yaml ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームに関する詳細を指定するか、必要なパラメーターの値を変更することができます。

重要

このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。これを使用して、手動で作成したインストール設定ファイルにパラメーター値を入力します。

apiVersion: v1
baseDomain: example.com
controlPlane: 
1

  name: master
  platform:
    azure:
      osDisk:
        diskSizeGB: 1024 
2

        diskType: premium_LRS
  replicas: 3
compute: 
3

- name: worker
  platform:
    azure:
      osDisk:
        diskSizeGB: 512 
4

        diskType: premium_LRS
  replicas: 0
metadata:
  name: test-cluster 
5

networking:
  clusterNetwork:
  - cidr: 10.128.0.0/14
    hostPrefix: 23
  machineNetwork:
  - cidr: 10.0.0.0/16
  networkType: OVNKubernetes 
6

  serviceNetwork:
  - 172.30.0.0/16
platform:
  azure:
    armEndpoint: azurestack_arm_endpoint 
7

    baseDomainResourceGroupName: resource_group 
8

    region: azure_stack_local_region 
9

    resourceGroupName: existing_resource_group 
10

    outboundType: Loadbalancer
    cloudName: AzureStackCloud 
11

pullSecret: '{"auths": ...}' 
12

fips: false 
13

additionalTrustBundle: | 
14

    -----BEGIN CERTIFICATE-----
    <MY_TRUSTED_CA_CERT>
    -----END CERTIFICATE-----
sshKey: ssh-ed25519 AAAA... 
15
Copy to Clipboard
1 3
controlPlane セクションは単一マッピングですが、compute セクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、compute セクションの最初の行はハイフン - で始め、controlPlane セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。
2 4
使用するディスクのサイズは、GB 単位で指定できます。コントロールプレーンノードの最小推奨値は 1024 GB です。
5
クラスターの名前を指定します。
6
インストールするクラスターネットワークプラグイン。サポートされている値は OVNKubernetesOpenShiftSDN です。デフォルトの値は OVNkubernetes です。
7
Azure Stack Hub Operator が提供する Azure Resource Manager エンドポイントを指定します。
8
ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前を指定します。
9
Azure Stack Hub ローカルリージョンの名前を指定します。
10
クラスターをインストールする既存のリソースグループの名前を指定します。定義されていない場合は、クラスターに新しいリソースグループが作成されます。
11
Azure Stack Hub 環境をターゲットプラットフォームとして指定します。
12
クラスターの認証に必要なプルシークレットを指定します。
13
FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。FIPS モードが有効にされている場合、OpenShift Container Platform が実行される Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンがデフォルトの Kubernetes 暗号スイートをバイパスし、代わりに RHCOS で提供される暗号モジュールを使用します。
重要

クラスターで FIPS モードを有効にするには、FIPS モードで動作するように設定された Red Hat Enterprise Linux (RHEL) コンピューターからインストールプログラムを実行する必要があります。RHEL での FIPS モードの設定の詳細は、FIPS モードでのシステムのインストール を参照してください。FIPS モードでブートされた Red Hat Enterprise Linux (RHEL) または Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する場合、OpenShift Container Platform コアコンポーネントは、x86_64、ppc64le、および s390x アーキテクチャーのみで、FIPS 140-2/140-3 検証のために NIST に提出された RHEL 暗号化ライブラリーを使用します。

14
Azure Stack Hub 環境で内部認証局 (CA) を使用している場合は、必要な証明書バンドルを .pem 形式で追加します。
15
クラスター内のマシンにアクセスするために使用する sshKey 値をオプションで指定できます。
注記

インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、ssh-agent プロセスが使用する SSH キーを指定します。

5.6.3. インストール時のクラスター全体のプロキシーの設定

実稼働環境では、インターネットへの直接アクセスを拒否し、代わりに HTTP または HTTPS プロキシーを使用することができます。プロキシー設定を install-config.yaml ファイルで行うことにより、新規の OpenShift Container Platform クラスターをプロキシーを使用するように設定できます。

前提条件

  • 既存の install-config.yaml ファイルがある。
  • クラスターがアクセスする必要のあるサイトを確認済みで、それらのいずれかがプロキシーをバイパスする必要があるかどうかを判別している。デフォルトで、すべてのクラスター Egress トラフィック (クラスターをホストするクラウドに関するクラウドプロバイダー API に対する呼び出しを含む) はプロキシーされます。プロキシーを必要に応じてバイパスするために、サイトを Proxy オブジェクトの spec.noProxy フィールドに追加している。

