リリースノート
このバージョンのリリースノート
概要
第1章 リリースノート
現在のリリースについて学びます。
非推奨: Red Hat Advanced Cluster Management の 2.8 以前のバージョンはサポートされなくなりました。ドキュメントはそのまま利用できますが、エラータやその他の更新は提供されません。
ベストプラクティス: Red Hat Advanced Cluster Management の最新バージョンにアップグレードします。
現在サポートされているリリースのいずれか、製品ドキュメントで問題が発生した場合は、Red Hat サポート にアクセスして、トラブルシューティングを行ったり、ナレッジベース の記事を表示したり、サポートチームに連絡したり、ケースを開いたりすることができます。認証情報でログインする必要があります。Red Hat Customer Portal FAQ で、カスタマーポータルのドキュメントの詳細を確認することもできます。
1.1. Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes の新機能
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes では、可観測性を提供し、ビルトインされたガバナンス、クラスターおよびアプリケーションライフサイクル管理で、Kubernetes ドメイン全体を可視化します。今回のリリースでは、より多くの環境でのクラスター管理、アプリケーション向けの GitOps 統合などが可能になりました。
重要: 一部の機能およびコンポーネントは テクノロジープレビュー として指定され、リリースされます。
1.1.1. インストール
Operator Lifecycle Manager の OperatorCondition
リソースを利用して、効率的な Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes アップグレード手順を強制実行できるようになりました。これにより、リリースが省略されることを回避できます。詳細は、アップグレード を参照してください。
1.1.2. Web コンソール
- クラスターアドオンに関する情報は、Overview ページから取得できます。可用性と正常性に関する情報は、Cluster add-ons をクリックすると確認できます。
- Grafana コンポーネントがバージョン 8.1.3 から 8.5.20 にアップグレードされました。Grafana バージョンの確認 を参照してください。
-
認証情報を作成するときに内部認証局を追加すると、その証明書情報を使用して
clouds.yaml
が自動的に更新されるようになりました。 -
search-api
とsearch_indexer
がメトリクスを公開するようになりました。コンソールでの検索の概要 を参照してください。 -
envVar
セクションを使用して検索 Pod の環境変数を複数追加し、名前を付ける各変数の値を指定します。検索のカスタマイズと設定 を参照してください。 -
prometheus-alertmanager
が' v0.25.0 にアップグレードされました。 - Thanos が v0.31.0 にアップグレードされました。
- 複数のノードを選択して、Utilization ダッシュボードから表示できるようになりました。
- Grafana ダッシュボード内を移動しても、フィルターと時間範囲はそのまま保持されます。
- サービスが有効な場合、Alert Analysis、Clusters by Alert、Alerts by Cluster の 3 つのダッシュボードが提供されます。
- 新しい Remove automation template オプションがクラスターページで使用できるようになりました。
- 選択に基づき、Automation および Policy Automation エディターから説明、Ansible テンプレートへのリンク、インベントリーを受信できるようになりました。
Web コンソールからの可観測性に関するその他のトピックについては、可観測性サービスの概要 を参照してください。
1.1.3. Cluster
クラスターのライフサイクルコンポーネントと機能は、クラスターフリートの管理を強化するソフトウェア Operator であるマルチクラスターエンジン Operator 内にあります。マルチクラスターエンジン Operator は、クラウドおよびデータセンター全体の Red Hat OpenShift Container Platform および Kubernetes クラスターライフサイクル管理をサポートします。このテクノロジーでは、OpenShift Container Platform が前提条件です。
クラスターライフサイクルの概要 でリリースノート、タスク、およびサポート情報を表示します。
1.1.4. アプリケーション
-
Argo CD プルモデルを使用すると、プッシュモデルに使用されるのと同じ
ApplicationSet
CRD を使用して、ハブクラスターから各マネージドクラスターにリソースをデプロイできます。Pull モデルの実装では、OpenShift Cluster Manager の登録、配置、manifestWork
API が適用され、ハブクラスターがハブクラスターとマネージドクラスター間の安全な通信チャネルを使用してリソースをデプロイできるようになります。詳細は、プッシュアンドプルモデルを使用した Argo CD のデプロイ を参照してください。 - アプリケーション配置許容を設定して、アプリケーションを Red Hat OpenShift GitOps にデプロイするマネージドクラスターを登録します。詳細は Red Hat Advanced Cluster Management および OpenShift GitOps のアプリケーション配置許容範囲の設定 を参照してください。
他のアプリケーションのトピックは、アプリケーションの管理 を参照してください。
1.1.5. ガバナンス
- ポリシーおよびポリシーセットの配置ラベルセレクターを指定するとともに、ポリシーを複製するときに余分なメタデータを削除するようにポリシージェネレーターを設定できるようになりました。詳細は、ポリシージェネレーター設定の参照テーブル を参照してください。
-
copyConfigMapData
関数とcopySecretData
関数を使用して、特定の ConfigMap またはシークレットのデータコンテンツをコピーします。詳細は、テンプレート関数 を参照してください。 - ポリシーテンプレートに複数の YAML 文字列を追加します。詳細は、設定ポリシー YAML テーブル を参照してください。
-
これで、
policy.open-cluster-management.io/description
アノテーションを使用して、ポリシーの説明を作成、編集、表示できるようになりました。コンソールからのクラスターセキュリティーポリシーの作成 を参照してください。 -
ポリシーの伝播時に、ハブクラスターテンプレートで
.ManagedClusterLabels
変数を使用して、マネージドクラスターからラベル値を検索します。比較表は、ハブクラスターとマネージドクラスターテンプレートの比較 セクションで確認できます。 - Red Hat Advanced Cluster Management ポリシーを使用することで、ハブクラスター上でのマルチクラスターディストリビューションと Gatekeeper 監査結果の集約に Gatekeeper の統合を活用できます。gatekeeper 制約と制約テンプレートの統合 を参照してください。
- API サーバーの要求とバーストのレートを設定して、設定ポリシーコントローラーの応答性を変更できます。詳細は、API サーバーへの要求のレート設定 を参照してください。
- Red Hat OpenShift Platform Plus ポリシーセットを適用して Red Hat OpenShift Platform Plus をインストールします。詳細は、Red Hat OpenShift Platform Plus ポリシーセット を参照してください。
ダッシュボードとポリシーフレームワークに関する詳細は、ガバナンス を参照してください。
1.1.6. アドオン
- Rsync-TLS レプリケーションを使用して永続ボリュームをレプリケートできるようになりました。Rsync-TLS は、セキュリティーを強化するために stunnel が指定する TLS で保護されたトンネルを使用します。詳細は、Rsync-TLS レプリケーションの設定 を参照してください。
1.1.7. バックアップおよび復元
ハブクラスターの災害復旧ソリューションは、バックアップと復元 を参照してください。
1.1.8. このリリースの詳細
- Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes へようこそ から Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes の概要を確認してください。
- Red Hat Advanced Cluster Management リリースノート の 既知の問題と制限 など、その他のリリースノートを参照してください。
- 製品の主要なコンポーネントは、マルチクラスターアーキテクチャー のトピックを参照してください。
- サポート情報などは、Red Hat Advanced Cluster Management トラブルシューティング ガイドを参照してください。
- オープンコミュニティーからの相互作用、成長、および貢献のために、オープンソースの Open Cluster Management リポジトリーにアクセスします。open-cluster-management.io を参照してください。詳細は、GitHub リポジトリー にアクセスしてください。
1.2. エラータの更新
デフォルトでは、エラータの更新はリリース時に自動的に適用されます。リリースが入手可能になれば、詳細がここに公開されます。
重要: 参考までに、エラータ リンクと Jira 番号がコンテンツに追加され、内部で使用される可能性があります。ユーザーは、アクセス権が必要なリンクを利用できない可能性があります。
FIPS の通知: spec.ingress.sslCiphers
で独自の暗号を指定しない場合、multiclusterhub-operator
は暗号のデフォルトリストを提供します。2.4 の場合には、このリストには、FIPS 承認されていない暗号が 2 つ含まれます。バージョン 2.4.x 以前からアップグレードし、FIPS コンプライアンスが必要な場合は、multiclusterhub
リソースから、以下の 2 つの暗号 (ECDHE-ECDSA-CHACHA20-POLY1305
および ECDHE-RSA-CHACHA20-POLY1305
) を削除します。
アップグレードの詳細は、Operator を使用したアップグレード を参照してください。
1.2.1. Errata 2.12.1
- 1 つ以上の製品コンテナーイメージに更新を配信します。
1.2.2. Errata 2.12.1
- ポリシーが削除されて再作成される問題を迅速に修正し、コンプライアンスステータスがマネージドクラスターに正しく反映されません。(ACM-14863)
-
PlacementRule
リソースがない場合にコンソールがクラッシュしないように、null チェックを追加します。(ACM-14863) -
障害発生時にユーザーが
clusterversion
の更新を再試行できるようにする retry オプションを追加します。(ACM-14863) - 1 つ以上の製品コンテナーイメージに更新を配信します。
1.2.3. Errata 2.12.1
1.2.4. Errata 2.12.1
- リソースが間違った順序で復元された問題を修正します。(ACM-8857)
-
config-policy-controller-uninstall
Pod のステータスが正しくないため、アンインストール時に遅延が発生する問題を修正しました。(ACM-14863) - 1 つ以上の製品コンテナーイメージに更新を配信します。
1.2.5. Errata 2.12.1
- 1 つ以上の製品コンテナーイメージに更新を配信します。
1.2.6. Errata 2.12.1
- 1 つ以上の製品コンテナーイメージとセキュリティー修正プログラムの更新を提供します。
1.2.7. エラータ 2.8.2
1.2.8. エラータ 2.8.1
- 1 つ以上の製品コンテナーイメージとセキュリティー修正プログラムの更新を提供します。
- ルートポリシーステータスがなくなる問題を修正しました。(ACM-14863)
1.3. 既知の問題
アプリケーション管理に関する既知の問題を確認します。以下のリストには、このリリースの既知の問題、または以前のリリースから持ち越された既知の問題が記載されています。
Red Hat OpenShift Container Platform クラスターは、OpenShift Container Platform の既知の問題 を参照してください。
非推奨と削除の詳細は、非推奨と削除 を参照してください。
クラスター管理または クラスターのライフサイクル は、{produt-title-short} の有無にかかわらず、マルチクラスターエンジンオペレーターによって提供されます。以下は、{produt-title-short} にのみ適用される、クラスター管理に関する既知の問題と制限事項です。クラスター管理の既知の問題のほとんどは、クラスターライフサイクルの既知の問題 にあるクラスターライフサイクルのドキュメントに記載されています。
1.3.1. インストール関連の既知の問題
インストールに関する既知の問題を確認してください。以下のリストには、このリリースの既知の問題、または以前のリリースから持ち越された既知の問題が記載されています。
Red Hat OpenShift Container Platform クラスターは、OpenShift Container Platform の既知の問題[OpenShift Container Platform known issues] を参照してください。
非推奨と削除の詳細は、非推奨と削除 を参照してください。
1.3.1.1. エラータリリースへのアップグレード後も非推奨のリソースが残る
2.4.x から 2.5.x にアップグレードしてから 2.6.x にアップグレードした後、マネージドクラスターの namespace に非推奨のリソースが残る場合があります。バージョン 2.6.x が 2.4.x からアップグレードされた場合、これらの非推奨のリソースを手動で削除する必要があります。
注記: バージョン 2.5.x からバージョン 2.6.x にアップグレードする前に、30 分以上待つ必要があります。
コンソールから削除するか、削除するリソースに対して次の例のようなコマンドを実行できます。
oc delete -n <managed cluster namespace> managedclusteraddons.addon.open-cluster-management.io <resource-name>
残っている可能性のある非推奨のリソースのリストを参照してください。
managedclusteraddons.addon.open-cluster-management.io: policy-controller manifestworks.work.open-cluster-management.io: -klusterlet-addon-appmgr -klusterlet-addon-certpolicyctrl -klusterlet-addon-crds -klusterlet-addon-iampolicyctrl -klusterlet-addon-operator -klusterlet-addon-policyctrl -klusterlet-addon-workmgr
1.3.1.2. Red Hat Advanced Cluster Management のアップグレード後に Pod が復旧しないことがある
Red Hat Advanced Cluster Management を新しいバージョンにアップグレードした後、StatefulSet
に属するいくつかの Pod が failed
状態のままになることがあります。このまれなイベントは、Kubernetes の既知の問題 が原因です。
この問題の回避策として、失敗した Pod を削除します。Kubernetes は、正しい設定で自動的に再起動します。
1.3.1.3. OpenShift Container Platform クラスターのアップグレード失敗のステータス
OpenShift Container Platform クラスターがアップグレードの段階に入ると、クラスター Pod は再起動され、クラスターのステータスが 1-5 分ほど、upgrade failed
のままになることがあります。この動作は想定されており、数分後に解決されます。
1.3.1.4. MultiClusterEngine の作成ボタンが機能しない
Red Hat OpenShift Container Platform コンソールに Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes をインストールすると、ポップアップウィンドウに次のメッセージが表示されます。
MultiClusterEngine required
Create a MultiClusterEngine instance to use this Operator.
