CLI ツール
OpenShift Container Platform コマンドラインツールの使用方法
概要
第1章 OpenShift CLI (oc)
1.1. CLI の使用方法
1.1.1. CLI について
OpenShift Container Platform のコマンドラインインターフェース (CLI) を使用すると、ターミナルからアプリケーションを作成し、OpenShift Container Platform プロジェクトを管理できます。CLI の使用は、以下の場合に適しています。
- プロジェクトのソースコードを直接使用している。
- OpenShift Container Platform の操作をスクリプト化する。
- 帯域幅リソースの制限下にあり、Web コンソールを使用できない。
1.1.2. CLI のインストール
コマンドラインインターフェースを使用して OpenShift Container Platform と対話するために CLI をインストールすることができます。
以前のバージョンの oc
をインストールしている場合、これを使用して OpenShift Container Platform 4.2 のすべてのコマンドを実行することはできません。新規バージョンの oc
をダウンロードし、インストールします。
手順
- Red Hat OpenShift Cluster Manager サイトの Infrastructure Provider ページから、選択するインストールタイプのページに移動し、Download Command-line Tools をクリックします。
オペレーティングシステムおよびアーキテクチャーのフォルダーをクリックしてから、圧縮されたファイルをクリックします。
注記oc
は Linux、Windows、または macOS にインストールできます。- ファイルをファイルシステムに保存します。
- 圧縮ファイルを展開します。
-
これを
PATH
にあるディレクトリーに配置します。
CLI のインストール後は、oc
コマンドを使用して利用できます。
$ oc <command>
1.1.3. CLI へのログイン
oc
CLI にログインしてクラスターにアクセスし、これを管理できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターへのアクセスがあること。
- CLI をインストールしていること。
手順
oc login
コマンドを使用して CLI にログインし、プロンプトが出されたら必要な情報を入力します。$ oc login Server [https://localhost:8443]: https://openshift.example.com:6443 1 The server uses a certificate signed by an unknown authority. You can bypass the certificate check, but any data you send to the server could be intercepted by others. Use insecure connections? (y/n): y 2 Authentication required for https://openshift.example.com:6443 (openshift) Username: user1 3 Password: 4 Login successful. You don't have any projects. You can try to create a new project, by running oc new-project <projectname> Welcome! See 'oc help' to get started.
これで、プロジェクトを作成でき、クラスターを管理するための他のコマンドを実行することができます。
1.1.4. CLI の使用
以下のセクションで、CLI を使用して一般的なタスクを実行する方法を確認します。
1.1.4.1. プロジェクトの作成
新規プロジェクトを作成するには、oc new-project
コマンドを使用します。
$ oc new-project my-project Now using project "my-project" on server "https://openshift.example.com:6443".
1.1.4.2. 新しいアプリケーションの作成
新規アプリケーションを作成するには、oc new-app
コマンドを使用します。
$ oc new-app https://github.com/sclorg/cakephp-ex --> Found image 40de956 (9 days old) in imagestream "openshift/php" under tag "7.2" for "php" ... Run 'oc status' to view your app.
1.1.4.3. Pod の表示
現在のプロジェクトの Pod を表示するには、oc get pods
コマンドを使用します。
$ oc get pods -o wide NAME READY STATUS RESTARTS AGE IP NODE NOMINATED NODE cakephp-ex-1-build 0/1 Completed 0 5m45s 10.131.0.10 ip-10-0-141-74.ec2.internal <none> cakephp-ex-1-deploy 0/1 Completed 0 3m44s 10.129.2.9 ip-10-0-147-65.ec2.internal <none> cakephp-ex-1-ktz97 1/1 Running 0 3m33s 10.128.2.11 ip-10-0-168-105.ec2.internal <none>
1.1.4.4. Pod ログの表示
特定の Pod のログを表示するには、oc logs
コマンドを使用します。
$ oc logs cakephp-ex-1-deploy --> Scaling cakephp-ex-1 to 1 --> Success
1.1.4.5. 現在のプロジェクトの表示
現在のプロジェクトを表示するには、oc project
コマンドを使用します。
$ oc project Using project "my-project" on server "https://openshift.example.com:6443".
1.1.4.6. 現在のプロジェクトのステータスの表示
サービス、DeploymentConfig、および BuildConfig などの現在のプロジェクトについての情報を表示するには、oc status
コマンドを使用します。
$ oc status In project my-project on server https://openshift.example.com:6443 svc/cakephp-ex - 172.30.236.80 ports 8080, 8443 dc/cakephp-ex deploys istag/cakephp-ex:latest <- bc/cakephp-ex source builds https://github.com/sclorg/cakephp-ex on openshift/php:7.2 deployment #1 deployed 2 minutes ago - 1 pod 3 infos identified, use 'oc status --suggest' to see details.
1.1.4.7. サポートされる API のリソースの一覧表示
サーバー上でサポートされる API リソースの一覧を表示するには、oc api-resources
コマンドを使用します。
$ oc api-resources NAME SHORTNAMES APIGROUP NAMESPACED KIND bindings true Binding componentstatuses cs false ComponentStatus configmaps cm true ConfigMap ...
1.1.5. ヘルプの表示
CLI コマンドおよび OpenShift Container Platform リソースに関するヘルプを以下の方法で表示することができます。
利用可能なすべての CLI コマンドの一覧および説明を表示するには、
oc help
を使用します。例: CLI についての一般的なヘルプの表示
$ oc help OpenShift Client This client helps you develop, build, deploy, and run your applications on any OpenShift or Kubernetes compatible platform. It also includes the administrative commands for managing a cluster under the 'adm' subcommand. Usage: oc [flags] Basic Commands: login Log in to a server new-project Request a new project new-app Create a new application ...
特定の CLI コマンドについてのヘルプを表示するには、
--help
フラグを使用します。例:
oc create
コマンドについてのヘルプの表示$ oc create --help Create a resource by filename or stdin JSON and YAML formats are accepted. Usage: oc create -f FILENAME [flags] ...
特定リソースについての説明およびフィールドを表示するには、
oc explain
コマンドを使用します。例: Pod リソースのドキュメントの表示
$ oc explain pods KIND: Pod VERSION: v1 DESCRIPTION: Pod is a collection of containers that can run on a host. This resource is created by clients and scheduled onto hosts. FIELDS: apiVersion <string> APIVersion defines the versioned schema of this representation of an object. Servers should convert recognized schemas to the latest internal value, and may reject unrecognized values. More info: https://git.k8s.io/community/contributors/devel/api-conventions.md#resources ...
1.1.6. CLI からのログアウト
CLI からログアウトし、現在のセッションを終了することができます。
oc logout
コマンドを使用します。$ oc logout Logged "user1" out on "https://openshift.example.com"
これにより、サーバーから保存された認証トークンが削除され、設定ファイルから除去されます。
1.2. CLI の設定
1.2.1. タブ補完の有効化
oc
CLI ツールをインストールした後に、タブ補完を有効にして oc
コマンドの自動補完を実行するか、または Tab キーを押す際にオプションの提案が表示されるようにできます。
前提条件
-
oc
CLI ツールをインストールしていること。
手順
以下の手順では、Bash のタブ補完を有効にします。
Bash 補完コードをファイルに保存します。
$ oc completion bash > oc_bash_completion
ファイルを
/etc/bash_completion.d/
にコピーします。$ sudo cp oc_bash_completion /etc/bash_completion.d/
さらにファイルをローカルディレクトリーに保存した後に、これを
.bashrc
ファイルから取得できるようにすることができます。
タブ補完は、新規ターミナルを開くと有効にされます。
1.3. プラグインによる CLI の拡張
デフォルトの oc
コマンドを拡張するためにプラグインを作成およびインストールし、これを使用して OpenShift Container Platform CLI で新規および追加の複雑なタスクを実行できます。
1.3.1. CLI プラグインの作成
コマンドラインのコマンドを作成できる任意のプログラミング言語またはスクリプトで、OpenShift Container Platform CLI のプラグインを作成できます。既存の oc
コマンドを上書きするプラグインを使用することはできない点に注意してください。
現時点で OpenShift CLI プラグインはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境でのサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様は機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことができます。
詳細は、「テクノロジープレビュー機能のサポート範囲」を参照してください。
手順
以下の手順では、oc foo
コマンドの実行時にターミナルにメッセージを出力する単純な Bash プラグインを作成します。
oc-foo
というファイルを作成します。プラグインファイルの名前を付ける際には、以下の点に留意してください。
-
プログインとして認識されるように、ファイルの名前は
oc-
またはkubectl-
で開始する必要があります。 -
ファイル名は、プラグインを起動するコマンドを判別するものとなります。たとえば、ファイル名が
oc-foo-bar
のプラグインは、oc foo bar
のコマンドで起動します。また、コマンドにダッシュを含める必要がある場合には、アンダースコアを使用することもできます。たとえば、ファイル名がoc-foo_bar
のプラグインはoc foo-bar
のコマンドで起動できます。
-
プログインとして認識されるように、ファイルの名前は
以下の内容をファイルに追加します。
#!/bin/bash # optional argument handling if [[ "$1" == "version" ]] then echo "1.0.0" exit 0 fi # optional argument handling if [[ "$1" == "config" ]] then echo $KUBECONFIG exit 0 fi echo "I am a plugin named kubectl-foo"
OpenShift Container Platform CLI のこのプラグインをインストールした後に、oc foo
コマンドを使用してこれを起動できます。
追加リソース
- Go で作成されたプラグインの例については、 サンプルのプラグインリポジトリーを参照してください。
- Go でのプラグインの作成を支援する一連のユーティリティーについては、CLI ランタイムリポジトリーを参照してください。
1.3.2. CLI プラグインのインストールおよび使用
OpenShift Container Platform CLI のカスタムプラグインの作成後に、これが提供する機能を使用できるようインストールする必要があります。
現時点で OpenShift CLI プラグインはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat の実稼働環境でのサービスレベルアグリーメント (SLA) ではサポートされていないため、Red Hat では実稼働環境での使用を推奨していません。これらの機能は、近々発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供することにより、お客様は機能性をテストし、開発プロセス中にフィードバックをお寄せいただくことができます。
詳細は、「テクノロジープレビュー機能のサポート範囲」を参照してください。
前提条件
-
oc
CLI ツールをインストールしていること。 -
oc-
またはkubectl-
で始まる CLI プラグインファイルがあること。
手順
必要に応じて、プラグインファイルを実行可能な状態になるように更新します。
$ chmod +x <plugin_file>
ファイルを
PATH
の任意の場所に置きます (例:/usr/local/bin/
)。$ sudo mv <plugin_file> /usr/local/bin/.
oc plugin list
を実行し、プラグインが一覧表示されることを確認します。$ oc plugin list The following compatible plugins are available: /usr/local/bin/<plugin_file>
プラグインがここに一覧表示されていない場合、ファイルが
oc-
またはkubectl-
で開始されるものであり、実行可能な状態でPATH
上にあることを確認します。プラグインによって導入される新規コマンドまたはオプションを起動します。
たとえば、
kubectl-ns
プラグインをサンプルのプラグインリポジトリーからビルドし、インストールしている場合、以下のコマンドを使用して現在の namespace を表示できます。$ oc ns
プラグインを起動するためのコマンドはプラグインファイル名によって異なることに注意してください。たとえば、ファイル名が
oc-foo-bar
のプラグインはoc foo bar
コマンドによって起動します。
1.4. 開発者の CLI コマンド
1.4.1. 基本的な CLI コマンド
1.4.1.1. explain
特定リソースのドキュメントを表示します。
例: Pod のドキュメントの表示
$ oc explain pods
1.4.1.2. login
OpenShift Container Platform サーバーにログインし、後続の使用のためにログイン情報を保存します。
例: 対話型ログイン
$ oc login
例: ユーザー名を指定したログイン
$ oc login -u user1
1.4.1.3. new-app
ソースコード、テンプレート、またはイメージを指定して新規アプリケーションを作成します。
例: ローカル Git リポジトリーからの新規アプリケーションの作成
$ oc new-app .
例: リモート Git リポジトリーからの新規アプリケーションの作成
$ oc new-app https://github.com/sclorg/cakephp-ex
例: プライベートリモートリポジトリーからの新規アプリケーションの作成
$ oc new-app https://github.com/youruser/yourprivaterepo --source-secret=yoursecret
1.4.1.4. new-project
新規プロジェクトを作成し、設定のデフォルトのプロジェクトとしてこれに切り替えます。
例: 新規プロジェクトの作成
$ oc new-project myproject
1.4.1.5. project
別のプロジェクトに切り替えて、これを設定でデフォルトにします。
例: 別のプロジェクトへの切り替え
$ oc project test-project
1.4.1.6. projects
現在のアクティブなプロジェクトおよびサーバー上の既存プロジェクトについての情報を表示します。
例: すべてのプロジェクトの一覧表示
$ oc projects
1.4.1.7. status
現在のプロジェクトのハイレベルの概要を表示します。
例: 現在のプロジェクトのステータスの表示
$ oc status
1.4.2. CLI コマンドのビルドおよびデプロイ
1.4.2.1. cancel-build
実行中、保留中、または新規のビルドを取り消します。
例:ビルドの取り消し
$ oc cancel-build python-1
例: python
BuildConfig からの保留中のすべてのビルドの取り消し
$ oc cancel-build buildconfig/python --state=pending
1.4.2.2. import-image
イメージリポジトリーから最新のタグおよびイメージ情報をインポートします。
例: 最新のイメージ情報のインポート
$ oc import-image my-ruby
1.4.2.3. new-build
ソースコードから新規の BuildConfig
を作成します。
例: ローカル Git リポジトリーからの BuildConfig の作成
$ oc new-build .
