ガバナンス


Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes 2.6

ポリシーを使用してクラスターのセキュリティーを強化するのに役立つ、ガバナンスポリシーフレームワークについては、以下で確認してください。

概要

ポリシーを使用してクラスターのセキュリティーを強化するのに役立つ、ガバナンスポリシーフレームワークについては、以下で確認してください。

第1章 リスクおよびコンプライアンス

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes コンポーネントのセキュリティーを管理します。定義したポリシーおよびプロセスでクラスターを統制し、リスクを特定して最小限に抑えます。ポリシーを使用して、ルールの定義および制御の設定を行います。

前提条件: Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes の認証サービス要件を設定する必要がある。詳細は、アクセス制御 を参照すること。

クラスターのセキュリティー保護に関する詳細は、以下のトピックを参照してください。

1.1. 証明書

さまざまな証明書が Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes で作成され、使用されます。

独自に証明書を使用できます。証明書の Kubernetes TLS Secret を作成する必要があります。独自の証明書の作成後に、Red Hat Advanced Cluster Management インストーラーで作成した特定の証明書を置き換えることができます。

必要なアクセス権限: クラスターの管理者

Red Hat Advanced Cluster Management で実行されるサービスに必要な証明書はすべて、Red Hat Advanced Cluster Management のインストール時に作成されます。証明書は以下のコンポーネントで作成および管理されます。

証明書の管理に関する詳細は、以下を参照してください。

Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターの証明書

Red Hat Advanced Cluster Management コンポーネントの証明書

Red Hat Advanced Cluster Management の管理対象証明書

サードパーティー証明書

注記: ユーザーは証明書のローテーションおよび更新を行います。

1.1.1. Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスター証明書

1.1.1.1. 可観測性の証明書

Red Hat Advanced Cluster Management をインストールすると、可観測性証明書が作成されて、この証明書を可観測性コンポーネントが使用してハブクラスターとマネージドクラスターの間のトラフィックで相互 TLS を提供します。Kubernetes Secret が可観測性証明書に関連付けられます。

open-cluster-management-observability namespace には以下の証明書が含まれます。

  • observability-server-ca-certs: サーバー側の証明書に署名する CA 証明書が含まれます。
  • observability-client-ca-certs: クライアント側の証明書に署名する CA 証明書が含まれます。
  • observability-server-certs: observability-observatorium-api デプロイメントで使用されるサーバー証明書が含まれます。
  • observability-grafana-certs: observability-rbac-query-proxy デプロイメントで使用されるクライアント証明書が含まれます。

open-cluster-management-addon-observability namespace には、マネージドクラスターに以下の証明書が含まれます。

  • observability-managed-cluster-certs: ハブサーバーの observability-server-ca-certs と同じサーバー CA 証明書が含まれます。
  • observability-controller-open-cluster-management.io-observability-signer-client-cert: metrics-collector-deployment が使用するクライアント証明書が含まれます。

CA 証明書は 5 年間、他の証明書は 1 年間有効です。可観測性の証明書はすべて、期限が切れると自動的に更新されます。

以下のリストを表示し、証明書が自動更新される場合の影響について確認します。

  • CA 以外の証明書は、有効期間の残りが 73 日以下になると自動的に更新されます。証明書が更新されると、更新された証明書を使用するように関連するデプロイメントの Pod は自動的に再起動されます。
  • CA 証明書は、有効期間の残りが 1 年間未満になると自動的に更新されます。証明書を更新したら、古い CA は削除されませんが、更新された CA と共存します。以前の証明書と更新された証明書はいずれも関連するデプロイメントで使用され、引き続き機能します。以前 CA 証明書は有効期限が切れると削除されます。
  • 証明書の更新時には、ハブクラスターとマネージドクラスターの間のトラフィックは中断されません。
1.1.1.2. 独自 (BYO: Bring Your Own) の可観測性認証局 (CA) 証明書の追加

Red Hat Advanced Cluster Management で生成されたデフォルトの可観測性 CA 証明書を使用しない場合は、可観測性を有効にする前に、独自の可観測性 CA 証明書を使用できます。

1.1.1.2.1. CA 証明書を生成する OpenSSL コマンド

可観測性には、サーバー側、クライアント側の 2 つの CA 証明書が必要です。

  • 以下のコマンドを使用して、CA RSA 秘密鍵を生成します。

    openssl genrsa -out serverCAKey.pem 2048
    
    openssl genrsa -out clientCAKey.pem 2048
  • 秘密鍵を使用して自己署名 CA 証明書を生成します。以下のコマンドを実行します。

    openssl req -x509 -sha256 -new -nodes -key serverCAKey.pem -days 1825 -out serverCACert.pem
    
    openssl req -x509 -sha256 -new -nodes -key clientCAKey.pem -days 1825 -out clientCACert.pem
1.1.1.2.2. 独自の CA 証明書に関連付けられたシークレットの作成

シークレットを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 証明書および秘密鍵を使用して observability-server-ca-certs シークレットを作成します。以下のコマンドを実行します。

    oc -n open-cluster-management-observability create secret tls observability-server-ca-certs --cert ./serverCACert.pem --key ./serverCAKey.pem
  2. 証明書および秘密鍵を使用して observability-client-ca-certs シークレットを作成します。以下のコマンドを実行します。

    oc -n open-cluster-management-observability create secret tls observability-client-ca-certs --cert ./clientCACert.pem --key ./clientCAKey.pem
1.1.1.2.3. alertmanager ルートの証明書の置き換え

OpenShift のデフォルト Ingress 証明書を使用しない場合は、alertmanager ルートを更新して alertmanager 証明書を置き換えることができます。以下の手順を実行します。

  1. 以下のコマンドで 可観測性証明書を検査します。

    openssl x509  -noout -text -in ./observability.crt
  2. 証明書のコモンネーム (CN) を alertmanager に変更します。
  3. csr.cnf 設定ファイルの SAN は、alertmanager ルートのホスト名に変更します。
  4. 次に open-cluster-management-observability namespace で以下の 2 つのシークレットを作成します。以下のコマンドを実行します。

    oc -n open-cluster-management-observability create secret tls alertmanager-byo-ca --cert ./ca.crt --key ./ca.key
    
    oc -n open-cluster-management-observability create secret tls alertmanager-byo-cert --cert ./ingress.crt --key ./ingress.key

詳細は、証明書を生成するための OpenSSL コマンド を参照してください。alertmanager ルートのデフォルト自己署名証明書を復元する場合は、管理 Ingress のデフォルトの自己署名証明書の復元 を参照して open-cluster-management-observability namespace にある 2 つのシークレットを削除します。

1.1.2. Red Hat Advanced Cluster Management コンポーネントの証明書

1.1.2.1. ハブクラスターのマネージド証明書のリスト表示

OpenShift Service Serving Certificates サービスを内部で使用するハブクラスターのマネージド証明書のリストを表示できます。以下のコマンドを実行して証明書一覧を表示します。

for ns in multicluster-engine open-cluster-management ; do echo "$ns:" ; oc get secret -n $ns -o custom-columns=Name:.metadata.name,Expiration:.metadata.annotations.service\\.beta\\.openshift\\.io/expiry | grep -v '<none>' ; echo ""; done

注記: 可観測性が有効な場合は、証明書が作成される追加の namespace があります。

1.1.2.2. ハブクラスターの管理対象証明書の更新

List hub cluster managed certificates セクションで delete secret コマンドを実行して、ハブクラスターのマネージド証明書を更新できます。更新する必要のある証明書を特定したら、その証明書に関連するシークレットを削除します。たとえば、以下のコマンドを実行してシークレットを削除できます。

oc delete secret grc-0c925-grc-secrets -n open-cluster-management

注記: シークレットの削除すると、新規のシークレットが作成されます。ただし、新しい証明書の使用を開始するには、そのシークレットを使用する Pod を手動で再起動する必要があります。

1.1.2.3. Red Hat Advanced Cluster Management Webhook 証明書の更新

Red Hat Advanced Cluster Management Webhook で使用される証明書である OpenShift Container Platform のマネージド証明書を更新できます。

Red Hat Advanced Cluster Management Webhook 証明書を更新するには、以下の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform の管理対象証明書に関連付けられているシークレットを削除します。

    oc delete secret -n open-cluster-management ocm-webhook-secret

    注記: サービスによっては、削除する必要のあるシークレットが存在しない場合があります。

  2. 以下のコマンドを実行して、OpenShift Container Platform の管理対象証明書に関連付けられているサービスを再起動します。

    oc delete po -n open-cluster-management ocm-webhook-679444669c-5cg76

    重要: 多数のサービスのレプリカが存在するため、各サービスを再起動する必要があります。

証明書を含む Pod の概要を一覧にまとめた以下の表を参照して、Pod の再起動前に シークレットを削除する必要があるかどうかを確認します。

表1.1 OpenShift Container Platform マネージド証明書を含む Pod
サービス名Namespaceサンプルの Pod 名シークレット名 (該当する場合)

channels-apps-open-cluster-management-webhook-svc

open-cluster-management

multicluster-operators-application-8c446664c-5lbfk

channels-apps-open-cluster-management-webhook-svc-ca

multicluster-operators-application-svc

open-cluster-management

multicluster-operators-application-8c446664c-5lbfk

multicluster-operators-application-svc-ca

cluster-manager-registration-webhook

open-cluster-management-hub

cluster-manager-registration-webhook-fb7b99c-d8wfc

registration-webhook-serving-cert

cluster-manager-work-webhook

open-cluster-management-hub

cluster-manager-work-webhook-89b8d7fc-f4pv8

work-webhook-serving-cert

1.1.3. Red Hat Advanced Cluster Management マネージド証明書

1.1.3.1. チャネル証明書

CA 証明書は、Red Hat Advanced ClusterManagement アプリケーション管理の一部である Git チャネルに関連付けることができます。詳細は、セキュアな HTTPS 接続でのカスタム CA 証明書の使用 を参照してください。

Helm チャネルを使用すると、証明書の検証を無効にできます。Helm チャネルで、証明書の検証が無効になっている場合は、Helm チャネルを開発環境で設定する必要があります。証明書の検証を無効にすると、セキュリティーリスクが発生します。

1.1.3.2. マネージドクラスター証明書

証明書は、ハブでマネージドクラスターを認証するのに使用されます。したがって、このような証明書に関連するトラブルシューティングシナリオを認識しておくことが重要です。詳細は、証明書を変更した後のインポート済みクラスターのオフラインでのトラブルシューティング を参照してください。

マネージドクラスター証明書は自動的に更新されます。

1.1.4. サードパーティー証明書

1.1.4.1. gatekeeper Webhook 証明書のローテーション

gatekeeper Webhook 証明書をローテーションするには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを使用して、証明書が含まれるシークレットを編集します。

    oc edit secret -n openshift-gatekeeper-system gatekeeper-webhook-server-cert
  2. data セクションの ca.crtca.key、tls.crt および tls.key の内容を削除します。
  3. 次のコマンドで gatekeeper-controller-manager Pod を削除して、gatekeeper Webhook サービスを再起動します。

    oc delete po -n openshift-gatekeeper-system -l control-plane=controller-manager

gatekeeper Webhook 証明書がローテーションされます。

1.1.4.2. Integrity-shield Webhook 証明書のローテーション (テクノロジープレビュー)

Integrity-shield Webhook 証明書をローテーションするには、次の手順を実行します。

  1. IntegrityShield カスタムリソースを編集して、integrity-shield-operator-system namespace を inScopeNamespaceSelector 設定の namespace 除外リストに追加します。以下のコマンドを実行してリソースを編集します。

    oc edit integrityshield integrity-shield-server -n integrity-shield-operator-system
  2. 次のコマンドを実行して、integrity-shield 証明書を含むシークレットを削除します。

    oc delete secret -n integrity-shield-operator-system ishield-server-tls
  3. シークレットが再作成されるように、Operator を削除します。Operator の Pod 名がシステムの Pod 名と一致していることを確認してください。以下のコマンドを実行します。

    oc delete po -n integrity-shield-operator-system integrity-shield-operator-controller-manager-64549569f8-v4pz6
  4. Integrity-shield サーバー Pod を削除して、次のコマンドで新しい証明書の使用を開始します。

    oc delete po -n integrity-shield-operator-system integrity-shield-server-5fbdfbbbd4-bbfbz

証明書ポリシーコントローラーを使用して、マネージドクラスターで証明書ポリシーを作成して管理します。コントローラーの詳細は、ポリシーコントローラー を参照してください。詳細は、リスクおよびコンプライアンス ページに戻り、確認してください。

1.2. 管理 Ingress 証明書の置き換え

OpenShift のデフォルト Ingress 証明書を使用しない場合は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ルートを更新して、管理 Ingress 証明書を置き換えることができます。

1.2.1. 管理 Ingress 証明書を置き換えるための前提条件

management-ingress 証明書と秘密鍵を作成して準備します。必要に応じて、OpenSSL で TLS 証明書を生成できます。証明書のコモンネームパラメーター (CN) を manangement-ingress に設定します。証明書を生成する場合は、以下の設定を追加します。

  • 証明書のサブジェクトの別名 (SAN) リストのドメイン名として Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes のルート名を含めます。

    以下のコマンドを実行してルート名を取得します。

    oc get route -n open-cluster-management

    以下の応答が返される場合があります。

    multicloud-console.apps.grchub2.dev08.red-chesterfield.com
1.2.1.1. 証明書を生成する設定ファイルの例

以下の設定ファイルおよび OpenSSL コマンドの例では、OpenSSL を使用して TLS 証明書を生成する方法を示しています。以下の csr.cnf 設定ファイルを確認してください。このファイルは、OpenSSL での証明書生成の設定を定義します。

[ req ]               # Main settings
default_bits = 2048       # Default key size in bits.
prompt = no               # Disables prompting for certificate values so the configuration file values are used.
default_md = sha256       # Specifies the digest algorithm.
req_extensions = req_ext  # Specifies the configuration file section that includes any extensions.
distinguished_name = dn   # Specifies the section that includes the distinguished name information.

[ dn ]               # Distinguished name settings
C = US                    # Country
ST = North Carolina             # State or province
L = Raleigh                # Locality
O = Red Hat Open Shift     # Organization
OU = Red Hat Advanced Container Management        # Organizational unit
CN = management-ingress  # Common name.

[ req_ext ]          # Extensions
subjectAltName = @alt_names # Subject alternative names

[ alt_names ]        # Subject alternative names
DNS.1 = multicloud-console.apps.grchub2.dev08.red-chesterfield.com

[ v3_ext ]          # x509v3 extensions
authorityKeyIdentifier=keyid,issuer:always  # Specifies the public key that corresponds to the private key that is used to sign a certificate.
basicConstraints=CA:FALSE                   # Indicates whether the certificate is a CA certificate during the certificate chain verification process.
#keyUsage=keyEncipherment,dataEncipherment   # Defines the purpose of the key that is contained in the certificate.
extendedKeyUsage=serverAuth                 # Defines the purposes for which the public key can be used.
subjectAltName=@alt_names                   # Identifies the subject alternative names for the identify that is bound to the public key by the CA.

注記: 管理 Ingress の正しいホスト名を使用して SAN ラベルが付いた DNS.1 を必ず更新してください。

1.2.1.2. 証明書生成の OpenSSL コマンド

以下の OpenSSL コマンドは、上記の設定ファイルと合わせて使用して、必要な TLS 証明書を生成します。

  1. 認証局 (CA) RSA 秘密鍵を生成します。

    openssl genrsa -out ca.key 4096
  2. CA キーを使用して自己署名の CA 証明書を生成します。

    openssl req -x509 -new -nodes -key ca.key -subj "/C=US/ST=North Carolina/L=Raleigh/O=Red Hat OpenShift" -days 400 -out ca.crt
  3. 証明書の RSA 秘密鍵を生成します。

    openssl genrsa -out ingress.key 4096
  4. 秘密鍵を使用して証明書署名要求 (CSR) を生成します。

    openssl req -new -key ingress.key -out ingress.csr -config csr.cnf
  5. CA 証明書、キー、および CSR を使用して署名済み証明書を生成します。

    openssl x509 -req -in ingress.csr -CA ca.crt -CAkey ca.key -CAcreateserial -out ingress.crt -sha256 -days 300 -extensions v3_ext -extfile csr.cnf
  6. 証明書の内容を調べます。

    openssl x509  -noout -text -in ./ingress.crt

1.2.2. 独自の Ingress 証明書の置き換え

独自の Ingress 証明書を置き換えるには、以下の手順を実行します。

  1. 証明書および秘密鍵を使用して byo-ingress-tls シークレットを作成します。以下のコマンドを実行します。

    oc -n open-cluster-management create secret tls byo-ingress-tls-secret --cert ./ingress.crt --key ./ingress.key
  2. 以下のコマンドでシークレットが正しい namespace に作成されていることを確認します。

    oc get secret -n open-cluster-management | grep -e byo-ingress-tls-secret -e byo-ca-cert
  3. 任意: 以下のコマンドを実行して、CA 証明書を含むシークレットを作成します。

    oc -n open-cluster-management create secret tls byo-ca-cert --cert ./ca.crt --key ./ca.key
  4. サブスクリプションを再デプロイするには、management-ingress サブスクリプションを削除します。前の手順で作成したシークレットが自動的に使用されます。以下のコマンドを実行します。

    oc delete subscription management-ingress-sub -n open-cluster-management
  5. 現在の証明書が、指定した証明書になっており、すべてのコンソールアクセスとログイン機能がそのまま維持されていることを確認します。

1.2.3. 管理 Ingress のデフォルト自己署名証明書の復元

  1. 次のコマンドで、独自の証明書のシークレットを削除します。

    oc delete secret byo-ca-cert byo-ingress-tls-secret -n open-cluster-management
  2. サブスクリプションを再デプロイするには、management-ingress サブスクリプションを削除します。前の手順で作成したシークレットが自動的に使用されます。以下のコマンドを実行します。

    oc delete subscription management-ingress-sub -n open-cluster-management
  3. 現在の証明書が、指定した証明書になっており、すべてのコンソールアクセスとログイン機能がそのまま維持されていることを確認します。

Red Hat Advanced Cluster Management で作成して管理する証明書の詳細は、証明書 を参照してください。クラスターのセキュリティー保護に関する詳細は、リスクおよびコンプライアンス ページに戻り、確認してください。

第2章 ガバナンス

企業が、プライベートクラウド、マルチクラウド、およびハイブリッドクラウドでホストされるワークロードについて、ソフトウェアエンジニアリング、セキュアなエンジニアリング、回復性、セキュリティー、規制準拠に関する内部標準を満たす必要があります。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ガバナンスは、企業が独自のセキュリティーポリシーを導入するための拡張可能なポリシーフレームワークを提供します。

2.1. ガバナンスアーキテクチャー

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ガバナンスライフサイクルを使用してクラスターのセキュリティーを強化します。製品ガバナンスのライフサイクルは、定義されたポリシー、プロセス、および手順に基づいて、中央のインターフェイスページからセキュリティーおよびコンプライアンスを管理します。ガバナンスアーキテクチャーの以下の図を参照してください。

Governance architecture diagram

ガバナンスアーキテクチャーは、以下のコンポーネントで設定されています。

  • ガバナンスダッシュボード: ポリシーおよびクラスターの違反を含むクラウドガバナンスおよびリスクの詳細の概要を提供します。

    注記:

    • ポリシーがマネージドクラスターに伝播されると、最初にハブクラスターのクラスター namespace にレプリケートされ、namespaceName.policyName を使用して名前とラベルが付けられます。ポリシーを作成するときは、ラベル値の Kubernetes の長さ制限により、namespaceName.policyName の長さが 63 文字を超えないようにしてください。
    • ハブクラスターでポリシーを検索すると、マネージドクラスター namespace で複製されたポリシー名が返される場合もあります。たとえば、default namespace で policy-dhaz-cert を検索すると、ハブクラスターの次のポリシー名がマネージドクラスターの namespace にも表示される場合があります: default.policy-dhaz-cert
  • ポリシーベースのガバナンスフレームワーク: 地理的リージョンなどのクラスターに関連付けられた属性に基づいて、さまざまなマネージドクラスターへのポリシー作成およびデプロイメントをサポートします。事前定義済みの例や、クラスターへのポリシーのデプロイ方法を確認するには、policy-collection リポジトリー を参照してください。カスタムポリシーをコレクションに提供することもできます。さらにポリシーに違反した場合は、ユーザーが選択するアクションを実行するように自動化を設定できます。詳細は、Ansible Tower でのガバナンスの設定 を参照してください。

    policy_governance_info メトリックを使用してトレンドを表示し、ポリシーの失敗を分析します。詳細は、ガバナンスのメトリクス を参照してください。

  • ポリシーコントローラー: 指定した制御に対してマネージドクラスター上のポリシーを 1 つ以上評価し、違反の Kubernetes イベントを生成します。違反は、ハブクラスターに伝播されます。インストールに含まれるポリシーコントローラーは、Kubernetes 設定、証明書、および IAM です。
  • オープンソースコミュニティー: Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーフレームワークの基盤を使用したコミュニティーの貢献をサポートします。ポリシーコントローラーおよびサードパーティーのポリシーも、stolostron/policy-collection リポジトリーに含まれます。GitOps を使用してポリシーを提供し、デプロイする方法を説明します。詳細は、GitOps を使用したポリシーのデプロイ を参照してください。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes とサードパーティーのポリシーの統合方法を説明します。詳細は、サードパーティーポリシーコントローラーの統合 を参照してください。

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ポリシーフレームワークの設定、および Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes の ガバナンス ダッシュボードの使用方法について説明します。

2.2. ポリシーの概要

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes セキュリティーポリシーフレームワークを使用して、ポリシーを作成および管理します。ポリシー作成には、Kubernetes カスタムリソース定義 (CRD) インスタンスを使用します。

各 Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーには、少なくとも 1 つ以上のテンプレートを含めることができます。ポリシー要素の詳細は、このページの ポリシー YAML の表 のセクションを参照してください。

このポリシーには、ポリシードキュメントの適用先のクラスターを定義する PlacementRule または Placement と、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ポリシーを配置ルールにバインドする PlacementBinding が必要です。PlacementRule の定義方法に関する詳細は、アプリケーションライフサイクルドキュメントの 配置ルール を参照してください。Placement の定義方法は、クラスターライフサイクルドキュメントの 配置の概 を参照してください。

重要:

  • マネージドクラスターにポリシーを伝播するには、PlacementBinding を作成して、ポリシーを PlacementRule または Placement にバインドする必要があります。

    ベストプラクティス: Placement リソースの使用時には、コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用してポリシーの更新を行います。