    注記

    Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インストール設定の networking.machineNetwork[].cidrnetworking.clusterNetwork[].cidr、および networking.serviceNetwork[] フィールドの値が設定されます。

    Amazon Web Services (AWS)、Google Cloud Platform (GCP)、Microsoft Azure、および Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) へのインストールの場合、Proxy オブジェクトの status.noProxy フィールドには、インスタンスメタデータのエンドポイント (169.254.169.254) も設定されます。

手順

  1. install-config.yaml ファイルを編集し、プロキシー設定を追加します。以下に例を示します。

    apiVersion: v1
    baseDomain: my.domain.com
    proxy:
      httpProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 
    1
    
      httpsProxy: https://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 
    2
    
      noProxy: example.com 
    3
    
    additionalTrustBundle: | 
    4
    
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        <MY_TRUSTED_CA_CERT>
        -----END CERTIFICATE-----
    additionalTrustBundlePolicy: <policy_to_add_additionalTrustBundle> 
    5
    Copy to Clipboard
    1
    クラスター外の HTTP 接続を作成するために使用するプロキシー URL。URL スキームは http である必要があります。
    2
    クラスター外で HTTPS 接続を作成するために使用するプロキシー URL。
    3
    プロキシーから除外するための宛先ドメイン名、IP アドレス、または他のネットワーク CIDR のコンマ区切りのリスト。サブドメインのみと一致するように、ドメインの前に . を付けます。たとえば、.y.comx.y.com に一致しますが、y.com には一致しません。* を使用し、すべての宛先のプロキシーをバイパスします。
    4
    指定されている場合、インストールプログラムは HTTPS 接続のプロキシーに必要な 1 つ以上の追加の CA 証明書が含まれる user-ca-bundle という名前の設定マップを openshift-config namespace に生成します。次に Cluster Network Operator は、これらのコンテンツを Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 信頼バンドルにマージする trusted-ca-bundle 設定マップを作成し、この設定マップは Proxy オブジェクトの trustedCA フィールドで参照されます。additionalTrustBundle フィールドは、プロキシーのアイデンティティー証明書が RHCOS 信頼バンドルからの認証局によって署名されない限り必要になります。
    5
    オプション: trustedCA フィールドの user-ca-bundle 設定マップを参照する Proxy オブジェクトの設定を決定するポリシー。許可される値は Proxyonly および Always です。Proxyonly を使用して、http/https プロキシーが設定されている場合にのみ user-ca-bundle 設定マップを参照します。Always を使用して、常に user-ca-bundle 設定マップを参照します。デフォルト値は Proxyonly です。
    注記

    インストールプログラムは、プロキシーの readinessEndpoints フィールドをサポートしません。

    注記

    インストーラーがタイムアウトした場合は、インストーラーの wait-for コマンドを使用してデプロイメントを再起動してからデプロイメントを完了します。以下に例を示します。

    $ ./openshift-install wait-for install-complete --log-level debug
    Copy to Clipboard
  2. ファイルを保存し、OpenShift Container Platform のインストール時にこれを参照します。

インストールプログラムは、指定の install-config.yaml ファイルのプロキシー設定を使用する cluster という名前のクラスター全体のプロキシーを作成します。プロキシー設定が指定されていない場合、cluster Proxy オブジェクトが依然として作成されますが、これには spec がありません。

注記

cluster という名前の Proxy オブジェクトのみがサポートされ、追加のプロキシーを作成することはできません。

5.6.4. ARM テンプレートの一般的な変数のエクスポート

ユーザーによって提供されるインフラストラクチャーのインストールを Microsoft Azure Stack Hub で実行するのに役立つ指定の Azure Resource Manager (ARM) テンプレートで使用される一般的な変数のセットをエクスポートする必要があります。

注記

特定の ARM テンプレートには、追加のエクスポートされる変数が必要になる場合があります。これについては、関連する手順で詳しく説明されています。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラム、およびクラスターのプルシークレットを取得する。

