9.3. カスタム VPC の使用について


OpenShift Container Platform 4.15 では、クラスターを Google Cloud Platform (GCP) の既存の VPC にデプロイできます。これを実行する場合、VPC 内の既存のサブネットおよびルーティングルールも使用する必要があります。

OpenShift Container Platform を既存の GCP VPC にデプロイすると、新規アカウントの制限を回避したり、会社のガイドラインによる運用上の制約をより容易に遵守することが可能になる場合があります。VPC の作成に必要なインフラストラクチャーの作成パーミッションを取得できない場合には、このオプションを使用できます。

9.3.1. VPC を使用するための要件

インストールプログラムは、以下のコンポーネントを作成しなくなります。

  • VPC
  • サブネット
  • Cloud Router
  • Cloud NAT
  • NAT IP アドレス

カスタム VPC を使用する場合は、そのカスタム VPC と使用するインストールプログラムおよびクラスターのサブネットを適切に設定する必要があります。インストールプログラムは、使用するクラスターのネットワーク範囲を細分化できず、サブネットのルートテーブルを設定するか、DHCP などの VPC オプションを設定します。これは、クラスターのインストール前に設定する必要があります。

VPC およびサブネットは以下の要件を満たす必要があります。

  • VPC は、OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする同じ GCP プロジェクトに存在する必要があります。
  • コントロールプレーンおよびコンピュートマシンからインターネットにアクセスできるようにするには、サブネットで Cloud NAT を設定してこれに対する Egress を許可する必要があります。これらのマシンにパブリックアドレスがありません。インターネットへのアクセスが必要ない場合でも、インストールプログラムおよびイメージを取得できるように VPC ネットワークに対して Egress を許可する必要があります。複数の Cloud NAT を共有サブネットで設定できないため、インストールプログラムはこれを設定できません。

指定するサブネットが適切であることを確認するには、インストールプログラムが以下のデータを確認します。

  • 指定するすべてのサブネットが存在し、指定した VPC に属します。
  • サブネットの CIDR はマシン CIDR に属します。
  • クラスターのコントロールプレーンおよびコンピュートマシンをデプロイするためにサブネットを指定する必要があります。両方のマシンタイプに同じサブネットを使用できます。

既存の VPC を使用するクラスターを破棄しても、VPC は削除されません。

9.3.2. パーミッションの区分

OpenShift Container Platform 4.3 以降、クラスターのデプロイに、インストールプログラムがプロビジョニングするインフラストラクチャークラスターに必要なすべてのパーミッションを必要としなくなりました。この変更は、ある会社で個人がクラウドで他とは異なるリソースを作成できるようにパーミッションが区分された状態に類似するものです。たとえば、インスタンス、バケット、ロードバランサーなどのアプリケーション固有のアイテムを作成することはできますが、VPC、サブネット、または Ingress ルールなどのネットワーク関連のコンポーネントは作成できない可能性があります。

クラスターの作成時に使用する GCP の認証情報には、VPC、およびサブネット、ルーティングテーブル、インターネットゲートウェイ、NAT、VPN などの VPC 内のコアとなるネットワークコンポーネントの作成に必要なネットワークのパーミッションは必要ありません。ロードバランサー、セキュリティーグループ、ストレージおよびノードなどの、クラスター内でマシンに必要なアプリケーションリソースを作成するパーミッションは依然として必要になります。

9.3.3. クラスター間の分離

OpenShift Container Platform を既存ネットワークにデプロイする場合、クラスターサービスの分離は、クラスターのインフラストラクチャー ID によるクラスター内のマシンを参照するファイアウォールルールによって保持されます。クラスター内のトラフィックのみが許可されます。

複数のクラスターを同じ VPC にデプロイする場合、以下のコンポーネントはクラスター間のアクセスを共有する可能性があります。

  • API: 外部公開ストラテジーでグローバルに利用可能か、内部公開ストラテジーのネットワーク全体で利用できる。
  • デバッグツール: SSH および ICMP アクセス用にマシン CIDR に対して開かれている仮想マシンインスタンス上のポートなど。
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