  • ハブクラスターの namespae (クラスター namespace を除く) でポリシーを作成できます。クラスター namespace でポリシーを作成する場合には、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes により削除されます。
  • 各クライアントおよびプロバイダーは、マネージドのクラウド環境で、Kubernetes クラスターでホストされているワークロードのソフトウェアエンジニアリング、セキュアなエンジニアリング、回復性、セキュリティー、規制準拠に関する内部エンタープライズセキュリティー基準を満たしていることを確認します。ガバナンスおよびセキュリティー機能を使用して、標準を満たすように可視性を確保し、設定を調整します。

以下のセクションでは、ポリシーコンポーネントについて説明します。

2.2.1. ポリシー YAML の設定

ポリシーの作成時に、必須パラメーターフィールドと値を含める必要があります。ポリシーコントローラーによっては、他の任意のフィールドおよび値の追加が必要になる場合があります。前述のパラメーターフィールドの YAML 設定は、以下を確認してください。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards:
    policy.open-cluster-management.io/categories:
    policy.open-cluster-management.io/controls:
spec:
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion:
        kind:
        metadata:
          name:
        spec:
  remediationAction:
  disabled:
---
apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementBinding
metadata:
  name:
placementRef:
  name:
  kind:
  apiGroup:
subjects:
- name:
  kind:
  apiGroup:
---
apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementRule
metadata:
  name:
spec:
  clusterConditions:
  - type:
  clusterLabels:
    matchLabels:
      cloud:

2.2.2. ポリシー YAML の表

表2.1 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

metadata.annotations

任意

ポリシーが検証を試みる標準セットを記述する、一連のセキュリティー情報の指定に使用します。ここに記載されているすべてのアノテーションは、コンマ区切りリストを含む文字列として表示されます。

注記: コンソールの ポリシー ページで、ポリシー定義の標準およびカテゴリーに基づいてポリシー違反を表示できます。

annotations.policy.open-cluster-management.io/standards

任意

ポリシーが関連するセキュリティー標準の名前。たとえば、アメリカ国立標準技術研究所 (NIST: National Institute of Standards and Technology) および Payment Card Industry (PCI) などがあります。

annotations.policy.open-cluster-management.io/categories

任意

セキュリティーコントロールカテゴリーは、1 つ以上の標準に関する特定要件を表します。たとえば、システムおよび情報の整合性カテゴリーには、HIPAA および PCI 標準で必要とされているように、個人情報保護のデータ転送プロトコルが含まれる場合があります。

annotations.policy.open-cluster-management.io/controls

任意

チェックされるセキュリティー制御の名前。たとえば、アクセス制御やシステムと情報のインテグリティーなどです。

spec.policy-templates

必須

1 つ以上のポリシーを作成し、マネージドクラスターに適用するのに使用します。

spec.disabled

必須

この値は true または false に設定します。disabled パラメーターを使用すると、ポリシーを有効または無効にすることができます。

spec.remediationAction

オプション。

ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は enforce および inform です。指定すると、定義した spec.remediationAction 値は、policy-templates セクションの子ポリシーに定義した remediationAction パラメーターより優先されます。たとえば、spec.remediationAction の値のセクションを enforce に設定すると、policy-templatesremediationAction はランタイム時に enforce に設定されます。

重要: 一部のポリシーの種類は、強制機能をサポートしていない場合があります。

2.2.3. ポリシーサンプルファイル

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name: policy-role
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards: NIST SP 800-53
    policy.open-cluster-management.io/categories: AC Access Control
    policy.open-cluster-management.io/controls: AC-3 Access Enforcement
spec:
  remediationAction: inform
  disabled: false
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name: policy-role-example
        spec:
          remediationAction: inform # the policy-template spec.remediationAction is overridden by the preceding parameter value for spec.remediationAction.
          severity: high
          namespaceSelector:
            include: ["default"]
          object-templates:
            - complianceType: mustonlyhave # role definition should exact match
              objectDefinition:
                apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
                kind: Role
                metadata:
                  name: sample-role
                rules:
                  - apiGroups: ["extensions", "apps"]
                    resources: ["deployments"]
                    verbs: ["get", "list", "watch", "delete","patch"]
---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementBinding
metadata:
  name: binding-policy-role
placementRef:
  name: placement-policy-role
  kind: PlacementRule
  apiGroup: apps.open-cluster-management.io
subjects:
- name: policy-role
  kind: Policy
  apiGroup: policy.open-cluster-management.io
---
apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementRule
metadata:
  name: placement-policy-role
spec:
  clusterConditions:
  - status: "True"
    type: ManagedClusterConditionAvailable
  clusterSelector:
    matchExpressions:
      - {key: environment, operator: In, values: ["dev"]}

2.2.4. Placement YAML のサンプルファイル

PlacementBinding および Placement リソースは、以前のポリシー例と組み合わせて、PlacementRule API ではなく、クラスターの Placement API を使用してポリシーをデプロイできます。

---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementBinding
metadata:
  name: binding-policy-role
placementRef:
  name: placement-policy-role
  kind: Placement
  apiGroup: cluster.open-cluster-management.io
subjects:
- name: policy-role
  kind: Policy
  apiGroup: policy.open-cluster-management.io
---
//Depends on if governance would like to use v1beta1
apiVersion: cluster.open-cluster-management.io/v1beta1
kind: Placement
metadata:
  name: placement-policy-role
spec:
  predicates:
  - requiredClusterSelector:
      labelSelector:
        matchExpressions:
          - {key: environment, operator: In, values: ["dev"]}

ポリシーの作成および更新は、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。また、Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーコントローラーを有効にして更新し、ポリシーのコンプライアンスを検証することもできます。ポリシーコントローラー を参照してください。他のポリシートピックについては、ガバナンス を参照してください。

2.3. ポリシーコントローラー

ポリシーコントローラーは、クラスターがポリシーに準拠しているかどうかを監視し、報告します。既製のポリシーテンプレートを使用して Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ポリシーフレームワークを使用し、これらのコントローラーによって管理されるポリシーを適用します。ポリシーコントローラーは Kubernetes のカスタムリソース定義 (CRD) インスタンスを管理します。

ポリシーコントローラーはポリシー違反をモニターし、コントローラーが強制機能をサポートしている場合、クラスターの状態を準拠させることができます。

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes の以下のポリシーコントローラーについては、次のトピックを参照してください。

重要: 設定ポリシーコントローラーポリシーのみが enforce 機能をサポートします。ポリシーコントローラーが enforce 機能をサポートしないポリシーを手動で修正する必要があります。

ポリシー管理の他のトピックについては、ガバナンス を参照してください。

2.3.1. Kubernetes 設定ポリシーコントローラー

設定ポリシーコントローラーを使用して、Kubernetes リソースを設定し、クラスター全体にセキュリティーポリシーを適用できます。設定ポリシーは、ハブクラスター上のポリシーの policy-templates フィールドで提供され、ガバナンスフレームワークによって選択されたマネージドクラスターに伝播されます。ハブクラスターポリシーの詳細は、ポリシーの概要 を参照してください。

Kubernetes オブジェクトは、設定ポリシーの object-templates 配列で (全体または一部で) 定義され、マネージドクラスター上のオブジェクトと比較するフィールドの設定ポリシーコントローラーを示します。設定ポリシーコントローラーは、ローカルの Kubernetes API サーバーと通信し、クラスターにある設定の一覧を取得します。

設定ポリシーコントローラーは、インストール時にマネージドクラスターに作成されます。設定ポリシーコントローラーは、設定ポリシーが準拠していない場合に修復する enforce 機能をサポートしています。設定ポリシーの remediationActionenforce に設定されている場合、コントローラーは指定された設定をターゲットのマネージドクラスターに適用します。注記: 名前のないオブジェクトを指定する設定ポリシーは、inform のみにすることができます。

設定ポリシー内でテンプレート化された値を使用することもできます。詳細は、設定ポリシーでのテンプレートのサポート を参照してください。

ポリシーに追加したい既存の Kubernetes マニフェストがある場合、ポリシージェネレーター はこれを実現するための便利なツールです。

設定ポリシーコントローラーについては、以下を参照してください。

2.3.1.1. 設定ポリシーの例
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: policy-config
spec:
  namespaceSelector:
    include: ["default"]
    exclude: []
    matchExpressions: []
    matchLabels: {}
  remediationAction: inform
  severity: low
  evaluationInterval:
    compliant:
    noncompliant:
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
      apiVersion: v1
      kind: Pod
      metadata:
        name: pod
      spec:
        containers:
        - image: pod-image
          name: pod-name
          ports:
          - containerPort: 80
2.3.1.2. 設定ポリシーの YAML の表
表2.2 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を ConfigurationPolicy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーの名前。

spec.namespaceSelector

namespace が指定されていない namespace 付きオブジェクトに必要

オブジェクトが適用されるマネージドクラスター内の namespace を決定します。include パラメーターと exclude パラメーターは、ファイルパス式を受け入れて、名前で namespace を含めたり除外したりします。matchExpressions および matchLabels パラメーターは、ラベルによって含める namespace を指定します。Kubernetes のラベルとセレクター のドキュメントを参照してください。結果のリストは、すべてのパラメーターからの結果の共通部分を使用してコンパイルされます。

spec.remediationAction

必須

ポリシーが準拠していない場合に実行するアクションを指定します。次のパラメーター値を使用します: inform または enforce

spec.severity

必須

ポリシーがコンプライアンス違反の場合に重大度を指定します。次のパラメーター値を使用します: lowmediumhigh、または critical

spec.evaluationInterval.compliant

任意

ポリシーが準拠状態にあるときに評価される頻度を定義するために使用されます。値は期間の形式に指定する必要があります。これは、時間単位接尾辞が付いた数字のシーケンスになります。たとえば、12h30m5s は 12 時間、30 分、および 5 秒を表します。ポリシー spec が更新されない限り、ポリシーが準拠クラスターで再評価されないように、never に設定することもできます。

spec.evaluationInterval.noncompliant

任意

ポリシーがコンプライアンス違反の状態にあるときに評価される頻度を定義するために使用します。evaluationInterval.compliant パラメーターと同様に、値は時間単位接尾辞が付いた数値のシーケンスにある期間の形式である必要があります。ポリシー spec が更新されない限り、ポリシーがコンプライアンス違反のクラスターで再評価されないように、never に設定することもできます。

spec.object-templates

必須

コントローラーがマネージドクラスター上のオブジェクトと比較するための Kubernetes オブジェクトの配列 (完全に定義されているか、フィールドのサブセットを含む)。

spec.object-templates[].complianceType

必須

マネージドクラスター上の Kubernetes オブジェクトの望ましい状態を定義するために使用されます。次のいずれかの動詞をパラメーター値として使用する必要があります。

mustonlyhave: objectDefinition で定義されている正確なフィールドと値を持つオブジェクトが存在する必要があることを示します。

musthave: objectDefinition で指定されたものと同じフィールドを持つオブジェクトが存在する必要があることを示します。テンプレートのフィールドは、オブジェクトに存在するもののサブセットです。通常、配列値は追加されます。パッチが適用される配列の例外は、既存のアイテムと一致する値を持つ name キーがアイテムに含まれている場合です。配列を置き換える場合は、mustonlyhave コンプライアンスタイプを使用して、完全に定義された objectDefinition を使用します。

mustnothave: objectDefinition で指定されたものと同じフィールドを持つオブジェクトが存在できないことを示します。

spec.object-templates[].metadataComplianceType

任意

マニフェストのメタデータセクションをクラスター上のオブジェクトと比較するときに、spec.object-templates[].complianceType をオーバーライドします (musthave、mustonlyhave)。デフォルトは、メタデータの ComplianceType をオーバーライドしないように設定されていません。

spec.object-templates[].objectDefinition

必須

コントローラーがマネージドクラスター上のオブジェクトと比較するための Kubernetes オブジェクト (完全に定義されているか、フィールドのサブセットを含む)。

NIST Special Publication 800-53 (Rev. 4) を使用するポリシーサンプルおよび、CM-Configuration-Management フォルダー の Red Hat Advanced Cluster Management がサポートするポリシーサンプルを参照してください。ポリシーがハブクラスターにどのように適用されるかについては、サポート対象のポリシー 参照してください。

ポリシーを作成してカスタマイズする方法は、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。コントローラーの詳細は、ポリシーコントローラー を参照してください。

2.3.1.3. 設定ポリシーコントローラーを設定する

マネージドクラスターごとに設定ポリシーコントローラーの並行処理性を設定して、同時に評価できる設定ポリシーの数を変更できます。デフォルト値の 2 を変更するには、引用符で囲まれたゼロ以外の整数で policy-evaluation-concurrency アノテーションを設定します。ハブクラスターのマネージドクラスター namespace にある config-policy-controller という名前の ManagedClusterAddOn オブジェクトに値を設定できます。

注記: 並行処理性の値を高くすると、config-policy-controller Pod、Kubernetes API サーバー、および OpenShift API サーバーでの CPU とメモリーの使用率が増加します。

次の YAML の例では、cluster1 というマネージドクラスターで並行処理性が 5 に設定されています。

apiVersion: addon.open-cluster-management.io/v1alpha1
kind: ManagedClusterAddOn
metadata:
  name: config-policy-controller
  namespace: cluster1
  annotations:
    policy-evaluation-concurrency: "5"
spec:
  installNamespace: open-cluster-management-agent-addon

設定ポリシーの使用方法の詳細については、次のトピックを読み進めてください。

2.3.2. 証明書ポリシーコントローラー

証明書ポリシーコントローラーは、有効期限が近い証明書、期間 (時間) が長すぎる証明書や、指定のパターンに一致しない DNS 名が含まれている証明書の検出に使用できます。証明書ポリシーは、ハブクラスター上のポリシーの policy-templates フィールドで提供され、ガバナンスフレームワークによって選択されたマネージドクラスターに伝播されます。ハブクラスターポリシーの詳細は、ポリシーの概要 に関するドキュメントを参照してください。

証明書ポリシーコントローラーを設定してカスタマイズするには、コントローラーポリシーの以下のパラメーターを更新します。

  • minimumDuration
  • minimumCADuration
  • maximumDuration
  • maximumCADuration
  • allowedSANPattern
  • disallowedSANPattern

以下のシナリオのいずれかの場合は、ポリシーがコンプライアンス違反になる可能性があります。

  • 証明書が、最小期間で指定されている期間以内、または最大期間で指定されている期間を超えて失効する場合
  • DNS 名が指定のパターンと一致しない場合

証明書ポリシーコントローラーは、マネージドクラスターに作成されます。このコントローラーは、ローカルの Kubernetes API サーバーと通信して、証明書が含まれるシークレット一覧を取得して、コンプライアンス違反の証明書をすべて判別します。

証明書ポリシーコントローラーには、enforce 機能のサポートがありません。

2.3.2.1. 証明書ポリシーコントローラーの YAML 設定

以下の証明書ポリシーの例を見て、YAML 表の要素を確認します。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: CertificatePolicy
metadata:
  name: certificate-policy-example
spec:
  namespaceSelector:
    include: ["default"]
    exclude: []
    matchExpressions: []
    matchLabels: {}
  remediationAction:
  severity:
  minimumDuration:
  minimumCADuration:
  maximumDuration:
  maximumCADuration:
  allowedSANPattern:
  disallowedSANPattern:
2.3.2.1.1. 証明書ポリシーコントローラーの YAML の表
表2.3 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

この値を CertificatePolicy に設定してポリシーの種類を指定します。

metadata.name

必須

ポリシーを識別するための名前。

metadata.labels

任意

証明書ポリシーでは、category=system-and-information-integrity ラベルでポリシーを分類して、証明書ポリシーをスムーズにクエリーできるようにします。証明書ポリシーの category キーに別の値が指定されていると、この値は証明書コントローラーにより上書きされます。

spec.namespaceSelector

必須

シークレットがモニターされるマネージドクラスター内の namespace を決定します。include パラメーターと exclude パラメーターは、ファイルパス式を受け入れて、名前で namespace を含めたり除外したりします。matchExpressions および matchLabels パラメーターは、ラベルによって含まれる namespace を指定します。Kubernetes のラベルとセレクター のドキュメントを参照してください。結果のリストは、すべてのパラメーターからの結果の共通部分を使用してコンパイルされます。

注記:証明書ポリシーコントローラーの namespaceSelector がどの namespace にも一致しない場合は、ポリシーが準拠しているとみなされます。

spec.remediationAction

必須

ポリシーの修正を指定します。このパラメーター値に inform を設定します。証明書ポリシーコントローラーがサポートするのは inform 機能のみです。

spec.severity

任意

ポリシーがコンプライアンス違反の場合に重大度をユーザーに通知します。次のパラメーター値を使用します: lowmediumhigh、または critical

spec.minimumDuration

必須

値の指定がない場合、デフォルト値は 100h になります。このパラメーターで、証明書がコンプライアンス違反とみなされるまでの最小期間 (時間) を指定します。パラメーター値は Golang の期間形式を使用します。詳細は Golang Parse Duration を参照してください。

spec.minimumCADuration

任意

値を設定して、他の証明書とは異なる値で、まもなく有効期限が切れる可能性がある署名証明書を特定します。パラメーターの値が指定されていないと、CA 証明書の有効期限は minimumDuration で使用した値になります。詳細は Golang Parse Duration を参照してください。

spec.maximumDuration

任意

値を設定して、任意の制限期間を超えて作成された証明書を特定します。パラメーターは Golang の期間形式を使用します。詳細は Golang Parse Duration を参照してください。

spec.maximumCADuration

任意

値を設定して、定義した制限期間を超えて作成された署名証明書を特定します。パラメーターは Golang の期間形式を使用します。詳細は Golang Parse Duration を参照してください。

spec.allowedSANPattern

任意

証明書に定義した全 SAN エントリーと一致する必要がある正規表現。このパラメーターを使用して、パターンと DNS 名を照合します。詳細は Golang Regular Expression syntax を参照してください。

spec.disallowedSANPattern

任意

証明書で定義した SAN エントリーと一致してはいけない正規表現。このパラメーターを使用して、パターンと DNS 名を照合します。

注記: ワイルドカードの証明書を検出するには、disallowedSANPattern: " [\\*]" の SAN パターンを使用します。

詳細は Golang Regular Expression syntax を参照してください。

2.3.2.2. 証明書ポリシーの例

証明書ポリシーコントローラーがハブクラスターに作成されると、複製ポリシーがマネージドクラスターに作成されます。証明書ポリシーのサンプルを確認するには、policy-certificate.yaml を参照してください。

証明書ポリシーの管理方法の詳細は、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。他のトピックについては、ポリシーコントローラー を参照してください。

2.3.3. IAM ポリシーコントローラー

IAM (ID and Access Management) ポリシーコントローラーを使用して、コンプライアンス違反の IAM ポリシーに関する通知を受信できます。IAM ポリシーで設定したパラメーターを基に、コンプライアンスチェックが行われます。IAM ポリシーは、ハブクラスターのポリシーの policy-templates フィールドで提供され、ガバナンスフレームワークによって選択されたマネージドクラスターに伝播されます。ハブクラスターポリシーの詳細は、ポリシー YAML 構造 のドキュメントを参照してください。

IAM ポリシーコントローラーは、クラスター内で特定のクラスターロール (ClusterRole) を割り当てたユーザーの必要な最大数を監視します。監視するデフォルトのクラスターロールは cluster-admin です。IAM ポリシーコントローラーは、ローカルの Kubernetes API サーバーと通信します。

IAM ポリシーコントローラーはマネージドクラスターで実行されます。詳細は、以下のセクションを参照してください。

2.3.3.1. IAM ポリシー YAML の設定

以下の IAM ポリシーの例を見て、YAML 表のパラメーターを確認します。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: IamPolicy
metadata:
  name:
spec:
  clusterRole:
  severity:
  remediationAction:
  maxClusterRoleBindingUsers:
  ignoreClusterRoleBindings:
2.3.3.2. IAM ポリシー YAML の表

以下のパラメーター表で説明を確認してください。

表2.4 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

spec.clusterRole

任意

監視するクラスターロール (ClusterRole)指定されていない場合は、cluster-admin にデフォルト設定されます。

spec.severity

任意

ポリシーがコンプライアンス違反の場合に重大度をユーザーに通知します。次のパラメーター値を使用します: lowmediumhigh、または critical

spec.remediationAction

任意

ポリシーの修正を指定します。inform と入力します。IAM ポリシーコントローラーは、inform 機能のみをサポートします。

spec.ignoreClusterRoleBindings

任意

無視するクラスターのロールバインディング名を指定する正規表現 (regex) 値の一覧。これらの正規表現の値は、Go regexp 構文 に従う必要があります。デフォルトでは、名前が system: で始まるすべてのクラスターロールバインディングは無視されます。これをより厳格な値に設定することが推奨されます。クラスターのロールバインディング名を無視するには、一覧を単一の値 .^ か、一致しない他の正規表現に設定します。

spec.maxClusterRoleBindingUsers

必須

ポリシーが違反しているとみなされるまでに利用可能な IAM rolebinding の最大数。

2.3.3.3. IAM ポリシーの例

IAM ポリシーのサンプルを確認するには、policy-limitclusteradmin.yaml を参照してください。詳細は、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。他のトピックについては、ポリシーコントローラー を参照してください。

2.3.4. ポリシーセットコントローラー

ポリシーセットコントローラーは、同じ namespace で定義されるポリシーにスコープ指定されたポリシーのステータスを集約します。ポリシーセット (PolicySet) を作成して、同じ namespace にあるポリシーをグループ化します。PolicySet のすべてのポリシーは、PolicySet および Placement をバインドする PlacementBinding を作成して、選択したクラスターに配置されます。ポリシーセットがハブクラスターにデプロイされています。

また、ポリシーが複数のポリシーセットの一部である場合、既存および新規 Placement リソースはポリシーに残ります。ユーザーがポリシーセットからポリシーを削除すると、ポリシーはポリシーセットで選択したクラスターには適用されませんが、配置は残ります。ポリシーセットコントローラーは、ポリシーセット配置を含むクラスターの違反のみを確認します。

注意: Red Hat Advanced Cluster Management の強化サンプルポリシーセットは、クラスター配置を使用します。クラスター配置を使用する場合は、ポリシーを含む namespace をマネージドクラスターセットにバインドします。クラスター配置の使用の詳細については、クラスターへのポリシーのデプロイ を参照してください。

以下のセクションでは、ポリシーセットの設定について説明します。

2.3.4.1. ポリシーセット YAML の設定

ポリシーセットは、以下の YAML ファイルのようになります。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1beta1
kind: PolicySet
metadata:
  name: demo-policyset
spec:
  policies:
  - policy-demo