手順

  1. 提供される ARM テンプレートで使用される install-config.yaml にある一般的な変数をエクスポートします。

    $ export CLUSTER_NAME=<cluster_name>
    1
    
    $ export AZURE_REGION=<azure_region>
    2
    
    $ export SSH_KEY=<ssh_key>
    3
    
    $ export BASE_DOMAIN=<base_domain>
    4
    
    $ export BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP=<base_domain_resource_group>
    5
    Copy to Clipboard
    1
    install-config.yaml ファイルからの .metadata.name 属性の値。
    2
    クラスターをデプロイするリージョンを選択します。これは、install-config.yaml ファイルからの .platform.azure.region 属性の値です。
    3
    文字列としての SSH RSA 公開鍵ファイル。SSH キーは、スペースが含まれているために引用符で囲む必要があります。これは、install-config.yaml ファイルからの .sshKey 属性の値です。
    4
    クラスターをデプロイするベースドメイン。ベースドメインは、クラスターに作成した DNS ゾーンに対応します。これは、install-config.yaml からの .baseDomain 属性の値です。
    5
    DNS ゾーンが存在するリソースグループ。これは、install-config.yaml ファイルからの .platform.azure.baseDomainResourceGroupName 属性の値です。

    以下に例を示します。

    $ export CLUSTER_NAME=test-cluster
    $ export AZURE_REGION=centralus
    $ export SSH_KEY="ssh-rsa xxx/xxx/xxx= user@email.com"
    $ export BASE_DOMAIN=example.com
    $ export BASE_DOMAIN_RESOURCE_GROUP=ocp-cluster
    Copy to Clipboard
  2. kubeadmin 認証情報をエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<installation_directory>/auth/kubeconfig 
    1
    Copy to Clipboard
    1
    <installation_directory> には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。

5.6.5. Kubernetes マニフェストおよび Ignition 設定ファイルの作成

一部のクラスター定義ファイルを変更し、クラスターマシンを手動で起動する必要があるため、クラスターがマシンを設定するために必要な Kubernetes マニフェストと Ignition 設定ファイルを生成する必要があります。

インストール設定ファイルは Kubernetes マニフェストに変換されます。マニフェストは Ignition 設定ファイルにラップされます。これはクラスターマシンを設定するために後で使用されます。

重要
  • OpenShift Container Platform のインストールプログラムが生成する Ignition 設定ファイルには、24 時間が経過すると期限切れになり、その後に更新される証明書が含まれます。証明書を更新する前にクラスターが停止し、24 時間経過した後にクラスターを再起動すると、クラスターは期限切れの証明書を自動的に復元します。例外として、kubelet 証明書を回復するために保留状態の node-bootstrapper 証明書署名要求 (CSR) を手動で承認する必要があります。詳細は、コントロールプレーン証明書の期限切れの状態からのリカバリー に関するドキュメントを参照してください。
  • 24 時間証明書はクラスターのインストール後 16 時間から 22 時間にローテーションするため、Ignition 設定ファイルは、生成後 12 時間以内に使用することを推奨します。12 時間以内に Ignition 設定ファイルを使用することにより、インストール中に証明書の更新が実行された場合のインストールの失敗を回避できます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform インストールプログラムを取得していること。
  • install-config.yaml インストール設定ファイルを作成していること。

手順

  1. OpenShift Container Platform のインストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、クラスターの Kubernetes マニフェストを生成します。

    $ ./openshift-install create manifests --dir <installation_directory> 
    1
    Copy to Clipboard
    1
    <installation_directory> には、作成した install-config.yaml ファイルが含まれるインストールディレクトリーを指定します。
  2. コントロールプレーンマシンを定義する Kubernetes マニフェストファイルを削除します。

    $ rm -f <installation_directory>/openshift/99_openshift-cluster-api_master-machines-*.yaml
    Copy to Clipboard

    これらのファイルを削除することで、クラスターがコントロールプレーンマシンを自動的に生成するのを防ぐことができます。

  3. コントロールプレーンマシンセットを定義する Kubernetes マニフェストファイルを削除します。

    $ rm -f <installation_directory>/openshift/99_openshift-machine-api_master-control-plane-machine-set.yaml
    Copy to Clipboard
  4. ワーカーマシンを定義する Kubernetes マニフェストファイルを削除します。

    $ rm -f <installation_directory>/openshift/99_openshift-cluster-api_worker-machineset-*.yaml
    Copy to Clipboard
    重要

    user-provisioned infrastructure にクラスターをインストールするときに MachineAPI 機能を無効にした場合は、ワーカーマシンを定義する Kubernetes マニフェストファイルを削除する必要があります。そうしないと、クラスターのインストールに失敗します。