ポップアップウィンドウメッセージの Create MultiClusterEngine ボタンが機能しない場合があります。この問題を回避するには、提供された API セクションの MultiClusterEngine タイルで インスタンスの作成 を選択します。
1.3.2. ビジネス継続性関連の既知の問題
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes の既知の問題を確認してください。以下のリストには、このリリースの既知の問題、または以前のリリースから持ち越された既知の問題が記載されています。
Red Hat OpenShift Container Platform クラスターは、OpenShift Container Platform の既知の問題[OpenShift Container Platform known issues] を参照してください。
非推奨と削除の詳細は、非推奨と削除 を参照してください。
1.3.2.1. バックアップおよび復元の既知の問題
1.3.2.1.1. cluster-proxy-addon がハブクラスターのバックアップと復元中に失敗する
Red Hat Advanced Cluster Management ハブクラスターをバックアップする場合は、これをアンインストールし、同じクラスターに再インストールしてから復元すると、cluster-proxy-addon
が機能しなくなります。Pod ログから以下のエラーメッセージが表示されます。
E0430 19:11:20.810624 1 clientset.go:188] "cannot connect once" err="rpc error: code = Unavailable desc = connection error: desc = \"transport: authentication handshake failed: tls: failed to verify certificate: x509: certificate signed by unknown authority\""
この問題を回避するには、以下の手順を実行します。
以下のコマンドを実行して
cluster-proxy-addon
を無効にします。oc patch mce multiclusterengine --type=merge -p '{"spec":{"overrides":{"components":[ {"name":"cluster-proxy-addon","enabled": false} ]}}}'
以下のコマンドを実行して、
cluster-proxy-addon
を再インストールします。oc patch mce multiclusterengine --type=merge -p '{"spec":{"overrides":{"components":[ {"name":"cluster-proxy-addon","enabled": true} ]}}}'
1.3.2.1.2. ベアメタルハブリソースは、マネージドクラスターのバックアップによってバックアップされなくなりました
Red Hat Advanced Cluster Management のバックアップおよびリストア機能を使用して、ベアメタルクラスターのリソースがバックアップされ、セカンダリーハブクラスターにリストアされる場合は、マネージドクラスターがノードに再インストールされ、既存のマネージドクラスターが壊れます。
注記: これは、ゼロタッチプロビジョニングを使用してデプロイされたベアメタルクラスターにのみ影響があります。つまり、ベアメタルノードの電源のオンとオフを管理し、起動用の仮想メディアを接続する BareMetalHost
リソースが含まれます。BareMetalHost
リソースがマネージドクラスターのデプロイメントで使用されない場合は、悪影響はありません。
この問題を回避するために、プライマリーハブクラスター上の BareMetalHost
リソースは、マネージドクラスターバックアップでバックアップされなくなりました。
別のユースケースがあり、プライマリーハブクラスター上のマネージド BareMetalHost
リソースをバックアップする場合は、プライマリーハブクラスター上の BareMetalHost
リソースにバックアップラベル cluster.open-cluster-management.io/backup
を追加します。
このバックアップラベルを使用して汎用リソースをバックアップする方法の詳細は、バックアップされるリソース のトピックを参照してください。
1.3.2.1.3. OADP 1.1.2 以降を使用すると、BackupSchedule に FailedValidation ステータスが表示される
Red Hat Advanced Cluster Management のバックアップおよび復元コンポーネントを有効にし、DataProtectionApplication
リソースを正常に作成すると、BackupStorageLocation
リソースが Available
のステータスで作成されます。OADP バージョン 1.1.2 以降を使用している場合、BackupSchedule
リソースを作成すると、次のメッセージが表示されてステータスが FailedValidation
になることがあります。
oc get backupschedule -n open-cluster-management-backup NAME PHASE MESSAGE rosa-backup-schedule FailedValidation Backup storage location is not available. Check velero.io.BackupStorageLocation and validate storage credentials.
このエラーは、BackupStorageLocation
リソースの ownerReference
の値がないために発生します。DataProtectionApplication
リソースの値は、ownerReference
の値として使用する必要があります。
この問題を回避するには、ownerReference
を BackupStorageLocation
に手動で追加します。
次のコマンドを実行して、
oadp-operator.v1.1.2
ファイルを開きます。oc edit csv -n open-cluster-management-backup oadp-operator.v1.1.2
-
OADP Operator CSV の
1
を0
に置き換えて、spec.deployments.label.spec.replicas
の値を編集します。 次の例のとおり、YAML スクリプトの
ownerReference
アノテーションにパッチを適用します。metadata: resourceVersion: '273482' name: dpa-sample-1 uid: 4701599a-cdf5-48ac-9264-695a95b935a0 namespace: open-cluster-management-backup ownerReferences: << apiVersion: oadp.openshift.io/v1alpha1 blockOwnerDeletion: true controller: true kind: DataProtectionApplication name: dpa-sample uid: 52acd151-52fd-440a-a846-95a0d7368ff7
-
spec.deployments.label.spec.replicas
の値を1
に戻し、新しい設定でデータ保護アプリケーションプロセスを開始します。
1.3.2.1.4. Velero 復元の制限
データが復元される新しいハブクラスターにユーザーが作成したリソースがある場合、新しいハブクラスターはアクティブなハブクラスターとは異なる設定を持つことができます。たとえば、バックアップデータが新しいハブクラスターで復元される前に、新しいハブクラスターで作成された既存のポリシーを含めることができます。
既存のリソースが復元されたバックアップの一部でない場合、Velero はそれらをスキップするため、新しいハブクラスターのポリシーは変更されず、新しいハブクラスターとアクティブなハブクラスターの間で異なる設定が生じます。
この制限に対処するために、クラスターのバックアップと復元のオペレーターは、restore.cluster.open-cluster-management.io
リソースが作成されたときに、ユーザーが作成したリソースをクリーンアップする復元後の操作、または別の復元操作を実行します。
詳細は、バックアップおよび復元 Operator のインストール トピックを参照してください。
1.3.2.1.5. パッシブ設定ではマネージドクラスターが表示されない
マネージドクラスターは、アクティブ化データがパッシブハブクラスターで復元された場合にのみ表示されます。
1.3.2.1.6. マネージドクラスターリソースが復元されない
local-cluster
マネージドクラスターリソースの設定を復元し、新しいハブクラスターで local-cluster
データを上書きすると、設定が正しく設定されません。リソースにはクラスター URL の詳細など、local-cluster
固有の情報が含まれているため、以前のハブクラスター local-cluster
のコンテンツはバックアップされません。
復元されたクラスターの local-cluster
リソースに関連するすべての設定変更を手動で適用する必要があります。バックアップおよび復元 Operator のインストール トピックの 新しいハブクラスターの準備 を参照してください。
1.3.2.1.7. 復元された Hive マネージドクラスターは、新しいハブクラスターに接続できない場合がある
Hive マネージドクラスターの変更またはローテーションされた認証局 (CA) のバックアップを新しいハブクラスターで復元すると、マネージドクラスターは新しいハブクラスターへの接続に失敗します。このマネージドクラスターの admin
kubeconfig
シークレット (バックアップで使用可能) が無効になっているため、接続は失敗します。
新しいハブクラスター上のマネージドクラスターの復元された admin
kubeconfig
シークレットを手動で更新する必要があります。
1.3.2.1.8. インポートされたマネージドクラスターに Pending Import ステータスが表示される
プライマリーハブクラスターに手動でインポートされたマネージドクラスターは、アクティブ化データがパッシブハブクラスターで復元されると、Pending Import
のステータスを示します。詳細は、管理されたサービスアカウントを使用したクラスターの接続 を参照してください。
1.3.2.1.9. ハブクラスターを復元した後、appliedmanifestwork がマネージドクラスターから削除されない
ハブクラスターデータが新しいハブクラスターで復元されるとき、appliedmanifestwork
は固定クラスターセットではないアプリケーションサブスクリプションの配置規則を持つマネージドクラスターから削除されません。
固定クラスターセットではないアプリケーションサブスクリプションの配置ルールの例を次に示します。
spec: clusterReplicas: 1 clusterSelector: matchLabels: environment: dev
その結果、マネージドクラスターが復元されたハブクラスターから切り離されると、アプリケーションは孤立します。
この問題を回避するには、配置ルールで固定クラスターセットを指定します。以下の例を参照してください。
spec: clusterSelector: matchLabels: environment: dev
次のコマンドを実行して、残りの appliedmanifestwork
を手動で削除することもできます。
oc delete appliedmanifestwork <the-left-appliedmanifestwork-name>
1.3.2.1.10. appliedmanifestwork は削除されず、ハブクラスター配置ルールには固定クラスターセットがない
ハブクラスターデータが新しいハブクラスターで復元されるとき、appliedmanifestwork
は固定クラスターセットではないアプリケーションサブスクリプションの配置規則を持つマネージドクラスターから削除されません。その結果、マネージドクラスターが復元されたハブクラスターから切り離されると、アプリケーションは孤立します。
固定クラスターセットではないアプリケーションサブスクリプションの配置ルールの例を次に示します。
spec: clusterReplicas: 1 clusterSelector: matchLabels: environment: dev
この問題を回避するには、配置ルールで固定クラスターセットを指定します。以下の例を参照してください。
spec: clusterSelector: matchLabels: environment: dev
次のコマンドを実行して、残りの appliedmanifestwork
を手動で削除できます。
oc delete appliedmanifestwork <the-left-appliedmanifestwork-name>
1.3.2.1.11. appliedmanifestwork が削除されず、agentID が仕様にない
Red Hat Advanced Cluster Management 2.6 をプライマリーハブクラスターとして使用しているが、リストアハブクラスターがバージョン 2.7 以降である場合、このフィールドは 2.7 リリースで導入されたため、appliedmanifestworks
の仕様に agentID
がありません。これにより、マネージドクラスターのプライマリーハブに追加の appliedmanifestworks
が生成されます。
この問題を回避するには、プライマリーハブクラスターを Red Hat Advanced Cluster Management 2.7 にアップグレードしてから、新しいハブクラスターにバックアップを復元します。
appliedmanifestwork
ごとに spec.agentID
を手動で設定して、マネージドクラスターを修正します。
次のコマンドを実行して、
agentID
を取得します。oc get klusterlet klusterlet -o jsonpath='{.metadata.uid}'
以下のコマンドを実行して、
appliedmanifestwork
ごとにspec.agentID
を設定します。oc patch appliedmanifestwork <appliedmanifestwork_name> --type=merge -p '{"spec":{"agentID": "'$AGENT_ID'"}}'
1.3.2.1.12. managed-serviceaccount アドオンステータスは Unknownと表示されます。
マネージドクラスター appliedmanifestwork
addon-managed-serviceaccount-deploy
は、新しいハブクラスターの Kubernetes Operator リソースのマルチクラスターエンジンで有効にせずに Managed Service Account を使用している場合は、インポートされたマネージドクラスターから削除されます。
マネージドクラスターは引き続き新しいハブクラスターにインポートされますが、managed-serviceaccount
アドオンのステータスは Unknown
と表示されます。
マルチクラスターエンジン Operator リソースで Managed Service Account を有効にした後、managed-serviceaccount