---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementBinding
metadata:
  name: demo-policyset-pb
placementRef:
  apiGroup: apps.open-cluster-management.io
  kind: PlacementRule
  name: demo-policyset-pr
subjects:
- apiGroup: policy.open-cluster-management.io
  kind: PolicySet
  name: demo-policyset
---
apiVersion: apps.open-cluster-management.io
kind: PlacementRule
metadata:
  name: demo-policyset-pr
spec:
  clusterConditions:pagewidth:
  - status: "True"
    type: ManagedCLusterConditionAvailable
  clusterSelectors:
    matchExpressions:
      - key: name
        operator: In
        values:
          - local-cluster
2.3.4.2. ポリシーセットの表

以下のパラメーター表で説明を確認してください。

表2.5 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1beta1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を PolicySet に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

spec

必須

ポリシーの設定詳細を追加します。

spec.policies

任意

ポリシーセットでグループ化するポリシーの一覧。

2.3.4.3. ポリシーセットの例
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1beta1
kind: PolicySet
metadata:
  name: pci
  namespace: default
spec:
  description: Policies for PCI compliance
  policies:
  - policy-pod
  - policy-namespace
status:
  compliant: NonCompliant
  placement:
  - placementBinding: binding1
    placementRule: placement1
    policySet: policyset-ps

セキュリティーポリシーの管理 トピックの Creating policy sets セクションを参照してください。また、デプロイメント用のポリシージェネレーターである PolicySets-- Stable を必要とする安定したポリシー PolicySets も表示します。ポリシージェネレーター ドキュメントを参照してください。

2.4. サードパーティーポリシーコントローラーの統合

サードパーティーポリシーを統合してポリシーテンプレート内にカスタムアノテーションを作成し、コンプライアンス標準、制御カテゴリー、制御を 1 つ以上指定します。

policy-collection/community からサードパーティーポリシーを使用することもできます。

以下のサードパーティーポリシーを統合する方法を説明します。

2.4.1. gatekeeper 制約および制約テンプレートの統合

gatekeeper は、Open Policy Agent (OPA) で実行されるカスタムリソース定義 (CRD) ベースのポリシーを適用する検証用の Webhook です。gatekeeper Operator ポリシーを使用して、クラスターに gatekeeper をインストールできます。gatekeeper ポリシーを使用して、Kubernetes リソースのコンプライアンスを評価できます。ポリシーエンジンとして OPA を活用し、ポリシー言語に Rego を使用できます。

gatekeeper ポリシーは、Kubernetes 設定ポリシーとして Red Hat Advanced Cluster Management に作成されます。gatekeeper ポリシーには、制約テンプレート (ConstraintTemplates) と Constraints、監査テンプレート、および受付テンプレートが含まれます。詳細は、Gatekeeper upstream repository を参照してください。

Red Hat Advanced Cluster Management では、Gatekeeper バージョン 3.3.0 をサポートし、Red Hat Advanced Cluster Management gatekeeper ポリシーで以下の制約テンプレートを適用します。

  • ConstraintTemplates と制約: policy-gatekeeper-k8srequiredlabels を使用して、マネージドクラスターで gatekeeper 制約テンプレートを作成します。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: policy-gatekeeper-k8srequiredlabels
    spec:
      remediationAction: enforce # will be overridden by remediationAction in parent policy
      severity: low
      object-templates:
        - complianceType: musthave
          objectDefinition:
            apiVersion: templates.gatekeeper.sh/v1beta1
            kind: ConstraintTemplate
            metadata:
              name: k8srequiredlabels
            spec:
              crd:
                spec:
                  names:
                    kind: K8sRequiredLabels
                  validation:
                    # Schema for the `parameters` field
                    openAPIV3Schema:
                      properties:
                        labels:
                          type: array
                          items: string
              targets:
                - target: admission.k8s.gatekeeper.sh
                  rego: |
                    package k8srequiredlabels
                    violation[{"msg": msg, "details": {"missing_labels": missing}}] {
                      provided := {label | input.review.object.metadata.labels[label]}
                      required := {label | label := input.parameters.labels[_]}
                      missing := required - provided
                      count(missing) > 0
                      msg := sprintf("you must provide labels: %v", [missing])
                    }
        - complianceType: musthave
          objectDefinition:
            apiVersion: constraints.gatekeeper.sh/v1beta1
            kind: K8sRequiredLabels
            metadata:
              name: ns-must-have-gk
            spec:
              match:
                kinds:
                  - apiGroups: [""]
                    kinds: ["Namespace"]
                namespaces:
                  - e2etestsuccess
                  - e2etestfail
              parameters:
                labels: ["gatekeeper"]
  • 監査テンプレート: policy-gatekeeper-audit を使用して、既存の設定ミスを検出するために適用された gatekeeper ポリシーに対して、既存のリソースを定期的に確認して評価します。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: policy-gatekeeper-audit
    spec:
      remediationAction: inform # will be overridden by remediationAction in parent policy
      severity: low
      object-templates:
        - complianceType: musthave
          objectDefinition:
            apiVersion: constraints.gatekeeper.sh/v1beta1
            kind: K8sRequiredLabels
            metadata:
              name: ns-must-have-gk
            status:
              totalViolations: 0
  • 受付テンプレート: policy-gatekeeper-admission を使用して、gatekeeper 受付 Webhook により作成される設定ミスを確認します。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: policy-gatekeeper-admission
    spec:
      remediationAction: inform # will be overridden by remediationAction in parent policy
      severity: low
      object-templates:
        - complianceType: mustnothave
          objectDefinition:
            apiVersion: v1
            kind: Event
            metadata:
              namespace: openshift-gatekeeper-system # set it to the actual namespace where gatekeeper is running if different
              annotations:
                constraint_action: deny
                constraint_kind: K8sRequiredLabels
                constraint_name: ns-must-have-gk
                event_type: violation

詳細は、policy-gatekeeper-sample.yaml を参照してください。

他のポリシーの管理に関する詳細は、設定ポリシーの管理 を参照してください。セキュリティーフレームワークに関する他のトピックについては、ガバナンス を参照してください。

2.4.2. ポリシージェネレーター

ポリシージェネレーターは、Kustomize を使用して Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーを生成する Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes アプリケーションライフサイクルサブスクリプション GitOps ワークフローの一部です。ポリシージェネレーターは、設定に使用される PolicyGenerator マニフェスト YAML ファイル提供の Kubernetes マニフェスト YAML ファイルから Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーをビルドします。ポリシージェネレーターは、Kustomize ジェネレータープラグインとして実装されます。Kustomize の詳細は、Kustomize ドキュメント を参照してください。

このバージョンの Red Hat Advanced Cluster Management にバンドルされているポリシージェネレーターのバージョンは v1.9.0 です。

2.4.2.1. ポリシージェネレーター機能

ポリシージェネレーターと、Red Hat Advanced Cluster Management アプリケーションライフサイクル サブスクリプション GitOps ワークフローは、Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーを使用した Kubernetes リソースオブジェクトの OpenShift マネージドクラスターおよび Kubernetes クラスターへの分散を単純化します。特に、ポリシージェネレーターを使用して以下のアクションを実行します。

  • Kustomize ディレクトリーから作成されたマニフェストを含む、任意の Kubernetes マニフェストファイルを Red Hat Advanced Cluster Management 設定ポリシー に変換します。
  • 生成された Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーに挿入される前に、入力された Kubernetes マニフェストにパッチを適用します。
  • Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes で、Gatekeeper ポリシー違反について報告できるように追加の設定ポリシーを生成します。
  • ハブクラスターでポリシーセットを生成します。詳細は、ポリシーセットコントローラー を参照してください。

詳細は、以下のトピックを参照してください。

2.4.2.2. ポリシージェネレーター設定の設定

ポリシージェネレーターは、PolicyGenerator の種類および policy.open-cluster-management.io/v1 API バージョンのマニフェストで設定される Kustomize ジェネレータープラグインです。

プラグインを使用するには、まず、kustomization.yaml ファイルに generators セクションを追加します。以下の例を参照してください。

generators:
  - policy-generator-config.yaml

直前の例で参照される policy-generator-config.yaml ファイルは、生成するポリシーの手順が含まれる YAML ファイルです。単純なポリシージェネレーター設定ファイルは以下の例のようになります。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PolicyGenerator
metadata:
  name: config-data-policies
policyDefaults:
  namespace: policies
  policySets: []
policies:
  - name: config-data
    manifests:
      - path: configmap.yaml

configmap.yaml は、ポリシーに含まれる Kubernetes マニフェスト YAML ファイルを表します。また、Kustomize ディレクトリー、または複数の Kubernetes マニフェスト YAML ファイルを含むディレクトリーへのパスを設定できます。以下の例を参照してください。

apiVersion: v1
kind: ConfigMap
metadata:
  name: my-config
  namespace: default
data:
  key1: value1
  key2: value2

生成された PolicyPlacementRulePlacementBinding は以下の例のようになります。

apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementRule
metadata:
  name: placement-config-data
  namespace: policies
spec:
  clusterConditions:
  - status: "True"
    type: ManagedClusterConditionAvailable
  clusterSelector:
    matchExpressions: []
---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementBinding
metadata:
  name: binding-config-data
  namespace: policies
placementRef:
  apiGroup: apps.open-cluster-management.io
  kind: PlacementRule
  name: placement-config-data
subjects:
- apiGroup: policy.open-cluster-management.io
  kind: Policy
  name: config-data
---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/categories: CM Configuration Management
    policy.open-cluster-management.io/controls: CM-2 Baseline Configuration
    policy.open-cluster-management.io/standards: NIST SP 800-53
  name: config-data
  namespace: policies
spec:
  disabled: false
  policy-templates:
  - objectDefinition:
      apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
      kind: ConfigurationPolicy
      metadata:
        name: config-data
      spec:
        object-templates:
        - complianceType: musthave
          objectDefinition:
            apiVersion: v1
            data:
              key1: value1
              key2: value2
            kind: ConfigMap
            metadata:
              name: my-config
              namespace: default
        remediationAction: inform
        severity: low

詳細については、policy-generator-plugin リポジトリーを参照してください。

2.4.2.3. Operator をインストールするためのポリシーの生成

Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーの一般的な用途は、1 つ以上のマネージドクラスターに Operator をインストール することです。以下の各種インストールモードの例と必須リソースを確認してください。

2.4.2.3.1. OpenShift GitOps をインストールするためのポリシー

以下の例は、ポリシージェネレーターを使用して OpenShift GitOps をインストールするポリシーを生成する方法を示しています。OpenShift GitOps Operator は すべての namespace インストールモード を提供します。まず、以下の例のように openshift-gitops-subscription.yaml という名前の サブスクリプションマニフェスト ファイルを作成する必要があります。

apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
kind: Subscription
metadata:
  name: openshift-gitops-operator
  namespace: openshift-operators
spec:
  channel: stable
  name: openshift-gitops-operator
  source: redhat-operators
  sourceNamespace: openshift-marketplace

オペレーターの特定のバージョンに固定するには、パラメーターと値 spec.startingCSV: openshift-gitops-operator.v<version> を追加できます。<version> を希望のバージョンに置き換えます。

次に、policy-generator-config.yaml というポリシージェネレーター設定ファイルが必要です。以下の例は、すべての OpenShift マネージドクラスターに OpenShift GitOps をインストールする単一のポリシーを示しています。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PolicyGenerator
metadata:
  name: install-openshift-gitops
policyDefaults:
  namespace: policies
  placement:
    clusterSelectors:
      vendor: "OpenShift"
  remediationAction: enforce
policies:
  - name: install-openshift-gitops
    manifests:
      - path: openshift-gitops-subscription.yaml

最後に必要となるファイルは kustomization.yaml ファイルです。kustomization.yaml ファイルには、以下の設定が必要です。

generators:
  - policy-generator-config.yaml

生成されたポリシーは、以下のファイルのようになります。

apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementRule
metadata:
  name: placement-install-openshift-gitops
  namespace: policies
spec:
  clusterConditions:
    - status: "True"
      type: ManagedClusterConditionAvailable
  clusterSelector:
    matchExpressions:
      - key: vendor
        operator: In
        values:
          - OpenShift
---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementBinding
metadata:
  name: binding-install-openshift-gitops
  namespace: policies
placementRef:
  apiGroup: apps.open-cluster-management.io
  kind: PlacementRule
  name: placement-install-openshift-gitops
subjects:
  - apiGroup: policy.open-cluster-management.io
    kind: Policy
    name: install-openshift-gitops
---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/categories: CM Configuration Management
    policy.open-cluster-management.io/controls: CM-2 Baseline Configuration
    policy.open-cluster-management.io/standards: NIST SP 800-53
  name: install-openshift-gitops
  namespace: policies
spec:
  disabled: false
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name: install-openshift-gitops
        spec:
          object-templates:
            - complianceType: musthave
              objectDefinition:
                apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
                kind: Subscription
                metadata:
                  name: openshift-gitops-operator
                  namespace: openshift-operators
                spec:
                  channel: stable
                  name: openshift-gitops-operator
                  source: redhat-operators
                  sourceNamespace: openshift-marketplace
          remediationAction: enforce
          severity: low

入力が OpenShift Container Platform ドキュメントから取得され、ポリシージェネレーターによって生成されるすべてのポリシーが完全にサポートされます。以下の YAML 入力の例は、OpenShift Container Platform ドキュメントでサポートされます。

詳細は、Understanding OpenShift GitOpsOperator ドキュメントを参照してください。

2.4.2.3.2. コンプライアンス Operator をインストールするためのポリシー

コンプライアンス Operator などの namespaced を使用したインストールモード を使用する Operator の場合、OperatorGroup マニフェストも必要になります。以下の例は、コンプライアンス Operator をインストールする生成されたポリシーを示しています。

まず、NamespaceSubscription、および OperatorGroup マニフェストを含めて、compliance-operator.yaml という名前の YAML ファイルを作成する必要があります。以下の例では、これらのマニフェストを compliance-operator namespace にインストールします。

apiVersion: v1
kind: Namespace
metadata:
  name: openshift-compliance
---
apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
kind: Subscription
metadata:
  name: compliance-operator
  namespace: openshift-compliance
spec:
  channel: release-0.1
  name: compliance-operator
  source: redhat-operators
  sourceNamespace: openshift-marketplace
---
apiVersion: operators.coreos.com/v1
kind: OperatorGroup
metadata:
  name: compliance-operator
  namespace: openshift-compliance
spec:
  targetNamespaces:
    - compliance-operator

次に、policy-generator-config.yaml というポリシージェネレーター設定ファイルが必要です。以下の例は、すべての OpenShift マネージドクラスターにコンプライアンス Operator をインストールする単一のポリシーを示しています。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PolicyGenerator
metadata:
  name: install-compliance-operator
policyDefaults:
  namespace: policies
  placement:
    clusterSelectors:
      vendor: "OpenShift"
  remediationAction: enforce
policies:
  - name: install-compliance-operator
    manifests:
      - path: compliance-operator.yaml

最後に必要となるファイルは kustomization.yaml ファイルです。kustomization.yaml ファイルに以下の設定が必要です。

generators:
  - policy-generator-config.yaml

その結果、生成されたポリシーは次のファイルのようになります。

apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementRule
metadata:
  name: placement-install-compliance-operator
  namespace: policies
spec:
  clusterConditions:
    - status: "True"
      type: ManagedClusterConditionAvailable
  clusterSelector:
    matchExpressions:
      - key: vendor
        operator: In
        values:
          - OpenShift
---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementBinding
metadata:
  name: binding-install-compliance-operator
  namespace: policies
placementRef:
  apiGroup: apps.open-cluster-management.io
  kind: PlacementRule
  name: placement-install-compliance-operator
subjects:
  - apiGroup: policy.open-cluster-management.io
    kind: Policy
    name: install-compliance-operator
---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/categories: CM Configuration Management
    policy.open-cluster-management.io/controls: CM-2 Baseline Configuration
    policy.open-cluster-management.io/standards: NIST SP 800-53
  name: install-compliance-operator
  namespace: policies
spec:
  disabled: false
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name: install-compliance-operator
        spec:
          object-templates:
            - complianceType: musthave
              objectDefinition:
                apiVersion: v1
                kind: Namespace
                metadata:
                  name: openshift-compliance
            - complianceType: musthave
              objectDefinition:
                apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
                kind: Subscription
                metadata:
                  name: compliance-operator
                  namespace: openshift-compliance
                spec:
                  channel: release-0.1
                  name: compliance-operator
                  source: redhat-operators
                  sourceNamespace: openshift-marketplace
            - complianceType: musthave
              objectDefinition:
                apiVersion: operators.coreos.com/v1
                kind: OperatorGroup
                metadata:
                  name: compliance-operator
                  namespace: openshift-compliance
                spec:
                  targetNamespaces:
                    - compliance-operator
          remediationAction: enforce
          severity: low

詳細は、コンプライアンス Operator のドキュメント を参照してください。

2.4.2.4. OpenShift GitOps (ArgoCD) にポリシージェネレーターをインストール

ArgoCD に基づく OpenShift GitOps を使用して、GitOps を介してポリシージェネレーターを使用してポリシーを生成することもできます。ポリシージェネレーターは OpenShift GitOps コンテナーイメージにプリインストールされていないため、いくつかのカスタマイズを行う必要があります。先に進むには、OpenShift GitOps Operator が Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターにインストールされており、ハブクラスターにログインしていることを確認する必要があります。

Kustomize の実行時に OpenShift GitOps がポリシージェネレーターにアクセスできるようにするには、ポリシージェネレーターのバイナリーを Red Hat Advanced Cluster Management Application Subscription コンテナーイメージから Kustomize を実行する OpenShift GitOps コンテナーにコピーするための Init コンテナーが必要です。詳細は、Pod がデプロイされる前に Init コンテナーを使用してタスクを実行する を参照してください。さらに、Kustomize を実行するときに --enable-alpha-plugins フラグを提供するように OpenShift GitOps を設定する必要があります。以下のコマンドを使用して、OpenShift GitOps argocd オブジェクトの編集を開始します。

oc -n openshift-gitops edit argocd openshift-gitops

次に、OpenShift GitOps argocd オブジェクトを変更して、以下の追加の YAML コンテンツを含めます。Red Hat Advanced Cluster Management の新しいメジャーバージョンがリリースされ、ポリシージェネレーターを新しいバージョンに更新したい場合は、Init コンテナーで使用される registry.redhat.io/rhacm2/multicluster-operators-subscription-rhel8 イメージをより新しいタグに更新する必要があります。以下の例を参照し、<version> を 2.6 または必要な Red Hat Advanced Cluster Management バージョンに置き換えます。

apiVersion: argoproj.io/v1alpha1
kind: ArgoCD
metadata:
  name: openshift-gitops
  namespace: openshift-gitops
spec:
  kustomizeBuildOptions: --enable-alpha-plugins
  repo:
    env:
    - name: KUSTOMIZE_PLUGIN_HOME
      value: /etc/kustomize/plugin
    initContainers:
    - args:
      - -c
      - cp /etc/kustomize/plugin/policy.open-cluster-management.io/v1/policygenerator/PolicyGenerator
        /policy-generator/PolicyGenerator
      command:
      - /bin/bash
      image: registry.redhat.io/rhacm2/multicluster-operators-subscription-rhel8:v<version>
      name: policy-generator-install
      volumeMounts:
      - mountPath: /policy-generator
        name: policy-generator
    volumeMounts:
    - mountPath: /etc/kustomize/plugin/policy.open-cluster-management.io/v1/policygenerator
      name: policy-generator
    volumes:
    - emptyDir: {}
      name: policy-generator

OpenShift GitOps がポリシージェネレーターを使用できるようになったので、Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターでポリシーを作成するためのアクセス権を OpenShift GitOps に付与する必要があります。ポリシーと配置を作成、読み取り、更新、および削除するためのアクセス権を持つ、openshift-gitops-policy-admin と呼ばれる以下の ClusterRole リソースを作成します。ClusterRole は次の例のようになります。

kind: ClusterRole
apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
metadata:
  name: openshift-gitops-policy-admin
rules:
  - verbs:
      - get
      - list
      - watch
      - create
      - update
      - patch
      - delete
    apiGroups:
      - policy.open-cluster-management.io
    resources:
      - policies
      - placementbindings
  - verbs:
      - get
      - list
      - watch
      - create
      - update
      - patch
      - delete
    apiGroups:
      - apps.open-cluster-management.io
    resources:
      - placementrules
  - verbs:
      - get
      - list
      - watch
      - create
      - update
      - patch
      - delete
    apiGroups:
      - cluster.open-cluster-management.io
    resources:
      - placements
      - placements/status
      - placementdecisions
      - placementdecisions/status