例: リモート Git リポジトリーからの BuildConfig の作成
$ oc new-build https://github.com/sclorg/cakephp-ex
1.4.2.4. rollback
アプリケーションを以前のデプロイメントに戻します。
例: 最後に成功したデプロイメントへのロールバック
$ oc rollback php
例: 特定バージョンへのロールバック
$ oc rollback php --to-version=3
1.4.2.5. rollout
新規ロールアウトを開始し、そのステータスまたは履歴を表示するか、またはアプリケーションの以前のバージョンにロールバックします。
例: 最後に成功したデプロイメントへのロールバック
$ oc rollout undo deploymentconfig/php
例: 最新状態の DeploymentConfig の新規ロールアウトの開始
$ oc rollout latest deploymentconfig/php
1.4.2.6. start-build
BuildConfig
からビルドを開始するか、または既存ビルドをコピーします。
例: 指定された BuildConfig からのビルドの開始
$ oc start-build python
例: 以前のビルドからのビルドの開始
$ oc start-build --from-build=python-1
例: 現在のビルドに使用する環境変数の設定
$ oc start-build python --env=mykey=myvalue
1.4.2.7. tag
既存のイメージをイメージストリームにタグ付けします。
例: ruby
イメージの latest
タグを 2.0
タグのイメージを参照するように設定する
$ oc tag ruby:latest ruby:2.0
1.4.3. アプリケーション管理 CLI コマンド
1.4.3.1. annotate
1 つ以上のリソースでアノテーションを更新します。
例: アノテーションのルートへの追加
$ oc annotate route/test-route haproxy.router.openshift.io/ip_whitelist="192.168.1.10"
例: ルートからのアノテーションの削除
$ oc annotate route/test-route haproxy.router.openshift.io/ip_whitelist-
1.4.3.2. apply
JSON または YAML 形式のファイル名または標準入力 (stdin) 別に設定をリソースに適用します。
例: pod.json
の設定の Pod への適用
$ oc apply -f pod.json
1.4.3.3. autoscale
DeploymentConfig または ReplicationController の自動スケーリングを実行します。
例: 最小の 2 つおよび最大の 5 つの Pod への自動スケーリング
$ oc autoscale deploymentconfig/parksmap-katacoda --min=2 --max=5
1.4.3.4. create
JSON または YAML 形式のファイル名または標準入力 (stdin) 別にリソースを作成します。
例: pod.json
の内容を使用した Pod の作成
$ oc create -f pod.json
1.4.3.5. delete
リソースを削除します。
例: parksmap-katacoda-1-qfqz4
という名前の Pod の削除
$ oc delete pod/parksmap-katacoda-1-qfqz4
例: app=parksmap-katacoda
ラベルの付いたすべての Pod の削除
$ oc delete pods -l app=parksmap-katacoda
1.4.3.6. describe
特定のオブジェクトに関する詳細情報を返します。
例: example
という名前のデプロイメントの記述
$ oc describe deployment/example
例: すべての Pod の記述
$ oc describe pods
1.4.3.7. edit
リソースを編集します。
例: デフォルトエディターを使用した DeploymentConfig の編集
$ oc edit deploymentconfig/parksmap-katacoda
例: 異なるエディターを使用した DeploymentConfig の編集
$ OC_EDITOR="nano" oc edit deploymentconfig/parksmap-katacoda
例: JSON 形式の DeploymentConfig の編集
$ oc edit deploymentconfig/parksmap-katacoda -o json
1.4.3.8. expose
ルートとしてサービスを外部に公開します。
例: サービスの公開
$ oc expose service/parksmap-katacoda
例: サービスの公開およびホスト名の指定
$ oc expose service/parksmap-katacoda --hostname=www.my-host.com
1.4.3.9. get
1 つ以上のリソースを表示します。
例: default
namespace の Pod の一覧表示
$ oc get pods -n default
例: JSON 形式の python
DeploymentConfig についての詳細の取得
$ oc get deploymentconfig/python -o json
1.4.3.10. label
1 つ以上のリソースでアノテーションを更新します。
例: python-1-mz2rf
Pod の unhealthy
に設定されたラベル status
での更新
$ oc label pod/python-1-mz2rf status=unhealthy
1.4.3.11. scale
ReplicationController または DeploymentConfig の必要なレプリカ数を設定します。
例: ruby-app
DeploymentConfig の 3 つの Pod へのスケーリング
$ oc scale deploymentconfig/ruby-app --replicas=3
1.4.3.12. secrets
プロジェクトのシークレットを管理します。
例: my-pull-secret
の、default
サービスアカウントによるイメージプルシークレットとしての使用を許可
$ oc secrets link default my-pull-secret --for=pull
1.4.3.13. serviceaccounts
サービスアカウントに割り当てられたトークンを取得するか、またはサービスアカウントの新規トークンまたは kubeconfig
ファイルを作成します。
例: default
サービスアカウントに割り当てられたトークンの取得
$ oc serviceaccounts get-token default
1.4.3.14. set
既存のアプリケーションリソースを設定します。
例: BuildConfig でのシークレットの名前の設定
$ oc set build-secret --source buildconfig/mybc mysecret
1.4.4. CLI コマンドのトラブルシューティングおよびデバッグ
1.4.4.1. attach
実行中のコンテナーにシェルを割り当てます。
例: Pod python-1-mz2rf
の python
コンテナーからの出力の取得
$ oc attach python-1-mz2rf -c python
1.4.4.2. cp
ファイルおよびディレクトリーのコンテナーへの/からのコピーを実行します。
例: python-1-mz2rf
Pod からローカルファイルシステムへのファイルのコピー
$ oc cp default/python-1-mz2rf:/opt/app-root/src/README.md ~/mydirectory/.
1.4.4.3. debug
コマンドシェルを起動して、実行中のアプリケーションをデバッグします。
例: python
デプロイメントのデバッグ
$ oc debug deploymentconfig/python
1.4.4.4. exec
コンテナーでコマンドを実行します。
例: ls
コマンドの Pod python-1-mz2rf
の python
コンテナーでの実行
$ oc exec python-1-mz2rf -c python ls
1.4.4.5. logs
特定のビルド、BuildConfig、DeploymentConfig、または Pod のログ出力を取得します。
例: python
DeploymentConfig からの最新ログのストリーミング
$ oc logs -f deploymentconfig/python
1.4.4.6. port-forward
1 つ以上のポートを Pod に転送します。
例: ポート 8888
でのローカルのリッスンおよび Pod のポート 5000
への転送
$ oc port-forward python-1-mz2rf 8888:5000
1.4.4.7. proxy
Kubernetes API サーバーに対してプロキシーを実行します。
例: ./local/www/
から静的コンテンツを提供するポート 8011
の API サーバーに対するプロキシーの実行
$ oc proxy --port=8011 --www=./local/www/
1.4.4.8. rsh
コンテナーへのリモートシェルセッションを開きます。
例: python-1-mz2rf
Pod の最初のコンテナーでシェルセッションを開く
$ oc rsh python-1-mz2rf
1.4.4.9. rsync
ディレクトリーの内容の実行中の Pod コンテナーへの/からのコピーを実行します。変更されたファイルのみが、オペレーティングシステムから rsync
コマンドを使用してコピーされます。
例: ローカルディレクトリーのファイルの Pod ディレクトリーとの同期
$ oc rsync ~/mydirectory/ python-1-mz2rf:/opt/app-root/src/
1.4.4.10. run
特定のイメージを作成し、実行します。デフォルトでは、これにより作成されたコンテナーを管理するための DeploymentConfig が作成されます。
例: 3 つのレプリカを持つ perl
イメージのインスタンスの開始
$ oc run my-test --image=perl --replicas=3
1.4.4.11. wait
1 つ以上のリソースの特定の条件を待機します。
例: python-1-mz2rf
Pod の削除の待機
$ oc wait --for=delete pod/python-1-mz2rf
1.4.5. 上級開発者の CLI コマンド
1.4.5.1. api-resources
サーバーがサポートする API リソースの詳細の一覧を表示します。
例: サポートされている API リソースの一覧表示
$ oc api-resources
1.4.5.2. api-versions
サーバーがサポートする API バージョンの詳細の一覧を表示します。
例: サポートされている API バージョンの一覧表示
$ oc api-versions
1.4.5.3. auth
パーミッションを検査し、RBAC ロールを調整します。
例: 現行ユーザーが Pod ログを読み取ることができるかどうかのチェック
$ oc auth can-i get pods --subresource=log
例: ファイルの RBAC ロールおよびパーミッションの調整
$ oc auth reconcile -f policy.json
1.4.5.4. cluster-info
マスターおよびクラスターサービスのアドレスを表示します。
例: クラスター情報の表示
$ oc cluster-info
1.4.5.5. convert
YAML または JSON 設定ファイルを異なる API バージョンに変換し、標準出力 (stdout) に出力します。
例: pod.yaml
の最新バージョンへの変換
$ oc convert -f pod.yaml
1.4.5.6. extract
ConfigMap またはシークレットの内容を抽出します。ConfigMap またはシークレットのそれぞれのキーがキーの名前を持つ別個のファイルとして作成されます。
例: ruby-1-ca
ConfigMap の内容の現行ディレクトリーへのダウンロード
$ oc extract configmap/ruby-1-ca
例: ruby-1-ca
ConfigMap の内容の標準出力 (stdout) への出力
$ oc extract configmap/ruby-1-ca --to=-
1.4.5.7. idle
スケーラブルなリソースをアイドリングします。アイドリングされたサービスは、トラフィックを受信するとアイドリング解除されます。 これは oc scale
コマンドを使用して手動でアイドリング解除することもできます。
例: ruby-app
サービスのアイドリング
$ oc idle ruby-app
1.4.5.8. image
OpenShift Container Platform クラスターでイメージを管理します。
例: イメージの別のタグへのコピー
$ oc image mirror myregistry.com/myimage:latest myregistry.com/myimage:stable
1.4.5.9. observe
リソースの変更を監視し、それらの変更に対するアクションを取ります。
例: サービスへの変更の監視
$ oc observe services
1.4.5.10. patch
JSON または YAML 形式のストテラテジーに基づくマージパッチを使用してオブジェクトの 1 つ以上のフィールドを更新します。
例: ノード node1
の spec.unschedulable
フィールドの true
への更新
$ oc patch node/node1 -p '{"spec":{"unschedulable":true}}'
カスタムリソース定義 (Custom Resource Definition) のパッチを適用する必要がある場合、コマンドに --type merge
オプションを含める必要があります。
1.4.5.11. policy
認可ポリシーを管理します。
例: edit
ロールの現在のプロジェクトの user1
への追加
$ oc policy add-role-to-user edit user1
1.4.5.12. process
リソースの一覧に対してテンプレートを処理します。
例: template.json
をリソース一覧に変換し、 oc create
に渡す
$ oc process -f template.json | oc create -f -
1.4.5.13. レジストリー
OpenShift Container Platform で統合レジストリーを管理します。
例: 統合レジストリーについての情報の表示
$ oc registry info
1.4.5.14. replace
指定された設定ファイルに基づいて既存オブジェクトを変更します。
例: pod.json
の内容を使用した Pod の更新
$ oc replace -f pod.json
1.4.6. CLI コマンドの設定
1.4.6.1. completion
指定されたシェルのシェル補完コードを出力します。
例: Bash の補完コードの表示
$ oc completion bash
1.4.6.2. config
クライアント設定ファイルを管理します。
例: 現在の設定の表示
$ oc config view
例: 別のコンテキストへの切り替え
$ oc config use-context test-context
1.4.6.3. logout
現行のセッションからログアウトします。
例: 現行セッションの終了
$ oc logout
1.4.6.4. whoami
現行セッションに関する情報を表示します。
例: 現行の認証ユーザーの表示
$ oc whoami
1.4.7. 他の開発者 CLI コマンド
1.4.7.1. help
CLI の一般的なヘルプ情報および利用可能なコマンドの一覧を表示します。
例: 利用可能なコマンドの表示
$ oc help
例: new-project
コマンドのヘルプの表示
$ oc help new-project
1.4.7.2. plugin
ユーザーの PATH
に利用可能なプラグインを一覧表示します。
例: 利用可能なプラグインの一覧表示
$ oc plugin list
1.4.7.3. version
oc
クライアントおよびサーバーのバージョンを表示します。
例: バージョン情報の表示
$ oc version
クラスター管理者の場合、OpenShift Container Platform サーバーバージョンも表示されます。
1.5. 管理者 CLI コマンド
1.5.1. クラスター管理 CLI コマンド
1.5.1.1. must-gather
問題のデバッグに必要なクラスターの現在の状態についてのデータを一括収集します。
例: デバッグ情報の収集
$ oc adm must-gather
1.5.1.2. top
サーバー上のリソースの使用状況についての統計を表示します。
例: Pod の CPU およびメモリーの使用状況の表示
$ oc adm top pods
例: イメージの使用状況の統計の表示
$ oc adm top images
1.5.2. ノード管理 CLI コマンド
1.5.2.1. cordon
ノードにスケジュール対象外 (unschedulable) のマークを付けます。ノードにスケジュール対象外のマークを手動で付けると、いずれの新規 Pod もノードでスケジュールされなくなりますが、ノード上の既存の Pod にはこれによる影響がありません。
例: node1
にスケジュール対象外のマークを付ける
$ oc adm cordon node1
1.5.2.2. drain
メンテナンスの準備のためにノードをドレイン (解放) します。
例: node1
のドレイン (解放)
$ oc adm drain node1
1.5.2.3. node-logs
ノードのログを表示し、フィルターします。
例: NetworkManager のログの取得
$ oc adm node-logs --role master -u NetworkManager.service
1.5.2.4. taint
1 つ以上のノードでテイントを更新します。
例: ユーザーのセットに対してノードを専用に割り当てるためのテイントの追加
$ oc adm taint nodes node1 dedicated=groupName:NoSchedule
例: ノード node1
からキー dedicated
のあるテイントを削除する
$ oc adm taint nodes node1 dedicated-
1.5.2.5. uncordon
ノードにスケジュール対象 (schedulable) のマークを付けます。
例: node1
にスケジュール対象のマークを付ける
$ oc adm uncordon node1
1.5.3. セキュリティーおよびポリシー CLI コマンド
1.5.3.1. certificate
証明書署名要求 (CSR) を承認するか、または拒否します。
例: CSR の承認
$ oc adm certificate approve csr-sqgzp
1.5.3.2. groups
クラスター内のグループを管理します。
例: 新規グループの作成
$ oc adm groups new my-group
1.5.3.3. new-project
新規プロジェクトを作成し、管理オプションを指定します。
例: ノードセレクターを使用した新規プロジェクトの作成
$ oc adm new-project myproject --node-selector='type=user-node,region=east'
1.5.3.4. pod-network
クラスター内の Pod ネットワークを管理します。
例: project1 および project2 を他の非グローバルプロジェクトから分離する
$ oc adm pod-network isolate-projects project1 project2
1.5.3.5. policy
クラスター上のロールおよびポリシーを管理します。
例: すべてのプロジェクトについて edit
ロールを user1
に追加する
$ oc adm policy add-cluster-role-to-user edit user1
例: privileged
SCC (security context constraint) のサービスアカウントへの追加
$ oc adm policy add-scc-to-user privileged -z myserviceaccount
1.5.4. メンテナンス CLI コマンド
1.5.4.1. migrate
使用されるサブコマンドに応じて、クラスターのリソースを新規バージョンまたはフォーマットに移行します。
例: 保存されたすべてのオブジェクトの更新の実行
$ oc adm migrate storage
例: Pod のみの更新の実行
$ oc adm migrate storage --include=pods
1.5.4.2. prune
サーバーから古いバージョンのリソースを削除します。
例: BuildConfigs がすでに存在しないビルドを含む、古いビルドのプルーニング
$ oc adm prune builds --orphans
1.5.5. 設定 CLI コマンド
1.5.5.1. create-api-client-config
サーバーに接続するためのクライアント接続を作成します。これにより、指定されたユーザーとしてマスターに接続するためのクライアント証明書、クライアントキー、サーバーの認証局、および kubeconfig