    ワーカーマシンは独自に作成し、管理するため、これらのマシンを初期化する必要はありません。

  5. <installation_directory>/manifests/cluster-scheduler-02-config.yml Kubernetes マニフェストファイルの mastersSchedulable パラメーターが false に設定されていることを確認します。この設定により、Pod がコントロールプレーンマシンにスケジュールされなくなります。

    1. <installation_directory>/manifests/cluster-scheduler-02-config.yml ファイルを開きます。
    2. mastersSchedulable パラメーターを見つけ、これが false に設定されていることを確認します。
    3. ファイルを保存し、終了します。
  6. オプション: Ingress Operator を DNS レコードを作成するよう設定する必要がない場合は、<installation_directory>/manifests/cluster-dns-02-config.yml DNS 設定ファイルから privateZone および publicZone セクションを削除します。

    apiVersion: config.openshift.io/v1
    kind: DNS
    metadata:
      creationTimestamp: null
      name: cluster
    spec:
      baseDomain: example.openshift.com
      privateZone: 
    1
    
        id: mycluster-100419-private-zone
      publicZone: 
    2
    
        id: example.openshift.com
    status: {}
    Copy to Clipboard
    1 2
    このセクションを完全に削除します。

    これを実行する場合、後のステップで Ingress DNS レコードを手動で追加する必要があります。

  7. オプション: Azure Stack Hub 環境で内部認証局 (CA) を使用する場合には、<installation_directory>/manifests/cluster-proxy-01-config.yaml.spec.trustedCA.name フィールドを更新して、user-ca-bundle を使用する必要があります。

    ...
    spec:
      trustedCA:
        name: user-ca-bundle
    ...
    Copy to Clipboard

    後で、CA を含めるようにブートストラップ Ignition を更新する必要があります。

  8. user-provisioned infrastructure で Azure を設定する場合、Azure Resource Manager (ARM) テンプレートで後に使用するためにマニフェストファイルに定義された一般的な変数の一部をエクスポートする必要があります。

    1. 以下のコマンドを使用してインフラストラクチャー ID をエクスポートします。

      $ export INFRA_ID=<infra_id> 
      1
      Copy to Clipboard
      1
      OpenShift Container Platform クラスターには、<cluster_name>-<random_string> の形式の識別子 (INFRA_ID) が割り当てられます。これは、提供される ARM テンプレートを使用して作成されるほとんどのリソースのベース名として使用されます。これは、manifests/cluster-infrastructure-02-config.yml ファイルからの .status.infrastructureName 属性の値です。
    2. 以下のコマンドを使用してリソースグループをエクスポートします。

      $ export RESOURCE_GROUP=<resource_group> 
      1
      Copy to Clipboard
      1
      この Azure デプロイメントで作成されたすべてのリソースは、リソースグループ の一部として存在します。リソースグループ名は、<cluster_name>-<random_string>-rg 形式の INFRA_ID をベースとしています。これは、manifests/cluster-infrastructure-02-config.yml ファイルからの .status.platformStatus.azure.resourceGroupName 属性の値です。
  9. クラウド認証情報を手動で作成します。

    1. インストールプログラムが含まれるディレクトリーから、openshift-install バイナリーがビルドされる OpenShift Container Platform リリースイメージの詳細を取得します。

      $ openshift-install version
      Copy to Clipboard

      出力例

      release image quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.y.z-x86_64
      Copy to Clipboard

    2. 次のコマンドを実行して、インストールファイルのリリースイメージを $RELEASE_IMAGE 変数に設定します。

      $ RELEASE_IMAGE=$(./openshift-install version | awk '/release image/ {print $3}')
      Copy to Clipboard
    3. 以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform リリースイメージから CredentialsRequest カスタムリソース (CR) のリストを抽出します。

      $ oc adm release extract \
        --from=$RELEASE_IMAGE \
        --credentials-requests \
        --included \
      1
      
        --install-config=<path_to_directory_with_installation_configuration>/install-config.yaml \
      2
      
