13.4. イメージスキャン委譲へのアクセス
場合によっては、セキュアクラスターからのみアクセスできる隔離されたコンテナーイメージレジストリーを使用することがあります。イメージスキャン委譲機能を使用すると、セキュアクラスター内の任意のレジストリーからイメージをスキャンできます。
13.4.1. イメージスキャン委譲を利用したイメージスキャンの強化
現在、デフォルトで、Central Services Scanner は、OpenShift Container Platform 統合レジストリーからのイメージを除き、セキュアクラスター内で確認されたイメージに対してインデックス作成 (コンポーネントの識別) と脆弱性照合 (脆弱性データによるコンポーネントの強化) の両方を実行します。
OpenShift Container Platform 統合レジストリーからのイメージの場合、セキュアクラスターにインストールされた Scanner-slim がインデックス付けを実行し、Central Services Scanner が脆弱性の照合を実行します。
イメージスキャン委譲機能は、スキャン機能を拡張するものであり、すべてのレジストリーのイメージにインデックスを作成し、脆弱性照合のためにイメージを Central に送信することを Scanner-slim に許可します。この機能を使用するには、Scanner-slim がセキュアクラスターにインストールされていることを確認してください。Scanner-slim が存在しない場合、スキャン要求が Central に直接送信されます。
13.4.2. セキュアなクラスターを使用したイメージのスキャン
Central サービスの代わりにセキュアなクラスターを使用してイメージをスキャンするには、委譲されたイメージスキャン機能を使用できます。
新しい委譲スキャン設定では、イメージスキャンを委譲できるレジストリーを指定します。Sensor が監視するイメージの場合、委譲されたレジストリー設定を使用して、レジストリーなし、すべてのレジストリー、または特定のレジストリーからのスキャンを委任できます。
roxctl
CLI、Jenkins プラグイン、または API を使用してスキャンの委譲を有効にするには、宛先クラスターとソースレジストリーも指定する必要があります。
前提条件
イメージをスキャンするために、セキュアクラスター Scanner がインストールされている。
注記Scanner の有効化は、OpenShift Container Platform および Kubernetes セキュアクラスターでサポートされています。
手順
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RHACS ポータルで、Platform Configuration
Clusters をクリックします。 - Clusters ビューヘッダーで、Delegated scanning をクリックします。
Delegated Image Scanning ページで、以下の情報を提供します。
Delegate scanning for: 次のオプションのいずれかを選択して、イメージ委譲の範囲を選択します。
- None: デフォルトのオプション。このオプションは、統合された OpenShift イメージレジストリーからのイメージを除き、セキュアクラスターがイメージを スキャンしない ことを指定します。
- All registries: このオプションは、セキュアクラスターがすべてのイメージをスキャンすることを示します。
- Specified registries: このオプションは、レジストリーリストに基づいてセキュアクラスターがスキャンするイメージを指定します。
-
Select default cluster to delegate to: ドロップダウンリストから、デフォルトクラスターの名前を選択します。デフォルトのクラスターは、コマンドラインインターフェイス (CLI) および API からのスキャン要求を処理します。これはオプションであり、必要に応じて
None
を選択できます。 オプション: ソースレジストリーと宛先クラスターの詳細を指定するには、Add registry をクリックします。
たとえば、ソースレジストリーを
example.com
として指定し、宛先クラスターのドロップダウンリストからremote
を選択します。必要に応じて、複数のソースレジストリーおよび宛先クラスターを追加できます。重要スキャンリクエストが CLI および API から送信されていない場合は、宛先クラスターを
None
として選択できます。
- Save をクリックします。
イメージ統合は Central と Sensor の間で同期されるようになり、Sensor は各 namespace からプルシークレットをキャプチャーします。次に、Sensor はこれらの認証情報を使用してイメージレジストリーに対して認証します。
13.4.3. セキュアクラスターへの Scanner-slim のインストールと設定
13.4.3.1. Operator の使用
RHACS Operator は、OpenShift Container Platform 統合レジストリーと、必要に応じて他のレジストリー内のイメージをスキャンするために、各セキュアクラスターに Scanner-slim バージョンをインストールします。
詳細は、Operator を使用したセキュアクラスターへの RHACS のインストール を参照してください。
13.4.3.2. Helm の使用
セキュアクラスターサービスの Helm チャート (secured-cluster-services
) は、各セキュアクラスターに Scanner-slim バージョンをインストールします。Kubernetes では、セキュアクラスターサービスに Scanner-slim が含まれます。一方、OpenShift Container Platform では、OpenShift Container Platform 統合レジストリーと、必要に応じて他のレジストリー内のイメージをスキャンするために、RHACS によって各セキュアクラスターに Scanner-slim バージョンがインストールされます。
- OpenShift Container Platform でのインストールは、カスタマイズせずに secured-cluster-services Helm チャートをインストールする を参照してください。
- Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)、Google Kubernetes Engine (Google GKE)、Microsoft Azure Kubernetes Service (Microsoft AKS) などの OpenShift Container Platform 以外でのインストールは、カスタマイズせずに secured-cluster-services Helm チャートをインストールする を参照してください。
13.4.3.3. インストール後の検証
手順
セキュアクラスターのステータスで、Scanner が存在し、健全であることを確認します。
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RHACS ポータルで、Platform Configuration
Clusters に移動します。 - Clusters ビューで、クラスターを選択して詳細を表示します。
- Health Status カードに、Scanner が存在し、Healthy としてマークされていることを確認します。
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RHACS ポータルで、Platform Configuration
13.4.3.4. イメージスキャンの使用
roxctl
CLI、Jenkins、および API を使用して、クラスター固有の OpenShift Container Platform 統合イメージレジストリーに保存されているイメージをスキャンできます。スキャン委譲の設定で適切なクラスターを指定することも、roxctl
CLI、Jenkins、および API で利用可能なクラスターパラメーターを使用することもできます。
roxctl
CLI を使用してイメージをスキャンする方法の詳細は、roxctl CLI を使用したイメージスキャン を参照してください。