ファイルが含まれるフォルダーが作成されます。
例: プロキシーのクライアント証明書の生成
$ oc adm create-api-client-config \ --certificate-authority='/etc/origin/master/proxyca.crt' \ --client-dir='/etc/origin/master/proxy' \ --signer-cert='/etc/origin/master/proxyca.crt' \ --signer-key='/etc/origin/master/proxyca.key' \ --signer-serial='/etc/origin/master/proxyca.serial.txt' \ --user='system:proxy'
1.5.5.2. create-bootstrap-policy-file
デフォルトのブートストラップポリシーを作成します。
例: デフォルトブートストラップポリシーでの policy.json
ファイルの作成
$ oc adm create-bootstrap-policy-file --filename=policy.json
1.5.5.3. create-bootstrap-project-template
ブートストラッププロジェクトテンプレートを作成します。
例: YAML 形式でのブートストラッププロジェクトテンプレートの標準出力 (stdout) への出力
$ oc adm create-bootstrap-project-template -o yaml
1.5.5.4. create-error-template
エラーページをカスタマイズするためのテンプレートを作成します。
例: エラーページのテンプレートの標準出力 (stdout) への出力
$ oc adm create-error-template
1.5.5.5. create-kubeconfig
クライアント証明書から基本的な .kubeconfig
ファイルを作成します。
例: 提供されるクライアント証明書を使用した .kubeconfig
ファイルの作成
$ oc adm create-kubeconfig \ --client-certificate=/path/to/client.crt \ --client-key=/path/to/client.key \ --certificate-authority=/path/to/ca.crt
1.5.5.6. create-login-template
ログインページをカスタマイズするためのテンプレートを作成します。
例: ログインページのテンプレートの標準出力 (stdout) への出力
$ oc adm create-login-template
1.5.5.7. create-provider-selection-template
プロバイダー選択ページをカスタマイズするためのテンプレートを作成します。
例: プロバイダー選択ページのテンプレートの標準出力 (stdout) への出力
$ oc adm create-provider-selection-template
1.5.6. 他の管理者 CLI コマンド
1.5.6.1. build-chain
ビルドの入力と依存関係を出力します。
例: perl
イメージストリームの依存関係の出力
$ oc adm build-chain perl
1.5.6.2. completion
指定されたシェルについての oc adm
コマンドのシェル補完コードを出力します。
例: Bash の oc adm
補完コードの表示
$ oc adm completion bash
1.5.6.3. config
クライアント設定ファイルを管理します。このコマンドは、oc config
コマンドと同じ動作を実行します。
例: 現在の設定の表示
$ oc adm config view
例: 別のコンテキストへの切り替え
$ oc adm config use-context test-context
1.5.6.4. release
リリースについての情報の表示、またはリリースの内容の検査などの OpenShift Container Platform リリースプロセスの様々な側面を管理します。
例: 2 つのリリース間の変更ログの生成および changelog.md
への保存
$ oc adm release info --changelog=/tmp/git \ quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.2.0-rc.7 \ quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.2.0 \ > changelog.md
1.5.6.5. verify-image-signature
ローカルのパブリック GPG キーを使用して内部レジストリーにインポートされたイメージのイメージ署名を検証します。
例: nodejs
イメージ署名の検証
$ oc adm verify-image-signature \ sha256:2bba968aedb7dd2aafe5fa8c7453f5ac36a0b9639f1bf5b03f95de325238b288 \ --expected-identity 172.30.1.1:5000/openshift/nodejs:latest \ --public-key /etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-redhat-release \ --save
1.6. oc および kubectl コマンドの使用
Kubernetes のコマンドラインインターフェース (CLI) kubectl
は、Kubernetes クラスターに対してコマンドを実行するために使用されます。OpenShift Container Platform は認定 Kubernetes ディストリビューションであるため、OpenShift Container Platform に同梱されるサポート対象の kubectl
バイナリーを使用するか、または oc
バイナリーを使用して拡張された機能を取得できます。
1.6.1. oc バイナリー
oc
バイナリーは kubectl
バイナリーと同じ機能を提供しますが、これは、以下を含む OpenShift Container Platform 機能をネイティブにサポートするように拡張されています。
OpenShift Container Platform リソースの完全サポート
DeploymentConfigs、BuildConfigs、Routes、ImageStreams、および ImageStreamTags などのリソースは OpenShift Container Platform ディストリビューションに固有のリソースであり、標準の Kubernetes プリミティブにビルドされます。
認証
oc
バイナリーは、認証を可能にするビルトインのlogin
コマンドを提供し、Kubernetes namespace を認証ユーザーにマップする OpenShift Container Platform プロジェクトを使って作業できるようにします。詳細は、「Understanding authentication」を参照してください。追加コマンド
追加コマンドの
oc new-app
などは、既存のソースコードまたは事前にビルドされたイメージを使用して新規アプリケーションを起動することを容易にします。同様に、追加コマンドのoc new-project
により、デフォルトとして切り替えることができるプロジェクトを簡単に開始できるようになります。
1.6.2. kubectl バイナリー
kubectl
バイナリーは、標準の Kubernetes 環境を使用する新規 OpenShift Container Platform ユーザー、または kubectl
CLI を優先的に使用するユーザーの既存ワークフローおよびスクリプトをサポートする手段として提供されます。kubectl
の既存ユーザーは引き続きバイナリーを使用し、OpenShift Container Platform クラスターに必要な変更なしに Kubernetes のプリミティブと対話できます。
詳細は kubectl ドキュメントを参照してください。
第2章 OpenShift Do developer CLI (odo)
2.1. OpenShift Do について
OpenShift Do (odo
) は、アプリケーションを OpenShift Container Platform で作成するための高速で使いやすい CLI ツールです。odo
を使用する開発者は、 OpenShift Container Platform クラスター自体を管理する必要なしにアプリケーションの作成に集中することができます。デプロイメント設定、ビルド設定、サービスルートおよび他の OpenShift Container Platform 要素の作成は、すべて odo
によって自動化されます。
oc
などの既存ツールは操作により重点が置かれ、Kubernetes および OpenShift Container Platform の概念のより深い理解が必要です。odo
は Kubernetes および OpenShift Container Platform の概念の複雑な部分を取り除き、開発者にとって最も重要な「コード」にフォーカスできるようにします。
2.1.1. 主な特長
odo
は、以下の主な特長によって単純化および簡潔化されるように設計されています。
- プロジェクト、アプリケーションおよびコンポーネントなどの開発者にとって馴染みのある概念を中心とした単純な構文および設計。
- 完全にクライアントベースである。デプロイにあたって OpenShift Container Platform クラスター内のサーバーは不要です。
- Node.js および Java コンポーネントの正式なサポート。
- Ruby、Perl、PHP、Python などの言語およびフレームワークとの部分的な互換性。
- ローカルコードの変更を検出し、これをクラスターに自動的にデプロイ。これにより、変更を検証するためのインスタントフィードバックがリアルタイムに提供されます。
- OpenShift Container Platform クラスターのすべての利用可能なコンポーネントおよびサービスを一覧表示。
2.1.2. コアとなる概念
- Project
- Project (プロジェクト) は、別個の単一の単位で編成されるソースコード、テスト、ライブラリーです。
- Application
- Application (アプリケーション) は、エンドユーザー向けに設計されたプログラムです。アプリケーションは、アプリケーション全体を構築するために個別に動作する複数のマイクロサービスまたはコンポーネントで構成されます。アプリケーションの例: ビデオゲーム、メディアプレイヤー、Web ブラウザー。
- Component
- コンポーネントとは、コードまたはデータをホストする Kubernetes リソースのセットです。各コンポーネントは個別に実行され、デプロイできます。コンポーネントの例: Node.js、Perl、PHP、Python、Ruby
- サービス
-
Service (サービス) は、コンポーネントのリンク先となるか、またはコンポーネントが依存するソフトウェアです。サービスの例: MariaDB、Jenkins、MySQL
odo
では、サービスは OpenShift Service Catalog からプロビジョニングされ、クラスター内で有効にされる必要があります。
2.1.2.1. 正式にサポートされる言語と対応するコンテナーイメージ
言語 | コンテナーイメージ | パッケージマネージャー |
---|---|---|
Node.js | NPM | |
NPM | ||
NPM | ||
NPM | ||
NPM | ||
Java | Maven、Gradle | |
Maven、Gradle | ||
Maven、Gradle |
2.1.2.1.1. 利用可能なコンテナーイメージの一覧表示
利用可能なコンテナーイメージの一覧は、クラスターの内部コンテナーレジストリーおよびクラスターに関連付けられた外部レジストリーから取得されます。
利用可能なコンポーネントおよびクラスターの関連付けられたコンテナーイメージを一覧表示するには、以下を実行します。
odo
を使用して OpenShift Container Platform クラスターにログインします。$ odo login -u developer -p developer
利用可能な
odo
がサポートするコンポーネントとサポートしないコンポーネント、および対応するコンテナーイメージを一覧表示します。$ odo catalog list components Odo Supported OpenShift Components: NAME PROJECT TAGS java openshift 8,latest nodejs openshift 10,8,8-RHOAR,latest Odo Unsupported OpenShift Components: NAME PROJECT TAGS dotnet openshift 1.0,1.1,2.1,2.2,latest fuse7-eap-openshift openshift 1.3
TAGS
コラムは利用可能なイメージバージョンを表します (例:10
はrhoar-nodejs/nodejs-10
コンテナーイメージを表します)。
2.2. odo アーキテクチャー
このセクションでは、odo
アーキテクチャーについて説明し、odo
による OpenShift Container Platform リソースのクラスターでの管理方法について説明します。
2.2.1. 開発者の設定
odo を使用すると、ターミナルを使って OpenShift Container Platform クラスターでアプリケーションを作成し、デプロイできます。コードエディタープラグインは、ユーザーがそれぞれの IDE ターミナルから OpenShift Container Platform クラスターと対話することを可能にする odo を使用します。odo を使用するプラグインの例: VS Code Openshift Connector、Openshift Connector for Intellij、Codewind for Eclipse Che。
odo は Windows、macOS、および Linux のオペレーティングシステムで機能し、すべてのターミナルから使用できます。odo は bash および zsh コマンドラインシェルの自動補完を提供します。
odo 1.0 は Node.js および Java コンポーネントをサポートします。
2.2.2. OpenShift Source-to-Image (S2I)
OpenShift Source-to-Image (S2I) はオープンソースプロジェクトであり、ソースコードからアーティファクトをビルドし、これらをコンテナーイメージに挿入するのに役立ちます。S2I は、Dockerfile なしにソースコードをビルドすることで、実行可能なイメージを生成します。odo は、コンテナー内で開発者ソースコードを実行するために S2I ビルダーイメージを使用します。
2.2.3. OpenShift クラスターオブジェクト
2.2.3.1. Init コンテナー
init コンテナーはアプリケーションコンテナーが起動する前に実行される特殊なコンテナーであり、アプリケーションコンテナーの実行に必要な環境を設定します。init コンテナーには、アプリケーションイメージにないファイル (設定スクリプトなど) を含めることができます。Init コンテナーは常に完了するまで実行され、Init コンテナーのいずれかに障害が発生した場合にはアプリケーションコンテナーは起動しません。
odo によって作成された Pod は 2 つの Init コンテナーを実行します。
-
copy-supervisord
Init コンテナー。 -
copy-files-to-volume
Init コンテナー。
2.2.3.1.1. copy-supervisord
copy-supervisord
Init コンテナーは必要なファイルを emptyDir
ボリュームにコピーします。メインのアプリケーションコンテナーはこれらのファイルを emptyDir
ボリュームから使用します。
emptyDir
ボリュームにコピーされるファイル:
バイナリー:
-
go-init
は最小限の init システムです。アプリケーションコンテナー内の最初のプロセス (PID 1) として実行されます。go-init は、開発者コードを実行するSupervisorD
デーモンを起動します。go-init は、孤立したプロセスを処理するために必要です。 -
SupervisorD
はプロセス制御システムです。これは設定されたプロセスを監視し、それらが実行中であることを確認します。また、必要に応じてサービスを再起動します。odo の場合、SupervisorD
は開発者コードを実行し、監視します。
-
設定ファイル:
-
supervisor.conf
は、SupervisorD デーモンの起動に必要な設定ファイルです。
-
スクリプト:
-
assemble-and-restart
は、ユーザーソースコードをビルドし、デプロイするための OpenShift S2I の概念です。assemble-and-restart スクリプトは、まずアプリケーションコンテナー内でユーザーソースコードをアセンブルしてから、ユーザーの変更を有効にするために SupervisorD を再起動します。 -
Run
は、アセンブルされたソースコードを実行することに関連した OpenShift S2I の概念です。run
スクリプトはassemble-and-restart
スクリプトで作成されたアセンブルされたコードを実行します。 -
s2i-setup
は、assemble-and-restart
および run スクリプトが正常に実行されるために必要なファイルおよびディレクトリーを作成するスクリプトです。このスクリプトは、アプリケーションのコンテナーが起動されるたびに実行されます。
-
ディレクトリー:
-
language-scripts
: OpenShift S2I はカスタムのassemble
およびrun
スクリプトを許可します。language-scripts
ディレクトリーにいくつかの言語固有のカスタムスクリプトがあります。カスタムスクリプトは、odo のデバッグを機能させる追加の設定を提供します。
-
emtpyDir Volume
は、Init コンテナーとアプリケーションコンテナーの両方の /opt/odo
マウントポイントにマウントされます。
2.2.3.1.2. copy-files-to-volume
copy-files-to-volume
Init コンテナーは、S2I ビルダーイメージの /opt/app-root
にあるファイルを永続ボリュームにコピーします。次に、ボリュームはアプリケーションコンテナーの同じ場所 (/opt/app-root
) にマウントされます。
PersistentVolume
が /opt/app-root
にないと、このディレクトリーのデータは、PersistentVolumeClaim
が同じ場所にマウントされる際に失われます。
PVC
は、Init コンテナー内の /mnt
マウントポイントにマウントされます。
2.2.3.2. アプリケーションコンテナー
アプリケーションコンテナーは、ユーザーソースコードが実行されるメインコンテナーです。
アプリケーションコンテナーは、以下の 2 つのボリュームでマウントされます。
-
emptyDir
ボリュームは/opt/odo
にマウントされます。 -
PersistentVolume
は/opt/app-root
にマウントされます。
go-init
はアプリケーションコンテナー内の最初のプロセスとして実行されます。次に、go-init
プロセスは SupervisorD
を起動します。
SupervisorD
は、ユーザーのアセンブルされたソースコードを実行し、監視します。ユーザープロセスがクラッシュすると、SupervisorD
がこれを再起動します。
2.2.3.3. PersistentVolume
および PersistentVolumeClaim
PersistentVolumeClaim
(PVC
) は、PersistentVolume
をプロビジョニングする Kubernetes のボリュームタイプです。PersistentVolume
のライフサイクルは Pod ライフサイクルとは異なります。PersistentVolume
のデータは Pod の再起動後も永続します。
copy-files-to-volume
Init コンテナーは、必要なファイルを PersistentVolume
にコピーします。メインアプリケーションコンテナーは、実行時にこれらのファイルを使用します。
PersistentVolume
の命名規則は <component-name>-s2idata です。
Container | PVC のマウント先 |
---|---|
|
|
アプリケーションコンテナー |
|
2.2.3.4. emptyDir
ボリューム
emptyDir
ボリュームは、Pod がノードに割り当てられている際に作成され、Pod がノードで実行されている限り存在します。コンテナーが再起動または移動すると、emptyDir
の内容が削除され、Init コンテナーはデータを emptyDir
に復元します。emptyDir
の初期状態は空です。
copy-supervisord
Init コンテナーは必要なファイルを emptyDir
ボリュームにコピーします。これらのファイルは、実行時にメインアプリケーションコンテナーによって使用されます。
Container | emptyDir Volume のマウント先 |
---|---|
|
|
アプリケーションコンテナー |
|
2.2.3.5. サービス