        --to=<path_to_directory_for_credentials_requests> 
      3
      Copy to Clipboard
      1
      --included パラメーターには、特定のクラスター設定に必要なマニフェストのみが含まれます。
      2
      install-config.yaml ファイルの場所を指定します。
      3
      CredentialsRequest オブジェクトを保存するディレクトリーへのパスを指定します。指定したディレクトリーが存在しない場合は、このコマンドによって作成されます。

      このコマンドにより、それぞれの CredentialsRequest オブジェクトに YAML ファイルが作成されます。

      サンプル CredentialsRequest オブジェクト

      apiVersion: cloudcredential.openshift.io/v1
      kind: CredentialsRequest
      metadata:
        labels:
          controller-tools.k8s.io: "1.0"
        name: openshift-image-registry-azure
        namespace: openshift-cloud-credential-operator
      spec:
        secretRef:
          name: installer-cloud-credentials
          namespace: openshift-image-registry
        providerSpec:
          apiVersion: cloudcredential.openshift.io/v1
          kind: AzureProviderSpec
          roleBindings:
          - role: Contributor
      Copy to Clipboard

    4. 以前に生成した openshift-install マニフェストディレクトリーにシークレットの YAML ファイルを作成します。シークレットは、それぞれの CredentialsRequest オブジェクトについて spec.secretRef に定義される namespace およびシークレット名を使用して保存する必要があります。シークレットデータの形式は、クラウドプロバイダーごとに異なります。

      secrets.yaml ファイルのサンプル:

      apiVersion: v1
      kind: Secret
      metadata:
          name: ${secret_name}
          namespace: ${secret_namespace}
      stringData:
        azure_subscription_id: ${subscription_id}
        azure_client_id: ${app_id}
        azure_client_secret: ${client_secret}
        azure_tenant_id: ${tenant_id}
        azure_resource_prefix: ${cluster_name}
        azure_resourcegroup: ${resource_group}
        azure_region: ${azure_region}
      Copy to Clipboard

    5. Cloud Credential Operator (CCO) を無効にして manifests ディレクトリーに cco-configmap.yaml ファイルを作成します。

      サンプル ConfigMap オブジェクト

      apiVersion: v1
      kind: ConfigMap
      metadata:
      name: cloud-credential-operator-config
      namespace: openshift-cloud-credential-operator
        annotations:
          release.openshift.io/create-only: "true"
      data:
        disabled: "true"
      Copy to Clipboard

  10. Ignition 設定ファイルを作成するには、インストールプログラムが含まれるディレクトリーから以下のコマンドを実行します。

    $ ./openshift-install create ignition-configs --dir <installation_directory> 
    1
    Copy to Clipboard
    1
    <installation_directory> には、同じインストールディレクトリーを指定します。

    Ignition 設定ファイルは、インストールディレクトリー内のブートストラップ、コントロールプレーン、およびコンピュートノード用に作成されます。kubeadmin-password および kubeconfig ファイルが ./<installation_directory>/auth ディレクトリーに作成されます。

    .
    ├── auth
    │   ├── kubeadmin-password
    │   └── kubeconfig
    ├── bootstrap.ign
    ├── master.ign
    ├── metadata.json
    └── worker.ign
    Copy to Clipboard

5.6.6. オプション: 別個の /var パーティションの作成

OpenShift Container Platform のディスクパーティション設定はインストーラー側で行う必要があります。ただし、拡張予定のファイルシステムの一部に個別のパーティションの作成が必要となる場合もあります。

OpenShift Container Platform は、ストレージを /var パーティションまたは /var のサブディレクトリーのいずれかに割り当てる単一のパーティションの追加をサポートします。以下に例を示します。

  • /var/lib/containers: イメージやコンテナーがシステムにさらに追加されると拡張するコンテナー関連のコンテンツを保持します。
  • /var/lib/etcd: etcd ストレージのパフォーマンスの最適化などの目的で分離する必要のあるデータを保持します。
  • /var: 監査などの目的に合わせて分離させる必要のあるデータを保持します。

/var ディレクトリーのコンテンツを個別に保存すると、必要に応じてこれらの領域のストレージの拡大を容易にし、後で OpenShift Container Platform を再インストールして、そのデータをそのまま保持することができます。この方法では、すべてのコンテナーを再度プルする必要はありません。また、システムの更新時に大きなログファイルをコピーする必要もありません。

/var は、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) の新規インストール前に有効にする必要があるため、以下の手順では OpenShift Container Platform インストールの openshift-install の準備フェーズで挿入されるマシン設定マニフェストを作成して、別の /var パーティションを設定します。