アドオンを回復できます。Managed Service Account を有効にする方法は、自動インポートの有効化 を参照してください。
1.3.3. コンソール関連の既知の問題
コンソールの既知の問題を確認してください。以下のリストには、このリリースの既知の問題、または以前のリリースから持ち越された既知の問題が記載されています。
Red Hat OpenShift Container Platform クラスターは、OpenShift Container Platform の既知の問題 を参照してください。
非推奨と削除の詳細は、非推奨と削除 を参照してください。
1.3.3.1. PostgreSQL Pod の CrashLoopBackoff 状態を検索する
search-postgres
Pod は CrashLoopBackoff
状態です。Red Hat Advanced Cluster Management が hugepages
パラメーターが有効になっているノードを含むクラスターにデプロイされており、これらのノードで search-postgres
Pod がスケジュールされている場合、Pod は起動しません。
search-postgres
Pod のメモリーを増やすには、次の手順を実行します。
以下のコマンドを使用して
search-operator
Pod を一時停止します。oc annotate search search-v2-operator search-pause=true
hugepages
パラメーターの制限を使用して、search-postgres
デプロイメントを更新します。次のコマンドを実行して、hugepages
パラメーターを512Mi
に設定します。oc patch deployment search-postgres --type json -p '[{"op": "add", "path": "/spec/template/spec/containers/0/resources/limits/hugepages-2Mi", "value":"512Mi"}]'
Pod のメモリー使用量を確認する前に、
search-postgres
Pod がRunning
状態にあることを確認します。以下のコマンドを実行します。oc get pod <your-postgres-pod-name> -o jsonpath="Status: {.status.phase}"
次のコマンドを実行して、
search-postgres
Pod のメモリー使用量を確認します。oc get pod <your-postgres-pod-name> -o jsonpath='{.spec.containers[0].resources.limits.hugepages-2Mi}'
512Mi
の値が表示されます。
1.3.3.2. コンソール機能は Firefox の以前のバージョンで表示されない場合がある
以前のバージョンの Firefox のダークテーマスタイルには、既知の問題があります。コンソールの互換性を最適化するため、最新版にアップグレードしてください。
詳しくは、サポートされているブラウザー を参照してください。
1.3.3.3. searchcustomization におけるストレージサイズの制限
searchcustomization
CR でストレージサイズを更新する場合、PVC 設定は変更されません。ストレージサイズを更新する必要がある場合は、以下のコマンドで PVC (<storageclassname>-search-redisgraph-0
) を更新します。
oc edit pvc <storageclassname>-search-redisgraph-0
1.3.3.4. 検索クエリーの解析エラー
環境が大規模になり、スケーリングのためにさらに多くのテストが必要になると、検索クエリーがタイムアウトになり、解析エラーメッセージが表示されることがあります。このエラーは、検索クエリーを 30 秒間待機した後に表示されます。
次のコマンドでタイムアウト時間を延長します。
kubectl annotate route multicloud-console haproxy.router.openshift.io/timeout=Xs
1.3.3.5. クラスターセットのネームスペースバインディングを編集できない
admin
または bind
ロールを使用してクラスターセットの namespace バインディングを編集すると、次のメッセージのようなエラーが発生する場合があります。
ResourceError: managedclustersetbindings.cluster.open-cluster-management.io "<cluster-set>" is forbidden: User "<user>" cannot create/delete resource "managedclustersetbindings" in API group "cluster.open-cluster-management.io" in the namespace "<namespace>".
この問題を解決するには、バインドする namespace で ManagedClusterSetBinding
リソースを作成または削除する権限も持っていることを確認してください。ロールバインディングでは、クラスターセットを namespace にバインドすることしかできません。
1.3.3.6. Hosted Control Plane クラスターをプロビジョニングした後、水平スクロールが機能しない
Hosted Control Plane クラスターをプロビジョニングした後、ClusterVersionUpgradeable
パラメーターが長すぎると、Red Hat Advanced Cluster Management コンソールのクラスター概要を水平方向にスクロールできない場合があります。結果として、非表示のデータを表示することはできません。
この問題を回避するには、ブラウザーのズームコントロールを使用してズームアウトするか、Red Hat Advanced Cluster Management コンソールウィンドウのサイズを大きくするか、テキストをコピーして別の場所に貼り付けます。
1.3.3.7. EditApplicationSet 拡張機能の繰り返しを設定する
複数のラベル式を追加するか、ApplicationSet
のクラスターセレクターに入ろうとすると、"Expand to enter expression" メッセージが繰り返し表示されることがあります。この問題にもかかわらず、クラスターの選択を入力することはできます。
1.3.3.8. アプリケーションコンソールは Argo CD プルモデルをサポートしません。
Argo CD プルモデルを使用して ApplicationSet
リソースをデプロイすると、アプリケーションが Topology ページから正しく表示されません。Argo CD プルモデルを使用した ApplicationSet
アプリケーションのデプロイはサポートされていません。
1.3.4. アプリケーションの既知の問題と制限事項
アプリケーション管理に関する既知の問題を確認します。以下のリストには、このリリースの既知の問題、または以前のリリースから持ち越された既知の問題が記載されています。
Red Hat OpenShift Container Platform クラスターは、OpenShift Container Platform の既知の問題 を参照してください。
非推奨と削除の詳細は、非推奨と削除 を参照してください。
アプリケーションライフサイクルコンポーネントについては、次の既知の問題を参照してください。
1.3.4.1. ローカルクラスターは pull モデルのマネージドクラスターとして除外されます
ハブクラスターアプリケーションセットはターゲットマネージドクラスターにデプロイされますが、マネージドハブクラスターであるローカルクラスターはターゲットマネージドクラスターとして除外されます。
1.3.4.2. Argo CD コントローラーと伝播コントローラーは同時に調整する可能性があります
Argo CD コントローラーと伝播コントローラーの両方が同じアプリケーションリソース上で調整し、マネージドクラスター上で異なるデプロイメントモデルからのアプリケーションデプロイメントの重複インスタンスが発生する可能性があります。
Pull モデルを使用してアプリケーションをデプロイする場合、Argo CD argocd.argoproj.io/skip-reconcile
アノテーションが ApplicationSet
のテンプレートセクションに追加されると、Argo CD コントローラーはこれらのアプリケーションリソースを無視します。
argocd.argoproj.io/skip-reconcile
アノテーションは、GitOps operator バージョン 1.9.0 以降でのみ使用できます。競合を防ぐには、プルモデルを実装する前に、ハブクラスターとすべてのマネージドクラスターが GitOps operator バージョン 1.9.0 にアップグレードされるまで待ってください。
1.3.4.3. リソースのデプロイに失敗する
MulticlusterApplicationSetReport
にリストされているすべてのリソースは、実際にはマネージドクラスターにデプロイされます。リソースのデプロイに失敗した場合、そのリソースはリソースリストには含まれませんが、原因はエラーメッセージにリストされます。
1.3.4.4. リソースの割り当てには数分かかる場合があります
1,000 を超えるマネージドクラスターと、数百のマネージドクラスターにデプロイされた Argo CD アプリケーションセットがある大規模環境の場合、ハブクラスターでの Argo CD アプリケーションの作成には数分かかる場合があります。次のファイル例に示されているように、アプリケーションセットの clusterDecisionResource
ジェネレーターで requeueAfterSeconds
を zero
に設定できます。
apiVersion: argoproj.io/v1alpha1 kind: ApplicationSet metadata: name: cm-allclusters-app-set namespace: openshift-gitops spec: generators: - clusterDecisionResource: configMapRef: ocm-placement-generator labelSelector: matchLabels: cluster.open-cluster-management.io/placement: app-placement requeueAfterSeconds: 0
1.3.4.5. アプリケーション ObjectBucket チャネルタイプは、許可リストと拒否リストを使用できない
subscription-admin
ロールの ObjectBucket チャネルタイプで許可リストと拒否リストを指定することはできません。他の種類のチャネルでは、サブスクリプションの許可リストと拒否リストによって、デプロイできる Kubernetes リソースとデプロイできない Kubernetes リソースが示されます。
1.3.4.5.1. Argo アプリケーションを 3.x OpenShift Container Platform マネージドクラスターにデプロイできない
Infrastructure.config.openshift.io
API は 3.x では使用できないため、コンソールから Argo ApplicationSet
を 3.x OpenShift Container Platform マネージドクラスターにデプロイすることはできません。
1.3.4.6. multicluster_operators_subscription イメージへの変更は自動的に有効にならない
マネージドクラスターで実行している application-manager
アドオンは、以前は klusterlet Operator により処理されていましたが、サブスクリプション Operator により処理されるようになりました。サブスクリプション Operator は multicluster-hub
で管理されていないため、multicluster-hub
イメージマニフェスト ConfigMap の multicluster_operators_subscription
イメージへの変更は自動的に有効になりません。
サブスクリプション Operator が使用するイメージが、multicluster-hub
イメージマニフェスト ConfigMap の multicluster_operators_subscription
イメージを変更することによってオーバーライドされた場合、マネージドクラスターの application-manager
アドオンは、サブスクリプション Operator Pod が再起動するまで新しいイメージを使用しません。Pod を再起動する必要があります。
1.3.4.7. サブスクリプション管理者以外はポリシーリソースをデプロイできない
Red Hat Advanced Cluster Management バージョン 2.4 では、デフォルトで policy.open-cluster-management.io/v1
リソースがアプリケーションサブスクリプションによってデプロイされなくなりました。
サブスクリプション管理者は、このデフォルトの動作を変更するためにアプリケーションサブスクリプションをデプロイする必要があります。
詳細は、サブスクリプション管理者としての許可リストおよび拒否リストの作成 を参照してください。以前の Red Hat Advanced Cluster Management バージョンの既存のアプリケーションサブスクリプションによってデプロイされた policy.open-cluster-management.io/v1
リソースは、サブスクリプション管理者がアプリケーションサブスクリプションをデプロイしていない限り、ソースリポジトリーに合わせて調整されません。
1.3.4.8. アプリケーション Ansible フックのスタンドアロンモード
Ansible フックのスタンドアロンモードはサポートされていません。サブスクリプションを使用してハブクラスターに Ansible フックをデプロイするには、次のサブスクリプション YAML を使用できます。
apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: Subscription metadata: name: sub-rhacm-gitops-demo namespace: hello-openshift annotations: apps.open-cluster-management.io/github-path: myapp apps.open-cluster-management.io/github-branch: master spec: hooksecretref: name: toweraccess channel: rhacm-gitops-demo/ch-rhacm-gitops-demo placement: local: true
ただし、spec.placement.local:true
ではサブスクリプションが standalone
モードで実行されているため、この設定では Ansible インストールが作成されない可能性があります。ハブモードでサブスクリプションを作成する必要があります。
local-cluster
にデプロイする配置ルールを作成します。次のサンプルを参照してください。ここでのlocal-cluster: "true"