サービスは、一連の Pod と通信する方法を抽象化する Kubernetes の概念です。
odo はすべてのアプリケーション Pod についてサービスを作成し、これが通信用にアクセス可能にします。
2.2.4. odo push
のワークフロー
このセクションでは、odo push
ワークフローについて説明します。odo push は必要なすべての OpenShift Container Platform リソースを使って OpenShift Container Platform クラスターにユーザーコードをデプロイします。
リソースの作成
まだ作成されていない場合には、
odo push
は以下の OpenShift Container Platform リソースを作成します。デプロイメント設定 (DC):
-
2 つの init コンテナー
copy-supervisord
およびcopy-files-to-volume
が実行されます。init コンテナーはファイルをemptyDir
とPersistentVolume
タイプのボリュームのそれぞれにコピーします。 -
アプリケーションコンテナーが起動します。アプリケーションコンテナーの最初のプロセスは、PID=1 の
go-init
プロセスです。 go-init
プロセスは SupervisorD デーモンを起動します。注記ユーザーアプリケーションコードはアプリケーションコンテナーにコピーされていないため、
SupervisorD
デーモンはrun
スクリプトを実行しません。
-
2 つの init コンテナー
- サービス
- シークレット
-
PersistentVolumeClaim
ファイルのインデックス設定
- ファイルインデックサーは、ソースコードディレクトリーのファイルをインデックス化します。インデックサーはソースコードディレクトリー間を再帰的に移動し、作成、削除、または名前が変更されたファイルを検出します。
-
ファイルインデックサーは、
.odo
ディレクトリー内の odo インデックスファイルにインデックス化された情報を維持します。 - odo インデックスファイルが存在しない場合、ファイルインデックサーの初回の実行時であることを意味し、新規の odo インデックス JSON ファイルが作成されます。odo index JSON ファイルにはファイルマップが含まれます。移動したファイルの相対パスと、変更され、削除されたファイルの絶対パスが含まれます。
コードのプッシュ
ローカルコードは、通常は
/tmp/src
の下にあるアプリケーションコンテナーにコピーされます。assemble-and-restart
の実行ソースコードのコピーに成功すると、
assemble-and-restart
スクリプトは実行中のアプリケーションコンテナー内で実行されます。
2.3. odo のインストール
以下のセクションでは、各種の異なるプラットフォームに odo
をインストールする方法を説明します。
現時点では、odo
はネットワークが制限された環境でのインストールをサポートしていません。
2.3.1. odo の Linux へのインストール
2.3.1.1. バイナリーインストール
# curl -L https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/clients/odo/latest/odo-linux-amd64 -o /usr/local/bin/odo # chmod +x /usr/local/bin/odo
2.3.1.2. tarball インストール
# sh -c 'curl -L https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/clients/odo/latest/odo-linux-amd64.tar.gz | gzip -d > /usr/local/bin/odo' # chmod +x /usr/local/bin/odo
2.3.2. odo の Windows へののインストール
2.3.2.1. バイナリーインストール
-
最新の
odo.exe
ファイルをダウンロードします。 -
odo.exe
の場所をGOPATH/bin
ディレクトリーに追加します。
Windows 7/8 の PATH
変数の設定
以下の例は、パス変数の設定方法を示しています。バイナリーは任意の場所に配置することができますが、この例では C:\go-bin を場所に使用します。
-
C:\go-bin
にフォルダーを作成します。 - Start を右クリックし、Control Panel をクリックします。
- System and Security を選択してから System をクリックします。
- 左側のメニューから、Advanced systems settings を選択し、下部にある Environment Variables ボタンをクリックします。
- Variable セクションから Path を選択し、Edit をクリックします。
-
New をクリックしてフィールドに
C:\go-bin
を入力するか、または Browse をクリックしてディレクトリーを選択してから OK をクリックします。
Windows 10 の PATH
変数の設定
検索機能を使用して環境変数
を編集します。
-
Search クリックして、
env
またはenvironment
を入力します。 - Edit environment variables for your account を選択します。
- Variable セクションから Path を選択し、Edit をクリックします。
-
New をクリックしてフィールドに
C:\go-bin
を入力するか、または Browse をクリックしてディレクトリーを選択してから OK をクリックします。
2.3.3. odo の macOS へのインストール
2.3.3.1. バイナリーインストール
# curl -L https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/clients/odo/latest/odo-darwin-amd64 -o /usr/local/bin/odo # chmod +x /usr/local/bin/odo
2.3.3.2. tarball インストール
# sh -c 'curl -L https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/clients/odo/latest/odo-darwin-amd64.tar.gz | gzip -d > /usr/local/bin/odo' # chmod +x /usr/local/bin/odo
2.4. 制限された環境での odo の使用
2.4.1. 制限された環境での odo について
odo
を非接続の OpenShift Container Platform クラスター、または制限された環境でプロビジョニングされたクラスターで実行するには、クラスター管理者がミラーリングされたレジストリーでクラスターを作成していることを確認する必要があります。
非接続クラスターで作業を開始するには、まず odo init
イメージをクラスターのレジストリーにプッシュし、ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE
環境変数を使用して odo init
イメージパスを上書きする必要があります。
odo init image
のプッシュ後に、レジストリーからサポートされているビルダーイメージをミラーリングし、ミラーレジストリーを上書きした後にアプリケーションを作成する必要があります。ビルダーイメージは、アプリケーションのランタイム環境を設定するために必要であり、これにはアプリケーションのビルドに必要なビルドツールが含まれます (例: Node.js の場合は npm、Java の場合は Maven)。ミラーレジストリーには、アプリケーションに必要なすべての依存関係が含まれます。
2.4.2. odo init イメージの制限されたクラスターレジストリーへのプッシュ
クラスターおよびオペレーティングシステムの設定に応じて、odo init
イメージをミラーレジストリーにプッシュするか、または内部レジストリーに直接プッシュできます。
前提条件
-
クライアントオペレーティングシステムに
oc
をインストールします。 -
odo
をクライアントオペレーティングシステムにインストールします。 - 内部レジストリーまたはミラーレジストリーが設定された OpenShift Container Platform の制限付きクラスターへのアクセス。
2.4.2.1. odo init
イメージのミラーレジストリーへのプッシュ
オペレーティングシステムによっては、以下のように odo init
イメージをミラーレジストリーを持つクラスターにプッシュできます。
2.4.2.1.1. init
イメージを Linux のミラーレジストリーにプッシュする
手順
base64
を使用してミラーレジストリーのルート認証局 (CA) コンテンツをエンコードします。$ echo <content_of_additional_ca> | base64 -d > disconnect-ca.crt
エンコーディングされたルート CA 証明書を適切な場所にコピーします。
$ sudo cp ./disconnect-ca.crt /etc/pki/ca-trust/source/anchors/<mirror-registry>.crt
クライアントプラットフォームで CA を信頼し、OpenShift Container Platform ミラーレジストリーにログインします。
$ sudo update-ca-trust enable && sudo systemctl daemon-reload && sudo systemctl restart / docker && docker login <mirror-registry>:5000 -u <username> -p <password>
odo init
イメージをミラーリングします。$ oc image mirror registry.access.redhat.com/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> <mirror-registry>:5000/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>
ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE
環境変数を設定してデフォルトのodo init
イメージパスを上書きします。$ export ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE=<mirror-registry>:5000/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>
2.4.2.1.2. init
イメージを MacOS のミラーレジストリーにプッシュする
手順
base64
を使用してミラーレジストリーのルート認証局 (CA) コンテンツをエンコードします。$ echo <content_of_additional_ca> | base64 -d > disconnect-ca.crt
エンコーディングされたルート CA 証明書を適切な場所にコピーします。
- Docker UI を使用して Docker を再起動します。
以下のコマンドを実行します。
$ docker login <mirror-registry>:5000 -u <username> -p <password>
odo init
イメージをミラーリングします。$ oc image mirror registry.access.redhat.com/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> <mirror-registry>:5000/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>
ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE
環境変数を設定してデフォルトのodo init
イメージパスを上書きします。$ export ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE=<mirror-registry>:5000/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>
2.4.2.1.3. Windows のミラーレジストリーに init
イメージをプッシュする
手順
base64
を使用してミラーレジストリーのルート認証局 (CA) コンテンツをエンコードします。PS C:\> echo <content_of_additional_ca> | base64 -d > disconnect-ca.crt
管理者として、以下のコマンドを実行して、エンコーディングされたルート CA 証明書を適切な場所にコピーします。
PS C:\WINDOWS\system32> certutil -addstore -f "ROOT" disconnect-ca.crt
クライアントプラットフォームで CA を信頼し、OpenShift Container Platform ミラーレジストリーにログインします。
- Docker UI を使用して Docker を再起動します。
以下のコマンドを実行します。
PS C:\WINDOWS\system32> docker login <mirror-registry>:5000 -u <username> -p <password>
odo init
イメージをミラーリングします。PS C:\> oc image mirror registry.access.redhat.com/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> <mirror-registry>:5000/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>
ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE
環境変数を設定してデフォルトのodo init
イメージパスを上書きします。PS C:\> $env:ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE="<mirror-registry>:5000/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>"
2.4.2.2. odo init
イメージを内部レジストリーに直接プッシュする
クラスターでイメージを内部レジストリーに直接プッシュできる場合、以下のように odo init
イメージをレジストリーにプッシュします。
2.4.2.2.1. init
イメージを Linux 上で直接プッシュする
手順
デフォルトのルートを有効にします。
$ oc patch configs.imageregistry.operator.openshift.io cluster -p '{"spec":{"defaultRoute":true}}' --type='merge' -n openshift-image-registry
ワイルドカードルート CA を取得します。
$ oc get secret router-certs-default -n openshift-ingress -o yaml apiVersion: v1 data: tls.crt: ************************** tls.key: ################## kind: Secret metadata: [...] type: kubernetes.io/tls
base64
を使用してミラーレジストリーのルート認証局 (CA) コンテンツをエンコードします。$ echo <tls.crt> | base64 -d > ca.crt
クライアントプラットフォームで CA を信頼します。
$ sudo cp ca.crt /etc/pki/ca-trust/source/anchors/externalroute.crt && sudo update-ca-trust enable && sudo systemctl daemon-reload && sudo systemctl restart docker
内部レジストリーにログインします。
$ oc get route -n openshift-image-registry NAME HOST/PORT PATH SERVICES PORT TERMINATION WILDCARD default-route <registry_path> image-registry <all> reencrypt None $ docker login <registry_path> -u kubeadmin -p $(oc whoami -t)
odo init
イメージをプッシュします。$ docker pull registry.access.redhat.com/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> $ docker tag registry.access.redhat.com/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> <registry_path>/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> $ docker push <registry_path>/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>
ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE
環境変数を設定してデフォルトのodo init
イメージパスを上書きします。$ export ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE=<registry_path>/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:1.0.1
2.4.2.2.2. init
イメージを MacOS 上で直接プッシュする
手順
デフォルトのルートを有効にします。
$ oc patch configs.imageregistry.operator.openshift.io cluster -p '{"spec":{"defaultRoute":true}}' --type='merge' -n openshift-image-registry
ワイルドカードルート CA を取得します。
$ oc get secret router-certs-default -n openshift-ingress -o yaml apiVersion: v1 data: tls.crt: ************************** tls.key: ################## kind: Secret metadata: [...] type: kubernetes.io/tls
base64
を使用してミラーレジストリーのルート認証局 (CA) コンテンツをエンコードします。$ echo <tls.crt> | base64 -d > ca.crt
クライアントプラットフォームで CA を信頼します。
$ sudo security add-trusted-cert -d -r trustRoot -k /Library/Keychains/System.keychain ca.crt
内部レジストリーにログインします。
$ oc get route -n openshift-image-registry NAME HOST/PORT PATH SERVICES PORT TERMINATION WILDCARD default-route <registry_path> image-registry <all> reencrypt None $ docker login <registry_path> -u kubeadmin -p $(oc whoami -t)
odo init
イメージをプッシュします。$ docker pull registry.access.redhat.com/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> $ docker tag registry.access.redhat.com/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> <registry_path>/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> $ docker push <registry_path>/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>
ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE
環境変数を設定してデフォルトのodo init
イメージパスを上書きします。$ export ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE=<registry_path>/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:1.0.1
2.4.2.2.3. init
イメージを Windows 上で直接プッシュする
手順
デフォルトのルートを有効にします。