さらに、ClusterRoleBinding オブジェクトを作成して、OpenShift GitOps サービスアカウントに openshift-gitops-policy-admin ClusterRole へのアクセスを許可します。ClusterRoleBinding は、次のようなリソースになる場合があります。

kind: ClusterRoleBinding
apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
metadata:
  name: openshift-gitops-policy-admin
subjects:
  - kind: ServiceAccount
    name: openshift-gitops-argocd-application-controller
    namespace: openshift-gitops
roleRef:
  apiGroup: rbac.authorization.k8s.io
  kind: ClusterRole
  name: openshift-gitops-policy-admin
2.4.2.5. ポリシージェネレーター設定の参照テーブル

namespace 以外の policyDefaults セクションに含まれる全フィールドは、ポリシーごとに上書きされる可能性がある点に注意してください。

表2.6 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を PolicyGenerator に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

placementBindingDefaults.name

任意

複数のポリシーが同じ配置を使用する場合、この名前を使用した結果、PlacementBinding の一意の名前が生成され、それを参照するポリシーの配列で配置バインドします。

policyDefaults

必須

namespace 以外の policies 配列のエントリーによって、ここでリスト表示されるデフォルト値は上書きされます。

policyDefaults.namespace

必須

すべてのポリシーの namespace。

policyDefaults.complianceType

任意

マニフェストとクラスターのオブジェクトを比較する場合のポリシーコントローラーの動作を決定します。使用できる値は、musthavemustonlyhave、または mustnothave です。デフォルト値は musthave です。

policyDefaults.metadataComplianceType

任意

マニフェストメタデータセクションをクラスター上のオブジェクトと比較するときに、complianceType をオーバーライドします。使用できる値は musthavemustonlyhave です。メタデータの ComplianceType のオーバーライドを避けるため、デフォルト値は空 ({}) です。

policyDefaults.categories

任意

policy.open-cluster-management.io/categories アノテーションで使用されるカテゴリーの配列。デフォルト値は CM Configuration Management です。

policyDefaults.controls

任意

policy.open-cluster-management.io/controls アノテーションで使用されるコントロールの配列。デフォルト値は CM-2 Baseline Configuration です。

policyDefaults.standards

任意

policy.open-cluster-management.io/standards アノテーションで使用する標準の配列。デフォルト値は NIST SP 800-53 です。

policyDefaults.policyAnnotations

任意

ポリシーの metadata.annotations セクションに含まれるアノテーションです。ポリシーで指定されていない限り、すべてのポリシーに適用されます。デフォルト値は空です ({}).。

policyDefaults.configurationPolicyAnnotations

任意

生成された設定ポリシーに設定するアノテーションのキーと値のペアです。たとえば、{"policy.open-cluster-management.io/disable-templates": "true"} というパラメーターを定義することで、ポリシーテンプレートを無効にすることができます。デフォルト値は空です ({}).。

policyDefaults.severity

任意

ポリシー違反の重大度。デフォルト値は low です。

policyDefaults.disabled

任意

ポリシーが無効になっているかどうか、つまり、ポリシーが伝播されておらず、結果としてステータスがないことを意味します。ポリシーを有効にするデフォルト値は false です。

policyDefaults.remediationAction

任意

ポリシーの修復メカニズム。パラメーターの値は enforce および inform です。デフォルト値は inform です。

policyDefaults.namespaceSelector

namespace が指定されていない namespace 付きオブジェクトに必要

オブジェクトが適用されるマネージドクラスター内の namespace を決定します。include パラメーターと exclude パラメーターは、ファイルパス式を受け入れて、名前で namespace を含めたり除外したりします。matchExpressions および matchLabels パラメーターは、ラベルによって含める namespace を指定します。Kubernetes のラベルとセレクター のドキュメントを参照してください。結果のリストは、すべてのパラメーターからの結果の共通部分を使用してコンパイルされます。

policyDefaults.evaluationInterval

任意

特定のコンプライアンス状態にある場合にポリシーが評価される頻度を指定するには、パラメーター compliant および noncompliant を使用します。マネージドクラスターの CPU リソースが少ない場合、評価間隔を長くして Kubernetes API の CPU 使用率を減らすことができます。これらは期間を表す形式です。たとえば、"1h25m3s" は 1 時間 25 分 3 秒を表します。これらは、特定のコンプライアンス状態になった後にポリシーを評価しないように、"never" に設定することもできます。

policyDefaults.consolidateManifests

任意

これは、ポリシーでラップされるすべてのマニフェストに対して設定ポリシーを 1 つ生成するかどうかを決定します。false に設定すると、マニフェストごとの設定ポリシーが生成されます。デフォルト値は true です。

policyDefaults.informGatekeeperPolicies

任意

このポリシーが、違反した gatekeeper ポリシーマニフェストを参照すると、Red Hat Advanced Cluster Management でポリシー違反を受け取るために、設定ポリシーを追加で生成する必要があるかどうかが決定されます。デフォルト値は true です。

policyDefaults.policySets

任意

ポリシーが参加するポリシーセットの配列。ポリシーセットの詳細は、policySets セクションで定義できます。ポリシーがポリシーセットの一部である場合、配置バインディングはそのセットに対して生成されるため、ポリシーに対しては生成されません。policies[].generatePlacementWhenInSet または policyDefaults.generatePlacementWhenInSet を設定して、policyDefaults.policySets をオーバーライドします。

policyDefaults.generatePlacementWhenInSet

任意

ポリシーがポリシーセットの一部である場合、デフォルトでは、ポリシーセットの配置が生成されるため、ジェネレーターはこのポリシーの配置を生成しません。ポリシーの配置とポリシーセットの配置の両方でポリシーをデプロイするには、generatePlacementWhenInSettrue に設定します。デフォルト値は false です。

policyDefaults.placement

任意

ポリシーの配置設定。このデフォルトは、すべてのクラスターに一致する配置設定になります。

policyDefaults.placement.name

任意

同じクラスターセレクターが含まれる配置ルールを統合するための名前を指定します。

policyDefaults.placement.placementName

任意

クラスターにすでに存在する配置を使用するには、このパラメーターを定義します。Placement は作成されませんが、PlacementBinding はポリシーをこの Placement にバインドします。

policyDefaults.placement.placementPath

任意

既存の配置を再利用するには、kustomization.yaml ファイルの相対パスを指定します。指定した場合には、デフォルトですべてのポリシーがこの配置ルールを使用します。新規 Placement を生成するには clusterSelectors を参照してください。

policyDefaults.placement.clusterSelectors

任意

クラスターセレクターを key:value の形式で定義して配置を指定します。既存のファイルを指定するには、placementPath を参照してください。

policyDefaults.placement.placementRuleName

任意

クラスターにすでに存在する配置ルールを使用するには、ここでその名前を指定します。PlacementRule は作成されませんが、PlacementBinding はポリシーをこの PlacementRule にバインドします。

policyDefaults.placement.placementRulePath

任意

既存の配置ルールを再利用するには、kustomization.yaml ファイルの相対パスを指定します。指定した場合には、デフォルトですべてのポリシーがこの配置ルールを使用します。新しい PlacementRule を生成するには、labelSelector を参照してください。

policyDefaults.placement.labelSelector

任意

クラスターセレクターを key:value の形式で定義して配置ルールを指定します。既存のファイルを指定する場合は、placementRulePath を参照してください。

ポリシー

必須。

デフォルト値または policyDefaults で設定される値のいずれかを上書きする値と合わせて作成するポリシーのリスト。

policies[].name

必須

作成するポリシーの名前。

policies[].manifests

必須

ポリシーに追加する Kubernetes オブジェクトマニフェストの一覧。

policies[].manifests[].path

必須

単一のファイル、ファイルのフラットディレクトリー、または kustomization.yaml ファイルに関連する Kustomize ディレクトリーへのパス。ディレクトリーが Kustomize ディレクトリーの場合、ジェネレーターは、ポリシーを生成する前にディレクトリーに対して Kustomize を実行します。

policies[].manifests[].complianceType

任意

マニフェストとクラスターのオブジェクトを比較する場合のポリシーコントローラーの動作を決定します。パラメーターの値は musthavemustonlyhave または mustnothave です。デフォルト値は musthave (または policyDefaults.complianceType で設定された値) です。

policies[].manifests[].patches

任意

パスのマニフェストに適用する Kustomize パッチ。複数のマニフェストがある場合は、Kustomize がパッチの適用先のマニフェストを特定できるように、パッチに apiVersionkindmetadata.name、および metadata.namespace (該当する場合) フィールドを設定する必要があります。マニフェストが 1 つの場合には、metadata.name および metadata.namespace フィールドにパッチを適用できます。

policySets

任意

作成するポリシーセットのリストです。ポリシーセットにポリシーを含めるには、policyDefaults.policySetspolicies[].policySets、または policySets.policies を使用します。

policySets[].name

必須

作成するポリシーセットの名前です。

policySets[].description

任意

作成するポリシーセットの説明です。

policySets[].policies

任意

ポリシーセットに含まれるポリシーのリストです。policyDefaults.policySets または policies[].policySets も指定されている場合、リストはマージされます。

policySets[].placement

任意

ポリシーセットの配置設定。このデフォルトは、すべてのクラスターに一致する配置設定になります。配置のドキュメントについては、policyDefaults.placement を参照してください。ただし、policyDefaults.placement の設定はポリシーセットには適用されません。

サードパーティーポリシーコントローラーの統合 ドキュメントに戻るか、その他のトピックについては、ガバナンス ドキュメントを参照してください。

2.5. サポート対象のポリシー

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes でポリシーの作成および管理時に、ハブクラスターでのルール、プロセス、制御の定義方法を説明するサポート対象のポリシーを確認します。

2.5.1. サンプル設定ポリシーの表

次のサンプル設定ポリシーを表示します。

表2.7 設定ポリシーの表のリスト
ポリシーのサンプル説明

Namespace ポリシー

環境の分離と Namespace を使用した命名の一貫性を確保します。Kubernetes Namespace のドキュメント を参照してください。

Pod ポリシー

クラスターのワークロード設定を確認します。Kubernetes Pod のドキュメント を参照してください。

メモリー使用状況のポリシー

制限範囲を使用してワークロードリソースの使用を制限します。制限範囲のドキュメント を参照してください。

Pod セキュリティーポリシー (非推奨)

一貫したワークロードセキュリティーを確保します。Kubernetes Pod セキュリティーポリシーのドキュメント を参照してください。

Role policy
Role binding policy

ロールとロールバインディングを使用して、ロールのアクセス権限とバインディングを管理します。Kubernetes RBAC のドキュメント を参照してください。

SCC (Security Context Constraints) ポリシー

Security Context Constraints を使用してワークロードのアクセス権限を管理します。Openshift Security Context Constraints のドキュメントを参照してください。

ETCD 暗号化ポリシー

etcd 暗号化でデータセキュリティーを確保します。Openshift etcd 暗号化のドキュメント を参照してください。

コンプライアンス Operator ポリシー

Compliance Operator をデプロイして、OpenSCAP を利用するクラスターのコンプライアンス状態をスキャンして適用します。Openshift Compliance Operator のドキュメント を参照してください。

Compliance Operator E8 のスキャン

Compliance Operator ポリシーを適用した後、Essential 8 (E8) スキャンをデプロイして、E8 セキュリティープロファイルへの準拠を確認します。Openshift Compliance Operator のドキュメント を参照してください。

Compliance Operator CIS のスキャン

Compliance Operator ポリシーを適用した後、Center for Internet Security (CIS) スキャンをデプロイメントして、CIS セキュリティープロファイルへの準拠を確認します。Openshift Compliance Operator のドキュメント を参照してください。

イメージ脆弱性ポリシー

Container Security Operator をデプロイし、クラスターで実行されている Pod で既知のイメージの脆弱性を検出します。Container Security Operator GitHub を参照してください。

Gatekeeper Operator の配置

Gatekeeper は、Open Policy Agent (OPA) ポリシーエンジンによって実行されるカスタムリソース定義 (CRD) ベースのポリシーを適用する受付 Webhook です。Gatekeeper のドキュメントを参照してください。

Gatekeeper のコンプライアンスポリシー

Gatekeeper をクラスターにデプロイした後、このサンプルの Gatekeeper ポリシーをデプロイして、クラスター上に作成された namespace が指定どおりにラベル付けされるようにします。

2.5.2. 追加設定なしに使用可能なポリシーのサポートマトリックス

表2.8 サポート表
PolicyRed Hat OpenShift Container Platform 3.11Red Hat OpenShift Container Platform 4

メモリー使用状況のポリシー

x

x

Namespace ポリシー

x

x

イメージ脆弱性ポリシー

x

x

Pod ポリシー

x

x

Pod セキュリティーポリシー (非推奨)

  

ロールポリシー

x

x

Role binding ポリシー

x

x

SCC (Security Context Constraints) ポリシー

x

x

ETCD 暗号化ポリシー

 

x

gatekeeper ポリシー

 

x

コンプライアンス Operator ポリシー

 

x

E8 スキャンポリシー

 

x

OpenShift CIS スキャンポリシー

 

x

ポリシーセット

 

x

以下のポリシーサンプルを参照し、特定のポリシーの適用方法を確認します。

他のトピックについては、ガバナンス を参照してください。

2.5.3. メモリー使用状況のポリシー

Kubernetes 設定ポリシーコントローラーは、メモリー使用状況ポリシーのステータスを監視します。メモリー使用状況ポリシーを使用して、メモリーおよびコンピュートの使用量を制限または制約します。詳細は、Kubernetes ドキュメントLimit Ranges を参照してください。

以下のセクションでは、メモリー使用状況ポリシーの設定について説明します。

2.5.3.1. メモリー使用状況ポリシー YAML の設定

メモリー使用状況ポリシーは、以下の YAML ファイルのようになります。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name:
  namespace:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards:
    policy.open-cluster-management.io/categories:
    policy.open-cluster-management.io/controls:
spec:
  remediationAction:
  disabled:
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name:
        spec:
          remediationAction:
          severity:
          namespaceSelector:
            exclude:
            include:
            matchLabels:
            matchExpressions:
          object-templates:
            - complianceType: mustonlyhave
              objectDefinition:
                apiVersion: v1
                kind: LimitRange
                metadata:
                  name:
                spec:
                  limits:
                  - default:
                      memory:
                    defaultRequest:
                      memory:
                    type:
        ...
2.5.3.2. メモリー使用状況のポリシーの表
表2.9 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

metadata.namespace

必須

ポリシーの namespace。

spec.remediationAction

任意

ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は enforce および inform です。この値はオプションです。spec.policy-templates で提供されるすべての値をオーバーライドするためです。

spec.disabled

必須

この値は true または false に設定します。disabled パラメーターを使用すると、ポリシーを有効または無効にすることができます。

spec.policy-templates[].objectDefinition

必須

マネージドクラスターに評価または適用する必要がある Kubernetes オブジェクトを含む設定ポリシーをリスト表示するために使用されます。

2.5.3.3. メモリー使用状況ポリシーの例

ポリシーのサンプルを確認するには、policy-limitmemory.yaml を参照してください。詳細については、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。ポリシーの概要 に関するドキュメントと Kubernetes 設定ポリシーコントローラー を参照して、コントローラーによって監視されるその他の設定ポリシーを確認してください。

2.5.4. Namespace ポリシー

Kubernetes 設定ポリシーコントローラーは、namespace ポリシーのステータスを監視します。Namespace ポリシーを適用し、namespace の特定のルールを定義します。

以下のセクションでは namespace ポリシーの設定について説明します。

2.5.4.1. Namespace ポリシー YAML の設定
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name:
  namespace:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards:
    policy.open-cluster-management.io/categories:
    policy.open-cluster-management.io/controls:
spec:
  remediationAction:
  disabled:
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name:
        spec:
          remediationAction:
          severity:
          object-templates:
            - complianceType:
              objectDefinition:
                kind: Namespace
                apiVersion: v1
                metadata:
                  name:
                ...
2.5.4.2. Namespace ポリシー YAML の表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

metadata.namespace

必須

ポリシーの namespace。

spec.remediationAction

任意

ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は enforce および inform です。この値はオプションです。spec.policy-templates で提供されるすべての値をオーバーライドするためです。

spec.disabled

必須

この値は true または false に設定します。disabled パラメーターを使用すると、ポリシーを有効または無効にすることができます。

spec.policy-templates[].objectDefinition

必須

マネージドクラスターに評価または適用する必要がある Kubernetes オブジェクトを含む設定ポリシーをリスト表示するために使用されます。

2.5.4.3. Namespace ポリシーの例

ポリシーのサンプルを確認するには、policy-namespace.yaml を参照してください。

詳細については、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。その他の設定ポリシーについては、ポリシーの概要 に関するドキュメントと Kubernetes 設定ポリシーコントローラー を参照してください。

2.5.5. イメージ脆弱性ポリシー

イメージ脆弱性ポリシーを適用し、コンテナーセキュリティー Operator を利用してコンテナーイメージに脆弱性があるかどうかを検出します。このポリシーは、コンテナーセキュリティー Operator がインストールされていない場合は、これをマネージドクラスターにインストールします。

イメージ脆弱性ポリシーは、Kubernetes 設定ポリシーコントローラーがチェックします。セキュリティー Operator の詳細は、Quay リポジトリーコンテナーセキュリティー Operator を参照してください。

注記:

詳細は、以下のセクションを参照してください。

2.5.5.1. イメージ脆弱性ポリシーの YAML 設定

コンテナーセキュリティー operator ポリシーを作成すると、次のポリシーが含まれます。

  • 名前とチャネルを参照するサブスクリプション (container-security-operator) を作成するポリシー。この設定ポリシーには、リソースを作成するために enforce する spec.remediationAction が設定されている必要があります。サブスクリプションは、サブスクリプションがサポートするプロファイルをコンテナーとしてプルします。以下の例を参照してください。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: policy-imagemanifestvuln-example-sub
    spec:
      remediationAction: enforce  # will be overridden by remediationAction in parent policy
      severity: high
      object-templates:
        - complianceType: musthave
          objectDefinition:
            apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
            kind: Subscription
            metadata:
              name: container-security-operator
              namespace: openshift-operators
            spec:
              # channel: quay-v3.3 # specify a specific channel if desired
              installPlanApproval: Automatic
              name: container-security-operator
              source: redhat-operators
              sourceNamespace: openshift-marketplace
  • コンテナーセキュリティー operator のインストールが成功したことを確認するために ClusterServiceVersion を監査するための inform 設定ポリシー。以下の例を参照してください。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: policy-imagemanifestvuln-status
    spec:
      remediationAction: inform  # will be overridden by remediationAction in parent policy
      severity: high
      object-templates:
        - complianceType: musthave
          objectDefinition:
            apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
            kind: ClusterServiceVersion
            metadata:
              namespace: openshift-operators
            spec:
              displayName: Red Hat Quay Container Security Operator
            status:
              phase: Succeeded   # check the CSV status to determine if operator is running or not
  • ImageManifestVuln オブジェクトがイメージの脆弱性スキャンによって作成されたかどうかを監査する inform 設定ポリシー。以下の例を参照してください。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: policy-imagemanifestvuln-example-imv
    spec:
      remediationAction: inform  # will be overridden by remediationAction in parent policy
      severity: high
      namespaceSelector:
        exclude: ["kube-*"]
        include: ["*"]
      object-templates:
        - complianceType: mustnothave # mustnothave any ImageManifestVuln object
          objectDefinition:
            apiVersion: secscan.quay.redhat.com/v1alpha1
            kind: ImageManifestVuln # checking for a Kind
2.5.5.2. イメージ脆弱性ポリシーの例

policy-imagemanifestvuln.yaml を参照してください。詳細は、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。コントローラーによって監視されるその他の設定ポリシーについては、Kubernetes 設定ポリシーコントローラー を参照してください。

2.5.6. Pod ポリシー

Kubernetes 設定ポリシーコントローラーは、ロールポリシーのステータスを監視します。Pod ポリシーを適用し、Pod のコンテナールールを定義します。この情報を使用するには、Pod がクラスターに存在している必要があります。

以下のセクションでは、Pod ポリシーの設定について説明します。

2.5.6.1. Pod ポリシー YAML の設定
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name:
  namespace:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards:
    policy.open-cluster-management.io/categories:
    policy.open-cluster-management.io/controls:
spec:
  remediationAction:
  disabled:
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name:
        spec:
          remediationAction:
          severity:
          namespaceSelector:
            exclude:
            include:
            matchLabels:
            matchExpressions:
          object-templates:
            - complianceType:
              objectDefinition:
                apiVersion: v1
                kind: Pod
                metadata:
                  name:
                spec:
                  containers:
                  - image:
                    name:
                ...
2.5.6.2. Pod ポリシーの表
表2.10 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

metadata.namespace

必須

ポリシーの namespace。

spec.remediationAction

任意

ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は enforce および inform です。この値はオプションです。spec.policy-templates で提供されるすべての値をオーバーライドするためです。

spec.disabled

必須

この値は true または false に設定します。disabled パラメーターを使用すると、ポリシーを有効または無効にすることができます。

spec.policy-templates[].objectDefinition

必須

マネージドクラスターに評価または適用する必要がある Kubernetes オブジェクトを含む設定ポリシーをリスト表示するために使用されます。

2.5.6.3. Pod ポリシーの例

ポリシーのサンプルを確認するには、 policy-pod.yaml を参照してください。

設定コントローラーによって監視される他の設定ポリシーを表示するには、Kubernetes 設定ポリシーコントローラー を参照してください。また、ポリシーの YAML 構造と追加フィールドの完全な説明を確認するには、ポリシーの概要 ドキュメントを参照してください。他のポリシーを管理するには、設定ポリシーの管理 に関するドキュメントに戻ります。

2.5.7. Pod セキュリティーポリシー (非推奨)

Kubernetes 設定ポリシーコントローラーは、Pod セキュリティーポリシーのステータスを監視します。Pod のセキュリティーポリシーを適用して Pod およびコンテナーのセキュリティーを保護します。

以下のセクションでは、Pod セキュリティーポリシーの設定について説明します。

2.5.7.1. Pod セキュリティーポリシー YAML の設定
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name:
  namespace:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards:
    policy.open-cluster-management.io/categories:
    policy.open-cluster-management.io/controls:
spec:
  remediationAction:
  disabled:
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name:
        spec:
          remediationAction:
          severity:
          namespaceSelector:
            exclude:
            include:
            matchLabels:
            matchExpressions:
          object-templates:
            - complianceType:
              objectDefinition:
                apiVersion: policy/v1beta1
                kind: PodSecurityPolicy
                metadata:
                  name:
                  annotations:
                    seccomp.security.alpha.kubernetes.io/allowedProfileNames:
                spec:
                  privileged:
                  allowPrivilegeEscalation:
                  allowedCapabilities:
                  volumes:
                  hostNetwork:
                  hostPorts:
                  hostIPC:
                  hostPID:
                  runAsUser:
                  seLinux:
                  supplementalGroups:
                  fsGroup:
                ...
2.5.7.2. Pod セキュリティーポリシーの表
表2.11 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

metadata.namespace

必須

ポリシーの namespace。

spec.remediationAction

任意

ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は enforce および inform です。この値はオプションです。spec.policy-templates で提供されるすべての値をオーバーライドするためです。

spec.disabled

必須

この値は true または false に設定します。disabled パラメーターを使用すると、ポリシーを有効または無効にすることができます。

spec.policy-templates[].objectDefinition

必須

マネージドクラスターに評価または適用する必要がある Kubernetes オブジェクトを含む設定ポリシーをリスト表示するために使用されます。

2.5.7.3. Pod セキュリティーポリシーの例

Pod セキュリティーポリシーのサポートは、OpenShift Container Platform 4.12 以降、および Kubernetes v1.25 以降から削除されました。PodSecurityPolicy リソースを適用すると、次の非準拠メッセージを受け取る場合があります。

violation - couldn't find mapping resource with kind PodSecurityPolicy, please check if you have CRD deployed

2.5.8. ロールポリシー

Kubernetes 設定ポリシーコントローラーは、ロールポリシーのステータスを監視します。object-template にロールを定義して、クラスター内の特定ロールのルールおよびパーミッションを設定します。