はハブクラスターを指します。apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementRule metadata: name: <towhichcluster> namespace: hello-openshift spec: clusterSelector: matchLabels: local-cluster: "true"
使用しているサブスクリプションで、作成した配置ルールを参照します。以下のサンプルを参照してください。
apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: Subscription metadata: name: sub-rhacm-gitops-demo namespace: hello-openshift annotations: apps.open-cluster-management.io/github-path: myapp apps.open-cluster-management.io/github-branch: master spec: hooksecretref: name: toweraccess channel: rhacm-gitops-demo/ch-rhacm-gitops-demo placement: placementRef: name: <towhichcluster> kind: PlacementRule
両方を適用すると、ハブクラスターに作成された Ansible インスタンスが表示されます。
1.3.4.9. 配置ルールの更新後にアプリケーションがデプロイされない
配置ルールの更新後にアプリケーションがデプロイされない場合は、application-manager
Pod が実行されていることを確認します。application-manager
は、マネージドクラスターで実行する必要があるサブスクリプションコンテナーです。
oc get pods -n open-cluster-management-agent-addon |grep application-manager
を実行して確認できます。
コンソールで kind:pod cluster:yourcluster
を検索して、application-manager
が実行されているかどうかを確認することもできます。
検証できない場合は、もう一度、クラスターのインポートを試行して検証を行います。
1.3.4.10. サブスクリプション Operator が SCC を作成しない
Red Hat OpenShift Container Platform SCC の詳細は、Security Context Constraints (SCC) の管理 を参照してください。これは、マネージドクラスターで必要な追加設定です。
デプロイメントごとにセキュリティーコンテキストとサービスアカウントが異なります。サブスクリプション Operator は SCC CR を自動的に作成できず、管理者が Pod のパーミッションを制御します。Security Context Constraints (SCC) CR は、関連のあるサービスアカウントに適切なパーミッションを有効化して、デフォルトではない namespace で Pod を作成する必要があります。使用している namespace で SCC CR を手動で作成するには、以下の手順を実行します。
デプロイメントで定義したサービスアカウントを検索します。たとえば、以下の
nginx
デプロイメントを参照してください。nginx-ingress-52edb nginx-ingress-52edb-backend
使用している namespace に SCC CR を作成して、サービスアカウントに必要なパーミッションを割り当てます。以下の例を参照してください。
kind: SecurityContextConstraints
が追加されています。apiVersion: security.openshift.io/v1 defaultAddCapabilities: kind: SecurityContextConstraints metadata: name: ingress-nginx namespace: ns-sub-1 priority: null readOnlyRootFilesystem: false requiredDropCapabilities: fsGroup: type: RunAsAny runAsUser: type: RunAsAny seLinuxContext: type: RunAsAny users: - system:serviceaccount:my-operator:nginx-ingress-52edb - system:serviceaccount:my-operator:nginx-ingress-52edb-backend
1.3.4.11. アプリケーションチャネルには一意の namespace が必要
同じ namespace に複数のチャネルを作成すると、ハブクラスターでエラーが発生する可能性があります。
たとえば、namespace charts-v1
は、Helm タイプのチャネルとしてインストーラーで使用するので、charts-v1
に追加のチャネルを作成します。一意の namespace でチャネルを作成するようにしてください。すべてのチャネルには個別の namespace が必要ですが、GitHub チャネルは例外で、別 GitHub のチャネルと namespace を共有できます。
1.3.4.12. Ansible Automation Platform ジョブが失敗する
互換性のないオプションを選択すると、Ansible ジョブの実行に失敗します。Ansible Automation Platform は、-cluster-scoped
のチャネルオプションが選択されている場合にのみ機能します。これは、Ansible ジョブを実行する必要があるすべてのコンポーネントに影響します。
1.3.4.13. Ansible Automation Platform Operator は、プロキシー外の Ansible Automation Platform にアクセスする
Red Hat Ansible Automation Platform Operator は、プロキシー対応の OpenShift Container Platform クラスターの外部にある Ansible Automation Platform にアクセスできません。解決するには、プロキシー内に Ansible Automation Platform をインストールできます。Ansible Automation Platform によって提供されるインストール手順を参照してください。
1.3.4.14. アプリケーション名の要件
アプリケーション名は 37 文字を超えることができません。この数を超えた場合、アプリケーションのデプロイメント時に以下のエラーが表示されます。
status: phase: PropagationFailed reason: 'Deployable.apps.open-cluster-management.io "_long_lengthy_name_" is invalid: metadata.labels: Invalid value: "_long_lengthy_name_": must be no more than 63 characters/n'
1.3.4.15. アプリケーションコンソールテーブルの制限事項
コンソールのさまざまな アプリケーション の表に対する以下の制限を確認してください。
- Overview ページの Applications の表と、Advanced configuration ページの Subscriptions の表にある Clusters の列では、アプリケーションリソースのデプロイ先のクラスター数が表示されます。アプリケーションは、ローカルクラスターのリソースで定義されているため、実際のアプリケーションリソースがローカルクラスターにデプロイされているかどうかにかかわらず、ローカルのクラスターは検索結果に含まれます。
- Subscriptions の Advanced configuration 表にある Applications の列には、サブスクリプションを使用するアプリケーションの合計数が表示されますが、サブスクリプションが子アプリケーションをデプロイする場合には、これらも検索結果に含まれます。
- Channels の Advanced configuration 表にある Subscriptions の列には、対象のチャネルを使用するローカルクラスター上のサブスクリプション合計数が表示されます。ただし、他のサブスクリプションがデプロイするサブスクリプションは検索結果には含まれますが、ここには含まれません。
1.3.4.16. アプリケーションコンソールトポロジーのフィルタリング機能がない
2.8 では Application の Console と Topology が変更されています。コンソールの Topology ページにフィルタリング機能はありません。
1.3.4.17. 許可リストと拒否リストがオブジェクトストレージアプリケーションで機能しない
allow
リストおよび deny
リストの機能は、オブジェクトストレージアプリケーションのサブスクリプションでは機能しません。
1.3.5. 可観測性関連の既知の問題
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes の既知の問題を確認してください。以下のリストには、このリリースの既知の問題、または以前のリリースから持ち越された既知の問題が記載されています。
Red Hat OpenShift Container Platform クラスターは、OpenShift Container Platform の既知の問題[OpenShift Container Platform known issues] を参照してください。
非推奨と削除の詳細は、非推奨と削除 を参照してください。
1.3.5.1. サービスレベルの概要ダッシュボードでローカルクラスターが重複する
さまざまなハブクラスターが同じ S3 ストレージを使用して Red Hat Advanced Cluster Management の可観測性をデプロイする場合、重複する local-clusters
は Kubernetes/Service-Level Overview/API Server ダッシュボード内で検出および表示できます。重複クラスターは、Top Clusters、Number of clusters that has exceeded the SLO、および Number of clusters that are meeting the SLO のパネル内の結果に影響を及ぼします。local-clusters
は、共有 S3 ストレージに関連付けられた一意のクラスターです。複数の local-clusters
がダッシュボード内で表示しないようにするには、一意のハブクラスターごとに、ハブクラスター専用の S3 バケットを使用して可観測性をデプロイすることが推奨されます。
1.3.5.2. 可観測性エンドポイント Operator がイメージのプルに失敗する
可観測性エンドポイント Operator は、MultiClusterObservability CustomResource (CR) へのデプロイにプルシークレットを作成したにもかかわらず、open-cluster-management-observability
namespace にプルシークレットがない場合に問題が発生します。新しいクラスターをインポートする場合、または Red Hat Advanced Cluster Management で作成された Hive クラスターをインポートする場合は、マネージドクラスターにプルイメージシークレットを手動で作成する必要があります。
詳細は、可観測性の有効化 を参照してください。
1.3.5.3. ROKS クラスターにデータがない
Red Hat Advanced Cluster Management の可観測性は、組み込みダッシュボードで、ROKS クラスターのデータが表示されないパネルがあります。これは、ROKS が、管理対象サーバーからの API サーバーメトリクスを公開しないためです。以下の Grafana ダッシュボードには、Kubernetes/API server
、Kubernetes/Compute Resources/Workload
、Kubernetes/Compute Resources/Namespace(Workload)
の ROKS クラスターをサポートしないパネルが含まれます。
1.3.5.4. ROKS クラスターに etcd データがない
ROKS クラスターの場合に、Red Hat Advanced Cluster Management の可観測性のダッシュボードの etcd パネルでデータが表示されません。
1.3.5.5. Grafana コンソールでメトリクスが利用できない
Grafana コンソールでアノテーションのクエリーに失敗する:
Grafana コンソールで特定のアノテーションを検索すると、トークンの有効期限が切れているために、以下のエラーメッセージが表示されることがあります。
"Annotation Query Failed"
ブラウザーを更新し、ハブクラスターにログインしていることを確認します。
rbac-query-proxy Pod のエラー:
managedcluster
リソースにアクセス権がないために、プロジェクトでクラスターのクエリーを実行すると以下のエラーが表示される場合があります。no project or cluster found
ロールのパーミッションを確認し、適切に更新します。詳細は、ロールベースのアクセス制御 を参照してください。
1.3.5.6. マネージドクラスターでの Prometheus データ喪失
デフォルトでは、OpenShift の Prometheus は一時ストレージを使用します。Prometheus は、再起動されるたびにすべてのメトリックデータを失います。
Red Hat Advanced Cluster Management が管理する OpenShift Container Platform マネージドクラスターで可観測性を有効または無効にすると、可観測性エンドポイント Operator は、ローカルの Prometheus を自動的に再起動する alertmanager 設定を追加して cluster-monitoring-config
ConfigMap
を更新します。
1.3.5.7. out-of-order サンプルの取り込みエラー
Observability receive
Pod では、以下のエラーをレポートします。
Error on ingesting out-of-order samples
このエラーメッセージは、マネージドクラスターがメトリクス収集間隔中に送信した時系列データが、以前の収集間隔中に送信した時系列データよりも古いことを意味します。この問題が発生した場合には、データは Thanos レシーバーによって破棄され、Grafana ダッシュボードに表示されるデータにギャップが生じる場合があります。エラーが頻繁に発生する場合は、メトリックコレクションの間隔をより大きい値に増やすことが推奨されます。たとえば、間隔を 60 秒に増やすことができます。
この問題は、時系列の間隔が 30 秒などの低い値に設定されている場合にのみ見られます。メトリクス収集の間隔がデフォルト値の 300 秒に設定されている場合には、この問題は発生しません。
1.3.5.8. アップグレード後に Grafana のデプロイが失敗する
2.6 より前の以前のバージョンでデプロイされた grafana-dev
インスタンスがあり、環境を 2.6 にアップグレードすると、grafana-dev
は機能しません。次のコマンドを実行して、既存の grafana-dev