PS C:\> oc patch configs.imageregistry.operator.openshift.io cluster -p '{"spec":{"defaultRoute":true}}' --type='merge' -n openshift-image-registry
ワイルドカードルート CA を取得します。
PS C:\> oc get secret router-certs-default -n openshift-ingress -o yaml apiVersion: v1 data: tls.crt: ************************** tls.key: ################## kind: Secret metadata: [...] type: kubernetes.io/tls
base64
を使用してミラーレジストリーのルート認証局 (CA) コンテンツをエンコードします。PS C:\> echo <tls.crt> | base64 -d > ca.crt
管理者として、以下のコマンドを実行して、クライアントプラットフォームの CA を信頼します。
PS C:\WINDOWS\system32> certutil -addstore -f "ROOT" ca.crt
内部レジストリーにログインします。
PS C:\> oc get route -n openshift-image-registry NAME HOST/PORT PATH SERVICES PORT TERMINATION WILDCARD default-route <registry_path> image-registry <all> reencrypt None PS C:\> docker login <registry_path> -u kubeadmin -p $(oc whoami -t)
odo init
イメージをプッシュします。PS C:\> docker pull registry.access.redhat.com/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> PS C:\> docker tag registry.access.redhat.com/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> <registry_path>/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag> PS C:\> docker push <registry_path>/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>
ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE
環境変数を設定してデフォルトのodo init
イメージパスを上書きします。PS C:\> $env:ODO_BOOTSTRAPPER_IMAGE="<registry_path>/openshiftdo/odo-init-image-rhel7:<tag>"
2.4.3. コンポーネントの作成および非接続クラスターへのデプロイ
ミラーリングされたレジストリーを持つクラスターに init
イメージをプッシュした後に、アプリケーションでサポートされるビルダーイメージを oc
ツールでミラーリングし、環境変数を使用してミラーレジストリーを上書きし、コンポーネントを作成する必要があります。
前提条件
-
クライアントオペレーティングシステムに
oc
をインストールします。 -
odo
をクライアントオペレーティングシステムにインストールします。 - 内部レジストリーまたはミラーレジストリーが設定された OpenShift Container Platform の制限付きクラスターへのアクセス。
-
odo init
イメージをクラスターレジストリーにプッシュします。
2.4.3.1. サポートされるビルダーイメージのミラーリング
Node.js の依存関係に npm パッケージを使用し、Java の依存関係に Maven パッケージを使用し、アプリケーションのランタイム環境を設定するには、ミラーレジストリーから適切なビルダーイメージをミラーリングする必要があります。
手順
必要なイメージタグがインポートされていないことを確認します。
$ oc describe is nodejs -n openshift Name: nodejs Namespace: openshift [...] 10 tagged from <mirror-registry>:<port>/rhoar-nodejs/nodejs-10 prefer registry pullthrough when referencing this tag Build and run Node.js 10 applications on RHEL 7. For more information about using this builder image, including OpenShift considerations, see https://github.com/nodeshift/centos7-s2i-nodejs. Tags: builder, nodejs, hidden Example Repo: https://github.com/sclorg/nodejs-ex.git ! error: Import failed (NotFound): dockerimage.image.openshift.io "<mirror-registry>:<port>/rhoar-nodejs/nodejs-10:latest" not found About an hour ago 10-SCL (latest) tagged from <mirror-registry>:<port>/rhscl/nodejs-10-rhel7 prefer registry pullthrough when referencing this tag Build and run Node.js 10 applications on RHEL 7. For more information about using this builder image, including OpenShift considerations, see https://github.com/nodeshift/centos7-s2i-nodejs. Tags: builder, nodejs Example Repo: https://github.com/sclorg/nodejs-ex.git ! error: Import failed (NotFound): dockerimage.image.openshift.io "<mirror-registry>:<port>/rhscl/nodejs-10-rhel7:latest" not found About an hour ago [...]
サポートされるイメージタグをプライベートレジストリーに対してミラーリングします。
$ oc image mirror registry.access.redhat.com/rhscl/nodejs-10-rhel7:<tag> <private_registry>/rhscl/nodejs-10-rhel7:<tag>
イメージをインポートします。
$ oc tag <mirror-registry>:<port>/rhscl/nodejs-10-rhel7:<tag> nodejs-10-rhel7:latest --scheduled
イメージを定期的に再インポートする必要があります。
--scheduled
フラグは、イメージの自動再インポートを有効にします。指定されたタグを持つイメージがインポートされていることを確認します。
$ oc describe is nodejs -n openshift Name: nodejs [...] 10-SCL (latest) tagged from <mirror-registry>:<port>/rhscl/nodejs-10-rhel7 prefer registry pullthrough when referencing this tag Build and run Node.js 10 applications on RHEL 7. For more information about using this builder image, including OpenShift considerations, see https://github.com/nodeshift/centos7-s2i-nodejs. Tags: builder, nodejs Example Repo: https://github.com/sclorg/nodejs-ex.git * <mirror-registry>:<port>/rhscl/nodejs-10-rhel7@sha256:d669ecbc11ac88293de50219dae8619832c6a0f5b04883b480e073590fab7c54 3 minutes ago [...]
2.4.3.2. ミラーレジストリーの上書き
Node.js の依存関係用の npm パッケージおよび Java の依存関係用の Maven パッケージをプライベートミラーレジストリーからダウンロードするには、クラスター上にミラー npm または Maven レジストリーを作成し、設定する必要があります。その後、既存のコンポーネントで、または新規コンポーネントの作成時にミラーレジストリーを上書きできます。
手順
既存のコンポーネントでミラーレジストリーを上書きするには、以下を実行します。
$ odo config set --env NPM_MIRROR=<npm_mirror_registry>
コンポーネントの作成時にミラーレジストリーを上書きするには、以下を実行します。
$ odo component create nodejs --env NPM_MIRROR=<npm_mirror_registry>
2.4.3.3. odo を使用した Node.js アプリケーションの作成
Node.js コンポーネントを作成するには、Node.js アプリケーションをダウンロードし、odo
でソースコードをクラスターにプッシュします。
手順
現在のディレクトリーをアプリケーションのあるディレクトリーに切り替えます。
$ cd <directory name>
Node.js タイプのコンポーネントをアプリケーションに追加します。
$ odo create nodejs
注記デフォルトで、最新イメージが使用されます。また、
odo create openshift/nodejs:8
を使用してイメージのバージョンを明示的に指定できます。初期ソースコードをコンポーネントにプッシュします。
$ odo push
これで、コンポーネントは OpenShift Container Platform にデプロイされます。
URL を作成し、以下のようにローカル設定ファイルにエントリーを追加します。
$ odo url create --port 8080
変更をプッシュします。これにより、URL がクラスターに作成されます。
$ odo push
コンポーネントに必要な URL を確認するために URL を一覧表示します。
$ odo url list
生成された URL を使用してデプロイされたアプリケーションを表示します。
$ curl <URL>
2.5. odo
を使用した単一コンポーネントアプリケーションの作成
odo
を使用すると、OpenShift Container Platform クラスターでアプリケーションを作成し、デプロイできます。
前提条件
-
odo
がインストールされている。 - OpenShift Container Platform クラスターが実行中である。CodeReady Containers (CRC) を使用して、OpenShift Container Platform のローカルクラスターを迅速にデプロイできます。
2.5.1. プロジェクトの作成
プロジェクトを作成し、別個の単一の単位で編成されるソースコード、テスト、ライブラリーを維持します。
手順
OpenShift Container Platform クラスターにログインします。
$ odo login -u developer -p developer
プロジェクトを作成します。
$ odo project create myproject ✓ Project 'myproject' is ready for use ✓ New project created and now using project : myproject
2.5.2. odo を使用した Node.js アプリケーションの作成
Node.js コンポーネントを作成するには、Node.js アプリケーションをダウンロードし、odo
でソースコードをクラスターにプッシュします。
手順
コンポーネントの新規ディレクトリーを作成します。
$ mkdir my_components $$ cd my_components
Node.js アプリケーションのサンプルをダウンロードします。
$ git clone https://github.com/openshift/nodejs-ex
現在のディレクトリーをアプリケーションのあるディレクトリーに切り替えます。
$ cd <directory name>
Node.js タイプのコンポーネントをアプリケーションに追加します。
$ odo create nodejs
注記デフォルトで、最新イメージが使用されます。また、
odo create openshift/nodejs:8
を使用してイメージのバージョンを明示的に指定できます。初期ソースコードをコンポーネントにプッシュします。
$ odo push
これで、コンポーネントは OpenShift Container Platform にデプロイされます。
URL を作成し、以下のようにローカル設定ファイルにエントリーを追加します。
$ odo url create --port 8080
変更をプッシュします。これにより、URL がクラスターに作成されます。
$ odo push
コンポーネントに必要な URL を確認するために URL を一覧表示します。
$ odo url list
生成された URL を使用してデプロイされたアプリケーションを表示します。
$ curl <URL>
2.5.3. アプリケーションコードの変更
アプリケーションコードを変更し、それらの変更を OpenShift Container Platform のアプリケーションに適用します。
- 選択するテキストエディターで、Node.js ディレクトリー内のレイアウトファイルのいずれかを編集します。
コンポーネントを更新します。
$ odo push
- ブラウザーでアプリケーションを更新し、変更を確認します。
2.5.4. ストレージのアプリケーションコンポーネントへの追加
永続ストレージは、odo を再起動してもデータを利用可能な状態に維持します。odo storage
コマンドを使用して、ストレージをコンポーネントに追加できます。
手順
ストレージをコンポーネントに追加します。
$ odo storage create nodestorage --path=/opt/app-root/src/storage/ --size=1Gi
コンポーネントには 1 GB のストレージがあります。
2.5.5. ビルドイメージを指定するためのカスタムビルダーの追加
OpenShift Container Platform では、カスタムイメージの作成ごとに発生する差を埋めるカスタムイメージを追加できます。
以下の例は、redhat-openjdk-18
イメージの正常なインポートおよび使用方法について示しています。
前提条件
- OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
手順
イメージを OpenShift Container Platform にインポートします。
$ oc import-image openjdk18 \ --from=registry.access.redhat.com/redhat-openjdk-18/openjdk18-openshift \ --confirm
イメージにタグを付け、odo からアクセスできるようにします。
$ oc annotate istag/openjdk18:latest tags=builder
odo でイメージをデプロイします。
$ odo create openjdk18 --git \ https://github.com/openshift-evangelists/Wild-West-Backend
2.5.6. OpenShift Service Catalog を使用したアプリケーションの複数サービスへの接続
OpenShift サービスカタログは、Kubernetes 用の Open Service Broker API (OSB API) の実装です。これを使用すると、OpenShift Container Platform にデプロイされているアプリケーションをさまざまなサービスに接続できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターが実行中である。
- サービスカタログがクラスターにインストールされ、有効にされている。
手順
サービスを一覧表示するには、以下を使用します。
$ odo catalog list services
サービスカタログ関連の操作を使用するには、以下を実行します。
$ odo service <verb> <servicename>
2.5.7. アプリケーションの削除
アプリケーションを削除すると、アプリケーションに関連付けられたすべてのコンポーネントが削除されます。
手順
現在のプロジェクトのアプリケーションを一覧表示します。
$ odo app list The project '<project_name>' has the following applications: NAME app
アプリケーションに関連付けられたコンポーネントを一覧表示します。これらのコンポーネントはアプリケーションと共に削除されます。
$ odo component list APP NAME TYPE SOURCE STATE app nodejs-nodejs-ex-elyf nodejs file://./ Pushed
アプリケーションを削除します。
$ odo app delete <application_name> ? Are you sure you want to delete the application: <application_name> from project: <project_name>
-
Y
で削除を確定します。-f
フラグを使用すると、確認プロンプトを非表示にできます。
2.6. odo
を使用したマルチコンポーネントアプリケーションの作成
odo
を使用すると、簡単かつ自動化された方法でマルチコンポーネントアプリケーションを作成し、変更し、そのコンポーネントをリンクすることができます。
この例では、マルチコンポーネントアプリケーション (シューティングゲーム) をデプロイする方法について説明します。アプリケーションはフロントエンド Node.js コンポーネントとバックエンド Java コンポーネントで構成されます。
前提条件
-
odo
がインストールされている。 - OpenShift Container Platform クラスターが実行中である。開発者は CodeReady Containers (CRC) を使用して、OpenShift Container Platform のローカルクラスターを迅速にデプロイできます。
- Maven がインストールされている。
2.6.1. プロジェクトの作成
プロジェクトを作成し、別個の単一の単位で編成されるソースコード、テスト、ライブラリーを維持します。
手順
OpenShift Container Platform クラスターにログインします。
$ odo login -u developer -p developer
プロジェクトを作成します。
$ odo project create myproject ✓ Project 'myproject' is ready for use ✓ New project created and now using project : myproject
2.6.2. バックエンドコンポーネントのデプロイ
Java コンポーネントを作成するには、Java ビルダーイメージをインポートし、Java アプリケーションをダウンロードし、odo
でソースコードをクラスターにプッシュします。
手順
openjdk18
をクラスターにインポートします。$ oc import-image openjdk18 \ --from=registry.access.redhat.com/redhat-openjdk-18/openjdk18-openshift --confirm
イメージに
builder
のタグを付け、イメージが odo でアクセスできるようにします。$ oc annotate istag/openjdk18:latest tags=builder
odo catalog list components
を実行し、作成されたイメージを表示します。$ odo catalog list components Odo Supported OpenShift Components: NAME PROJECT TAGS nodejs openshift 10,8,8-RHOAR,latest openjdk18 myproject latest
コンポーネントの新規ディレクトリーを作成します。
$ mkdir my_components $$ cd my_components
バックエンドアプリケーションのサンプルをダウンロードします。
