第8章 パフォーマンスを向上させるための APIcast 設定
本セクションでは、APIcast のパフォーマンスの問題をデバッグする際の全般的なガイドラインについて説明します。また、使用可能なキャッシュモードを紹介しパフォーマンスの向上にどのように役立つかを説明します、さらに、同期モードの詳細についても言及します。コンテンツは、以下のセクションで構成されています。
8.1. 全般的なガイドライン
典型的な APIcast デプロイメントで考慮すべき 3 つのコンポーネントを以下に示します。
- APIcast
- リクエストを承認し使用状況を追跡する 3scale バックエンドサーバー
- アップストリーム API
APIcast でパフォーマンスの問題が発生している場合には、以下の手順に従います。
- 問題の原因となっているコンポーネントを特定します。
- アップストリーム API のレイテンシーを測定し、APIcast と 3scale バックエンドサーバーで生じるレイテンシーを把握します。
- ベンチマーク試験を実施するのと同じツールを使用して、新たな計測を実施します。ただし、直接アップストリーム API をポイントするのではなく、APIcast をポイントします。
これらの結果を比較することで、APIcast と 3scale バックエンドサーバーで生じるレイテンシーを把握することができます。
ホスト型 (SaaS) システムと Self-managed APIcast の組み合わせにおいて、APIcast と 3scale バックエンドサーバーで生じるレイテンシーが高い場合には、以下の手順に従います。
- APIcast がデプロイされているマシンから 3scale バックエンドサーバーにリクエストを送信します。
- レイテンシーを測定します。
3scale バックエンドサーバーは、バージョンを返すエンドポイント https://su1.3scale.net/status を公開します。それに比べて、承認呼び出しは鍵、制限、およびキューのバックグラウンドジョブを検証するため、より多くのリソースを必要とします。3scale バックエンドサーバーはこれらのタスクを数ミリ秒で実行しますが、これには /status
エンドポイントが処理するようなバージョン確認よりも多くの作業が必要です。たとえば、ご自分の APIcast 環境から /status
へのリクエストに約 300 ミリ秒かかるとすると、キャッシュされないすべてのリクエストについて、承認にはより長い時間がかかります。