インスタンスを削除する必要があります。
./setup-grafana-dev.sh --clean
次のコマンドでインスタンスを再作成します。
./setup-grafana-dev.sh --deploy
1.3.5.9. klusterlet-addon-search Pod が失敗する
メモリー制限に達したため、klusterlet-addon-search
Pod が失敗します。マネージドクラスターで klusterlet-addon-search
デプロイメントをカスタマイズして、メモリーの失われると制限を更新する必要があります。ハブクラスターで、search-collector
という名前の ManagedclusterAddon
カスタムリソースを編集します。search-collector
に以下のアノテーションを追加し、メモリー addon.open-cluster-management.io/search_memory_request=512Mi
および addon.open-cluster-management.io/search_memory_limit=1024Mi
を更新します。
たとえば、foobar
という名前のマネージドクラスターがある場合、次のコマンドを実行して、メモリーリクエストを 512Mi
に変更し、メモリー制限を 1024Mi
に変更します。
oc annotate managedclusteraddon search-collector -n foobar \ addon.open-cluster-management.io/search_memory_request=512Mi \ addon.open-cluster-management.io/search_memory_limit=1024Mi
1.3.5.10. disableHubSelfManagement を有効にすると、Grafana ダッシュボードのリストが空になる
mulitclusterengine
カスタムリソースで disableHubSelfManagement
パラメーターが true
に設定されている場合、Grafana ダッシュボードには空のラベルリストが表示されます。ラベルリストを表示するには、パラメーターを false
に設定するか、パラメーターを削除する必要があります。詳細は、disableHubSelfManagement を参照してください。
1.3.5.10.1. エンドポイント URL に完全修飾ドメイン名 (FQDN) を含めることはできません
endpoint
パラメーターに FQDN またはプロトコルを使用すると、可観測性 Pod は有効になりません。次のエラーメッセージが表示されます。
Endpoint url cannot have fully qualified paths
プロトコルなしで URL を入力します。endpoint
値は、シークレットの次の URL に似ている必要があります。
endpoint: example.com:443
1.3.5.10.2. Grafana のダウンサンプリングデータの不一致
履歴データをクエリーしようとしたときに、計算されたステップ値とダウンサンプリングされたデータの間に不一致がある場合、結果は空になります。たとえば、計算されたステップ値が 5m
で、ダウンサンプリングされたデータが 1 時間間隔の場合、データは Grafana から表示されません。
この不一致は、URL クエリーパラメーターが Thanos Query フロントエンドデータソースを介して渡される必要があるために発生します。その後、データが欠落している場合、URL クエリーは他のダウンサンプリングレベルに対して追加のクエリーを実行できます。
Thanos Query フロントエンドデータソース設定を手動で更新する必要があります。以下の手順を実行します。
- Query フロントエンドデータソースに移動します。
- クエリーパラメーターを更新するには、Misc セクションをクリックします。
-
Custom query parameters フィールドから、
max_source_resolution=auto
を選択します。 - データが表示されていることを確認するには、Grafana ページを更新します。
Grafana ダッシュボードからクエリーデータが表示されます。
1.3.5.11. メトリックコレクターがプロキシー設定を検出しない
addonDeploymentConfig
を使用して設定したマネージドクラスター内のプロキシー設定は、メトリックコレクターによって検出されません。回避策として、マネージドクラスター ManifestWork
を削除してプロキシーを有効化できます。ManifestWork
を削除すると、addonDeploymentConfig
の変更が強制的に適用されます。
1.3.5.12. カスタム CA バンドルを使用した HTTPS プロキシーはサポートされていない
カスタム CA バンドルが必要な場合、マネージドクラスターのプロキシー設定は機能しません。
1.3.6. ガバナンス関連の既知の問題
ガバナンスに関する既知の問題を確認してください。以下のリストには、このリリースの既知の問題、または以前のリリースから持ち越された既知の問題が記載されています。
Red Hat OpenShift Container Platform クラスターは、OpenShift Container Platform の既知の問題[OpenShift Container Platform known issues] を参照してください。
非推奨と削除の詳細は、非推奨と削除 を参照してください。
1.3.6.1. Red Hat Advanced Cluster Management からログアウトできない
外部アイデンティティープロバイダーを使用して Red Hat Advanced Cluster Management にログインする場合は、Red Hat Advanced Cluster Management からログアウトできない可能性があります。これは、Red Hat Advanced Cluster Management に IBM Cloud および Keycloak をアイデンティティープロバイダーとしてインストールして使用する場合に発生します。
Red Hat Advanced Cluster Management からログアウトするには、外部アイデンティティープロバイダーからログアウトしておく必要があります。
1.3.6.2. Gatekeeper Operator のインストールに失敗する
Red Hat OpenShift Container Platform バージョン 4.9 に gatekeeper Operator をインストールする場合、インストールに失敗します。OpenShift Container Platform をバージョン 4.9.0. にアップグレードする前に、gatekeeper Operator をバージョン 0.2.0 にアップグレードする必要があります。詳細は、gatekeeper および gatekeeper Operator のアップグレード を参照してください。
1.3.6.3. namespace が Terminating 状態で停止している場合に、設定ポリシーが準拠と表示される
設定ポリシーで complianceType
のパラメーターに mustnothave
、remediationAction
のパラメーターに enforce
が設定されている場合に、ポリシーは Kubernetes API に削除要求が送信されてから、準拠と表示されます。そのため、ポリシーが準拠と表示されているにも関わらず、Kubernetes オブジェクトは、Terminating
の状態のままになってしまう可能性があります。
1.3.6.4. ポリシーでデプロイされた Operator が ARM をサポートしない
ARM 環境へのインストールはサポートされますが、ポリシーを使用してデプロイされる Operator は ARM 環境をサポートしない可能性があります。Operator をインストールする以下のポリシーは ARM 環境をサポートしません。
1.3.6.5. ConfigurationPolicy CRD が終了中にスタックする
KlusterletAddonConfig
でポリシーコントローラーを無効にするか、クラスターをデタッチして、管理対象クラスターから config-policy-controller
アドオンを削除すると、ConfigurationPolicy
CRD が中断状態でスタックする場合があります。ConfigurationPolicy
CRD が中断状態でスタックしている場合に、アドオンを後で再インストールしても、新しいポリシーがクラスターに追加されない可能性があります。次のエラーが表示されることもあります。
template-error; Failed to create policy template: create not allowed while custom resource definition is terminating
次のコマンドを使用して、CRD がスタックしているかどうかを確認します。
oc get crd configurationpolicies.policy.open-cluster-management.io -o=jsonpath='{.metadata.deletionTimestamp}'
削除のタイムスタンプがリソースにある場合に、CRD はスタックします。この問題を解決するには、クラスターに残っている設定ポリシーからすべてのファイナライザーを削除します。マネージドクラスターで次のコマンドを使用し、<cluster-namespace>
をマネージドクラスターの namespace に置き換えます。
oc get configurationpolicy -n <cluster-namespace> -o name | xargs oc patch -n <cluster-namespace> --type=merge -p '{"metadata":{"finalizers": []}}'
設定ポリシーリソースはクラスターから自動的に削除され、CRD は中断状態を終了します。アドオンがすでに再インストールされている場合には、CRD は削除タイムスタンプなしで自動的に再作成されます。
1.3.6.6. 既存の設定ポリシーを変更するときに PruneObjectBehavior が機能しない
既存の設定ポリシーを変更するときに pruneObjectBehavior
が機能しないpruneObjectBehavior
が機能しない可能性がある以下の理由を確認してください。
-
設定ポリシーで
pruneObjectBehavior
をDeleteAll
またはDeleteIfCreated
に設定すると、変更前に作成された古いリソースは正しく消去されません。設定ポリシーを削除すると、ポリシーの作成およびポリシーの更新による新しいリソースのみが追跡および削除されます。 -
pruneObjectBehavior
をNone
に設定するか、パラメーター値を設定しない場合、マネージドクラスター上で古いオブジェクトが意図せずに削除される可能性があります。具体的には、これはユーザーがテンプレート内のname
、namespace
、kind
、またはapiversion
を変更したときに発生します。パラメーターフィールドは、object-templates-raw
またはnamespaceSelector
のパラメーターが変更されると動的に変更できます。
1.3.6.7. ポリシーステータスは、適用時に更新が繰り返されることを示している
ポリシーが remediationAction: enforce
に設定されていて、繰り返し更新されている場合、Red Hat Advanced Cluster Management コンソールには、更新が成功しても繰り返し違反が表示されます。このエラーについては、次の 2 つの考えられる原因と解決策を参照してください。
別のコントローラーまたはプロセスも、異なる値でオブジェクトを更新しています。
この問題を解決するには、ポリシーを無効にして、ポリシーの
objectDefinition
とマネージドクラスターのオブジェクトの違いを比較します。値が異なる場合は、別のコントローラーまたはプロセスが値を更新している可能性があります。オブジェクトのmetadata
を確認して、値が異なる理由を特定してください。ポリシーの適用時に Kubernetes がオブジェクトを処理するため、
ConfigurationPolicy
のobjectDefinition
が一致しません。この問題を解決するには、ポリシーを無効にして、ポリシーの
objectDefinition
とマネージドクラスターのオブジェクトの違いを比較します。キーが異なるか欠落している場合、Kubernetes は、デフォルト値または空の値を含むキーを削除するなど、キーをオブジェクトに適用する前に処理した可能性があります。注記:
pruneObjectBehavior
がNone
以外に設定されている場合、ポリシーを無効にするとオブジェクトがクリーンアップされます。この場合、pruneObjectBehavior
をNone
に設定して、ポリシーが無効になった後もオブジェクトが存在するようにします。
たとえば、Secret
リソース内の stringData
マップは、Kubernetes によって、base64
でエンコードされた値を持つ data
に変換されます。stringData
を使用する代わりに、文字列の代わりに base64
でエンコードされた値を含む data
を直接使用します。
1.3.6.8. Pod セキュリティーポリシーは OpenShift Container Platform 4.12 以降ではサポートされません
Pod セキュリティーポリシーのサポートは、OpenShift Container Platform 4.12 以降、および Kubernetes v1.25 以降から削除されました。PodSecurityPolicy
リソースを適用すると、次の非準拠メッセージを受け取る場合があります。
violation - couldn't find mapping resource with kind PodSecurityPolicy, please check if you have CRD deployed
1.3.6.9. ポリシーテンプレート名が重複すると、一貫性のない結果が生じる
同じポリシーテンプレート名でポリシーを作成すると、検出されない一貫性のない結果が返されますが、原因がわからない場合があります。たとえば、create-pod
という名前の複数の設定ポリシーを含むポリシーを定義すると、一貫性のない結果が発生します。Best practice: ポリシーテンプレートに重複した名前を使用しないようにします。
1.3.6.10. ガバナンスデプロイメントが無効になっている場合、エラーが発生せずにシャットダウンしない
MultiClusterHub
オブジェクトでガバナンスデプロイメントを無効にすると、デプロイメントはエラーなしでクリーンアップされません。次の手順を実行してガバナンスを無効にし、デプロイメントもクリーンアップされるようにします。
マネージドクラスターの
KlusterletAddonConfig
でpolicyController
を無効にします。すべてのマネージドクラスターに対してこれを行う場合は、次のコマンドを実行します。for CLUSTER in $(oc get managedclusters -o jsonpath='{.items[].metadata.name}'); do oc patch -n ${CLUSTER} klusterletaddonconfig ${CLUSTER} --type=merge --patch='{"spec":{"policyController":{"enabled":false}}}' done