$ git clone https://github.com/openshift-evangelists/Wild-West-Backend backend
ディレクトリーをバックエンドソースディレクトリーに切り替え、そのディレクトリーに正しいファイルが含まれることを確認します。
$ cd backend $ ls debug.sh pom.xml src
バックエンドのソースファイルを Maven でビルドし、JAR ファイルを作成します。
$ mvn package ... [INFO] -------------------------------------- [INFO] BUILD SUCCESS [INFO] -------------------------------------- [INFO] Total time: 2.635 s [INFO] Finished at: 2019-09-30T16:11:11-04:00 [INFO] Final Memory: 30M/91M [INFO] --------------------------------------
backend
という Java コンポーネントタイプのコンポーネント設定を作成します。$ odo create openjdk18 backend --binary target/wildwest-1.0.jar ✓ Validating component [1ms] Please use `odo push` command to create the component with source deployed
設定ファイルの
config.yaml
は、デプロイ用のコンポーネントについての情報が含まれるバックエンドコンポーネントのローカルディレクトリーに置かれます。以下を使用して
config.yaml
ファイルでバックエンドコンポーネントの設定内容を確認します。$ odo config view COMPONENT SETTINGS ------------------------------------------------ PARAMETER CURRENT_VALUE Type openjdk18 Application app Project myproject SourceType binary Ref SourceLocation target/wildwest-1.0.jar Ports 8080/TCP,8443/TCP,8778/TCP Name backend MinMemory MaxMemory DebugPort Ignore MinCPU MaxCPU
コンポーネントを OpenShift Container Platform クラスターにプッシュします。
$ odo push Validation ✓ Checking component [6ms] Configuration changes ✓ Initializing component ✓ Creating component [124ms] Pushing to component backend of type binary ✓ Checking files for pushing [1ms] ✓ Waiting for component to start [48s] ✓ Syncing files to the component [811ms] ✓ Building component [3s]
odo push
を使用すると、OpenShift Container Platform はバックエンドコンポーネントをホストするためのコンテナーを作成し、そのコンテナーを OpenShift Container Platform クラスターで実行されている Pod にデプロイし、backend
コンポーネントを起動します。以下を検証します。
odo でのアクションのステータス
odo log -f 2019-09-30 20:14:19.738 INFO 444 --- [ main] c.o.wildwest.WildWestApplication : Starting WildWestApplication v1.0 onbackend-app-1-9tnhc with PID 444 (/deployments/wildwest-1.0.jar started by jboss in /deployments)
バックエンドコンポーネントのステータス
$ odo list APP NAME TYPE SOURCE STATE app backend openjdk18 file://target/wildwest-1.0.jar Pushed
2.6.3. フロントエンドコンポーネントのデプロイ
フロントエンドコンポーネントを作成およびデプロイするには、Node.js アプリケーションをダウンロードし、ソースコードを odo
でクラスターにプッシュします。
手順
フロントエンドアプリケーションのサンプルをダウンロードします。
$ git clone https://github.com/openshift/nodejs-ex
現在のディレクトリーをフロントエンドディレクトリーに切り替えます。
$ cd <directory-name>
フロントエンドが Node.js アプリケーションであることを確認するために、ディレクトリーの内容を一覧表示します。
$ ls assets bin index.html kwww-frontend.iml package.json package-lock.json playfield.png README.md server.js
注記フロントエンドコンポーネントはインタプリター型言語で記述され (Node.js)、ビルドされる必要はありません。
frontend
という名前の Node.js コンポーネントタイプのコンポーネント設定を作成します。$ odo create nodejs frontend ✓ Validating component [5ms] Please use `odo push` command to create the component with source deployed
コンポーネントを実行中のコンテナーにプッシュします。
$ odo push Validation ✓ Checking component [8ms] Configuration changes ✓ Initializing component ✓ Creating component [83ms] Pushing to component frontend of type local ✓ Checking files for pushing [2ms] ✓ Waiting for component to start [45s] ✓ Syncing files to the component [3s] ✓ Building component [18s] ✓ Changes successfully pushed to component
2.6.4. 2 つのコンポーネントのリンク
クラスターで実行されるコンポーネントは、対話するために接続される必要があります。OpenShift Container Platform は、リンクの仕組みを提供し、プログラムからクライアントへの通信バインディングを公開します。
手順
クラスターで実行されるすべてのコンポーネントの一覧を表示します。
$ odo list APP NAME TYPE SOURCE STATE app backend openjdk18 file://target/wildwest-1.0.jar Pushed app frontend nodejs file://./ Pushed
現在のフロントエンドコンポーネントをバックエンドにリンクします。
$ odo link backend --port 8080 ✓ Component backend has been successfully linked from the component frontend Following environment variables were added to frontend component: - COMPONENT_BACKEND_HOST - COMPONENT_BACKEND_PORT
バックエンドコンポーネントの設定情報がフロントエンドコンポーネントに追加され、フロントエンドコンポーネントが再起動します。
2.6.5. コンポーネントの公開
手順
アプリケーションの外部 URL を作成します。
$ cd frontend $ odo url create frontend --port 8080 ✓ URL frontend created for component: frontend To create URL on the OpenShift cluster, use `odo push`
変更を適用します。
$ odo push Validation ✓ Checking component [21ms] Configuration changes ✓ Retrieving component data [35ms] ✓ Applying configuration [29ms] Applying URL changes ✓ URL frontend: http://frontend-app-myproject.192.168.42.79.nip.io created Pushing to component frontend of type local ✓ Checking file changes for pushing [1ms] ✓ No file changes detected, skipping build. Use the '-f' flag to force the build.
- ブラウザーで URL を開き、アプリケーションを表示します。
アプリケーションに OpenShift Container Platform namespace にアクセスし、アクティブな Pod を削除するのに有効なサービスアカウントのパーミッションが必要な場合、バックエンドコンポーネントから odo log
を参照すると以下のエラーが発生する場合があります。
Message: Forbidden!Configured service account doesn’t have access.Service account may have been revoked
このエラーを解決するには、サービスアカウントロールのパーミッションを追加します。
$ oc policy add-role-to-group view system:serviceaccounts -n <project> $ oc policy add-role-to-group edit system:serviceaccounts -n <project>
これは実稼働クラスターでは実行しないでください。
2.6.6. 実行中のアプリケーションの変更
手順
ローカルディレクトリーをフロントエンドディレクトリーに切り替えます。
$ cd ~/frontend
以下のコマンドを実行して、ファイルシステムで変更を監視します。
$ odo watch
index.html
ファイルを編集して、ゲームの表示される名前を変更します。注記odo が変更を認識するまでに若干の遅延が発生する場合があります。
odo は変更をフロントエンドコンポーネントにプッシュし、そのステータスをターミナルに印刷します。
File /root/frontend/index.html changed File changed Pushing files... ✓ Waiting for component to start ✓ Copying files to component ✓ Building component
- Web ブラウザーでアプリケーションページを更新します。これで新しい名前が表示されます。
2.6.7. アプリケーションの削除
アプリケーションを削除すると、アプリケーションに関連付けられたすべてのコンポーネントが削除されます。
手順
現在のプロジェクトのアプリケーションを一覧表示します。
$ odo app list The project '<project_name>' has the following applications: NAME app
アプリケーションに関連付けられたコンポーネントを一覧表示します。これらのコンポーネントはアプリケーションと共に削除されます。
$ odo component list APP NAME TYPE SOURCE STATE app nodejs-nodejs-ex-elyf nodejs file://./ Pushed
アプリケーションを削除します。
$ odo app delete <application_name> ? Are you sure you want to delete the application: <application_name> from project: <project_name>
-
Y
で削除を確定します。-f
フラグを使用すると、確認プロンプトを非表示にできます。
2.7. データベースと共にアプリケーションを作成する
以下の例では、データベースをフロントエンドアプリケーションにデプロイし、接続する方法を説明します。
前提条件
-
odo
がインストールされている。 -
oc
クライアントがインストールされている。 - OpenShift Container Platform クラスターが実行中である。開発者は CodeReady Containers (CRC) を使用して、OpenShift Container Platform のローカルクラスターを迅速にデプロイできます。
- サービスカタログが有効にされている。
2.7.1. プロジェクトの作成
プロジェクトを作成し、別個の単一の単位で編成されるソースコード、テスト、ライブラリーを維持します。
手順
OpenShift Container Platform クラスターにログインします。
$ odo login -u developer -p developer
プロジェクトを作成します。
$ odo project create myproject ✓ Project 'myproject' is ready for use ✓ New project created and now using project : myproject
2.7.2. フロントエンドコンポーネントのデプロイ
フロントエンドコンポーネントを作成およびデプロイするには、Node.js アプリケーションをダウンロードし、ソースコードを odo
でクラスターにプッシュします。
手順
フロントエンドアプリケーションのサンプルをダウンロードします。
$ git clone https://github.com/openshift/nodejs-ex
現在のディレクトリーをフロントエンドディレクトリーに切り替えます。
$ cd <directory-name>
フロントエンドが Node.js アプリケーションであることを確認するために、ディレクトリーの内容を一覧表示します。
$ ls assets bin index.html kwww-frontend.iml package.json package-lock.json playfield.png README.md server.js
注記フロントエンドコンポーネントはインタプリター型言語で記述され (Node.js)、ビルドされる必要はありません。
frontend
という名前の Node.js コンポーネントタイプのコンポーネント設定を作成します。$ odo create nodejs frontend ✓ Validating component [5ms] Please use `odo push` command to create the component with source deployed
フロントエンドインターフェースにアクセスするための URL を作成します。
$ odo url create myurl ✓ URL myurl created for component: nodejs-nodejs-ex-pmdp
コンポーネントを OpenShift Container Platform クラスターにプッシュします。
$ odo push Validation ✓ Checking component [7ms] Configuration changes ✓ Initializing component ✓ Creating component [134ms] Applying URL changes ✓ URL myurl: http://myurl-app-myproject.192.168.42.79.nip.io created Pushing to component nodejs-nodejs-ex-mhbb of type local ✓ Checking files for pushing [657850ns] ✓ Waiting for component to start [6s] ✓ Syncing files to the component [408ms] ✓ Building component [7s] ✓ Changes successfully pushed to component
2.7.3. 対話モードでデータベースをデプロイする
odo は、デプロイをシンプルにするコマンドラインの対話モードを提供します。
手順
対話モードを実行し、プロンプトに対応します。
$ odo service create ? Which kind of service do you wish to create database ? Which database service class should we use mongodb-persistent ? Enter a value for string property DATABASE_SERVICE_NAME (Database Service Name): mongodb ? Enter a value for string property MEMORY_LIMIT (Memory Limit): 512Mi ? Enter a value for string property MONGODB_DATABASE (MongoDB Database Name): sampledb ? Enter a value for string property MONGODB_VERSION (Version of MongoDB Image): 3.2 ? Enter a value for string property VOLUME_CAPACITY (Volume Capacity): 1Gi ? Provide values for non-required properties No ? How should we name your service mongodb-persistent ? Output the non-interactive version of the selected options No ? Wait for the service to be ready No ✓ Creating service [32ms] ✓ Service 'mongodb-persistent' was created Progress of the provisioning will not be reported and might take a long time. You can see the current status by executing 'odo service list'
パスワードまたはユーザー名がフロントエンドアプリケーションに環境変数として渡されます。
2.7.4. データベースの手動デプロイ
利用可能なサービスを一覧表示します。
$ odo catalog list services NAME PLANS django-psql-persistent default jenkins-ephemeral default jenkins-pipeline-example default mariadb-persistent default mongodb-persistent default mysql-persistent default nodejs-mongo-persistent default postgresql-persistent default rails-pgsql-persistent default
サービスの
mongodb-persistent
タイプを選択し、必要なパラメーターを確認します。$ odo catalog describe service mongodb-persistent *********************** | ***************************************************** Name | default ----------------- | ----------------- Display Name | ----------------- | ----------------- Short Description | Default plan ----------------- | ----------------- Required Params without a | default value | ----------------- | ----------------- Required Params with a default | DATABASE_SERVICE_NAME value | (default: 'mongodb'), | MEMORY_LIMIT (default: | '512Mi'), MONGODB_VERSION | (default: '3.2'), | MONGODB_DATABASE (default: | 'sampledb'), VOLUME_CAPACITY | (default: '1Gi') ----------------- | ----------------- Optional Params | MONGODB_ADMIN_PASSWORD, | NAMESPACE, MONGODB_PASSWORD, | MONGODB_USER