以下のセクションでは、ロールポリシーの設定について説明します。

2.5.8.1. ロールポリシー YAML の設定
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name:
  namespace:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards:
    policy.open-cluster-management.io/categories:
    policy.open-cluster-management.io/controls:
spec:
  remediationAction:
  disabled:
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name:
        spec:
          remediationAction:
          severity:
          namespaceSelector:
            exclude:
            include:
            matchLabels:
            matchExpressions:
          object-templates:
            - complianceType:
              objectDefinition:
                apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
                kind: Role
                metadata:
                  name:
                rules:
                  - apiGroups:
                    resources:
                    verbs:
                ...
---
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementBinding
metadata:
  name: binding-policy-role
  namespace:
placementRef:
  name: placement-policy-role
  kind: PlacementRule
  apiGroup: apps.open-cluster-management.io
subjects:
- name: policy-role
  kind: Policy
  apiGroup: policy.open-cluster-management.io
---
apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementRule
metadata:
  name: placement-policy-role
  namespace:
spec:
  clusterConditions:
    - type: ManagedClusterConditionAvailable
      status: "True"
  clusterSelector:
    matchExpressions:
      []

         ...
2.5.8.2. ロールポリシーの表
表2.12 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

metadata.namespace

必須

ポリシーの namespace。

spec.remediationAction

任意

ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は enforce および inform です。この値はオプションです。spec.policy-templates で提供されるすべての値をオーバーライドするためです。

spec.disabled

必須

この値は true または false に設定します。disabled パラメーターを使用すると、ポリシーを有効または無効にすることができます。

spec.policy-templates[].objectDefinition

必須

マネージドクラスターに評価または適用する必要がある Kubernetes オブジェクトを含む設定ポリシーをリスト表示するために使用されます。

2.5.8.3. ロールポリシーの例

ロールポリシーを適用して、クラスター内の特定のロールのルールおよびパーミッションを設定します。ロールの詳細は、ロールベースのアクセス制御 を参照してください。ロールポリシーのサンプルを確認するには policy-role.yaml を参照してください。

ロールポリシーの管理方法は、設定ポリシーの管理 を参照してください。コントローラーが監視する他の設定ポリシーについては、Kubernetes 設定ポリシーコントローラー ページを参照してください。

2.5.9. Role binding ポリシー

Kubernetes 設定ポリシーコントローラーは、role binding ポリシーのステータスを監視します。Role Binding ポリシーを適用し、ポリシーをマネージドクラスターの namespace にバインドします。

以下のセクションでは namespace ポリシーの設定について説明します。

2.5.9.1. Role Binding ポリシー YAML の設定
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name:
  namespace:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards:
    policy.open-cluster-management.io/categories:
    policy.open-cluster-management.io/controls:
spec:
  remediationAction:
  disabled:
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name:
        spec:
          remediationAction:
          severity:
          namespaceSelector:
            exclude:
            include:
            matchLabels:
            matchExpressions:
          object-templates:
            - complianceType:
              objectDefinition:
                kind: RoleBinding # role binding must exist
                apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
                metadata:
                  name:
                subjects:
                - kind:
                  name:
                  apiGroup:
                roleRef:
                  kind:
                  name:
                  apiGroup:
                ...
2.5.9.2. Role Binding ポリシーの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

metadata.namespace

必須

ポリシーの namespace。

spec.remediationAction

任意

ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は enforce および inform です。この値はオプションです。spec.policy-templates で提供されるすべての値をオーバーライドするためです。

spec.disabled

必須

この値は true または false に設定します。disabled パラメーターを使用すると、ポリシーを有効または無効にすることができます。

spec.policy-templates[].objectDefinition

必須

マネージドクラスターに評価または適用する必要がある Kubernetes オブジェクトを含む設定ポリシーをリスト表示するために使用されます。

2.5.9.3. Role Binding ポリシーの例

ポリシーのサンプルを確認するには、policy-rolebinding.yaml を参照してください。ポリシーの YAML 構造と追加フィールドの完全な説明については、ポリシーの概要 に関するドキュメントを参照してください。その他の設定ポリシーについては、Kubernetes 設定ポリシーコントローラー のドキュメントを参照してください。

2.5.10. SCC (Security Context Constraints) ポリシー

Kubernetes 設定ポリシーコントローラーは、SCC (Security Context Constraints) ポリシーのステータスを監視します。SCC (Security Context Constraints) ポリシーを適用し、ポリシーで条件を定義して Pod のパーミッションを制御します。

以下のセクションで、SCC ポリシーについての詳細を説明します。

2.5.10.1. SCC ポリシー YAML の設定
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name:
  namespace:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards:
    policy.open-cluster-management.io/categories:
    policy.open-cluster-management.io/controls:
spec:
  remediationAction:
  disabled:
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name:
        spec:
          remediationAction:
          severity:
          namespaceSelector:
            exclude:
            include:
            matchLabels:
            matchExpressions:
          object-templates:
            - complianceType:
              objectDefinition:
                apiVersion: security.openshift.io/v1
                kind: SecurityContextConstraints
                metadata:
                  name:
                allowHostDirVolumePlugin:
                allowHostIPC:
                allowHostNetwork:
                allowHostPID:
                allowHostPorts:
                allowPrivilegeEscalation:
                allowPrivilegedContainer:
                fsGroup:
                readOnlyRootFilesystem:
                requiredDropCapabilities:
                runAsUser:
                seLinuxContext:
                supplementalGroups:
                users:
                volumes:
                ...
2.5.10.2. SCC ポリシーの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

metadata.namespace

必須

ポリシーの namespace。

spec.remediationAction

任意

ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は enforce および inform です。この値はオプションです。spec.policy-templates で提供されるすべての値をオーバーライドするためです。

spec.disabled

必須

この値は true または false に設定します。disabled パラメーターを使用すると、ポリシーを有効または無効にすることができます。

spec.policy-templates[].objectDefinition

必須

マネージドクラスターに評価または適用する必要がある Kubernetes オブジェクトを含む設定ポリシーをリスト表示するために使用されます。

SCC ポリシーの内容の説明は、OpenShift Container Platform ドキュメントの SCC (Security Context Constraints) の管理 を参照してください。

2.5.10.3. SCC ポリシーの例

SCC (Security Context Constraints) ポリシーを適用し、ポリシーで条件を定義して Pod のパーミッションを制御します。詳細は、SCC (Security Context Constraints) の管理 を参照してください。

ポリシーのサンプルを確認するには、 policy-scc.yaml を参照してください。ポリシーの YAML 構造と追加フィールドの完全な説明については、ポリシーの概要 に関するドキュメントを参照してください。その他の設定ポリシーについては、Kubernetes 設定ポリシーコントローラー のドキュメントを参照してください。

2.5.11. ETCD 暗号化ポリシー

etcd-encryption ポリシーを適用して、ETCD データストアで機密データを検出するか、機密データの暗号化を有効にします。Kubernetes 設定ポリシーコントローラーは、etcd-encryption ポリシーのステータスを監視します。詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの etcd データの暗号化 を参照してください。注記: ETCD 暗号化ポリシーは、Red Hat OpenShift Container Platform 4 以降のみをサポートします。

以下のセクションでは、 etcd-encryption ポリシーの設定について説明します。

2.5.11.1. ETCD 暗号化ポリシーの YAML 設定

etcd-encryption ポリシーは、以下の YAML ファイルのようになります。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name:
  namespace:
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/standards:
    policy.open-cluster-management.io/categories:
    policy.open-cluster-management.io/controls:
spec:
  remediationAction:
  disabled:
  policy-templates:
    - objectDefinition:
        apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
        kind: ConfigurationPolicy
        metadata:
          name:
        spec:
          remediationAction:
          severity:
          object-templates:
            - complianceType:
              objectDefinition:
                apiVersion: config.openshift.io/v1
                kind: APIServer
                metadata:
                  name:
                spec:
                  encryption:
                ...
2.5.11.2. ETCD 暗号化ポリシーの表
表2.13 パラメーターの表
フィールド任意または必須説明

apiVersion

必須

この値は policy.open-cluster-management.io/v1 に設定します。

kind

必須

ポリシーのタイプを指定するには、値を Policy に設定します。

metadata.name

必須

ポリシーリソースを識別する名前。

metadata.namespace

必須

ポリシーの namespace。

spec.remediationAction

任意

ポリシーの修正を指定します。パラメーターの値は enforce および inform です。この値はオプションです。spec.policy-templates で提供されるすべての値をオーバーライドするためです。

spec.disabled

必須

この値は true または false に設定します。disabled パラメーターを使用すると、ポリシーを有効または無効にすることができます。

spec.policy-templates[].objectDefinition

必須

マネージドクラスターに評価または適用する必要がある Kubernetes オブジェクトを含む設定ポリシーをリスト表示するために使用されます。

2.5.11.3. ETCD 暗号化ポリシーの例

ポリシーのサンプルについては、policy-etcdencryption.yaml を参照してください。ポリシーおよび設定ポリシーフィールドの詳細は、ポリシーの概要 ドキュメントと Kubernetes 設定ポリシーコントローラー を参照してください。

2.5.12. コンプライアンス Operator ポリシー

コンプライアンス Operator は、OpenSCAP を実行する Operator で、Red Hat OpenShift Container Platform クラスターを必要なセキュリティーベンチマークに常に準拠させることができます。コンプライアンス Operator ポリシーを使用して、マネージドクラスターにコンプライアンス Operator をインストールできます。

コンプライアンス Operator ポリシーは、Kubernetes 設定ポリシーとして Red Hat Advanced Cluster Management に作成されます。コンプライアンス Operator ポリシーは、OpenShift Container Platform 4.6 および 4.7 でサポートされます。詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの コンプライアンス Operator について を参照してください。

注記: コンプライアンス Operator ポリシー は、IBM Power または IBM Z アーキテクチャーではサポートされていない OpenShift Container Platform コンプライアンス Operator に依存します。コンプライアンス Operator の詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの コンプライアンス Operator について を参照してください。

2.5.12.1. コンプライアンス Operator のリソース

コンプライアンス Operator ポリシーを作成すると、次のリソースが作成されます。

  • Operator インストール用のコンプライアンス Operator namespace (openshift-compliance):
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: comp-operator-ns
spec:
  remediationAction: inform # will be overridden by remediationAction in parent policy
  severity: high
  object-templates:
    - complianceType: musthave
      objectDefinition:
        apiVersion: v1
        kind: Namespace
        metadata:
          name: openshift-compliance
  • 対象の namespace を指定する Operator グループ (compliance-operator):
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: comp-operator-operator-group
spec:
  remediationAction: inform # will be overridden by remediationAction in parent policy
  severity: high
  object-templates:
    - complianceType: musthave
      objectDefinition:
        apiVersion: operators.coreos.com/v1
        kind: OperatorGroup
        metadata:
          name: compliance-operator
          namespace: openshift-compliance
        spec:
          targetNamespaces:
            - openshift-compliance
  • 名前とチャネルを参照するためのサブスクリプション (comp-operator-subscription)。サブスクリプションは、サポートするプロファイルをコンテナーとしてプルします。
apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: comp-operator-subscription
spec:
  remediationAction: inform  # will be overridden by remediationAction in parent policy
  severity: high
  object-templates:
    - complianceType: musthave
      objectDefinition:
        apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
        kind: Subscription
        metadata:
          name: compliance-operator
          namespace: openshift-compliance
        spec:
          channel: "4.7"
          installPlanApproval: Automatic
          name: compliance-operator
          source: redhat-operators
          sourceNamespace: openshift-marketplace

コンプライアンス Operator ポリシーをインストールすると、compliance-operatorocp4 、および rhcos4 の Pod が作成されます。policy-compliance-operator-install.yaml のサンプルを参照してください。

コンプライアンス Operator をインストールした後に、E8 スキャンポリシーと OpenShift CIS スキャンポリシーを作成して適用することもできます。詳細は、E8 スキャンポリシー および OpenShift CIS スキャンポリシー を参照してください。

コンプライアンス Operator ポリシーの管理に関する詳細は、セキュリティポリシーの管理 を参照してください。設定ポリシーの他のトピックについては、Kubernetes 設定ポリシーコントローラー を参照してください。

2.5.13. E8 スキャンポリシー

Essential 8 (E8) スキャンポリシーは、マスターノードとワーカーノードが E8 セキュリティープロファイルに準拠しているかどうかを確認するスキャンをデプロイします。E8 スキャンポリシーを適用するには、コンプライアンス Operator をインストールする必要があります。

E8 スキャンポリシーは、Kubernetes 設定ポリシーとして Red Hat Advanced Cluster Management に作成されます。E8 スキャンポリシーは OpenShift Container Platform 4.6 および 4.7 でサポートされます。詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントコンプライアンス Operator について を参照してください。

2.5.13.1. E8 スキャンポリシーリソース

E8 スキャンポリシーを作成すると、次のリソースが作成されます。

  • スキャンするプロファイルを特定する ScanSettingBinding リソース (e8):

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: compliance-suite-e8
    spec:
      remediationAction: inform
      severity: high
      object-templates:
        - complianceType: musthave # this template checks if scan has completed by checking the status field
          objectDefinition:
            apiVersion: compliance.openshift.io/v1alpha1
            kind: ScanSettingBinding
            metadata:
              name: e8
              namespace: openshift-compliance
            profiles:
            - apiGroup: compliance.openshift.io/v1alpha1
              kind: Profile
              name: ocp4-e8
            - apiGroup: compliance.openshift.io/v1alpha1
              kind: Profile
              name: rhcos4-e8
            settingsRef:
              apiGroup: compliance.openshift.io/v1alpha1
              kind: ScanSetting
              name: default
  • status フィールドを確認してスキャンが完了したかどうかを確認する ComplianceSuite リソース (compliance-suite-e8):

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: compliance-suite-e8
    spec:
      remediationAction: inform
      severity: high
      object-templates:
        - complianceType: musthave # this template checks if scan has completed by checking the status field
          objectDefinition:
            apiVersion: compliance.openshift.io/v1alpha1
            kind: ComplianceSuite
            metadata:
              name: e8
              namespace: openshift-compliance
            status:
              phase: DONE
  • ComplianceCheckResult カスタムリソース (CR) を確認してスキャンスイートの結果を報告する ComplianceCheckResult リソース (compliance-suite-e8-results):

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: compliance-suite-e8-results
    spec:
      remediationAction: inform
      severity: high
      object-templates:
        - complianceType: mustnothave # this template reports the results for scan suite: e8 by looking at ComplianceCheckResult CRs
          objectDefinition:
            apiVersion: compliance.openshift.io/v1alpha1
            kind: ComplianceCheckResult
            metadata:
              namespace: openshift-compliance
              labels:
                compliance.openshift.io/check-status: FAIL
                compliance.openshift.io/suite: e8

注記: 自動修復はサポート対象です。ScanSettingBinding リソースを作成するには修復アクションを enforce に設定します。

policy-compliance-operator-e8-scan.yaml の サンプルを参照してください。詳細は、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。注記: E8 ポリシーの削除後に、これはターゲットクラスターから削除されます。

2.5.14. OpenShift CIS スキャンポリシー

OpenShift CIS スキャンポリシーは、マスターとワーカーノードをチェックして、OpenShift CIS セキュリティーベンチマークに準拠しているかどうかを確認するスキャンをデプロイします。OpenShift CIS ポリシーを適用するには、コンプライアンス Operator をインストールする必要があります。

OpenShift CIS ポリシーは、Kubernetes 設定ポリシーとして Red Hat Advanced Cluster Management に作成されます。OpenShift CIS スキャンポリシーは OpenShift Container Platform 4.6 および 4.7、4.9 でサポートされます。詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの コンプライアンス Operator について を参照してください。

2.5.14.1. OpenShift CIS リソース

OpenShift CIS スキャンポリシーを作成すると、次のリソースが作成されます。

  • スキャンするプロファイルを特定する ScanSettingBinding リソース (cis):

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: compliance-cis-scan
    spec:
      remediationAction: inform
      severity: high
      object-templates:
        - complianceType: musthave # this template creates ScanSettingBinding:cis
          objectDefinition:
            apiVersion: compliance.openshift.io/v1alpha1
            kind: ScanSettingBinding
            metadata:
              name: cis
              namespace: openshift-compliance
            profiles:
            - apiGroup: compliance.openshift.io/v1alpha1
              kind: Profile
              name: ocp4-cis
            - apiGroup: compliance.openshift.io/v1alpha1
              kind: Profile
              name: ocp4-cis-node
            settingsRef:
              apiGroup: compliance.openshift.io/v1alpha1
              kind: ScanSetting
              name: default
  • status フィールドを確認してスキャンが完了したかどうかを確認する ComplianceSuite リソース (compliance-suite-cis):

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: compliance-suite-cis
    spec:
      remediationAction: inform
      severity: high
      object-templates:
        - complianceType: musthave # this template checks if scan has completed by checking the status field
          objectDefinition:
            apiVersion: compliance.openshift.io/v1alpha1
            kind: ComplianceSuite
            metadata:
              name: cis
              namespace: openshift-compliance
            status:
              phase: DONE
  • ComplianceCheckResult カスタムリソース (CR) を確認してスキャンスイートの結果を報告する ComplianceCheckResult リソース (compliance-suite-cis-results):

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: ConfigurationPolicy
    metadata:
      name: compliance-suite-cis-results
    spec:
      remediationAction: inform
      severity: high
      object-templates:
        - complianceType: mustnothave # this template reports the results for scan suite: cis by looking at ComplianceCheckResult CRs
          objectDefinition:
            apiVersion: compliance.openshift.io/v1alpha1
            kind: ComplianceCheckResult
            metadata:
              namespace: openshift-compliance
              labels:
                compliance.openshift.io/check-status: FAIL
                compliance.openshift.io/suite: cis

policy-compliance-operator-cis-scan.yaml ファイルのサンプルを参照してください。ポリシーの作成に関する詳細は、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。

第3章 セキュリティーポリシーの管理

セキュリティーポリシーおよびポリシー違反の作成、表示、および管理には、ガバナンス ダッシュボードを使用します。CLI およびコンソールからポリシーの YAML ファイルを作成できます。

3.1. ガバナンスページ

以下のタブが Governance ページに表示されます。

  • 概要

    Overview タブで、Policy set violationsPolicy violationsClustersCategoriesControls、および Standards タブから概要カードを表示します。

  • ポリシーセット

    ハブクラスターポリシーセットを作成および管理します。

  • ポリシー

    セキュリティーポリシーを作成および管理します。ポリシーの表では、NameNamespaceStatusRemediationPolicy setCluster violationsSourceAutomation および Created のポリシーの詳細を表示します。

    Actions アイコンを選択すると、修復を編集、有効化、無効化の設定をして、ポリシーの通知、有効化、または削除ができます。特定のポリシーのカテゴリーおよび標準を表示するには、ドロップダウン矢印を選択して行を展開します。

    複数のポリシーを選択して Actions ボタンをクリックして、完全な一括処理を行います。Filter ボタンをクリックしてポリシーテーブルをカスタマイズすることもできます。

表一覧でポリシーを選択すると、コンソールで、以下の情報タブが表示されます。

  • Details: Details タブを選択して、ポリシーの情報、配置の情報を表示します。Placement の表の コンプライアンス 列には、表示されるクラスターのコンプライアンスを確認するためのリンクがあります。
  • Results: Results タブを選択して、ポリシーに関連付けられた全クラスターの表リストを表示します。

    Message 列から View details リンクをクリックして、テンプレートの詳細、テンプレート YAML、および関連リソースを表示します。関連リソースを表示することもできます。View history リンクをクリックして、違反メッセージと最後のレポートの時間を表示します。

3.2. ガバナンスの自動化設定

特定のポリシーに設定済みの自動化がある場合は、自動化を選択して詳細を表示できます。自動化のスケジュール頻度オプションに関する以下の説明を参照してください。

  • Manual Run: この自動化を手動で設定して 1 回実行します。自動化の実行後に、disabled に設定されます。注記: スケジュール頻度が無効になっている場合のみ Manual run モードを選択できます。
  • Run once mode: ポリシーに違反すると、自動化が 1 回実行されます。自動化の実行後に、disabled に設定されます。自動化が disabled に設定された後は、引き続き自動化を手動で実行する必要があります。once mode を実行すると、target_clusters の追加変数にはポリシーに違反するクラスターのリストが自動的に指定されます。{aap-short} ジョブテンプレートでは、EXTRA VARIABLES セクション (別名: extra_vars) に対して PROMPT ON LAUNCH が有効になっている必要があります。
  • Run everyEvent モード: ポリシーに違反すると、自動化はマネージドクラスターごとに固有のポリシー違反が発生するたびに毎回実行されます。DelayAfterRunSeconds パラメーターを使用して、同じクラスターで自動化を再開できるようになるまでの最小秒数を設定します。ポリシーが遅延期間中に複数回違反され、違反状態のままである場合、自動化は遅延期間後に 1 回実行されます。デフォルトは 0 秒で、everyEvent モードにのみ適用されます。everyEvent モードを実行すると、target_clusters と {aap-short} ジョブテンプレートの余分な変数は once モード と同じになります。
  • Disable automation: スケジュールされた自動化が disabled に設定されると、設定が更新されるまで自動化は実行されません。

セキュリティーポリシーの作成および更新の詳細は、以下のトピックを参照してください。

他のトピックについては、ガバナンス を参照してください。

3.3. Ansible Tower でのガバナンスの設定

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ガバナンスは、Ansible Tower の自動化と統合して、ポリシー違反の自動化を作成できます。Red Hat Advanced Cluster Management コンソールで、自動化を設定できます。

3.3.1. 前提条件

  • Red Hat OpenShift Container Platform 4.5 以降
  • Ansible Tower バージョン 3.7.3 以降がインストールされている。Ansible Tower の最新のサポートバージョンをインストールすることがベストプラクティスです。詳細は、Red Hat AnsibleTower ドキュメント を参照。
  • ハブクラスターに Ansible Automation Platform Resource Operator をインストールして、Ansible ジョブをガバナンスフレームワークに接続する。AnsibleJob を使用した Ansible Tower ジョブの実行時に最善の結果を得るには、実行時に Ansible Tower ジョブテンプレートが冪等でなければなりません。Ansible Automation Platform Resource Operator がない場合は、Red Hat OpenShift Container Platform OperatorHub ページから確認することができる。

Ansible Tower 自動化のインストールおよび設定に関する詳細は、Ansible タスクの設定 (テクノロジープレビュー) を参照してください。

3.3.2. コンソールからのポリシー違反自動化の作成

Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターにログインし、ナビゲーションメニューから Governance を選択し、Policies タブをクリックしてポリシーテーブルを表示します。

Automation 列の Configure をクリックして、特定のポリシーの自動化を設定します。ポリシー自動化パネルが表示されたら、自動化を作成できます。Ansible credential セクションから、ドロップダウンメニューをクリックして Ansible 認証情報を選択します。認証情報を追加する必要がある場合は、認証情報の管理 を参照してください。

