14.4.3. ユーザー定義のエラートレランスに関する RFC 2307 の使用によるグループの同期
デフォルトでは、同期されるグループにメンバークエリーで定義された範囲外にあるエントリーを持つメンバーが含まれる場合、グループ同期は以下のエラーを出して失敗します。
Error determining LDAP group membership for "<group>": membership lookup for user "<user>" in group "<group>" failed because of "search for entry with dn="<user-dn>" would search outside of the base dn specified (dn="<base-dn>")".
これは usersQuery
フィールドの baseDN
の設定が間違っていることを示していることがよくあります。ただし、baseDN
にグループの一部のメンバーが意図的に含まれていない場合、tolerateMemberOutOfScopeErrors: true
を設定することでグループ同期が継続されます。範囲外のメンバーは無視されます。
同様に、グループ同期プロセスでグループのメンバーの検出に失敗した場合、同期はエラーを出して失敗します。
Error determining LDAP group membership for "<group>": membership lookup for user "<user>" in group "<group>" failed because of "search for entry with base dn="<user-dn>" refers to a non-existent entry". Error determining LDAP group membership for "<group>": membership lookup for user "<user>" in group "<group>" failed because of "search for entry with base dn="<user-dn>" and filter "<filter>" did not return any results".
これは usersQuery
フィールドの設定が間違っていることを示していることがよくあります。ただし、グループに欠落していると認識されているメンバーエントリーが含まれる場合、tolerateMemberNotFoundErrors: true
を設定することでグループ同期が継続されます。問題のあるメンバーは無視されます。
LDAP グループ同期のエラートレランスを有効にすると、同期プロセスは問題のあるメンバーエントリーを無視します。LDAP グループ同期が正しく設定されていない場合、同期された OpenShift Container Platform Group にメンバーが欠落する可能性があります。
問題のあるグループメンバーシップに関する RFC 2307 スキーマを使用する LDAP エントリー: rfc2307_problematic_users.ldif
dn: ou=users,dc=example,dc=com objectClass: organizationalUnit ou: users dn: cn=Jane,ou=users,dc=example,dc=com objectClass: person objectClass: organizationalPerson objectClass: inetOrgPerson cn: Jane sn: Smith displayName: Jane Smith mail: jane.smith@example.com dn: cn=Jim,ou=users,dc=example,dc=com objectClass: person objectClass: organizationalPerson objectClass: inetOrgPerson cn: Jim sn: Adams displayName: Jim Adams mail: jim.adams@example.com dn: ou=groups,dc=example,dc=com objectClass: organizationalUnit ou: groups dn: cn=admins,ou=groups,dc=example,dc=com objectClass: groupOfNames cn: admins owner: cn=admin,dc=example,dc=com description: System Administrators member: cn=Jane,ou=users,dc=example,dc=com member: cn=Jim,ou=users,dc=example,dc=com member: cn=INVALID,ou=users,dc=example,dc=com 1 member: cn=Jim,ou=OUTOFSCOPE,dc=example,dc=com 2
上記の例でエラーを許容するには、以下を同期設定ファイルに追加する必要があります。
エラーを許容する RFC 2307 スキーマを使用した LDAP 同期設定: rfc2307_config_tolerating.yaml
kind: LDAPSyncConfig apiVersion: v1 url: ldap://LDAP_SERVICE_IP:389 rfc2307: groupsQuery: baseDN: "ou=groups,dc=example,dc=com" scope: sub derefAliases: never groupUIDAttribute: dn groupNameAttributes: [ cn ] groupMembershipAttributes: [ member ] usersQuery: baseDN: "ou=users,dc=example,dc=com" scope: sub derefAliases: never userUIDAttribute: dn 1 userNameAttributes: [ mail ] tolerateMemberNotFoundErrors: true 2 tolerateMemberOutOfScopeErrors: true 3
- 1
- LDAP サーバーでユーザーを一意に識別する属性です。userUIDAttribute に DN を使用している場合は、
usersQuery
フィルターを指定できません。詳細なフィルターを実行するには、ホワイトリスト/ブラックリストの方法を使用します。 - 2
true
の場合、同期ジョブは一部のメンバーが見つからなかったグループを許容し、LDAP エントリーが見つからなかったメンバーは無視されます。グループのメンバーが見つからない場合、同期ジョブのデフォルト動作は失敗します。- 3
true
の場合、同期ジョブは、一部のメンバーがusersQuery
ベース DN で指定されるユーザー範囲外にいるグループを許容し、メンバークエリー範囲外のメンバーは無視されます。グループのメンバーが範囲外の場合、同期ジョブのデフォルト動作は失敗します。
前提条件
- 設定ファイルを作成します。
手順
rfc2307_config_tolerating.yaml
ファイルを使用して同期を実行します。$ oc adm groups sync --sync-config=rfc2307_config_tolerating.yaml --confirm
OpenShift Container Platform は、上記の同期操作の結果として以下のグループレコードを作成します。
rfc2307_config.yaml
ファイルを使用して作成される OpenShift Container Platform GroupapiVersion: user.openshift.io/v1 kind: Group metadata: annotations: openshift.io/ldap.sync-time: 2015-10-13T10:08:38-0400 openshift.io/ldap.uid: cn=admins,ou=groups,dc=example,dc=com openshift.io/ldap.url: LDAP_SERVER_IP:389 creationTimestamp: name: admins users: 1 - jane.smith@example.com - jim.adams@example.com
- 1
- 同期ファイルで指定されるグループのメンバーのユーザーです。検索中に許容されるエラーがないメンバーです。