必須のパラメーターをフラグとして渡し、データベースのデプロイを待機します。
$ odo service create mongodb-persistent --plan default --wait -p DATABASE_SERVICE_NAME=mongodb -p MEMORY_LIMIT=512Mi -p MONGODB_DATABASE=sampledb -p VOLUME_CAPACITY=1Gi
2.7.5. データベースのフロントエンドアプリケーションへの接続
データベースをフロントエンドサービスにリンクします。
$ odo link mongodb-persistent ✓ Service mongodb-persistent has been successfully linked from the component nodejs-nodejs-ex-mhbb Following environment variables were added to nodejs-nodejs-ex-mhbb component: - database_name - password - uri - username - admin_password
Pod のアプリケーションおよびデータベースの環境変数を確認します。
$ oc get pods NAME READY STATUS RESTARTS AGE mongodb-1-gsznc 1/1 Running 0 28m nodejs-nodejs-ex-mhbb-app-4-vkn9l 1/1 Running 0 1m $ oc rsh nodejs-nodejs-ex-mhbb-app-4-vkn9l sh-4.2$ env uri=mongodb://172.30.126.3:27017 password=dHIOpYneSkX3rTLn database_name=sampledb username=user43U admin_password=NCn41tqmx7RIqmfv sh-4.2$
ブラウザーで URL を開き、右下に表示されるデータベース設定を確認します。
$ odo url list
Request information Page view count: 24 DB Connection Info: Type: MongoDB URL: mongodb://172.30.126.3:27017/sampledb
2.7.6. アプリケーションの削除
アプリケーションを削除すると、アプリケーションに関連付けられたすべてのコンポーネントが削除されます。
手順
現在のプロジェクトのアプリケーションを一覧表示します。
$ odo app list The project '<project_name>' has the following applications: NAME app
アプリケーションに関連付けられたコンポーネントを一覧表示します。これらのコンポーネントはアプリケーションと共に削除されます。
$ odo component list APP NAME TYPE SOURCE STATE app nodejs-nodejs-ex-elyf nodejs file://./ Pushed
アプリケーションを削除します。
$ odo app delete <application_name> ? Are you sure you want to delete the application: <application_name> from project: <project_name>
-
Y
で削除を確定します。-f
フラグを使用すると、確認プロンプトを非表示にできます。
2.8. サンプルアプリケーションの使用
odo
は、OpenShift カタログのコンポーネントタイプ内の言語またはランタイムとの部分的な互換性を提供します。以下は例になります。
NAME PROJECT TAGS dotnet openshift 2.0,latest httpd openshift 2.4,latest java openshift 8,latest nginx openshift 1.10,1.12,1.8,latest nodejs openshift 0.10,4,6,8,latest perl openshift 5.16,5.20,5.24,latest php openshift 5.5,5.6,7.0,7.1,latest python openshift 2.7,3.3,3.4,3.5,3.6,latest ruby openshift 2.0,2.2,2.3,2.4,latest wildfly openshift 10.0,10.1,8.1,9.0,latest
odo
1.0 については、Java および Node.js は正式にサポートされているコンポーネントタイプです。odo catalog list components
を実行して、正式にサポートされているコンポーネントタイプを確認します。
Web 経由でコンポーネントにアクセスするには、 odo url create
を使用して URL を作成します。
2.8.1. Git リポジトリーの例
2.8.1.1. httpd
この例は、CentOS 7 で httpd を使用して静的コンテンツをビルドし、提供するのに役立ちます。OpenShift Container Platform の考慮点を含む、このビルダーイメージの使用方法についての詳細は、「Apache HTTP Server container image repository」を参照してください。
$ odo create httpd --git https://github.com/openshift/httpd-ex.git
2.8.1.2. java
この例は、CentOS 7 で Fat JAR Java アプリケーションをビルドし、実行するのに役立ちます。OpenShift Container Platform の考慮点を含む、このビルダーイメージを使用する方法についての詳細は、「Java S2I Builder image」を参照してください。
$ odo create java --git https://github.com/spring-projects/spring-petclinic.git
2.8.1.3. nodejs
CentOS 7 で Node.js アプリケーションをビルドし、実行します。OpenShift Container Platform の考慮点を含む、このビルダーイメージを使用する方法についての詳細は、「Node.js 8 container image」を参照してください。
$ odo create nodejs --git https://github.com/openshift/nodejs-ex.git
2.8.1.4. perl
この例は、CentOS 7 で Perl アプリケーションのビルドし、実行するのに役立ちます。OpenShift Container Platform の考慮点を含む、このビルダーイメージを使用する方法についての詳細は、「Perl 5.26 container image」を参照してください。
$ odo create perl --git https://github.com/openshift/dancer-ex.git
2.8.1.5. php
この例は、CentOS 7 で PHP アプリケーションのビルドし、実行するのに役立ちます。OpenShift Container Platform の考慮点を含む、このビルダーイメージを使用する方法についての詳細は、「PHP 7.1 Docker image」を参照してください。
$ odo create php --git https://github.com/openshift/cakephp-ex.git
2.8.1.6. python
この例は、CentOS 7 で Python アプリケーションをビルドし、実行するのに役立ちます。OpenShift Container Platform の考慮点を含む、このビルダーイメージを使用する方法についての詳細は、「Python 3.6 container image」を参照してください。
$ odo create python --git https://github.com/openshift/django-ex.git
2.8.1.7. ruby
この例は、CentOS 7 で Ruby アプリケーションをビルドし、実行するのに役立ちます。OpenShift Container Platform の考慮点を含む、このビルダーイメージを使用する方法についての詳細は、「Ruby 2.5 container image」を参照してください。
$ odo create ruby --git https://github.com/openshift/ruby-ex.git
2.8.1.8. wildfly
この例は、CentOS 7 で WildFly アプリケーションをビルドし、実行するのに役立ちます。OpenShift Container Platform の考慮点を含む、このビルダーイメージを使用する方法についての詳細は、「Wildfly - CentOS Docker images for OpenShift」を参照してください。
$ odo create wildfly --git https://github.com/openshift/openshift-jee-sample.git
2.8.2. バイナリーのサンプル
2.8.2.1. java
Java を使用すると、以下のようにバイナリーアーティファクトをデプロイすることができます。
$ git clone https://github.com/spring-projects/spring-petclinic.git $ cd spring-petclinic $ mvn package $ odo create java test3 --binary target/*.jar $ odo push
2.8.2.2. wildfly
WildFly を使用すると、以下のようにバイナリーアプリケーションをデプロイすることができます。
$ git clone https://github.com/openshiftdemos/os-sample-java-web.git $ cd os-sample-java-web $ mvn package $ cd .. $ mkdir example && cd example $ mv ../os-sample-java-web/target/ROOT.war example.war $ odo create wildfly --binary example.war
2.9. 環境変数の管理
odo
はコンポーネント固有の設定および環境変数を config
ファイルに保存します。odo config
コマンドを使用すると、config
ファイルを変更せずに、コンポーネントの環境変数の設定、設定解除、および一覧表示を実行できます。
2.9.1. 環境変数の設定および設定解除
手順
コンポーネントで環境変数を設定するには、以下を実行します。
$ odo config set --env <variable>=<value>
コンポーネントの環境変数の設定を解除するには、以下を実行します。
$ odo config unset --env <variable>
コンポーネント内のすべての環境変数を一覧表示するには、以下を実行します。
$ odo config view
2.10. odo CLI の設定
2.10.1. コマンド補完の使用
現時点で、コマンドの補完は bash、zsh、および fish シェルでのみサポートされています。
odo は、ユーザー入力に基づくコマンドパラメーターのスマート補完を提供します。これを機能させるには、odo は実行中のシェルと統合する必要があります。
手順
コマンド補完を自動的にインストールするには、以下を実行します。
以下を実行します。
$ odo --complete
-
補完フックのインストールを求めるプロンプトが出されたら、
y
を押します。
-
補完フックを手動でインストールするには、
complete -o nospace -C <full path to your odo binary> odo
をシェル設定ファイルに追加します。シェル設定ファイルを変更したら、シェルを再起動します。 補完を無効にするには、以下を実行します。
以下を実行します。
$ odo --uncomplete
-
補完フックをアンインストールするようプロンプトされたら
y
を押します。
odo 実行可能ファイルの名前を変更した場合や、これを別のディレクトリーに移動する場合、コマンド補完を再度有効にします。
2.10.2. ファイルまたはパターンを無視する
アプリケーションのルートディレクトリーにある .odoignore
ファイルを変更して、無視するファイルまたはパターンの一覧を設定できます。これは、odo push
および odo watch
の両方に適用されます。
.odoignore
ファイルが存在 しない 場合、特定のファイルおよびフォルダーを無視するように .gitignore
ファイルが代わりに使用されます。
.git
ファイル、.js
拡張子のあるファイルおよびフォルダー tests
を無視するには、以下を .odoignore
または .gitignore
ファイルのいずれかに追加します。
.git *.js tests/
.odoignore
ファイルはすべての glob 表現を許可します。
2.11. odo CLI リファレンス
2.11.1. 基本的な odo CLI コマンド
2.11.1.1. app
OpenShift Container Platform プロジェクトに関連するアプリケーション操作を実行します。
app の使用例
# Delete the application odo app delete myapp # Describe 'webapp' application, odo app describe webapp # List all applications in the current project odo app list # List all applications in the specified project odo app list --project myproject
2.11.1.2. catalog
カタログ関連の操作を実行します。
catalog の使用例
# Get the supported components odo catalog list components # Get the supported services from service catalog odo catalog list services # Search for a component odo catalog search component python # Search for a service odo catalog search service mysql # Describe a service odo catalog describe service mysql-persistent
2.11.1.3. component
アプリケーションのコンポーネントを管理します。
component の使用例
# Create a new component odo component create # Create a local configuration and create all objects on the cluster odo component create --now
2.11.1.4. config
config
ファイル内で odo
固有の設定を変更します。
config の使用例
# For viewing the current local configuration odo config view # Set a configuration value in the local configuration odo config set Type java odo config set Name test odo config set MinMemory 50M odo config set MaxMemory 500M odo config set Memory 250M odo config set Ignore false odo config set MinCPU 0.5 odo config set MaxCPU 2 odo config set CPU 1 # Set an environment variable in the local configuration odo config set --env KAFKA_HOST=kafka --env KAFKA_PORT=6639 # Create a local configuration and apply the changes to the cluster odo config set --now # Unset a configuration value in the local config odo config unset Type odo config unset Name odo config unset MinMemory odo config unset MaxMemory odo config unset Memory odo config unset Ignore odo config unset MinCPU odo config unset MaxCPU odo config unset CPU # Unset an env variable in the local config odo config unset --env KAFKA_HOST --env KAFKA_PORT
Application | Application は、コンポーネントを含める必要のあるアプリケーションの名前になります。 |
CPU | コンポーネントが使用できる CPU の最小数と最大数 |
Ignore | プッシュと監視に関連して .odoignore ファイルを考慮します。 |
Application | コンポーネントを含める必要のあるアプリケーションの名前 |
CPU | コンポーネントが使用できる CPU の最小数と最大数 |
Ignore |
プッシュおよび監視に関連して |
MaxCPU | コンポーネントで使用可能な最大 CPU |
MaxMemory | コンポーネントで使用可能な最大メモリー |
Memory | コンポーネントで使用できる最小および最大メモリー |
MinCPU | コンポーネントで使用できる最小 CPU |
MinMemory | コンポーネントに指定される最小メモリー |
Name | コンポーネントの名前 |
Ports | コンポーネントで開くポート |
Project | コンポーネントを含めるプロジェクトの名前 |
Ref | git ソースからコンポーネントを作成するために使用する Git ref |
SourceLocation | パスはバイナリーファイルまたは git ソースの場所を示します。 |
SourceType | コンポーネントソースのタイプ: git/binary/local |
Storage | コンポーネントのストレージ |
Type | コンポーネントのタイプ |
Url | コンポーネントにアクセスするために使用する URL |
2.11.1.5. create
OpenShift Container Platform にデプロイするコンポーネントを記述する設定を作成します。コンポーネント名が指定されていない場合、これは自動的に生成されます。
デフォルトで、ビルダーイメージは現在の namespace から使用されます。namespace を明示的に指定するには、odo create namespace/name:version
を使用します。バージョンが指定されていない場合、デフォルトは latest
に設定されます。
odo catalog list
を使用してデプロイできるコンポーネントタイプの詳細一覧を表示します。
create の使用例
