8.2. Kafka のダウングレード
Kafka バージョンのダウングレードは、Cluster Operator によって実行されます。
8.2.1. ダウングレードでの Kafka バージョンの互換性
Kafka のダウングレードは、互換性のある現在およびターゲットの Kafka バージョン と、メッセージがログに記録された状態に依存します。
そのバージョンが、クラスターでこれまで使用された inter.broker.protocol.version
設定をサポートしない場合、または新しい log.message.format.version
を使用するメッセージメッセージにメッセージが追加された場合は、下位バージョンの Kafka に戻すことはできません。
Inter.broker.protocol.version
は、__consumer_offsets
に書き込まれたメッセージのスキーマなど、ブローカーによって保存される永続メタデータに使用されるスキーマを判断します。クラスターで以前使用された Inter.broker.protocol.version
が認識されない Kafka バージョンにダウングレードすると、ブローカーが認識できないデータが発生します。
ダウングレードする Kafka のバージョンの関係は次のとおりです。
-
ダウングレードする Kafka バージョンの
log.message.format.version
が現行バージョンと 同じ である場合、Cluster Operator は、ブローカーのローリング再起動を 1 回実行してダウングレードを行います。 別の
log.message.format.version
の場合、ダウングレード後の Kafka バージョンが使用するバージョンに設定されたlog.message.format.version
が常に 実行中のクラスターに存在する場合に限り、ダウングレードが可能です。通常は、アップグレードの手順がlog.message.format.version
の変更前に中止された場合にのみ該当します。その場合、ダウングレードには以下が必要です。- 2 つのバージョンで Interbroker プロトコルが異なる場合、ブローカーのローリング再起動が 2 回必要です。
- 両バージョンで同じ場合は、ローリング再起動が 1 回必要です。
以前のバージョンでサポートされない log.message.format.version
が新バージョンで使われていた場合 (log.message.format.version
のデフォルト値が使われていた場合など)、ダウングレードは実行 できません。たとえば、このリソースは log.message.format.version
が変更されていないため、Kafka バージョン 2.5.0 にダウングレードできます。
apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta1 kind: Kafka spec: # ... kafka: version: 2.6.0 config: log.message.format.version: "2.5" # ...
log.message.format.version
が "2.6"
に設定されているか、値がない(このためパラメーターに 2.6.0 ブローカーのデフォルト値 2.6 が採用される)場合は、ダウングレードは実施できません。