1.2.13. RHCOS のインストールおよび OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスの開始
OpenShift Container Platform を独自にプロビジョニングするベアメタルインフラストラクチャーにインストールするには、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) をマシンにインストールする必要があります。RHCOS のインストール時に、インストールするマシンのタイプについて OpenShift Container Platform インストールプログラムによって生成された Ignition 設定ファイルを指定する必要があります。適切なネットワーク、DNS、および負荷分散インフラストラクチャーが設定されている場合、OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスは RHCOS マシンの再起動後に自動的に開始されます。
RHCOS をマシンにインストールするには、ISO イメージまたはネットワーク PXE ブートを使用する手順のいずれかを実行します。
このインストールガイドに含まれるコンピュートノードのデプロイメント手順は、RHCOS 固有のものです。代わりに RHEL ベースのコンピュートノードのデプロイを選択する場合は、システム更新の実行、パッチの適用、その他すべての必要なタスクの完了など、オペレーティングシステムのライフサイクルの管理と保守をすべて担当します。RHEL 7 コンピュートマシンの使用は非推奨となり、OpenShift Container Platform 4 の今後のリリースで削除される予定です。
以下の方法を使用して、ISO および PXE のインストール時に RHCOS を設定できます。
-
カーネル引数: カーネル引数を使用してインストール固有の情報を提供できます。たとえば、HTTP サーバーにアップロードした RHCOS インストールファイルの場所と、インストールするノードタイプの Ignition 設定ファイルの場所を指定できます。PXE インストールの場合、
APPEND
パラメーターを使用して、ライブインストーラーのカーネルに引数を渡すことができます。ISO インストールの場合は、ライブインストール起動プロセスを中断してカーネル引数を追加できます。いずれのインストールの場合でも、特殊なcoreos.inst.*
引数を使用してライブインストーラーに指示を与えたり、標準のカーネルサービスをオンまたはオフにするために標準のインストールブート引数を使用したりできます。 -
Ignition 設定: OpenShift Container Platform Ignition 設定ファイル (
*.ign
) は、インストールするノードのタイプに固有のものです。RHCOS のインストール時にブートストラップ、コントロールプレーン、またはコンピュートノードの Ignition 設定ファイルの場所を渡して、初回起動時に有効にされるようにします。特別なケースでは、ライブシステムに渡すために個別の制限付き Ignition 設定を作成できます。この Ignition 設定は、インストールが正常に完了したことをプロビジョニングシステムに報告するなどの一連のタスクを実行する可能性があります。この特別な Ignition 設定は、インストール済みシステムの初回ブート時に適用されるcoreos-installer
によって使用されます。標準のコントロールプレーンおよびコンピュートノードの Ignition 設定をライブ ISO に直接指定しないでください。 -
coreos-installer
: ライブ ISO インストーラーをシェルプロンプトで起動できます。これにより、初回のブート前にさまざまな方法で永続的なシステムの準備を行うことができます。特に、coreos-installer
コマンドを実行すると、追加するさまざまなアーティファクトを特定し、ディスクパーティションを使用し、ネットワークを設定できます。場合によっては、ライブシステムで機能を設定し、それらをインストールされたシステムにコピーできます。
ISO または PXE インストールを使用するかどうかは、状況によって異なります。PXE インストールには、利用可能な DHCP サービスとさらなる準備が必要ですが、インストールプロセスはさらに自動化することが可能です。ISO インストールは主に手動によるプロセスで、複数のマシンを設定する場合には使用しにくい可能性があります。
OpenShift Container Platform 4.6 の時点で、RHCOS ISO およびその他のインストールアーティファクトは、4K セクターのディスクへのインストールをサポートします。
1.2.13.1. ISO イメージを使用した Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) マシンの作成
ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーにクラスターをインストールする前に、それが使用する RHCOS マシンを作成する必要があります。ISO イメージを使用してマシンを作成することができます。
前提条件
- クラスターの Ignition 設定ファイルを取得している。
- お使いのコンピューターからアクセスでき、作成するマシンからアクセスできる HTTP サーバーへのアクセスがある。
手順
インストールプログラムが作成したコントロールプレーン、コンピュート、およびブートストラップ Ignition 設定を HTTP サーバーにアップロードします。これらのファイルの URL をメモします。
重要インストールの完了後にコンピュートマシンをさらにクラスターに追加する予定の場合には、これらのファイルを削除しないでください。
RHCOS イメージミラー ページからオペレーティングシステムのインスタンスをインストールするために優先される方法で必要な RHCOS イメージを取得します。
重要RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージをダウンロードする必要があります。利用可能な場合は、OpenShift Container Platform バージョンに一致するイメージのバージョンを使用します。この手順には ISO イメージのみを使用します。RHCOS qcow2 イメージは、このインストールではサポートされません。
ISO ファイルの名前は以下の例のようになります。
rhcos-<version>-live.<architecture>.iso
ISO を使用し、RHCOS インストールを開始します。以下のインストールオプションのいずれかを使用します。
- ディスクに ISO イメージを書き込み、これを直接起動します。
- LOM インターフェイスで ISO リダイレクトを使用します。
-
ISO イメージを起動します。インストール起動プロセスを中断して、カーネル引数を追加できます。ただし、この ISO 手順では、カーネル引数を追加する代わりに
coreos-installer
コマンドを使用する必要があります。オプションを指定せず、中断なしでライブインストーラーを実行する場合、インストーラーはライブシステムのシェルプロンプトで起動し、RHCOS をディスクにインストールする準備が整います。 -
coreos-installer
を実行する前に、ネットワークやディスクパーティションなどのさまざまな機能を設定する方法については、高度な RHCOS インストールの参照 セクションを参照してください。 coreos-installer
コマンドを実行します。最低でも、ノードタイプの Ignition 設定ファイルの場所と、インストールするディスクの場所を特定する必要があります。以下は例です。$ sudo coreos-installer install \ --ignition-url=https://host/worker.ign /dev/sda
- RHCOS のインストール後に、システムは再起動します。システムの再起動後、指定した Ignition 設定ファイルを適用します。
継続してクラスターの他のマシンを作成します。
重要この時点でブートストラップおよびコントロールプレーンマシンを作成する必要があります。コントロールプレーンマシンがデフォルトのスケジュール対象にされていない場合、クラスターのインストール前に少なくとも 2 つのコンピュートマシンを作成します。