重要

この手順で個別の /var パーティションを作成する手順を実行する場合、このセクションで後に説明されるように、Kubernetes マニフェストおよび Ignition 設定ファイルを再び作成する必要はありません。

手順

  1. OpenShift Container Platform インストールファイルを保存するディレクトリーを作成します。

    $ mkdir $HOME/clusterconfig
    Copy to Clipboard
  2. openshift-install を実行して、manifest および openshift のサブディレクトリーにファイルのセットを作成します。プロンプトが表示されたら、システムの質問に回答します。

    $ openshift-install create manifests --dir $HOME/clusterconfig
    Copy to Clipboard

    出力例

    ? SSH Public Key ...
    INFO Credentials loaded from the "myprofile" profile in file "/home/myuser/.aws/credentials"
    INFO Consuming Install Config from target directory
    INFO Manifests created in: $HOME/clusterconfig/manifests and $HOME/clusterconfig/openshift
    Copy to Clipboard

  3. オプション: インストールプログラムで clusterconfig/openshift ディレクトリーにマニフェストが作成されたことを確認します。

    $ ls $HOME/clusterconfig/openshift/
    Copy to Clipboard

    出力例

    99_kubeadmin-password-secret.yaml
    99_openshift-cluster-api_master-machines-0.yaml
    99_openshift-cluster-api_master-machines-1.yaml
    99_openshift-cluster-api_master-machines-2.yaml
    ...
    Copy to Clipboard

  4. 追加のパーティションを設定する Butane 設定を作成します。たとえば、$HOME/clusterconfig/98-var-partition.bu ファイルに名前を付け、ディスクのデバイス名を worker システムのストレージデバイスの名前に変更し、必要に応じてストレージサイズを設定します。以下の例では、/var ディレクトリーを別のパーティションにマウントします。

    variant: openshift
    version: 4.14.0
    metadata:
      labels:
        machineconfiguration.openshift.io/role: worker
      name: 98-var-partition
    storage:
      disks:
      - device: /dev/disk/by-id/<device_name> 
    1
    
        partitions:
        - label: var
          start_mib: <partition_start_offset> 
    2
    
          size_mib: <partition_size> 
    3
    
          number: 5
      filesystems:
        - device: /dev/disk/by-partlabel/var
          path: /var
          format: xfs
          mount_options: [defaults, prjquota] 
    4
    
          with_mount_unit: true
    Copy to Clipboard
    1
    パーティションを設定する必要のあるディスクのストレージデバイス名。
    2
    データパーティションをブートディスクに追加する場合は、25000 MiB (メビバイト) の最小値が推奨されます。ルートファイルシステムは、指定したオフセットまでの利用可能な領域をすべて埋めるためにサイズを自動的に変更します。値の指定がない場合や、指定した値が推奨される最小値よりも小さい場合、生成されるルートファイルシステムのサイズは小さ過ぎるため、RHCOS の再インストールでデータパーティションの最初の部分が上書きされる可能性があります。
    3
    データパーティションのサイズ (メビバイト単位)。
    4
    コンテナーストレージに使用されるファイルシステムでは、prjquota マウントオプションを有効にする必要があります。
    注記

    個別の /var パーティションを作成する場合、異なるインスタンスタイプに同じデバイス名がない場合は、ワーカーノードに異なるインスタンスタイプを使用することはできません。

  5. Butane config からマニフェストを作成し、clusterconfig/openshift ディレクトリーに保存します。たとえば、以下のコマンドを実行します。

    $ butane $HOME/clusterconfig/98-var-partition.bu -o $HOME/clusterconfig/openshift/98-var-partition.yaml
    Copy to Clipboard
  6. openshift-install を再度実行し、manifest および openshift のサブディレクトリー内のファイルセットから、Ignition 設定を作成します。

    $ openshift-install create ignition-configs --dir $HOME/clusterconfig
    $ ls $HOME/clusterconfig/
    auth  bootstrap.ign  master.ign  metadata.json  worker.ign
    Copy to Clipboard

Ignition 設定ファイルを Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) システムをインストールするためにインストール手順への入力として使用できます。

トップに戻る
Red Hat logoGithubredditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。 最新の更新を見る.

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

Theme

© 2025 Red Hat