注記: この認証情報は、ポリシーと同じ namespace にコピーされます。自動化の開始用に作成された AnsibleJob リソースで、この認証情報を使用します。コンソールの Credentials セクションで Ansible 認証情報に加えられた変更は、自動的に更新されます。

認証情報を選択したら、Ansible ジョブドロップダウンリストをクリックしてジョブテンプレートを選択します。Extra variables セクションで、PolicyAutomationextra_vars セクションからパラメーター値を追加します。自動化の頻度を選択します。Run once modeRun everyEvent mode、または Disable Automation を選択できます。

Submit を選択して、ポリシー違反の自動化を保存します。Ansible ジョブの詳細パネルから View Job リンクを選択すると、このリンクから Search ページのジョブテンプレートが表示されます。自動化が正常に作成されると、Automation 列に表示されます。

注意: ポリシー自動化が関連付けられているポリシーを削除すると、ポリシー自動化はクリーンアップの一部として自動的に削除されます。

コンソールからポリシー違反の自動化が作成されました。

3.3.3. CLI からのポリシー違反自動化の作成

CLI からポリシー違反の自動化を設定するには、以下の手順を実行します。

  1. ターミナルから、oc login コマンドを使用して Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターに再度ログインします。
  2. 自動化を追加するポリシーを検索するか、作成します。ポリシー名と namespace をメモします。
  3. 以下のサンプルをガイドとして使用して、Policy Automation リソースを作成します。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1beta1
    kind: PolicyAutomation
    metadata:
      name: policyname-policy-automation
    spec:
      automationDef:
        extra_vars:
          your_var: your_value
        name: Policy Compliance Template
        secret: ansible-tower
        type: AnsibleJob
      mode: disabled
      policyRef: policyname
  4. 先のサンプルの Ansible ジョブテンプレート名は Policy Compliance Template です。この値は、ジョブテンプレート名と一致するように変更してください。
  5. extra_vars セクションで、Ansible ジョブテンプレートに渡す必要があるパラメーターを追加します。
  6. モードを onceeveryEvent、または disabled に設定します。
  7. policyRef は、ポリシーの名前に設定します。
  8. Ansible Tower 認証情報を含むこの Policy Automation リソースと同じ namespace にシークレットを作成します。上記の例では、シークレット名は ansible-tower です。アプリケーションライフサイクルからののサンプル を使用して、シークレットの作成方法を確認します。
  9. PolicyAutomation リソースを作成します。

    注記:

    • 以下のアノテーションを Policy Automation リソースに追加することで、ポリシー自動化の即時実行を開始できます。

      metadata:
        annotations:
          policy.open-cluster-management.io/rerun: "true"
    • ポリシーが once モードの場合は、ポリシーがコンプライアンス違反があると自動化が実行されます。target_clusters という名前の extra_vars 変数が追加され、値はコンプライアンス違反のポリシーが含まれる、各マネージドクラスター名の配列です。
    • ポリシーが everyEvent モードであり、DelayAfterRunSeconds が定義された時間値を超えると、ポリシーは非準拠となり、ポリシー違反ごとに自動化が実行されます。

3.4. GitOps を使用したポリシーのデプロイ

ガバナンスフレームワークを使用して、マネージドクラスター全体にポリシーセットをデプロイできます。リポジトリーにポリシーを提供して使用することで、オープンソースコミュニティー (policy-collection) に追加できます。詳細は、カスタムポリシーの取得 を参照してください。オープンソースコミュニティーの各 stable および community フォルダーのポリシーは、NIST Special Publication 800-53 に従ってさらに整理されています。

GitOps を使用して Git リポジトリー経由でポリシーの更新や作成を自動化して追跡する時のベストプラクティスを理解するにはこれ以降のセクションを確認してください。

前提条件: 開始する前に、policy-collection リポジトリーをフォークしてください。

3.4.1. ローカルリポジトリーのカスタマイズ

stable および community ポリシーを 1 つのフォルダーにまとめて、ローカルリポジトリーをカスタマイズします。使用しないポリシーを削除します。ローカルリポジトリーをカスタマイズするには、以下の手順を実行します。

  1. リポジトリーに新しいディレクトリーを作成し、デプロイするポリシーを保存します。GitOps のメインのデフォルトブランチに、ローカルの policy-collection リポジトリーにあることを確認します。以下のコマンドを実行します。

    mkdir my-policies
  2. stable および community ポリシーのすべてを my-policies ディレクトリーにコピーします。stable フォルダーにコミュニティーで利用可能なものが重複している場合があるため、community ポリシーから始めます。以下のコマンドを実行します。

    cp -R community/* my-policies/
    
    cp -R stable/* my-policies/

    すべてのポリシーの構造は単一の親ディレクトリーとなっているため、フォークでポリシーを編集できます。

    ヒント:

    • 使用の予定がないポリシーを削除するのがベストプラクティスです。
    • 以下のリストでポリシーおよびポリシーの定義について確認してください。

      • 目的: ポリシーのロールを理解する。
      • 修復アクション: ポリシーで、コンプライアンスの通知だけを行うのか、ポリシーを強制して、変更を加えるのか ?spec.remediationAction パラメーターを参照してください。変更が適用される場合は、想定されている機能を理解するようにしてください。強制のサポートがあるポリシーを確認してください。詳細は、Validate セクションを参照してください。

        注記: ポリシーに設定された spec.remediationAction は、個別の spec.policy-templates で設定される修復アクションを上書きします。

      • 配備: ポリシーのデプロイ先のクラスターは ?デフォルトでは、ほとんどのポリシーは、environment: dev ラベルの付いたクラスターを対象にしています。ポリシーによっては、OpenShift Container Platform クラスターまたは別のラベルをターゲットにできます。追加のラベルを更新または追加して、他のクラスターを組み込むことができます。特定の値がない場合、ポリシーはすべてのクラスターに適用されます。また、ポリシーのコピーを複数作成し、クラスターセットごとに各ポリシーをカスタマイズして、別のクラスターセットには別の方法で設定することができます。

3.4.2. ローカルリポジトリーへのコミット

ディレクトリーに行った変更に問題がなければ、変更を Git にコミットしてプッシュし、クラスターによるアクセスを可能にします。

注記: この例は、GitOps でポリシーを使用する基本的な方法を示しており、ブランチの変更を取得する場合には別のワークフローを使用する場合があります。

以下の手順を実行します。

  1. ターミナルから git status を実行して、以前に作成したディレクトリーに最新の変更を確認します。以下のコマンドを使用して、コミットする変更リストに新しいディレクトリーを追加します。

    git add my-policies/
  2. 変更をコミットし、メッセージをカスタマイズします。以下のコマンドを実行します。

    git commit -m “Policies to deploy to the hub cluster”
  3. GitOps に使用するフォークしたリポジトリーのブランチに、変更をプッシュします。以下のコマンドを実行します。

    git push origin <your_default_branch>master

変更がコミットされます。

3.4.3. クラスターへのポリシーのデプロイ

変更をプッシュしたら、ポリシーを Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes インストールにデプロイできます。デプロイメント後、ハブクラスターは Git リポジトリーに通知されます。Git リポジトリーの選択したブランチに追加された変更がクラスターに反映されます。

注記: デフォルトでは、GitOps でデプロイされるポリシーは マージ の調整オプションを使用します。代わりに replace 調整オプションを使用する場合は、apps.open-cluster-management.io/reconcile-option: replace アノテーションを Subscription リソースに追加します。詳細は、アプリケーションライフサイクル を参照してください。

deploy.sh スクリプトは、ハブクラスターに Channel および Subscription リソースを作成します。チャネルは Git リポジトリーに接続し、サブスクリプションは、チャネルを介してクラスターに配置するデータを指定します。その結果、指定のサブディレクトリーで定義された全ポリシーがハブに作成されます。サブスクリプションによりポリシーが作成されると、Red Hat Advanced Cluster Management はポリシーを分析し、定義した配置ルールに基づいて、ポリシーが適用される各マネージドクラスターに関連付けられた namespace に追加のポリシーリソースを作成します。

その後、ポリシーはハブクラスター上にある該当するマネージドクラスターの namespace からマネージドクラスターにコピーされます。そのため、Git リポジトリーのポリシーは、ポリシーの配置ルールで定義される clusterSelector に一致するラベルが付いた全マネージドクラスターにプッシュされます。

以下の手順を実行します。

  1. policy-collection フォルダーから、以下のコマンドを実行してディレクトリーを変更します。

    cd deploy
  2. 以下のコマンドで、コマンドラインインターフェイス (CLI) が正しいクラスターでリソースを作成するように設定されていることを確認します。

    oc cluster-info

    コマンドの出力には、Red Hat Advanced Cluster Management がインストールされているクラスターの API サーバーの詳細が表示されます。正しい URL が表示されない場合は、CLI を正しいクラスターを参照するように設定します。詳細情報は、OpenShift CLI の使用 セクションを参照してください。

  3. アクセス制御およびポリシー整理を行うポリシーの作成先の namespace を作成します。以下のコマンドを実行します。

    oc create namespace policy-namespace
  4. 以下のコマンドを実行してクラスターにポリシーをデプロイします。

    ./deploy.sh -u https://github.com/<your-repository>/policy-collection -p my-policies -n policy-namespace

    your-repository は、Git ユーザー名またはリポジトリー名に置き換えます。

    注記: 参考までに、deploy.sh スクリプトの引数の全リストでは、以下の構文を使用します。

    ./deploy.sh [-u <url>] [-b <branch>] [-p <path/to/dir>] [-n <namespace>] [-a|--name <resource-name>]

    引数については、以下のドキュメントを参照してください。

    • URL: メインの policy-collection リポジトリーからフォークしたリポジトリーへの URL。デフォルトの URL は https://github.com/stolostron/policy-collection.git です。
    • ブランチ: 参照する Git リポジトリーのブランチ。デフォルトのブランチは main です。
    • サブディレクトリーパス: 使用するポリシーを含めるために作成したサブディレクトリーパス。上記のサンプルでは my-policies サブディレクトリーを使用しましたが、開始するフォルダーを指定することもできます。たとえば、my-policies/AC-Access-Control を使用できます。デフォルトのフォルダーは stable です。
    • Namespace: リソースおよびポリシー作成先のハブクラスター上の namespace。これらの手順では、namespace policy-namespace を使用します。デフォルトの namespace は policies です。
    • 名前のプレ接頭辞: Channel および Subscription リソースの接頭辞。デフォルトは demo-stable-policies です。

deploy.sh スクリプトの実行後に、リポジトリーにアクセスできるユーザーはブランチに変更をコミットできます。これにより、クラスターの既存のポリシーに変更がプッシュされます。

注意: サブスクリプションを使用してポリシーをデプロイするには、次の手順を実行します。

  1. open-cluster-management:subscription-admin ClusterRole をサブスクリプションを作成するユーザーにバインドします。
  2. サブスクリプションで許可リストを使用している場合は、次の API エントリーを含めます。

        - apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
          kinds:
            - "*"
        - apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1beta1
          kinds:
            - "*"
        - apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
          kinds:
            - PlacementRule
        - apiVersion: cluster.open-cluster-management.io/v1beta1
          kinds:
            - Placement

3.4.4. コンソールからの GitOps ポリシーデプロイメントの確認

変更がコンソールからポリシーに適用されていることを確認します。コンソールからポリシーをさらに変更することもできますが、Subscription と Git リポジトリーと調整すると、これらの変更は元に戻されます。以下の手順を実行します。

  1. Red Hat Advanced Cluster Management クラスターにログインします。
  2. ナビゲーションメニューから Govern を選択します。
  3. 表にデプロイされたポリシーを見つけます。GitOps を使用してデプロイしたポリシーには、Source 列に Git ラベルが付いています。ラベルをクリックして、Git リポジトリーの詳細を表示します。
3.4.4.1. CLI からの GitOps ポリシーデプロイメントの確認

以下の手順を実行します。

  1. 以下のポリシーの詳細を確認してください。

    • 配信先のクラスターで特定のポリシーが準拠している/準拠していないのはなぜか ?
    • ポリシーが正しいクラスターに適用されているか ?
    • このポリシーがクラスターに配布されていない場合は、なぜか ?
  2. 作成または変更した GitOps のデプロイポリシーを特定します。GitOps のデプロイポリシーは、自動適用されるアノテーションで特定できます。GitOps のデプロイポリシーのアノテーションは、以下のパスのようになります。

    apps.open-cluster-management.io/hosting-deployable: policies/deploy-stable-policies-Policy-policy-role9
    
    apps.open-cluster-management.io/hosting-subscription: policies/demo-policies
    
    apps.open-cluster-management.io/sync-source: subgbk8s-policies/demo-policies

    GitOps アノテーションは、ポリシーが作成されたサブスクリプションを確認するのに役立ちます。独自のラベルをポリシーに追加して、ラベルに基づいてポリシーを選択するランタイムクエリーを作成することもできます。

    たとえば、次のコマンドを使用してポリシーにラベルを追加できます。

    oc label policies.policy.open-cluster-management.io <policy-name> -n <policy-namespace> <key>=<value>

    続いて、以下のコマンドでラベルのあるポリシーをクエリーします。

    oc get policies.policy.open-cluster-management.io -n <policy-namespace> -l <key>=<value>

ポリシーは GitOps を使用してデプロイされます。

3.5. 設定ポリシーでのテンプレートのサポート

設定ポリシーは、オブジェクト定義での Golang テキストテンプレートの追加をサポートします。これらのテンプレートは、そのクラスターに関連する設定を使用して、ハブクラスターまたはターゲットのマネージドクラスターでランタイム時に解決されます。これにより、動的コンテンツで設定ポリシーを定義でき、ターゲットクラスターに、カスタマイズされた Kubernetes リソースを通知したり、強制的に実行したりできます。

3.5.1. 前提条件

  • テンプレート構文は Golang テンプレート言語仕様に準拠し、解決されたテンプレートから生成されるリソース定義は有効な YAML である必要がある。詳細は、Golang ドキュメントの Package templates を参照。テンプレート検証のエラーは、ポリシー違反として認識される。カスタムのテンプレート関数を使用する場合、値はランタイム時に置き換えられる。

3.5.2. テンプレート関数

リソース固有および汎用の lookup テンプレート関数など、テンプレート関数は、ハブクラスター ({{hub …​ hub}} 区切り文字の使用) またはマネージドクラスター ({{ …​ }} 区切り文字の使用) 上の Kubernetes リソースを参照するために用意されています。詳細は、設定ポリシーでのハブクラスターテンプレートのサポート を参照してください。リソース固有の関数は利便性があり、リソースの内容の使いやすさを高めます。より高度な汎用関数 lookup を使用する場合には、検索されるリソースの YAML 構造について理解しておくことが推奨されます。これらの関数に加えて、base64encodebase64decodeindentautoindenttoInttoBool などのユーティリティー関数も利用できます。

YAML 構文でテンプレートに準拠するには、テンプレートは引用符またはブロック文字 (| または >) を使用して文字列としてポリシーリソースで設定する必要があります。これにより、解決済みのテンプレート値も文字列になります。これを上書きするには、toInt または toBool をテンプレート内で最終関数として使用して、値を整数またはブール値として強制的に解釈する追加の処理を開始します。

サポート対象のカスタムテンプレート関数の説明と例について確認するには、以下を参照してください。

3.5.2.1. fromSecret 関数

fromSecret 関数は、シークレット内にある指定のデータキーの値を返します。関数については、以下の構文を確認してください。

func fromSecret (ns string, secretName string, datakey string) (dataValue string, err error)

この関数を使用するには、Kubernetes Secret リソースの namespace、名前、およびデータキーを入力します。ハブクラスターテンプレートの関数を使用する場合は、ポリシーに使用されるのと同じ namespace を使用する必要があります。詳細は、設定ポリシーでのハブクラスターテンプレートのサポート を参照してください。

注記: この関数をハブクラスターテンプレートで使用すると、関数の保護 を使用して出力が自動的に暗号化されます。

Kubernetes Secret がターゲットクラスターに存在しない場合は、ポリシー違反が表示されます。データキーがターゲットクラスターに存在しない場合は、値が空の文字列になります。以下で、ターゲットクラスターで Secret リソースを有効にする設定ポリシーを確認します。PASSWORD データキーの値は、ターゲットクラスターのシークレットを参照するテンプレートを指します。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-fromsecret
  namespace: test
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
      apiVersion: v1
      data:
        USER_NAME: YWRtaW4=
        PASSWORD: '{{ fromSecret "default" "localsecret" "PASSWORD" }}'
      kind: Secret
      metadata:
        name: demosecret
        namespace: test
      type: Opaque
  remediationAction: enforce
  severity: low
3.5.2.2. fromConfigmap 関数

fromConfigmap 関数は、ConfigMap 内にある指定のデータキーの値を返します。関数については、以下の構文を確認してください。

func fromConfigMap (ns string, configmapName string, datakey string) (dataValue string, err Error)

この関数を使用するには、Kubernetes ConfigMap リソースの namespace、名前、およびデータキーを入力します。ハブクラスターテンプレートの関数を使用するポリシーに使用されるのと同じ namespace を使用する必要があります。詳細は、設定ポリシーでのハブクラスターテンプレートのサポート を参照してください。Kubernetes ConfigMap リソースまたはデータキーがターゲットクラスターに存在しない場合は、ポリシー違反が表示されます。データキーがターゲットクラスターに存在しない場合は、値が空の文字列になります。以下で、ターゲットのマネージドクラスターで Kubernetes リソースを有効にする設定ポリシーを表示します。log-file データキーの値は、ConfigMap から log-filedefault namespace から log-config の値を取得するテンプレートであり、log-level はデータキーの log-level に設定されます。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-fromcm-lookup
  namespace: test-templates
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
      kind: ConfigMap
      apiVersion: v1
      metadata:
        name: demo-app-config
        namespace: test
      data:
        app-name: sampleApp
        app-description: "this is a sample app"
        log-file: '{{ fromConfigMap "default" "logs-config" "log-file" }}'
        log-level: '{{ fromConfigMap "default" "logs-config" "log-level" }}'
  remediationAction: enforce
  severity: low
3.5.2.3. fromClusterClaim 関数

fromClusterClaim 関数は、ClusterClaim リソースの Spec.Value の値を返します。関数については、以下の構文を確認してください。

func fromClusterClaim (clusterclaimName string) (value map[string]interface{}, err Error)

この関数を使用する場合は、Kubernetes ClusterClaim リソースの名前を入力します。ClusterClaim リソースが存在しない場合は、ポリシー違反が表示されます。以下で、ターゲットのマネージドクラスターで Kubernetes リソースを有効にする設定ポリシーの例を確認してください。platform データキーの値は、platform.open-cluster-management.io クラスター要求の値を取得するテンプレートです。同様に、 productversion の値は ClusterClaim から取得します。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-clusterclaims
  namespace: default
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
      kind: ConfigMap
      apiVersion: v1
      metadata:
        name: sample-app-config
        namespace: default
      data:
        # Configuration values can be set as key-value properties
        platform: '{{ fromClusterClaim "platform.open-cluster-management.io" }}'
        product: '{{ fromClusterClaim "product.open-cluster-management.io" }}'
        version: '{{ fromClusterClaim "version.openshift.io" }}'
  remediationAction: enforce
  severity: low
3.5.2.4. lookup 関数

lookup 関数は、JSON と互換性のあるマップとして Kubernetes リソースを返します。要求されたリソースが存在しない場合は、空のマップが返されます。リソースが存在せず、値が別のテンプレート関数に提供されている場合は、エラー invalid value; expected string が発生する可能性があります。

注記: default テンプレート関数を使用して、後のテンプレート関数に正しい型が提供されるようにします。オープンソースコミュニティー機能 セクションを参照してください。

関数については、以下の構文を確認してください。

func lookup (apiversion string, kind string, namespace string, name string) (value string, err Error)

この関数を使用する場合は、Kubernetes リソースの API バージョン、kind、namespace、および name を入力します。ハブクラスターテンプレート内のポリシーに使用されるものと同じ namespace を使用する必要があります。詳細は、設定ポリシーでのハブクラスターテンプレートのサポート を参照してください。以下で、ターゲットのマネージドクラスターで Kubernetes リソースを有効にする設定ポリシーの例を確認してください。metrics-url データキーの値は、default namespace から v1/Service Kubernetes リソースの metrics を取得するテンプレートであり、クエリーされたリソースにある Spec.ClusterIP の値に設定されます。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-lookup
  namespace: test-templates
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
      kind: ConfigMap
      apiVersion: v1
      metadata:
        name: demo-app-config
        namespace: test
      data:
        # Configuration values can be set as key-value properties
        app-name: sampleApp
        app-description: "this is a sample app"
        metrics-url: |
          http://{{ (lookup "v1" "Service" "default" "metrics").spec.clusterIP }}:8080
  remediationAction: enforce
  severity: low
3.5.2.5. base64enc 関数

base64enc 関数は、入力 データ文字列base64 でエンコードされた値で返します。関数については、以下の構文を確認してください。

func base64enc (data string) (enc-data string)

この関数を使用する場合は、文字列値を入力します。以下で、base64enc 関数を使用する設定ポリシーの例を確認してください。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-fromsecret
  namespace: test
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
    ...
    data:
      USER_NAME: '{{ fromConfigMap "default" "myconfigmap" "admin-user" | base64enc }}'
3.5.2.6. base64dec 関数

base64dec 関数は、入力 enc-data 文字列base64 デコードされた値で返します。関数については、以下の構文を確認してください。

func base64dec (enc-data string) (data string)

この関数を使用する場合は、文字列値を入力します。以下で、base64dec 関数を使用する設定ポリシーの例を確認してください。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-fromsecret
  namespace: test
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
    ...
    data:
      app-name: |
         "{{ ( lookup "v1"  "Secret" "testns" "mytestsecret") .data.appname ) | base64dec }}"
3.5.2.7. indent 関数

indent 関数により、パディングされた データ文字列 が返されます。関数については、以下の構文を確認してください。

func indent (spaces  int,  data string) (padded-data string)