ローカルクラスターの場合のみ: ローカルクラスターの
governance-policy-framework-uninstall
Pod がCrashLoopBackOff
にある場合は、ローカルクラスターのManifestWork
を削除し、ManagedClusterAddon
のファイナライザーを削除します。以下のコマンドを実行します。oc delete manifestwork -n local-cluster -l open-cluster-management.io/addon-name=governance-policy-framework oc patch managedclusteraddon -n local-cluster governance-policy-framework --type=merge --patch='{"metadata":{"finalizers":[]}}'
必要に応じて、
MultiClusterHub
オブジェクトのspec.overrides
セクションのgrc
要素をfalse
に設定して、ガバナンスをグローバルに無効にします。以下のコマンドを実行します。oc edit multiclusterhub <name> -n <namespace>
ローカルクラスターの場合のみ: ローカルクラスターポリシーがある場合は、次のコマンドを実行してポリシーを削除できます。
oc delete policies -n local-cluster --all
KlusterletAddonConfig
でガバナンスを再度有効にするには、MultiClusterHub
のspec.overrides
セクションのgrc
要素を再度有効にします。以下のコマンドを実行します。for CLUSTER in $(oc get managedclusters -o jsonpath='{.items[].metadata.name}'); do oc patch -n ${CLUSTER} klusterletaddonconfig ${CLUSTER} --type=merge --patch='{"spec":{"policyController":{"enabled":true}}}' done
デプロイが失敗した場合、
governance-policy-addon-controller
のリースが失効している可能性があります。次のコマンドを使用してリースを削除します。oc delete lease governance-policy-addon-controller-lock -n <namespace>
1.3.6.11. テンプレートエラーによりオブジェクトが削除されました
設定ポリシー内の構文が正しくないなど、テンプレートエラーがある場合、オブジェクトは削除されます。削除されたオブジェクトを正しい構文で再作成します。
1.3.6.12. ポリシーの自動化用に重複した Ansible ジョブが作成される
Run once モードおよび無効に設定された PolicyAutomation
がある場合は、追加の Ansible ジョブが作成されます。追加の Ansible ジョブを削除できます。以下の手順を実行します。
次のコマンドを実行して、Ansible ジョブリストを表示します。
oc get ansiblejob -n {namespace}
以下のコマンドを使用して、重複した Ansible ジョブを削除します。
oc delete ansiblejob {ansiblejob name} -n {namespace}
1.3.7. ネットワーク関連の既知の問題
Submariner の既知の問題を確認してください。以下のリストには、このリリースの既知の問題、または以前のリリースから持ち越された既知の問題が記載されています。
Red Hat OpenShift Container Platform クラスターは、OpenShift Container Platform の既知の問題 を参照してください。
非推奨と削除の詳細は、非推奨と削除 を参照してください。
1.3.7.1. Submariner の既知の問題
ネットワーク機能の使用中に発生する可能性がある次の既知の問題と制限事項を参照してください。
1.3.7.1.1. ClusterManagementAddon submariner アドオンを使用しないと失敗する
バージョン 2.8 以前の場合、Red Hat Advanced Cluster Management をインストールするときに、Operator Lifecycle Manager を使用して submariner-addon
コンポーネントもデプロイします。MultiClusterHub
カスタムリソースを作成しなかった場合、submariner-addon
Pod はエラーを送信し、Operator はインストールできません。
ClusterManagementAddon
カスタムリソース定義がないため、次の通知が発生します。
graceful termination failed, controllers failed with error: the server could not find the requested resource (post clustermanagementaddons.addon.open-cluster-management.io)
ClusterManagementAddon
リソースは cluster-manager
デプロイメントによって作成されますが、このデプロイメントが使用可能になるのは MultiClusterEngine
コンポーネントがクラスターにインストールされてからです。
MultiClusterHub
カスタムリソースの作成時にクラスター上ですでに使用可能な MultiClusterEngine
リソースが存在しない場合、MultiClusterHub
Operator は MultiClusterEngine
インスタンスと必要な Operator をデプロイし、前のエラーを解決します。
1.3.7.1.2. Red Hat Advanced Cluster Management が管理できるすべてのインフラストラクチャープロバイダーがサポートされているわけではない
Submariner は、Red Hat Advanced Cluster Management が管理できるすべてのインフラストラクチャープロバイダーでサポートされているわけではありません。サポートされているプロバイダーの一覧は、Red Hat Advanced Cluster Management のサポートマトリックス を参照してください。
1.3.7.1.3. 限定的なヘッドレスサービスのサポート
Globalnet を使用する場合、セレクターを使用しないヘッドレスサービスのサービスディスカバリーはサポートされません。
1.3.7.1.4. NAT が有効な場合に VXLAN を使用したデプロイはサポートされていない
NAT 以外のデプロイメントのみが VXLAN ケーブルドライバーを使用した Submariner デプロイメントをサポートします。
1.3.7.1.5. OVN Kubernetes には OCP 4.11 以降が必要
OVN Kubernetes CNI ネットワークを使用している場合は、Red Hat OpenShift 4.11 以降が必要です。
1.3.7.1.6. 自己署名証明書により、ブローカーに接続できない場合がある
ブローカーの自己署名証明書により、結合されたクラスターがブローカーに接続できない場合があります。接続は証明書の検証エラーで失敗します。関連する SubmarinerConfig
オブジェクトで InsecureBrokerConnection
を true
に設定すると、ブローカー証明書の検証を無効にできます。以下の例を参照してください。
apiVersion: submarineraddon.open-cluster-management.io/v1alpha1 kind: SubmarinerConfig metadata: name: submariner namespace: <managed-cluster-namespace> spec: insecureBrokerConnection: true
1.3.7.1.7. Submariner は OpenShift SDN または OVN Kubernetes のみサポート
Submariner は、OpenShift SDN または OVN-Kubernetes Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダーを使用する Red Hat OpenShift Container Platform クラスターのみをサポートします。
1.3.7.1.8. Microsoft Azure クラスターでのコマンド制限
subctl diagnose firewall inter-cluster
コマンドは、Microsoft Azure クラスターでは機能しません。
1.3.7.1.9. カスタム CatalogSource または Subscription で自動アップグレードが機能しない
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes がアップグレードされると、Submariner は自動的にアップグレードされます。カスタムの CatalogSource
または Subscription
を使用している場合、自動アップグレードは失敗する可能性があります。
マネージドクラスターに Submariner をインストールするときに自動アップグレードが確実に機能するようにするには、各マネージドクラスターの SubmarinerConfig
カスタムリソースで spec.subscriptionConfig.channel
フィールドを stable-0.15
に設定する必要があります。
1.3.7.1.10. OpenShift Container Platform バージョン 4.14 で Red Hat Advanced Cluster Management バージョン 2.8 を使用する場合、Submariner バージョン 0.15 はサポートされません
Red Hat Advanced Cluster Management バージョン 2.8 でリリースされた Submariner バージョン 0.15 は、OpenShift Container Platform バージョン 4.14 以降ではサポートされません。OpenShift Container Platform バージョン 4.14 以降を使用する場合は、Submariner バージョンを 0.16 にアップグレードするか、Submariner バージョン 0.15 および Red Hat Advanced Cluster Management バージョン 2.8 で OpenShift Container Platform バージョン 4.13 を引き続き使用する必要があります。
1.4. 非推奨と削除
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes から削除されるか、非推奨となった製品の一部を説明します。推奨アクション および詳細にある、代わりのアクションを検討してください。これは、現在のリリースおよび、1 つ前のリリースと 2 つ前のリリースの表に記載されています。
非推奨: Red Hat Advanced Cluster Management の 2.8 以前のバージョンはサポートされなくなりました。ドキュメントはそのまま利用できますが、エラータやその他の更新は提供されません。
ベストプラクティス: Red Hat Advanced Cluster Management の最新バージョンにアップグレードします。
1.4.1. API の非推奨と削除
Red Hat Advanced Cluster Management は、Kubernetes の API 非推奨ガイドラインに準拠します。このポリシーの詳細は、Kubernetes の非推奨ポリシー を参照してください。Red Hat Advanced Cluster Management API は、以下のタイムライン以外でのみ非推奨または削除されます。
-
V1
API はすべて、12 ヶ月間またはリリース 3 回分 (いずれか長い方) の期間は一般公開され、サポート対象となります。V1 API は削除されませんが、この期間を過ぎると非推奨になる可能性があります。 -
Beta
版 API はすべて、9 ヶ月間またはリリース 3 回分 (いずれか長い方) の期間は一般公開されます。Beta 版 API は、この期間を過ぎても削除されません。 -
alpha
版 API はサポートの必要はありませんが、ユーザーにとってメリットがある場合には、非推奨または削除予定として記載される場合があります。
1.4.1.1. API の非推奨化
製品またはカテゴリー | 影響を受けるアイテム | バージョン | 推奨されるアクション | 詳細およびリンク |
---|---|---|---|---|
検出 |
DiscoveredCluster および DiscoveryConfig | 2.5 |
| なし |
Placements |
| 2.5 |
|
|
PlacementDecisions |
| 2.5 |
| なし |
アプリケーション |
| 2.5 |
| なし |
アプリケーション |
| 2.5 | なし | deployable API は、アップグレードパスにのみ残ります。deployable CR の作成、更新、または削除は調整されません。 |
ManagedClusterSets |
| 2.7 |
| なし |
ManagedClusterSetBindings |
| 2.7 |
| なし |
1.4.1.2. API の削除
製品またはカテゴリー | 影響を受けるアイテム | バージョン | 推奨されるアクション | 詳細およびリンク |
---|---|---|---|---|
HypershiftDeployment |
| 2.7 | この API は使用しないでください。 | |
BareMetalAssets |
| 2.7 | この API は使用しないでください。 | Baremetalassets.inventory.open-cluster-management.io |
Placements |
| 2.7 |
代わりに | Placements.cluster.open-cluster-management.io |
PlacementDecisions |
| 2.7 |
代わりに | PlacementDecisions.cluster.open-cluster-management.io |
ManagedClusterSets |
| 2.7 |
代わりに | ManagedClusterSets.cluster.open-cluster-management.io |
ManagedClusterSetBindings |
| 2.7 |
代わりに | ManagedClusterSetBindings.cluster.open-cluster-management.io |
ClusterManagementAddOn |
| 2.7 |
| なし |
ManagedClusterAddOn |
| 2.7 |
| None |
CertPolicyController |
| 2.6 | この API は使用しないでください。 | CertPolicyController.agent.open-cluster-management.io |
ApplicationManager |
| 2.6 | この API は使用しないでください。 | ApplicationManager.agent.open-cluster-management.io |
IAMPolicyController |
