4.6. プロセスベースラインの使用
インフラストラクチャーセキュリティーにプロセスベースを使用して、リスクを最小限に抑えることができます。この方法では、Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes はまず既存のプロセスを検出し、ベースラインを作成します。その後、デフォルトの deny-all モードで動作し、ベースラインにリスト表示されているプロセスのみを実行できます。
プロセスベースライン
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes をインストールすると、デフォルトのプロセスベースラインはありません。Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes がデプロイメントを検出すると、デプロイメントの全コンテナータイプのプロセスベースラインが作成されます。次に、検出されたすべてのプロセスを独自のプロセスベースラインに追加します。
プロセスベースラインの状態
プロセス検出フェーズでは、すべてのベースラインがロック解除された状態になります。
ロック解除 の状態:
- Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes が新しいプロセスを検出すると、そのプロセスをプロセスベースラインに追加します。
- プロセスはリスクとして表示されず、違反は発生しません。
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes がデプロイメントのコンテナーから最初のプロセスインジケーターを受け取ってから 1 時間後に、プロセス検出フェーズを終了します。この時点で、以下が行われます。
- Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes は、プロセスのベースラインへのプロセスの追加を停止します。
- プロセスベースラインにない新しいプロセスはリスクとして表示されますが、違反はトリガーしません。
違反を生成するには、プロセスベースラインを手動でロックする必要があります。
ロック 状態:
- Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes は、プロセスのベースラインへのプロセスの追加を停止します。
- プロセスベースラインにない新しいプロセスは違反をトリガーします。
ベースラインがロックされているかどうかに関係なく、ベースラインからいつでもプロセスを追加または削除できます。
デプロイメントで、各 Pod のコンテナーに複数のコンテナーがある場合には、Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes は各コンテナータイプごとにプロセスベースラインを作成します。ベースラインがロックされいるものと、ロック解除されているものがあるデプロイメントの場合には、そのデプロイメントのベースラインステータスは Mixed と表示されます。
4.6.1. プロセスベースラインの表示
Risk ビューからプロセスベースラインを表示できます。
手順
- RHACS ポータルで、ナビゲーションメニューから Risk を選択します。
- デフォルトの Risk ビューのデプロイメントリストからデプロイメントを選択します。デプロイメントの詳細が、右側のパネルで開きます。
- Deployment details パネルで、Process Discovery タブを選択します。
- プロセスベースラインは Spec Container Baselines セクションに表示されます。
4.6.2. ベースラインへのプロセスの追加
ベースラインにプロセスを追加できます。
手順
- RHACS ポータルで、ナビゲーションメニューから Risk を選択します。
- デフォルトの Risk ビューのデプロイメントリストからデプロイメントを選択します。デプロイメントの詳細が、右側のパネルで開きます。
- Deployment details パネルで、Process Discovery タブを選択します。
- Running Processes セクションで、プロセスベースラインに追加するプロセスの Add アイコンをクリックします。
Add アイコンは、プロセスベースラインにないプロセスでのみ利用できます。
4.6.3. ベースラインからのプロセスの削除
ベースラインからプロセスを削除できます。
手順
- RHACS ポータルで、ナビゲーションメニューから Risk を選択します。
- デフォルトの Risk ビューのデプロイメントリストからデプロイメントを選択します。デプロイメントの詳細が、右側のパネルで開きます。
- Deployment details パネルで、Process Discovery タブを選択します。
- Spec Container baselines セクションで、プロセスベースラインから削除するプロセスの Remove アイコンをクリックします。
4.6.4. プロセスベースラインのロックとロック解除
ベースラインを ロック して、ベースラインに記載されていない全プロセスの違反をトリガーし、ベースラインのロックを 解除 して違反をトリガーしないようにできます。
手順
- RHACS ポータルで、ナビゲーションメニューから Risk を選択します。
- デフォルトの Risk ビューのデプロイメントリストからデプロイメントを選択します。デプロイメントの詳細が、右側のパネルで開きます。
- Deployment details パネルで、Process Discovery タブを選択します。
Spec Container baselines セクションで、以下を実行します。
- ベースラインにないプロセスの違反をトリガーするには、Lock アイコンをクリックします。
- Unlock アイコンをクリックして、ベースラインにないプロセスの違反のトリガーを停止します。