この関数を使用する場合は、特定のスペース数でデータ文字列を入力します。以下で、indent 関数を使用する設定ポリシーの例を確認してください。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-fromsecret
  namespace: test
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
    ...
    data:
      Ca-cert:  |
        {{ ( index ( lookup "v1" "Secret" "default" "mycert-tls"  ).data  "ca.pem"  ) |  base64dec | indent 4  }}
3.5.2.8. autoindent 関数

autoindent 関数は、indent 関数のように機能し、テンプレートの前のスペース数に基づいて自動的に先頭のスペース数を決定します。以下で、autoindent 関数を使用する設定ポリシーの例を確認してください。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-fromsecret
  namespace: test
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
    ...
    data:
      Ca-cert:  |
        {{ ( index ( lookup "v1" "Secret" "default" "mycert-tls"  ).data  "ca.pem"  ) |  base64dec | autoindent }}
3.5.2.9. toInt 関数

toInt 関数は入力値の整数値をキャストして返します。また、テンプレートの最後の関数である場合は、ソースコンテンツがさらに処理されます。これは、YAML で値が整数として解釈されるようにするためです。関数については、以下の構文を確認してください。

func toInt (input interface{}) (output int)

この関数を使用する場合は、整数としてキャストする必要があるデータを入力します。以下で、tolnt 関数を使用する設定ポリシーの例を確認してください。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-template-function
  namespace: test
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
    ...
    spec:
      vlanid:  |
        {{ (fromConfigMap "site-config" "site1" "vlan")  | toInt }}
3.5.2.10. toBool 関数

toBool 関数は、入力文字列をブール値に変換し、ブール値を返します。また、テンプレートの最後の関数である場合は、ソースコンテンツがさらに処理されます。これは、YAML で値がブール値として解釈されるようにするためです。関数については、以下の構文を確認してください。

func toBool (input string) (output bool)

この関数を使用する場合は、ブール値に変換する必要のある文字列データを入力します。以下で、toBool 関数を使用する設定ポリシーの例を確認してください。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-template-function
  namespace: test
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
    ...
    spec:
      enabled:  |
        {{ (fromConfigMap "site-config" "site1" "enabled")  | toBool }}
3.5.2.11. protect 関数

protect 機能により、ハブクラスターポリシーテンプレートで文字列を暗号化できます。これは、ポリシーの評価時にマネージドクラスターで自動的に復号化されます。以下で、protect 関数を使用する設定ポリシーの例を確認してください。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: ConfigurationPolicy
metadata:
  name: demo-template-function
  namespace: test
spec:
  namespaceSelector:
    exclude:
    - kube-*
    include:
    - default
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
    ...
    spec:
      enabled:  |
        {{hub "(lookup "v1" "Secret" "default" "my-hub-secret").data.message | protect hub}}

前述の YAML の例では、lookup 関数を使用するために定義した既存のハブクラスターポリシーテンプレートがあります。マネージドクラスターの namespace に複製されたポリシーでは、値は $ocm_encrypted:okrrBqt72oI+3WT/0vxeI3vGa+wpLD7Z0ZxFMLvL204= のようになります。

それぞれの暗号化アルゴリズムは、256 ビットキーを使用した AES-CBC です。各暗号化キーはマネージドクラスターごとに一意で、30 日ごとに自動的にローテーションされます。

これにより、復号化された値がマネージドクラスターのポリシーに保存されることはありません。

即時のローテーションを強制するには、ハブクラスターのマネージドクラスター namespace の policy-encryption-key Secret で policy.open-cluster-management.io/last-rotated アノテーションを削除します。その後、ポリシーが再処理され、新しい暗号化キーが使用されます。

3.5.2.12. toLiteral 関数

toLiteral 関数は、処理後にテンプレート文字列を囲む引用符をすべて削除します。この関数を使用して、JSON 文字列を ConfigMap フィールドからマニフェストの JSON 値に変換できます。次の関数を実行して、key パラメーター値から引用符を削除します。

key: '{{ "[\"10.10.10.10\", \"1.1.1.1\"]" | toLiteral }}'

toLiteral 関数を使用すると、次の更新が表示されます。

key: ["10.10.10.10", "1.1.1.1"]
3.5.2.13. オープンソースコミュニティー機能

さらに、Red Hat Advanced Cluster Management は、sprig オープンソースプロジェクトに含まれる以下のテンプレート関数をサポートします。

  • cat
  • contains
  • default
  • fromJson
  • hasPrefix
  • hasSuffix
  • join
  • list
  • lower
  • mustFromJson
  • quote
  • replace
  • semver
  • semverCompare
  • split
  • splitn
  • ternary
  • trim
  • until
  • untilStep
  • upper

詳細は、Sprig 関数のドキュメント を参照してください。

3.5.3. 設定ポリシーでのハブクラスターテンプレートのサポート

Red Hat Advanced Cluster Management は、ターゲットクラスターに動的にカスタマイズされたマネージドクラスターテンプレートのほかに、ハブクラスターからの値を使用して設定ポリシーを定義するためのハブクラスターテンプレートもサポートします。この組み合わせにより、ポリシー定義の各ターゲットクラスターまたはハードコーディング設定値に個別のポリシーを作成する必要がなくなります。

ハブクラスターテンプレートは Golang テキストテンプレートの仕様をベースとしており、{{hub … hub}} 区切り文字は設定ポリシーのハブクラスターテンプレートを示します。

セキュリティーを確保するには、ハブクラスターテンプレートのリソース固有および一般的なルックアップ機能の両方が、ハブクラスターのポリシーの namespace に制限されます。詳細は、ハブおよびマネージドクラスターテンプレートの比較 をご覧ください。

重要: ハブクラスターテンプレートを使用してシークレットや他の機密データを伝播する場合には、機密データはハブクラスターにあるマネージドクラスターの namespace か、そのポリシーが配布されているマネージドクラスター上に存在します。テンプレートの内容はポリシーで拡張され、 OpenShift Container Platform ETCD 暗号化サポートでは、ポリシーは暗号化されません。これに対処するには、シークレットからの値を自動的に暗号化する fromSecret を使用するか、他の値を暗号化するために protect します。

3.5.3.1. テンプレート処理

設定ポリシー定義には、ハブクラスターとマネージドクラスターのテンプレートの両方を含めることができます。ハブクラスターテンプレートは、先にハブクラスターで処理され、解決されたハブクラスターテンプレートを使用したポリシー定義がターゲットクラスターに伝播されます。マネージドクラスターでは、ConfigurationPolicyController はポリシー定義内のマネージドクラスターテンプレートを処理し、その後、完全に解決されたオブジェクト定義を有効にするか、検証します。

3.5.3.2. 再処理のための特別なアノテーション

ポリシーは、作成または更新時にのみハブクラスターで処理されます。そのため、ハブクラスターテンプレートは、ポリシーの作成または更新時に参照リソースのデータに対してのみ解決されます。参照リソースへの変更は、自動的にポリシーと同期されません。

テンプレートによって参照されるデータへの変更を示すために、特別なアノテーション policy.open-cluster-management.io/trigger-update を使用できます。特別なアノテーション値を変更すると、テンプレート処理が開始され、参照されるリソースの最新内容は、ポリシー定義に読み込まれて更新され、マネージクラスターので処理するように伝播するロールを果たします。このアノテーションの一般的な使用方法は、値を 1 回に 1 つずつ増やすことです。

3.5.3.3. テンプレート処理のバイパス

Red Hat AdvancedClusterManagement による処理を目的としていないテンプレートを含めて、ポリシーを作成する場合があります。デフォルトでは、Red Hat Advanced Cluster Management は全テンプレートを処理します。

ハブクラスターのテンプレート処理を省略するには、{{ template content }}{{ `{{ template content }}` }} に変更する必要があります。

または、PolicyConfigurationPolicy セクションに policy.open-cluster-management.io/disable-templates: "true" のアノテーションを追加します。このアノテーションを追加する場合に、1 つ前の回避策は必要ありません。ConfigurationPolicy のテンプレート処理はバイパスされます。

ハブクラスターとマネージドクラスターのテンプレートの比較は、以下の表を参照してください。

3.5.3.4. ハブクラスターとマネージドクラスターテンプレートの比較
表3.1 比較表
テンプレートハブクラスターマネージドクラスター

構文

Golang テキストテンプレートの仕様

Golang テキストテンプレートの仕様

デリミタ

{{hub … hub}}

{{ … }}

コンテキスト

.ManagedClusterName 変数を使用できます。これはランタイム時に、ポリシーが伝播されるターゲットクラスターの名前に解決されます。

コンテキスト変数はありません

アクセス制御

Policy リソースと同じ namespace に存在する namespace を使用した Kubernetes オブジェクトのみを参照できます。

クラスターの任意のリソースを参照できます。

関数

Kubernetes リソースおよび文字列操作への動的なアクセスをサポートするテンプレート関数のセット。詳細は、テンプレート関数 を参照してください。検索制限については、アクセス制御の行を参照してください。

ハブクラスターの fromSecret テンプレート機能は、結果の値をマネージドクラスターの namespace に複製されたポリシーで暗号化された文字列として保存します。

同等の呼び出しは、次の構文を使用する場合があります: {{hub "(lookup "v1" "Secret" "default" "my-hub-secret").data.message | protect hub}}

テンプレート関数セットは、Kubernetes リソースおよび文字列操作への動的なアクセスをサポートします。詳細は、テンプレート関数 を参照してください。

関数出力ストレージ

テンプレート関数の出力は、マネージドクラスターに同期される前に、マネージドクラスターで適用可能な各マネージドクラスター namespace の Policy resource オブジェクトに保存されます。つまり、テンプレート関数からの結果は機密な内容であっても、ハブクラスター上の Policy リソースオブジェクトや、マネージドクラスター上の ConfigurationPolicy リソースオブジェクトへの読み取り権限がある全ユーザーによる読み取りが可能です。さらに、etcd 暗号化 が有効な場合には、Policy および ConfigurationPolicy リソースオブジェクトは暗号化されません。機密な情報の出力を返すテンプレート関数 (シークレットなど) を使用する場合には、この点を慎重に検討することが推奨されます。

テンプレート関数の出力は、ポリシー関連のリソースオブジェクトには保存されません。

処理

複製されたポリシーのクラスターへの伝播中に、ハブクラスターのランタイムで処理が発生します。ポリシーと、そのポリシー内にあるハブクラスターのテンプレートは、テンプレートの作成時または更新時にのみハブクラスターで処理されます。

処理は、マネージドクラスターの ConfigurationPolicyController で実行されます。ポリシーは定期的に処理され、参照されるリソースのデータを使用して解決されたオブジェクト定義を自動的に更新します。

エラーの処理

ハブクラスターテンプレートからのエラーは、ポリシーの適用先のマネージドクラスターの違反として表示されます。

マネージドクラスターテンプレートからのエラーは、違反が発生した特定のターゲットクラスターの違反として表示されます。

3.6. ガバナンスメトリクス

ポリシーフレームワークは、ポリシーディストリビューションとコンプライアンスを表示するメトリックを公開します。ハブクラスターで policy_governance_info メトリックを使用してトレンドを表示し、ポリシーの失敗を分析します。

3.6.1. メトリックの概要

メトリックの概要については、次のトピックを参照してください。

3.6.1.1. メトリック: policy_governance_info

policy_governance_info は OpenShift Container Platform モニタリングが、一部の集計データは Red Hat Advanced Cluster Management の可観測性が収集します (有効にされている場合)。

注記: 可観測性が有効になっている場合は、Grafana の Explore ページからメトリックのクエリーを入力できます。

ポリシーの作成時に、root ポリシーを作成します。フレームワークは、root ポリシーと PlacementRules および PlacementBindings を監視して、伝播 ポリシーを作成する場所を決定し、ポリシーをマネージドクラスターに分散します。ルートポリシーと伝播ポリシーにはいずれも、ポリシーが準拠している場合は 0 のメトリックが、コンプライアンス違反の場合は 1 が記録されます。

policy_governance_info メトリックは、以下のラベルを使用します。

  • Type: ラベルの値は root または propagate を使用できます。
  • policy: 関連付けられたルートポリシーの名前。
  • policy_namespace: ルートポリシーが定義されているハブクラスター上の namespace。
  • cluster_namespace: ポリシーの分散先のクラスターの namespace。

これらのラベルと値は、クラスターで発生している、追跡が困難なイベントを表示できるクエリーを有効にします。

注記: メトリックが必要ではなく、パフォーマンスやセキュリティーに関する懸念がある場合は、この機能を無効にすることができます。Propagator デプロイメントで DISABLE_REPORT_METRICS 環境変数を true に設定します。policy_governance_info メトリックを、可観測性の許可リストにカスタムメトリックとして追加することもできます。詳細は、カスタムメトリクスの追加 を参照してください。

3.6.1.2. メトリクス: config_policies_evaluation_duration_

config_policies_evaluation_duration_ ヒストグラムは、クラスターで評価する準備ができているすべての設定ポリシーを処理するのにかかる秒数を追跡します。次のメトリックを使用して、ヒストグラムをクエリーします。

  • config_policies_evaluation_duration_seconds_bucket: バケットは累積的であり、次の可能なエントリーで秒を表します: 1、3、9、10.5、15、30、60、90、120、180、300、450、600、およびそれ以上。
  • config_policies_evaluation_duration_seconds_count: すべてのイベントの数。
  • config_policies_evaluation_duration_seconds_sum: すべての値の合計。

config_policies_evaluation_duration_ を使用して、頻繁な評価を必要としないリソースを大量に消費するポリシーに対して、ConfigurationPolicy evaluationInterval の設定を変更する必要があるかどうかを判断します。また、Kubernetes API サーバーでのリソース使用率が高くなる代わりに、同時実行数を増やすこともできます。詳細については、設定ポリシーコントローラーの設定 を参照してください。

設定ポリシーの評価に使用された時間に関する情報を取得するには、次の式のような Prometheus クエリーを実行します。

rate (config_policies_evaluation_duration_seconds_sum10m)/rate (config_policies_evaluation_duration_seconds_count10m

open-cluster-management-agent-addon namespace のマネージドクラスターで実行されている config-policy-controller Pod がメトリックを計算します。デフォルトでは、config-policy-controller はメトリクスを Observability に送信しません。

3.7. セキュリティーポリシーの管理

セキュリティーポリシーを作成して、指定のセキュリティー標準、カテゴリー、制御をもとにクラスターのコンプライアンスを報告して検証します。

以下のセクションを参照してください。

3.7.1. セキュリティーポリシーの作成

コマンドラインインターフェイス (CLI) またはコンソールからセキュリティーポリシーを作成できます。

必要なアクセス権限: クラスターの管理者

重要: ポリシーを特定のクラスターに適用するには、配置ルールおよび配置バインディングを定義する必要があります。Cluster selector フィールドに値を入力して、PlacementRulePlacementBinding を定義します。有効な式については、Kubernetes ドキュメントの セットベースの要件をサポートするリソース を参照してください。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ポリシーに必要なオブジェクトの定義を表示します。

  • PlacementRule: ポリシーをデプロイする必要のある クラスターセレクター を定義します。
  • PlacementBinding: 配置を配置ルールにバインドします。

ポリシー YAML ファイルに関する詳細は、ポリシーの概要 を参照してください。

3.7.1.1. コマンドラインインターフェイスからのセキュリティーポリシーの作成

コマンドラインインターフェイス (CLI) からポリシーを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 以下のコマンドを実行してポリシーを作成します。

    kubectl create -f policy.yaml -n <policy-namespace>
  2. ポリシーが使用するテンプレートを定義します。.yaml ファイルを編集し、policy-templates フィールドを追加してテンプレートを定義します。ポリシーは以下の YAML ファイルのようになります。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: Policy
    metadata:
      name: policy1
    spec:
      remediationAction: "enforce" # or inform
      disabled: false # or true
      namespaceSelector:
        include:
        - "default"
        - "my-namespace"
      policy-templates:
        - objectDefinition:
            apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
            kind: ConfigurationPolicy
            metadata:
              name: operator
              # namespace: # will be supplied by the controller via the namespaceSelector
            spec:
              remediationAction: "inform"
              object-templates:
              - complianceType: "musthave" # at this level, it means the role must exist and must have the following rules
                apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
                kind: Role
                metadata:
                  name: example
                objectDefinition:
                  rules:
                    - complianceType: "musthave" # at this level, it means if the role exists the rule is a musthave
                      apiGroups: ["extensions", "apps"]
                      resources: ["deployments"]
                      verbs: ["get", "list", "watch", "create", "delete","patch"]
  3. PlacementRule を定義します。clusterSelector を調整して、PlacementRule を変更し、ポリシーを適用する必要があるクラスターを指定してください。配置ルールの例の概要 を確認してください。

    PlacementRule は以下のようになります。

    apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
    kind: PlacementRule
    metadata:
      name: placement1
    spec:
      clusterConditions:
        - type: ManagedClusterConditionAvailable
          status: "True"
      clusterNames:
      - "cluster1"
      - "cluster2"
    - clusterSelector
        matchLabels:
          cloud: IBM
  4. PlacementBinding を定義して、ポリシーを PlacementRule をバインドします。PlacementBinding は以下の YAML の例のようになります。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: PlacementBinding
    metadata:
      name: binding1
    placementRef:
      name: placement1
      apiGroup: apps.open-cluster-management.io
      kind: PlacementRule
    subjects:
    - name: policy1
      apiGroup: policy.open-cluster-management.io
      kind: Policy
3.7.1.1.1. CLI からのセキュリティーポリシーの表示

以下の手順を実行して、CLI からセキュリティーポリシーを表示します。

  1. 以下のコマンドを実行して、特定のセキュリティーポリシーの詳細を表示します。

    kubectl get policies.policy.open-cluster-management.io <policy-name> -n <policy-namespace> -o yaml
  2. 以下のコマンドを実行して、セキュリティーポリシーの詳細を表示します。

    kubectl describe policies.policy.open-cluster-management.io <policy-name> -n <policy-namespace>
3.7.1.2. コンソールからのクラスターセキュリティーポリシーの作成

Red Hat Advanced Cluster Management にログインしたら、Governance ページに移動し、Create policy をクリックします。

コンソールから新規ポリシーを作成すると、YAML エディターで YAML ファイルも作成されます。YAML エディターを表示するには、Create policy フォームの最初にトグルを選択して有効にします。

Create policy フォームに入力し、Submit ボタンを選択します。

YAML ファイルは以下のポリシーのようになります。

apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
kind: Policy
metadata:
  name: policy-pod
  annotations:
    policy.open-cluster-management.io/categories: 'SystemAndCommunicationsProtections,SystemAndInformationIntegrity'
    policy.open-cluster-management.io/controls: 'control example'
    policy.open-cluster-management.io/standards: 'NIST,HIPAA'
spec:
  complianceType: musthave
  namespaces:
    exclude: ["kube*"]
    include: ["default"]
    pruneObjectBehavior: None
  object-templates:
  - complianceType: musthave
    objectDefinition:
      apiVersion: v1
      kind: Pod
      metadata:
        name: pod1
      spec:
        containers:
        - name: pod-name
          image: 'pod-image'
          ports:
          - containerPort: 80
  remediationAction: enforce
  disabled: false

---
apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
kind: PlacementBinding
metadata:
  name: binding-pod
placementRef:
  name: placement-pod
  kind: PlacementRule
  apiGroup: apps.open-cluster-management.io
subjects:
- name: policy-pod
  kind: Policy
  apiGroup: policy.open-cluster-management.io

---
apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1
 kind: PlacementRule
 metadata:
   name: placement-pod
spec:
  clusterConditions: []
  clusterSelector:
     matchLabels:
       cloud: "IBM"

Create Policy をクリックします。コンソールからセキュリティーポリシーが作成されました。

3.7.1.2.1. コンソールからのセキュリティーポリシーの表示

コンソールからセキュリティーポリシーおよびそのステータスを表示します。Governance ページに移動し、ポリシー表の一覧を表示します。注記: ポリシー表の一覧をフィルタリングするには、Policies タブまたは Cluster violations タブを選択します。

詳細を表示するポリシーを 1 つ選択します。DetailsClusters、および Templates タブが表示されます。クラスターまたはポリシーのステータスを判断できない場合は、No status メッセージが表示されます。

3.7.1.3. CLI からのポリシーセットの作成

デフォルトでは、ポリシーまたは配置のないポリシーセットが作成されます。ポリシーセットの配置を作成し、クラスターに存在するポリシーを 1 つ以上設定する必要があります。ポリシーセットを作成する場合は、多くのポリシーを追加できます。以下のコマンドを実行して CLI からポリシーセットを作成します。

kubectl apply -f <policyset-filename>
3.7.1.4. コンソールからのポリシーセットの作成

ナビゲーションメニューから Govern を選択します。次に、Policy sets タブを選択します。Create policy set ボタンを選択し、フォームを完了します。ポリシーセットの詳細情報を追加したら、Submit ボタンを選択します。

デプロイメントにポリシージェネレーターが必要な stable Policyets を表示します (PolicySets-- Stable)。

3.7.2. セキュリティーポリシーの更新

以下のセクションを参照して、セキュリティーポリシーを更新します。

3.7.2.1. CLI からのポリシーセットへのポリシーの追加

以下のコマンドを実行してポリシーセットを編集します (kubectl edit policysets your-policyset-name)。

ポリシーセットの policies セクションのリストにポリシー名を追加します。kubectl apply -f your-added-policy.yaml のコマンドを使用して、ポリシーセットの配置セクションに、追加したポリシーを適用します。PlacementBinding および PlacementRule が作成されます。注記: 配置バインディングを削除すると、ポリシーはポリシーセットによって配置されます。

3.7.2.2. コンソールからのポリシーセットへのポリシーの追加

Policy sets タブを選択して、ポリシーセットにポリシーを追加します。Actions アイコンを選択し、Edit を選択します。Edit policy set フォームが表示されます。

フォームの Policies セクションに移動し、ポリシーセットに追加するポリシーを選択します。

3.7.2.3. セキュリティーポリシーの無効化

デフォルトでは、ポリシーは有効です。コンソールからポリシーを無効にします。

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes コンソールにログインしたら、Governance ページに移動し、ポリシー表のリストを表示します。

Actions アイコン > Disable policy の順に選択します。Disable Policy ダイアログボックスが表示されます。

Disable policy をクリックします。ポリシーが無効化されました。

3.7.3. セキュリティーポリシーの削除

CLI またはコンソールからセキュリティーポリシーを削除します。

  • CLI からセキュリティーポリシーを削除します。

    1. 以下のコマンドを実行してセキュリティーポリシーを削除します。

      kubectl delete policies.policy.open-cluster-management.io <policy-name> -n <policy-namespace>

      ポリシーを削除すると、ターゲットクラスターから削除されます。次のコマンドを実行して、ポリシーが削除されていることを確認します: kubectl get policies.policy.open-cluster-management.io <policy-name> -n <policy-namespace>

  • コンソールからセキュリティーポリシーを削除します。

    ナビゲーションメニューから Governance をクリックし、ポリシー表のリストを表示します。ポリシー違反表で、削除するポリシーの Actions アイコンをクリックします。