| 2.6 | この API は使用しないでください。 | IAMPolicyController.agent.open-cluster-management.io |
PolicyController |
| 2.6 | この API は使用しないでください。 | PolicyController.agent.open-cluster-management.io |
SearchCollector |
| 2.6 | この API は使用しないでください。 | SearchCollector.agent.open-cluster-management.io |
WorkManager |
| 2.6 | この API は使用しないでください。 | WorkManager.agent.open-cluster-management.io |
1.4.2. Red Hat Advanced Cluster Management の非推奨機能
非推奨 のコンポーネント、機能またはサービスはサポートされますが、使用は推奨されておらず、今後のリリースで廃止される可能性があります。以下の表に記載されている 推奨アクション と詳細の代替アクションを検討してください。
製品またはカテゴリー | 影響を受けるアイテム | バージョン | 推奨されるアクション | 詳細およびリンク |
---|---|---|---|---|
アプリケーションとガバナンス |
| 2.8 |
|
|
インストーラー |
| 2.7 | なし | インストールの設定については、高度な設定 を参照してください。 |
インストーラー |
| 2.7 | なし | インストールの設定については、高度な設定 を参照してください。 |
可観測性 |
| 2.5 |
| 可観測性のカスタマイズ を参照してください。 |
インストーラー |
| 2.5 | なし | インストールの設定については、高度な設定 を参照してください。 |
1.4.3. 削除
通常、削除 された項目は、以前のリリースで非推奨となった機能で、製品では利用できなくなっています。削除された機能には、代わりの方法を使用する必要があります。以下の表に記載されている 推奨アクション と詳細の代替アクションを検討してください。
製品またはカテゴリー | 影響を受けるアイテム | バージョン | 推奨されるアクション | 詳細およびリンク |
---|---|---|---|---|
ガバナンス | 以前のリリースで使用されていた管理 ingress は削除されました。 | 2.7 |
管理 ingress 証明書をカスタマイズできなくなりました。管理イングレスで使用する独自の証明書を持ってきた場合は、コマンド | なし |
検索 |
| 2.7 |
| なし |
検索 | RedisGraph は、内部データベースとして PostgreSQL に置き換えられました。 | 2.7 | 変更は必要ありません。 | 検索コンポーネントは、内部データベースとして PostgreSQL を使用して再実装されています。 |
コンソール | スタンドアロン Web コンソール | 2.7 | 統合 Web コンソールを使用します。 | 詳しくは コンソールへのアクセス を参照してください。 |
ガバナンス | 整合性シールド (テクノロジープレビュー) | 2.7 | コミュニティーが提供する署名ソリューションとして整合性シールドを引き続き使用できます。詳細については、整合性シールドのドキュメント、入門ドキュメント を参照してください。 | なし |
ガバナンス | 整合性シールド (テクノロジープレビュー) | 2.7 | なし | コミュニティーが提供する署名ソリューションとして整合性シールドを引き続き使用できます。詳細については、整合性シールドのドキュメント、入門ドキュメント を参照してください。 |
クラスター | ラベルを使用した Red Hat Ansible ジョブの設定 | 2.6 | コンソールを使用して Red Hat Ansible ジョブを設定します。 | 詳細については、コンソールを使用して、クラスターで実行するように、自動化テンプレートを設定する を参照してください。 |
クラスター | ベアメタルアセットを使用したクラスターの作成。 | 2.6 | コンソールでインフラ環境を作る | 手順は、オンプレミス環境でのクラスターの作成 を参照してください。 |
アドオン Operator | ビルトインのマネージドクラスターアドオンのインストール | 2.6 | なし | なし |
ガバナンス | カスタムポリシーコントローラー | 2.6 | アクションは不要です。 | なし |
ガバナンス |
未使用の | 2.6 | なし | Kubernetes 設定ポリシーコントローラー のドキュメントを参照してください。 |
ガバナンス | カスタムポリシーコントローラー | 2.6 | アクションは不要です。 | なし |
ガバナンス |
未使用の | 2.6 | なし | Kubernetes 設定ポリシーコントローラー のドキュメントを参照してください。 |
アプリケーション | deployable コントローラー | 2.5 | なし | Deployable コントローラーが削除されました。 |
1.5. GDPR に対応するための Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームでの考慮事項
1.5.1. 注意
This document is intended to help you in your preparations for General Data Protection Regulation (GDPR) readiness.It provides information about features of the Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes platform that you can configure, and aspects of the product’s use, that you should consider to help your organization with GDPR readiness.This information is not an exhaustive list, due to the many ways that clients can choose and configure features, and the large variety of ways that the product can be used in itself and with third-party clusters and systems.
Clients are responsible for ensuring their own compliance with various laws and regulations, including the European Union General Data Protection Regulation.Clients are solely responsible for obtaining advice of competent legal counsel as to the identification and interpretation of any relevant laws and regulations that may affect the clients' business and any actions the clients may need to take to comply with such laws and regulations.
The products, services, and other capabilities described herein are not suitable for all client situations and may have restricted availability.Red Hat does not provide legal, accounting, or auditing advice or represent or warrant that its services or products will ensure that clients are in compliance with any law or regulation.
1.5.2. 目次
1.5.3. GDPR
一般データ保護規則 (GDPR) は欧州連合 ("EU") により採用され、2018 年 5 月 25 日から適用されています。
1.5.3.1. GDPR が重要な理由
GDPR は、各自の個人データを処理するにあたり、強力なデータ保護規制フレームワークを確立します。GDPR は以下を提供します。
- 個人の権利の追加および強化
- 個人データの定義の広義化
- データ処理者の義務の追加
- 遵守しない場合に多額の罰金が課される可能性
- 情報流出の通知の義務付け
1.5.3.2. GDPR の詳細情報
1.5.4. GDPR に準拠する製品の設定
以下のセクションでは、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームでのデータ管理のさまざまな点を説明し、GDPR 要件に準拠するための機能に関する情報を提供します。
1.5.5. データのライフサイクル
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes は、オンプレミスのコンテナー化アプリケーションの開発および管理のアプリケーションプラットフォームです。この製品は、コンテナーオーケストレーターの Kubernetes、クラスターライフサイクル、アプリケーションライフサイクル、セキュリティーフレームワーク (ガバナンス、リスク、コンプライアンス) など、コンテナーを管理するための統合環境です。
そのため、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは主に、プラットフォームの設定や管理に関連する技術データ (一部、GDPR の対象となるデータも含む) を処理します。また、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは、プラットフォームの管理ユーザーに関する情報も扱います。このデータは、GDPR 要件を満たす必要のあるお客様が対応できるように、このドキュメント全体で説明します。
このデータは、設定ファイルまたはデータベースとしてローカルまたはリモートのファイルシステム上のプラットフォームで永続化されます。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームで実行するように開発されたアプリケーションは、GDPR の影響を受ける他の形式の個人データを扱う可能性があります。プラットフォームデータの保護および管理に使用されるメカニズムは、プラットフォームで実行されるアプリケーションでも利用できます。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームで実行されるアプリケーションが収集する個人データを管理して保護するために、追加のメカニズムが必要な場合があります。
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームとそのデータフローを最もよく理解するには、Kubernetes、Docker および Operator がどのように機能するか理解する必要があります。このようなオープンソースコンポーネントは、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームに不可欠です。Kubernetes デプロイメントは、アプリケーションのインスタンスを配置するのに使用します。これらのアプリケーションのインスタンスは、Docker イメージを参照する Operator に組み込まれます。Operator にはアプリケーションの詳細が含まれ、Docker イメージにはアプリケーションの実行に必要な全ソフトウェアパッケージが含まれます。
1.5.5.1. Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームを使用したデータフローの種類
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes は、プラットフォームとして複数のカテゴリーの技術データを扱いますが、その中には管理者ユーザー ID とパスワード、サービスユーザー ID とパスワード、Kubernetes ノード名など、個人データとみなされる可能性があるものも含まれます。また、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは、プラットフォームの管理ユーザーに関する情報も扱います。プラットフォームで実行されるアプリケーションにより、プラットフォームではまだ知られていない、他のカテゴリーの個人データが取り込まれる可能性があります。
このような技術データの収集/作成、保存、アクセス、セキュリティー設定、ロギング、削除の方法に関する情報は、このドキュメントで後述します。
1.5.5.2. オンラインの連絡先として使用される個人データ
お客様は、以下のような情報をさまざまな方法でオンラインからコメント/フィードバック/依頼を送信できます。
- Slack チャネルがある場合は、Slack の公開コミュニティー
- 製品ドキュメントに関する公開コメントまたはチケット
- 技術コミュニティーでの公開会話
通常は、連絡先フォームの件名への個人返信を有効にすると、お客様名とメールアドレスのみが使用され、個人データを使用する場合は Red Hat オンラインプライバシーステートメント に準拠します。
1.5.6. データの収集
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは、機密性のある個人情報を収集しません。当製品は、管理者ユーザー ID とパスワード、サービスユーザー ID とパスワード、IP アドレス、Kubernetes ノード名など、個人データとみなされる可能性のある技術データを作成し、管理します。また、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは、プラットフォームの管理ユーザーに関する情報も扱います。このような情報には、システム管理者がロールベースのアクセス制御を使用した管理コンソールからアクセスするか、シ Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームノードにログインしてアクセスした場合にのみアクセス可能です。
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームで実行されるアプリケーションでは、個人データが収集される可能性があります。
コンテナー化されたアプリケーションを実行する Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームの使用を評価し、GDPR 要件を満たす必要がある場合には、以下のように、アプリケーションが収集する個人データの種類と、データの管理方法を考慮する必要があります。
- アプリケーションとの間で行き来するデータはどのように保護されるのか ?移動中のデータは暗号化されているか?
- アプリケーションでデータはどのように保存されるのか ?使用していないデータは暗号化されるのか ?
- アプリケーションのアクセスに使用する認証情報はどのように収集され、保存されるのか ?
- アプリケーションがデータソースへのアクセス時に使用する認証情報はどのように収集され、保存されるのか ?
- アプリケーションが収集したデータを必要に応じて削除するにはどうすればよいか ?