# Create new Node.js component with the source in current directory. odo create nodejs # A specific image version may also be specified odo create nodejs:latest # Create new Node.js component named 'frontend' with the source in './frontend' directory odo create nodejs frontend --context ./frontend # Create a new Node.js component of version 6 from the 'openshift' namespace odo create openshift/nodejs:6 --context /nodejs-ex # Create new Wildfly component with binary named sample.war in './downloads' directory odo create wildfly wildfly --binary ./downloads/sample.war # Create new Node.js component with source from remote git repository odo create nodejs --git https://github.com/openshift/nodejs-ex.git # Create new Node.js git component while specifying a branch, tag or commit ref odo create nodejs --git https://github.com/openshift/nodejs-ex.git --ref master # Create new Node.js git component while specifying a tag odo create nodejs --git https://github.com/openshift/nodejs-ex.git --ref v1.0.1 # Create new Node.js component with the source in current directory and ports 8080-tcp,8100-tcp and 9100-udp exposed odo create nodejs --port 8080,8100/tcp,9100/udp # Create new Node.js component with the source in current directory and env variables key=value and key1=value1 exposed odo create nodejs --env key=value,key1=value1 # For more examples, visit: https://github.com/openshift/odo/blob/master/docs/examples.adoc odo create python --git https://github.com/openshift/django-ex.git # Passing memory limits odo create nodejs --memory 150Mi odo create nodejs --min-memory 150Mi --max-memory 300 Mi # Passing cpu limits odo create nodejs --cpu 2 odo create nodejs --min-cpu 200m --max-cpu 2
2.11.1.6. delete
既存のコンポーネントを削除します。
delete の使用例
# Delete component named 'frontend'. odo delete frontend odo delete frontend --all
2.11.1.7. describe
指定のコンポーネントについて説明します。
describe の使用例
# Describe nodejs component odo describe nodejs
2.11.1.8. link
サービスまたはコンポーネントにコンポーネントをリンクします。
link の使用例
# Link the current component to the 'my-postgresql' service odo link my-postgresql # Link component 'nodejs' to the 'my-postgresql' service odo link my-postgresql --component nodejs # Link current component to the 'backend' component (backend must have a single exposed port) odo link backend # Link component 'nodejs' to the 'backend' component odo link backend --component nodejs # Link current component to port 8080 of the 'backend' component (backend must have port 8080 exposed) odo link backend --port 8080
リンクにより、適切なシークレットがソースコンポーネントの環境に追加されます。ソースコンポーネントは、シークレットのエントリーを環境変数として使用できます。ソースコンポーネントが指定されない場合、現在のアクティブなコンポーネントが使用されます。
2.11.1.9. list
現在のアプリケーションのすべてのコンポーネントを一覧表示します。
list の使用例
# List all components in the application odo list
2.11.1.10. log
指定のコンポーネントのログを取得します。
log の使用例
# Get the logs for the nodejs component odo log nodejs
2.11.1.11. login
クラスターにログインします。
login の使用例
# Log in interactively odo login # Log in to the given server with the given certificate authority file odo login localhost:8443 --certificate-authority=/path/to/cert.crt # Log in to the given server with the given credentials (basic auth) odo login localhost:8443 --username=myuser --password=mypass # Log in to the given server with the given credentials (token) odo login localhost:8443 --token=xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
2.11.1.12. logout
現在の OpenShift Container Platform セッションからログアウトします。
logout の使用例
# Log out odo logout
2.11.1.13. preference
グローバル設定ファイル内の odo
固有の設定内容を変更します。
preference の使用例
# For viewing the current preferences odo preference view # Set a preference value in the global preference odo preference set UpdateNotification false odo preference set NamePrefix "app" odo preference set Timeout 20 # Unset a preference value in the global preference odo preference unset UpdateNotification odo preference unset NamePrefix odo preference unset Timeout
デフォルトで、グローバル設定ファイルへのパスは ~/.odo/preferece.yaml
であり、これは環境変数 GLOBALODOCONFIG
に保存されます。環境変数の値を新規の設定パスに設定し、カスタムパスをセットアップできます (例: GLOBALODOCONFIG="new_path/preference.yaml"
)。
NamePrefix | デフォルトのプレフィックスは、現在のディレクトリー名です。この値を使用して、デフォルトの名前のプレフィックスを設定します。 |
Timeout | OpenShift Container Platform サーバー接続チェックのタイムアウト (秒単位) です。 |
UpdateNotification | 更新通知が表示されるかどうかを制御します。 |
2.11.1.14. project
プロジェクト操作を実行します。
project の使用例
# Set the active project odo project set # Create a new project odo project create myproject # List all the projects odo project list # Delete a project odo project delete myproject # Get the active project odo project get
2.11.1.15. push
ソースコードをコンポーネントにプッシュします。
push の使用例
# Push source code to the current component odo push # Push data to the current component from the original source. odo push # Push source code in ~/mycode to component called my-component odo push my-component --context ~/mycode
2.11.1.16. service
サービスカタログ操作を実行します。
service の使用例
# Create new postgresql service from service catalog using dev plan and name my-postgresql-db. odo service create dh-postgresql-apb my-postgresql-db --plan dev -p postgresql_user=luke -p postgresql_password=secret # Delete the service named 'mysql-persistent' odo service delete mysql-persistent # List all services in the application odo service list
2.11.1.17. storage
ストレージ操作を実行します。
storage の使用例
# Create storage of size 1Gb to a component odo storage create mystorage --path=/opt/app-root/src/storage/ --size=1Gi # Delete storage mystorage from the currently active component odo storage delete mystorage # Delete storage mystorage from component 'mongodb' odo storage delete mystorage --component mongodb # List all storage attached or mounted to the current component and # all unattached or unmounted storage in the current application odo storage list
2.11.1.18. unlink
コンポーネントまたはサービスのリンクを解除します。
このコマンドが正常に実行されるには、サービスまたはコンポーネントが呼び出し前に odo link
を使用してリンクされている必要があります。
unlink の使用例
# Unlink the 'my-postgresql' service from the current component odo unlink my-postgresql # Unlink the 'my-postgresql' service from the 'nodejs' component odo unlink my-postgresql --component nodejs # Unlink the 'backend' component from the current component (backend must have a single exposed port) odo unlink backend # Unlink the 'backend' service from the 'nodejs' component odo unlink backend --component nodejs # Unlink the backend's 8080 port from the current component odo unlink backend --port 8080
2.11.1.19. update
コンポーネントのソースコードパスを更新します。
update の使用例
# Change the source code path of a currently active component to local (use the current directory as a source) odo update --local # Change the source code path of the frontend component to local with source in ./frontend directory odo update frontend --local ./frontend # Change the source code path of a currently active component to git odo update --git https://github.com/openshift/nodejs-ex.git # Change the source code path of the component named node-ex to git odo update node-ex --git https://github.com/openshift/nodejs-ex.git # Change the source code path of the component named wildfly to a binary named sample.war in ./downloads directory odo update wildfly --binary ./downloads/sample.war
2.11.1.20. url
コンポーネントを外部に公開します。
url の使用例
# Create a URL for the current component with a specific port odo url create --port 8080 # Create a URL with a specific name and port odo url create example --port 8080 # Create a URL with a specific name by automatic detection of port (only for components which expose only one service port) odo url create example # Create a URL with a specific name and port for component frontend odo url create example --port 8080 --component frontend # Delete a URL to a component odo url delete myurl # List the available URLs odo url list # Create a URL in the configuration and apply the changes to the cluster odo url create --now
このコマンドを使用して生成される URL は、クラスター外からデプロイされたコンポーネントにアクセスするために使用できます。
2.11.1.21. utils
ターミナルコマンドのユーティリティーおよび odo 設定の変更
utils の使用例
# Bash terminal PS1 support source <(odo utils terminal bash) # Zsh terminal PS1 support source <(odo utils terminal zsh)
2.11.1.22. version
クライアントバージョンの情報を出力します。
version の使用例
# Print the client version of odo odo version
2.11.1.23. watch
odo は変更の有無の監視を開始し、変更時にコンポーネントを自動的に更新します。
watch の使用例
# Watch for changes in directory for current component odo watch # Watch for changes in directory for component called frontend odo watch frontend
2.12. odo
1.0 リリースノート
2.12.1. odo
1.0 の主な機能
odo
1.0 は OpenShift Container Platform でアプリケーションを開発する簡単な方法を提供します。odo
は完全にクライアントベースであり、 OpenShift Container Platform クラスター内のサーバーは必要ありません。
odo
1.0 には以下の利点があります。
- プロジェクト、アプリケーションおよびコンポーネントなどの開発者にとって馴染みのある概念を中心とした単純な構文および設計。
- OpenShift カタログのコンポーネントタイプ内の言語またはランタイムとの互換性。
- カスタムイメージビルダーを使用してカスタムコンポーネントタイプを追加する機能。
- Java および Node.js コンポーネントタイプの正式サポート。
- サービスカタログ: OpenShift Container Platform クラスターにデプロイされたアプリケーションをテンプレートサービスブローカーに接続できるようにします。
-
odo service create
: ユーザーのアプリケーション作成プロセスをガイドする対話モード。 -
odo watch
: ローカルコードへの変更を自動的に検出し、その変更をコンポーネントにリアルタイムで適用する機能。
2.12.2. サポート
ドキュメント
ドキュメントのエラーが見つかったか、またはドキュメントの改善に関する提案をお寄せいただける場合は、Bugzilla に報告してください。OpenShift Container Platform の製品タイプおよび Documentation コンポーネントタイプを選択します。
製品
エラーを見つけた場合や、odo の機能に関するバグが見つかった場合やこれに関する改善案をお寄せいただける場合は、Bugzilla に報告してください。OpenShift Container Platform の製品タイプおよび odo コンポーネントタイプを選択します。
問題の詳細情報をできる限り多く入力します。
2.12.3. odo
1.0 のテクノロジープレビュー機能
テクノロジープレビュー機能は完全にサポートされておらず、機能的に完全でない可能性があるため、実稼働環境でのデプロイには適していません。テクノロジープレビューが完全にサポートされるまで、これについてのフィードバックおよび機能についてのご提案がありましたらお寄せください。
odo debug
は、ユーザーが OpenShift Container Platform の Pod で実行されているコンポーネントにローカルデバッガーを割り当てることを可能にする機能です。odo debug port-forward
を使用するとポート転送を開始できます。odo config set DebugPort 9292
を使用すると、デバッグするエージェントが実行されるリモートポートを指定できます。odo debug port-forward --local-port 9292
を使用すると、ポート転送のローカルポートを指定できます。
2.12.4. 既知の問題
- Bug 1760573: アクティブなポインターは現在のアクティブなプロジェクトを参照しません。
-
Bug 1760574: 削除された namespace が
odo project get
コマンドで一覧表示されます。 -
Bug 1760575:
odo app delete
はアプリケーションはアプリケーションコンポーネントを削除しますが、サービスを削除しません。 -
Bug 1760577:
odo push
は、コンポーネント名が変更されると OpenShift オブジェクトを削除しません。 -
Bug 1760580:
catalog list components
は指定された namespace のコンポーネントを一覧表示しません。 -
Bug 1760583:
odo config unset
は環境変数の設定を解除しませんが、設定を解除したことを示唆します。 -
Bug 1760585:
odo delete --all
は$HOME
から実行されると`$HOME/.odo` フォルダーを削除します。 -
Bug 1760586
odo delete
は、プロジェクトが削除され、コンポ ーネント名が設定されると無限ループを開始します。 - Bug 1760587: odo は存在しないコマンドが使用されると無効なフラグを報告します。
-
Bug 1760588:
odo service create
は Cygwin で実行されるとクラッシュします。 -
Bug 1760589: 自動補完は
odo push
の--context
では機能しません。 -
Bug 1760590: Windows 用の Git BASH では、
odo login -u developer
は要求された場合も入力されたパスワードを非表示にしません。 - Bug 1761440: 1 つのオブジェクトに同じタイプの 2 つのサービスを作成することができません。
-
Bug 1761442:
component create
は、バイナリーが一時的なフォルダーにある場合、--context
および--binary
フラグで失敗します。 - Bug 1761443: 削除されたファイルが Java コンポーネントから除去されません。