    Remove をクリックします。Remove policy ダイアログボックスから Remove policy をクリックします。

3.7.3.1. コンソールからのポリシーセットの削除

Policy sets タブから、ポリシーセットの Actions アイコンを選択します。Delete をクリックすると、Permanently delete Policyset? ダイアログボックスが表示されます。

Delete ボタンをクリックします。

他のポリシーの管理については、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。ポリシーに関する他のトピックについては、ガバナンス を参照してください。

3.7.4. ポリシーによって作成されたリソースのクリーンアップ

ポリシーによって作成されたリソースをクリーンアップするには、設定ポリシーで pruneObjectBehavior パラメーターを使用します。pruneObjectBehavior が設定されている場合、関連するオブジェクトは、関連する設定ポリシー (または親ポリシー) が削除された後にのみクリーンアップされます。パラメーターに使用できる値について、次の説明を参照してください。

  • DeleteIfCreated: ポリシーによって作成されたすべてのリソースをクリーンアップします。
  • DeleteAll: ポリシーによって管理されるすべてのリソースをクリーンアップします。
  • None: これはデフォルト値であり、関連するリソースが削除されない以前のリリースと同じ動作を維持します。

CLI からポリシーを作成するときに、値を YAML で直接設定できます。コンソールから、Policy templates ステップの Prune Object Behavior セクションで値を選択できます。

注記: Operator をインストールするポリシーが、定義された pruneObjectBehavior パラメーターを使用する場合、Operator のアンインストールを完了するには、追加のクリーンアップが必要です。追加のクリーンアップには、Operator ClusterServiceVersion オブジェクトの削除が含まれる場合があります。

3.8. 設定ポリシーの管理

設定ポリシーの作成、適用、表示、および更新について説明します。

必要なアクセス権限: 管理者およびクラスター管理者

3.8.1. 設定ポリシーの作成

設定ポリシーの YAML ファイルは、コマンドラインインターフェイス (CLI) またはコンソールから作成できます。

既存の Kubernetes マニフェストがある場合は、ポリシージェネレーターを使用して、ポリシーにマニフェストを自動的に含めることを検討してください。ポリシージェネレーター ドキュメントを参照してください。設定ポリシーの作成は、以下のセクションを参照してください。

3.8.1.1. CLI からの設定ポリシーの作成

CLI から設定ポリシーを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 設定ポリシーの YAML ファイルを作成します。以下のコマンドを実行します。

    kubectl create -f configpolicy-1.yaml

    設定ポリシーは以下のようになります。

    apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
    kind: Policy
    metadata:
      name: policy-1
      namespace: my-policies
    policy-templates:
    - apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1
      kind: ConfigurationPolicy
      metadata:
        name: mustonlyhave-configuration
      spec:
        namespaceSelector:
          include: ["default"]
          exclude: ["kube-*"]
        remediationAction: inform
        disabled: false
        complianceType: mustonlyhave
        object-templates:
        ...
  2. 以下のコマンドを実行してポリシーを適用します。

    kubectl apply -f <policy-file-name>  --namespace=<namespace>
  3. 以下のコマンドを実行してポリシーのリストを確認します。

    kubectl get policies.policy.open-cluster-management.io --namespace=<namespace>

設定ポリシーが作成されました。

3.8.1.2. CLI からの設定ポリシーの表示

CLI から設定ポリシーを表示するには、以下の手順を実行します。

  1. 以下のコマンドを実行して、特定の設定ポリシーの詳細を表示します。

    kubectl get policies.policy.open-cluster-management.io <policy-name> -n <namespace> -o yaml
  2. 以下のコマンドを実行して、設定ポリシーの詳細を表示します。

    kubectl describe policies.policy.open-cluster-management.io <name> -n <namespace>
3.8.1.3. コンソールからの設定ポリシーの作成

コンソールから設定ポリシーを作成すると、YAML エディターで YAML ファイルも作成されます。

コンソールからクラスターにログインし、ナビゲーションメニューから Governance を選択します。

Create policy をクリックします。仕様パラメーターの設定ポリシーのいずれかを選択して、作成するポリシーを指定します。

ポリシーフォームを完了して、設定ポリシーの作成を続行します。以下のフィールドに適切な値を入力するか、選択します。

  • Name
  • Specifications
  • Cluster selector
  • Remediation action
  • Standards
  • Categories
  • Controls

Create をクリックします。設定ポリシーが作成されました。

3.8.1.4. コンソールからの設定ポリシーの表示

コンソールから設定ポリシーおよびそのステータスを表示します。

コンソールからクラスターにログインしたら、Governance を選択してポリシー表の一覧を表示します。注記: ポリシー表の一覧をフィルタリングするには、All policies タブまたは Cluster violationsタブを選択します。

詳細を表示するポリシーを 1 つ選択します。DetailsClusters、および Templates タブが表示されます。

3.8.2. 設定ポリシーの更新

設定ポリシーの更新については、以下のセクションを参照してください。

3.8.2.1. 設定ポリシーの無効化

設定ポリシーを無効にします。前述の説明と同様に、ログインし、ガバナンス ページに移動します。

表リストから設定ポリシーの Actions アイコンを選択し、Disable をクリックします。Disable Policy ダイアログボックスが表示されます。

Disable policy をクリックします。

設定ポリシーが無効になっています。

3.8.3. 設定ポリシーの削除

CLI またはコンソールから設定ポリシーを削除します。

  • CLI から設定ポリシーを削除します。

    1. 以下のコマンドを実行して設定ポリシーを削除します。

      kubectl delete policies.policy.open-cluster-management.io <policy-name> -n <namespace>

      ポリシーを削除すると、ターゲットクラスターから削除されます。

    2. 以下のコマンドを実行して、ポリシーが削除されていることを確認します。
    kubectl get policies.policy.open-cluster-management.io <policy-name> -n <namespace>
  • コンソールから設定ポリシーを削除します。

    ナビゲーションメニューから Governance をクリックし、ポリシー表のリストを表示します。

    ポリシー違反表で、削除するポリシーの Actions アイコンをクリックします。次に、Remove をクリックします。Remove policy ダイアログボックスから、Remove policy をクリックします。

ポリシーが削除されました。

CM-Configuration-Management フォルダーから RedHat Advanced Cluster Management でサポート対象の設定ポリシーのサンプルを参照してください。

または、サンプル設定ポリシーの表 を参照して、コントローラーによってモニターされる他の設定ポリシーを確認することもできます。他のポリシーの管理については、セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。

3.9. gatekeeper Operator ポリシーの管理

gatekeeper Operator ポリシーを使用して、マネージドクラスターに gatekeeper Operator および gatekeeper をインストールします。以下のセクションでは、gatekeeper Operator ポリシーの作成、表示、および更新について説明します。

必要なアクセス権限: クラスターの管理者

3.9.1. Gatekeeper Operator ポリシーを使用した Gatekeeper のインストール (非推奨)

ガバナンスフレームワークを使用して gatekeeper Operator をインストールします。gatekeeper Operator は OpenShift Container Platform カタログで利用できます。詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントOperator のクラスターへの追加 を参照してください。

設定ポリシーコントローラーを使用して gatekeeper Operator ポリシーをインストールします。インストール時に、Operator グループおよびサブスクリプションは gatekeeper Operator をプルし、これをマネージドクラスターにインストールします。次に、gatekeeper Operator は gatekeeper CR を作成して gatekeeper を設定します。gatekeeper Operator CR の例を表示します。

gatekeeper Operator ポリシーは、Red Hat Advanced Cluster Management 設定ポリシーコントローラーによって監視されます。ここでは、enforce 修復アクションがサポートされます。gatekeeper Operator ポリシーは、enforce に設定されるとコントローラーによって自動的に作成されます。

3.9.2. コンソールからの gatekeeper ポリシーの作成

コンソールから gatekeeper ポリシーを作成して、インストールします。または、サンプル YAML を表示して、policy-gatekeeper-operator.yaml をデプロイすることもできます。

クラスターにログインしたら、Governance ページに移動します。

Create policy を選択します。フォームを完了したら、Specifications フィールドから Gatekeeper Operator を選択します。ポリシーのパラメーター値が自動的に設定され、ポリシーはデフォルトで inform に設定されます。gatekeeper をインストールするには、修復アクションを enforce に設定します。

注記: デフォルト値は Operator によって生成されます。gatekeeper Operator ポリシーに使用できるオプションのパラメーターの説明については、Gatekeeper Helm Chart を参照してください。

3.9.2.1. gatekeeper Operator CR
apiVersion: operator.gatekeeper.sh/v1alpha1
kind: Gatekeeper
metadata:
  name: gatekeeper
spec:
  audit:
    replicas: 1
    logLevel: DEBUG
    auditInterval: 10s
    constraintViolationLimit: 55
    auditFromCache: Enabled
    auditChunkSize: 66
    emitAuditEvents: Enabled
    resources:
      limits:
        cpu: 500m
        memory: 150Mi
      requests:
        cpu: 500m
        memory: 130Mi
  validatingWebhook: Enabled
  webhook:
    replicas: 2
    logLevel: ERROR
    emitAdmissionEvents: Enabled
    failurePolicy: Fail
    resources:
      limits:
        cpu: 480m
        memory: 140Mi
      requests:
        cpu: 400m
        memory: 120Mi
  nodeSelector:
    region: "EMEA"
  affinity:
    podAffinity:
      requiredDuringSchedulingIgnoredDuringExecution:
        - labelSelector:
            matchLabels:
              auditKey: "auditValue"
          topologyKey: topology.kubernetes.io/zone
  tolerations:
    - key: "Example"
      operator: "Exists"
      effect: "NoSchedule"
  podAnnotations:
    some-annotation: "this is a test"
    other-annotation: "another test"

3.9.3. gatekeeper および gatekeeper Operator のアップグレード

gatekeeper および gatekeeper Operator のバージョンをアップグレードできます。gatekeeper Operator を gatekeeper Operator ポリシーを使用してインストールする場合は、installPlanApproval の値に注意してください。installPlanApprovalAutomatic に設定されている場合は、Operator は自動的にアップグレードされます。

installPlanApprovalManual に設定されている場合は、各クラスターの gatekeeper Operator のアップグレードを手動で承認する必要があります。

3.9.4. gatekeeper Operator ポリシーの更新

次のセクションを参照して、gatekeeper Operator ポリシーを更新する方法を確認してください。

3.9.4.1. コンソールからの gatekeeper Operator ポリシーの表示

コンソールから gatekeeper Operator ポリシーおよびそのステータスを表示します。

コンソールからクラスターにログインしたら、Governance をクリックし、ポリシー表の一覧を表示します。注記: ポリシー表の一覧をフィルタリングするには、Policies タブまたは Cluster violations タブを選択します。

詳細を表示するには、 policy-gatekeeper-operator ポリシーを選択します。Clusters タブを選択して、ポリシー違反を表示します。

3.9.4.2. gatekeeper Operator ポリシーの無効化

gatekeeper Operator ポリシーを無効にします。

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes コンソールにログインしたら、Governance ページに移動し、ポリシー表のリストを表示します。

policy-gatekeeper-operator ポリシーの Actions アイコンを選択し、Disable をクリックします。Disable Policy ダイアログボックスが表示されます。

Disable policy をクリックします。policy-gatekeeper-operator ポリシーが無効になりました。

3.9.5. gatekeeper Operator ポリシーの削除

CLI またはコンソールから gatekeeper Operator ポリシーを削除します。

  • CLI から gatekeeper Operator ポリシーを削除します。

    1. 以下のコマンドを実行し、gatekeeper Operator ポリシーを削除します。

      kubectl delete policies.policy.open-cluster-management.io <policy-gatekeeper-operator-name> -n <namespace>

      ポリシーを削除すると、ターゲットクラスターから削除されます。

    2. 以下のコマンドを実行して、ポリシーが削除されていることを確認します。

      kubectl get policies.policy.open-cluster-management.io <policy-gatekeeper-operator-name> -n <namespace>
  • コンソールから gatekeeper Operator ポリシーを削除します。

    Governance ページに移動し、ポリシー表の一覧を表示します。

    前のコンソールの手順と同様に、policy-gatekeeper-operator ポリシーの Actions アイコンをクリックします。Remove をクリックしてポリシーを削除します。Remove policy ダイアログボックスから、Remove policy をクリックします。

gatekeeper Operator ポリシーが削除されました。

3.9.6. gatekeeper ポリシー、gatekeeper、および gatekeeper Operator ポリシーのアンインストール

gatekeeper ポリシー、gatekeeper、および gatekeeper Operator ポリシーをアンインストールするには、以下の手順を実行します。

  1. マネージドクラスターに適用される gatekeeper Constraint および ConstraintTemplate を削除します。

    1. gatekeeper Operator ポリシーを編集します。gatekeeper Constraint および ConstraintTemplate の作成に使用した ConfigurationPolicy テンプレートを見つけます。
    2. ConfigurationPolicy テンプレートの complianceType の値を mustnothave に変更します。
    3. ポリシーを保存して適用します。
  2. マネージドクラスターから gatekeeper インスタンスを削除します。

    1. gatekeeper Operator ポリシーを編集します。gatekeeper カスタムリソース (CR) の作成に使用した ConfigurationPolicy テンプレートを見つけます。
    2. ConfigurationPolicy テンプレートの complianceType の値を mustnothave に変更します。
  3. マネージドクラスターにある gatekeeper Operator を削除します。

    1. gatekeeper Operator ポリシーを編集します。サブスクリプション CR の作成に使用した ConfigurationPolicy テンプレートを見つけます。
    2. ConfigurationPolicy テンプレートの complianceType の値を mustnothave に変更します。

gatekeeper ポリシー、gatekeeper、および gatekeeper Operator ポリシーはアンインストールされました。

gatekeeper の詳細は gatekeeper 制約および制約テンプレートの統合 を参照してください。サードパーティーポリシーと製品の統合に関する詳細は、サードパーティーポリシーコントローラーの統合 を参照してください。

3.10. 切断された環境でのオペレーターポリシーの管理

インターネットに接続していない (切断) Red Hat OpenShift Container Platform クラスターに Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes ポリシーをデプロイしないといけない場合があります。デプロイメントするポリシーを使用して、Operator Lifecycle Manager オペレーターをインストールするポリシーをデプロイメントする場合は、Operator カタログのミラーリング の手順に従う必要があります。

次の手順を実行して、オペレーターイメージへのアクセスを検証します。

  1. ポリシーで使用するために必要なパッケージが利用可能であることを検証するには、必要なパッケージが利用可能であることの確認 を参照してください。次のポリシーがデプロイされているマネージドクラスターで使用される各イメージレジストリーの可用性を検証する必要があります。

    • container-security-operator
    • gatekeeper-operator-product
    • compliance-operator
  2. ソースが利用可能であることを検証するには、イメージコンテンツソースポリシーの設定 を参照してください。イメージコンテンツソースポリシーは、切断されたマネージドクラスターのそれぞれに存在する必要があり、プロセスを簡素化するためにポリシーを使用してデプロイできます。次のイメージソースの場所の表を参照してください。

    ガバナンスポリシーの種類イメージソースの場所

    コンテナーのセキュリティー

    registry.redhat.io/quay

    コンプライアンス

    registry.redhat.io/compliance

    ゲートキーパー

    registry.redhat.io/rhacm2

3.11. ハブクラスターのセキュリティー保護

ハブクラスターセキュリティーを強化し、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes インストールのセキュリティーを保護します。以下の手順を実行します。

  1. Red Hat OpenShift Container Platform のセキュリティーを確保します。詳細は、OpenShift Container Platform のセキュリティーおよびコンプライアンス を参照してください。
  2. ロールベースアクセス制御 (RBAC) を設定します。詳細は、ロールベースのアクセス制御 を参照してください。
  3. 証明書をカスタマイズします。(証明書 を参照)。
  4. クラスターの認証情報を定義します。(認証情報の管理 を参照)。
  5. クラスターのセキュリティー強化に利用できるポリシーを確認します。サポート対象のポリシー を参照してください。

3.12. 整合性シールド保護 (テクノロジープレビュー)

整合性シールドは、整合性管理をサポートするツールで、リソースの作成または更新要求に対する署名検証を有効にします。整合性シールドは Open Policy Agent (OPA) および Gatekeeper をサポートし、要求に署名があるかどうかを検証して、定義した制約に従って不正な要求をブロックします。

以下の整合性シールド機能を参照してください。

  • 承認された Kubernetes マニフェストのデプロイメントのみをサポートします。
  • リソースが許可リストに追加されていない限り、リソース設定のゼロドリフトをサポートします。
  • 受付コントローラーの実施など、クラスターで全整合性の検証を実行します。
  • リソースを継続的に監視して、不正な Kubernetes リソースがクラスターにデプロイされているかどうかを報告します。
  • Kubernetes マニフェスト YAML ファイルの署名には、X509、GPG、および Sigstore の署名がサポートされます。Kubernetes 整合性シールドは、k8s-manifest-sigstore を使用して署名した Sigstore をサポートします。

3.12.1. 整合性シールドアーキテクチャー

整合性シールドは、API と Observer の 2 つの主要なコンポーネントで設定されます。整合性シールド Operator は、クラスター上の整合性シールドコンポーネントのインストールおよび管理をサポートします。以下のコンポーネントの説明を確認してください。

  • 整合性シールド API は OPA または gatekeeper から Kubernetes リソースを受信し、受付要求に含まれるリソースを検証して検証結果を OPA または gatekeeper に送信します。整合性シールド API は k8s-manifest-sigstoreverify-resource 機能を使用して、Kubernetes マニフェスト YAML ファイルを検証します。整合性シールド API は、ManifestingIntegrityConstraint (OPA または gatekeeper の制約フレームワークをベースとするカスタムリソース) に従ってリソースを検証します。
  • 整合性シールドオブザーバー は、ManifestingIntegrityConstraint リソースに合わせてクラスター上の Kubernetes りそーすを継続的に検証し、ManifestIntegrityState と呼ばれるリソースに結果をエクスポートします。整合性シールドオブザーバーも k8s-manifest-sigstore を使用して署名を検証します。

3.12.2. サポート対象バージョン

以下の製品バージョンは、整合性シールドの保護をサポートします。

詳細は 整合性シールド保護の有効化 (テクノロジープレビュー) を参照してください。

3.12.3. 整合性シールド保護の有効化 (テクノロジープレビュー)

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes クラスターで整合性シールド保護を有効にして、Kubernetes リソースの整合性を保護します。

3.12.3.1. 前提条件

Red Hat Advanced Cluster Management マネージドクラスターで整合性シールド保護を有効にするには、以下の前提条件を満たす必要がある。

  • マネージドクラスターが含まれる Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターをインストールしており、そのクラスターに対して oc または kubectl コマンドを使用するためのクラスター管理者権限がある。
  • 整合性シールドをインストールする。整合性シールドをインストールする前に、Open Policy Agent または gatekeeper をクラスターにインストールする必要がある。整合性シールド Operator をインストールするには、以下の手順を実行する。

    1. 以下のコマンドを実行して、整合性シールドの namespace に整合性シールド Operator をインストールする。

      kubectl create -f https://raw.githubusercontent.com/open-cluster-management/integrity-shield/master/integrity-shield-operator/deploy/integrity-shield-operator-latest.yaml
    2. 以下のコマンドを使用して、整合性シールドカスタムリソースをインストールする。

      kubectl create -f https://raw.githubusercontent.com/open-cluster-management/integrity-shield/master/integrity-shield-operator/config/samples/apis_v1_integrityshield.yaml -n integrity-shield-operator-system
    3. 整合性シールドには、クラスターで保護する必要があるリソースの署名および検証用の鍵のペアが必要である。署名と検証キーペアを設定する。

      • 以下のコマンドを使用して新規の GPG キーを生成する。

        gpg --full-generate-key
      • 以下のコマンドを使用して、新しい GPG 公開鍵をファイルにエクスポートする。

        gpg --export signer@enterprise.com > /tmp/pubring.gpg
  • yq をインストールして、Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーに署名するスクリプトを実行する。
  • Integrity-shield 保護を有効にし、Red Hat Advanced Cluster Management に署名することで、integrity-shield リポジトリーからのソースの取得およびコミットが含まれる。Git をインストールする必要がある。
3.12.3.2. 整合性シールド保護の有効化

Red Hat Advanced Cluster Management マネージドクラスターで整合性シールドを有効にするには、以下の手順を実行します。

  1. ハブクラスターに整合性シールド用の namespace を作成します。以下のコマンドを実行します。

    oc create ns your-integrity-shield-ns
  2. 検証キーを Red Hat Advanced Cluster Management マネージドクラスターにデプロイします。なお、署名キーおよび検証キーを作成する必要があります。ハブクラスターで acm-verification-key-setup.sh を実行して検証キーを設定します。以下のコマンドを実行します。

    curl -s  https://raw.githubusercontent.com/stolostron/integrity-shield/master/scripts/ACM/acm-verification-key-setup.sh | bash -s \
              --namespace integrity-shield-operator-system  \
              --secret keyring-secret  \
              --path /tmp/pubring.gpg \
              --label environment=dev  |  oc apply -f -

    検証キーを削除するには、以下のコマンドを実行します。

    curl -s  https://raw.githubusercontent.com/stolostron/integrity-shield/master/scripts/ACM/acm-verification-key-setup.sh | bash -s - \
              --namespace integrity-shield-operator-system  \
              --secret keyring-secret  \
              --path /tmp/pubring.gpg \
              --label environment=dev  |  oc delete -f -
  3. ハブクラスターに policy-integrity-shield という名前の Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーを作成します。

    1. policy-collection リポジトリーから policy-integrity-shield ポリシーを取得します。リポジトリーをフォークしてください。
    2. remediationAction パラメーターの値を inform から enforce に更新して、Red Hat Advanced Cluster Management マネージドクラスターに整合性シールドをデプロイするように namespace を設定します。
    3. signerConfig セクションを更新して、署名および検証キーのメールを設定します。
    4. 整合性シールドをデプロイする Red Hat Advanced Cluster Management マネージドクラスターを決定する PlacementRule を設定します。
    5. 以下のコマンドを実行して、policy-integrity-shield.yaml を署名します。

      curl -s  https://raw.githubusercontent.com/stolostron/integrity-shield/master/scripts/gpg-annotation-sign.sh | bash -s \
               signer@enterprise.com \
               policy-integrity-shield.yaml

      注記: ポリシーを変更し、他のクラスターに適用する場合は、常に新規署名を作成する必要があります。そうでない場合は、変更はブロックされ、適用されません。

サンプルについては、policy-integrity-shield ポリシーを参照してください。

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