これは、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームが収集するデータタイプの完全なリストではありません。上記は検討時に使用できるように例として提供しています。データの種類に関するご質問がある場合は、Red Hat にお問い合わせください。
1.5.7. データストレージ
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームでは、設定ファイルまたはデータベースとしてローカルまたはリモートファイルシステムのステートフルストアで、プラットフォームの設定や管理に関する技術データは永続化されます。使用されていない全データのセキュリティーが確保されるように考慮する必要があります。The Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームには、dm-crypt
を使用するステートフルストアで、使用していないデータを暗号化するサポートがあります。
以下の項目は、GDPR を考慮する必要がある、データの保存エリアを強調表示しています。
- プラットフォームの設定データ: Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームの設定は、一般的な設定、Kubernetes、ログ、ネットワーク、Docker などの設定のプロパティーを使用して設定 YAML ファイルを更新し、カスタマイズできます。このデータは、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームインストーラーへの入力情報として使用し、1 つまたは複数のノードをデプロイします。このプロパティーには、ブートストラップに使用される管理者ユーザー ID とパスワードも含まれます。
-
Kubernetes 設定データ: Kubernetes クラスターの状態データは分散 Key-Value ストア (
etcd
) に保存されます。 - ユーザー ID、パスワードなどのユーザー認証データ: ユーザー ID およびパスワードの管理は、クライアントエンタープライズの LDAP ディレクトリーで対応します。LDAP で定義されたユーザーおよびグループは、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームのチームに追加して、アクセスロールを割り当てることができます。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームでは、LDAP からメールアドレスとユーザー ID は保存されますが、パスワードは保存されません。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは、グループ名を保存し、ログイン時にユーザーが所属する利用可能なグループをキャッシュします。グループメンバーシップは、長期的に永続化されません。エンタープライズ LDAP で未使用時にユーザーおよびグループデータのセキュリティー確保について、考慮する必要があります。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームには、認証サービスと、エンタープライズディレクトリーと対応して、アクセストークンを管理する Open ID Connect (OIDC) が含まれます。このサービスは ETCD をバッキングストアとして使用します。
-
ユーザー ID とパスワードなどのサービス認証データ: コンポーネント間のアクセスに Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームのコンポーネントが使用する認証情報は、Kubernetes Secret として定義します。Kubernetes リソース定義はすべて
etcd
の Key-Value データストアで永続化されます。初期の認証情報の値は、Kubernetes Secret の設定 YAML ファイルとして、プラットフォームの設定データで定義されます。詳細は、Kubernetes ドキュメントの Secrets を参照してください。
1.5.8. データアクセス
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームデータには、以下の定義済みの製品インターフェイスを使用してアクセスできます。
- Web ユーザーインターフェイス (コンソール)
-
Kubernetes の
kubectl
CLI - Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes CLI
- oc CLI
これらのインターフェイスは、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes クラスターに管理権限での変更を加えることができます。Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes に管理権限でアクセスする場合にセキュリティーを確保できます。これには、要求時に認証、ロールマッピング、認可の 3 つの論理的な段階を順番に使用します。
1.5.8.1. 認証
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームの認証マネージャーは、コンソールからのユーザーの認証情報を受け入れ、バックエンドの OIDC プロバイダーに認証情報を転送し、OIDC プロバイダーはエンタープライズディレクトリーに対してユーザーの認証情報を検証します。次に OIDC プロバイダーは認証クッキー (auth-cookie
) を、JSON Web Token (JWT
) のコンテンツと合わせて、認証マネージャーに返します。JWT トークンは、認証要求時にグループのメンバーシップに加え、ユーザー ID やメールアドレスなどの情報を永続化します。この認証クッキーはその後コンソールに返されます。クッキーはセッション時に更新されます。クッキーは、コンソールをサインアウトしてから、または Web ブラウザーを閉じてから 12 時間有効です。
コンソールから次回認証要求を送信すると、フロントエンドの NGINX サーバーが、要求で利用可能な認証クッキーをデコードし、認証マネージャーを呼び出して要求を検証します。
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォーム CLI では、ユーザーはログインに認証情報が必要です。
kubectl
と oc
CLI でも、クラスターへのアクセスに認証情報が必要です。このような認証情報は、管理コンソールから取得でき、12 時間後に有効期限が切れます。サービスアカウント経由のアクセスは、サポートされています。
1.5.8.2. ロールマッピング
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) をサポートします。ロールマッピングのステージでは、認証ステージで提示されたユーザー名がユーザーまたはグループロールにマッピングされます。認可時にロールを使用して、認証ユーザーがどのような管理者アクティビティーを実行できるか判断します。
1.5.8.3. 認可
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームのロールを使用して、クラスター設定アクション、カタログや Helm リソース、Kubernetes リソースへのアクセスを制御します。クラスター管理者、管理者、Operator、エディター、ビューワーなど、IAM (Identity and Access Management) ロールが複数含まれています。ロールは、チームへの追加時に、ユーザーまたはユーザーグループに割り当てられます。リソースへのチームアクセスは、namespace で制御できます。
1.5.8.4. Pod のセキュリティー
Pod のセキュリティーポリシーを使用して、Pod での操作またはアクセス権をクラスターレベルで制御できるように設定します。
1.5.9. データ処理
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes のユーザーは、システム設定を使用して、設定および管理に関する技術データをどのように処理して、データのセキュリティーを確保するかを制御できます。
ロールベースのアクセス制御 (RBAC) では、ユーザーがアクセスできるデータや機能を制御します。
転送中のデータ は TLS
を使用して保護します。HTTPS
(TLS
の下層) は、ユーザークライアントとバックエンドのサービス間でのセキュアなデータ転送を確保するために使用されます。インストール時に、使用するルート証明書を指定できます。
保管時のデータ の保護は、dm-crypt
を使用してデータを暗号化することでサポートされます。
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームの技術データの管理、セキュリティー確保と同じプラットフォームのメカニズムを使用して、ユーザーが開発したアプリケーションまたはユーザーがプロビジョニングしたアプリケーションの個人データを管理し、セキュリティーを確保することができます。クライアントは、独自の機能を開発して、追加の制御を実装できます。
1.5.10. データの削除
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームには、コマンド、アプリケーションプログラミングインターフェイス (API)、およびユーザーインターフェイスのアクションが含まれており、製品が作成または収集したデータを削除します。これらの機能により、サービスユーザー ID およびパスワード、IP アドレス、Kubernetes ノード名、または他のプラットフォームの設定データ、プラットフォームを管理するユーザーの情報などの、技術データを削除できます。
データ削除のサポートに関して考慮する必要のある Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームのエリア:
-
プラットフォーム設定に関連する技術データはすべて、管理コンソールまたは Kubernetes
kubectl
API を使用して削除できます。
アカウントデータ削除のサポートに関して考慮する必要のある Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームのエリア:
-
プラットフォーム設定に関連する技術データはすべて、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes または Kubernetes または
kubectl
API を使用して削除できます。
エンタープライズ LDAP ディレクトリーで管理されているユーザー ID およびパスワードを削除する機能は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームが使用する LDAP 製品で提供されます。
1.5.11. 個人データの使用を制限する機能
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームでは、エンドユーザーはこのドキュメントでまとめられている機能を使用し、個人データとみなされるプラットフォーム内の技術データの使用を制限することができます。
GDPR では、ユーザーはデータへのアクセス、変更、取り扱いの制限をする権利があります。このガイドの他の項を参照して、以下を制御します。
アクセス権限
- Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームの管理者は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォーム機能を使用して、データへの個別アクセスを設定できます。
- Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームの管理者は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォーム機能を使用して、個人に対し、このプラットフォームが保持する個人データの情報を提供できます。
変更する権限
- Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームの管理者は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォーム機能を使用して、個人がデータを変更または修正できるようにします。
- Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームの管理者は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォーム機能を使用して、個人のデータを修正できます。
処理を制限する権限
- Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームの管理者は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォーム機能を使用して、個人データの取り扱いを停止できます。
1.5.12. 付録
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes は、プラットフォームとして複数のカテゴリーの技術データを扱いますが、その中には管理者ユーザー ID とパスワード、サービスユーザー ID とパスワード、Kubernetes ノード名など、個人データとみなされる可能性があるものも含まれます。また、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes プラットフォームは、プラットフォームの管理ユーザーに関する情報も扱います。プラットフォームで実行されるアプリケーションにより、プラットフォームではまだ知られていない、他のカテゴリーの個人データが取り込まれる可能性があります。
この付録には、プラットフォームサービスでロギングされるデータの情報が含まれます。
1.6. FIPS readiness
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes は FIPS 向けに設計されています。FIPS モードの Red Hat OpenShift Container Platform で実行する場合、OpenShift Container Platform は、OpenShift Container Platform でサポートされているアーキテクチャーでのみ、FIPS 検証のために NIST に提出された Red Hat Enterprise Linux 暗号化ライブラリーを使用します。NIST 検証プログラムの詳細は、暗号化モジュール検証プログラム を参照してください。RHEL 暗号化ライブラリーの個別バージョンに関して検証用に提出された最新の NIST ステータスは、Compliance Activities and Government Standards を参照してください。
FIPS を有効にしてクラスターを管理する予定の場合は、FIPS モードで動作するように設定した OpenShift Container Platform クラスターに Red Hat Advanced Cluster Management をインストールする必要があります。ハブクラスターで作成した暗号化はマネージドクラスターで使用されるため、ハブクラスターは FIPS モードである必要があります。
マネージドクラスターで FIPS モードを有効にするには、OpenShift Container Platform マネージドクラスターをプロビジョニングするときに fips: true
と設定します。クラスターのプロビジョニング後は、FIPS を有効にすることはできません。詳細は、OpenShift Container Platform のドキュメント クラスターに追加のセキュリティーが必要ですか? を参照してください。
1.6.1. 制限事項
Red Hat Advanced Cluster Management および FIPS には以下の制限を確認してください。
- Red Hat OpenShift Container Platform は、x86_64 アーキテクチャーの FIPS のみをサポートします。
- 検索および可観測性コンポーネントによって使用される Persistent Volume Claim (PVC) および S3 ストレージは、指定のストレージを設定する際に暗号化する必要があります。Red Hat Advanced Cluster Management はストレージ暗号化を提供しません。OpenShift Container Platform ドキュメントの 永続ストレージの設定 を参照してください。
Red Hat Advanced Cluster Management コンソールを使用してマネージドクラスターをプロビジョニングする場合は、マネージドクラスター作成の Cluster details セクションで以下のチェックボックスを選択して、FIPS 標準を有効にします。
FIPS with information text: Use the Federal Information Processing Standards (FIPS) modules provided with Red Hat Enterprise Linux CoreOS instead of the default Kubernetes cryptography suite file before you deploy the new managed cluster.
1.6.2. 関連情報
- NIST 検証プログラムの詳細は、暗号化モジュール検証プログラム を参照してください。
- RHEL 暗号化ライブラリーの個別バージョンに関して検証用に提出された最新の NIST ステータスは、Compliance Activities and Government Standards を参照してください。
- OpenShift Container Platform でサポートされるアーキテクチャーの詳細は、{cop-short} 4.13 release notes を参照してください。