17.2. デプロイメントコレクションについて
デプロイメントコレクションは、PostgreSQL データベースを使用する RHACS のお客様のみが利用できます。デフォルトでは、RHACS Cloud Service は PostgreSQL データベースを使用し、RHACS リリース 4.0 以降をインストールするときにもデフォルトで使用されます。3.74 より前のリリースを使用している RHACS のお客様は、Red Hat の支援を受けて PostgreSQL データベースに移行できます。
RHACS コレクションは、ユーザー定義の名前付き参照です。選択ルールを使用して、論理グループを定義します。これらのルールは、デプロイメント、namespace、またはクラスターの名前またはラベルに一致する可能性があります。完全一致または正規表現を使用してルールを指定できます。コレクションは実行時に解決され、コレクションの定義時には存在しないオブジェクトを参照できます。コレクションは、他のコレクションを使用して構築し、複雑な階層を記述することができます。
コレクションは、動的インフラストラクチャーがどのように編成されているかを説明する言語を提供し、包含および除外スコープなどの RHACS プロパティーのクローン作成および繰り返し編集の必要性を排除します。
コレクションを使用して、次のようなシステム内のデプロイメントのグループを識別できます。
- 特定の開発チームが所有するインフラストラクチャー領域
- 開発クラスターまたは実稼働クラスターで実行するときに異なるポリシーの例外を必要とするアプリケーション
- 共通のデプロイメントラベルで定義された、複数の namespace にまたがる分散アプリケーション
- 実稼働環境またはテスト環境全体
コレクションは、RHACS ポータルを使用して、作成および管理できます。コレクションエディターは、デプロイメント、namespace、およびクラスターレベルで選択ルールを適用するのに役立ちます。正規表現を含め、単純なルールと複雑なルールを使用できます。正規表現では、RE2 構文 がサポートされています。Perl 構文はサポートされていません。
次の図に示すように、1 つ以上のデプロイメント、namespace、またはクラスターを選択して、コレクションを定義できます。この図は、reporting
という名前のデプロイメントを含むコレクション、または名前に db
を含むコレクションを示しています。コレクションには、kubernetes.io/metadata.name=medical
という特定のラベルが付いた namespace 内の名前に一致するデプロイメント、および production
という名前のクラスター内のデプロイメントが含まれます。

コレクションエディターは、他のコレクションをアタッチまたはネストすることにより、複雑な階層を記述するのにも役立ちます。エディターにはリアルタイムプレビューサイドパネルがあり、設定したルールとの一致結果を表示することで、適用しているルールを理解するのに役立ちます。次の図は、一連のコレクションルール (表示されていません) を使用した「Sensitive User Data」という名前のコレクションからの結果の例を示しています。「Sensitive User Data」コレクションには、「Credit card processors」と「Medical records」という 2 つのコレクションが添付されており、これらのコレクションには、それぞれ独自のコレクションルールがあります。サイドパネルに表示される結果には、3 つのコレクションすべてに設定されたルールに一致するアイテムが含まれています。
