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Cryostat でのサイドカーコンテナーの設定

Red Hat build of Cryostat 2

Red Hat Customer Content Services

概要

『Cryostat でのサイドカーコンテナーの設定』 ドキュメントは、リソースをより効率的に管理できるように、メインの Cryostat コンテナーとは別のコンテナーでレポートを生成したいとお考えの方を対象としています。このドキュメントでは、Red Hat OpenShift 環境でサイドカーコンテナーをセットアップおよび設定する方法について説明します。

はじめに

Red Hat build of Cryostat は、JDK Flight Recorder (JFR) のコンテナーネイティブ実装です。これを使用すると、OpenShift Container Platform クラスターで実行されるワークロードで Java 仮想マシン (JVM) のパフォーマンスを安全にモニターできます。Cryostat 2.4 を使用すると、Web コンソールまたは HTTP API を使用して、コンテナー化されたアプリケーション内の JVM の JFR データを起動、停止、取得、アーカイブ、インポート、およびエクスポートできます。

ユースケースに応じて、Cryostat が提供するビルトインツールを使用して、Red Hat OpenShift クラスターに直接レコーディングを保存して分析したり、外部のモニタリングアプリケーションにレコーディングをエクスポートして、レコーディングしたデータをより詳細に分析したりできます。

重要

Red Hat build of Cryostat は、テクノロジープレビュー機能のみです。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ をご覧ください。

第1章 サイドカーコンテナーの概要

Cryostat はサイドカーコンテナーをサポートしているため、サイドカーコンテナーを使用して自動分析レポートを生成できます。

Cryostat 2.3 より前のバージョンでは、メインの Cryostat コンテナーを使用して自動分析レポートを生成する必要がありました。このアプローチはリソースを大量に消費し、メインの Cryostat コンテナーに追加のリソースをプロビジョニングする必要がある場合があるため、Cryostat アプリケーションの実行パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

サイドカーレポートコンテナーで自動分析レポートを生成することにより、Red Hat build of Cryostat Operator を効率的に使用して、Cryostat アプリケーションのリソースをプロビジョニングできます。これにより、ターゲットアプリケーションと対話する Cryostat インスタンスが HTTP および JMX 接続を介したオーバーヘッドの少ない操作の実行に集中できるため、Cryostat コンテナーのリソースフットプリントが削減されます。

さらに、サイドカーレポートコンテナーを複製し、この複製したコンテナーをニーズに合わせて設定することもできます。

第2章 サイドカーコンテナーのセットアップ

サイドカーコンテナーは、Red Hat OpenShift Web コンソールで、Red Hat build of Cryostat Operator がインストールされている Cryostat インスタンスを作成するときにセットアップできます。

さらに、Red Hat OpenShift 上の既存の Cryostat リソースを変更することで、サイドカーコンテナーをセットアップすることもできます。この操作により、Red Hat build of Cryostat Operator に、Red Hat OpenShift 上の既存の Cryostat インストールを変更するよう指示します。

前提条件

  • Red Hat OpenShift Web コンソールを使用して OpenShift Container Platform にログインしている。
  • Red Hat build of Cryostat Operator を Red Hat OpenShift のプロジェクトにインストールしている。Red Hat build of Cryostat Operator を使用した Red Hat OpenShift への Cryostat のインストール (Cryostat のインストール) を参照してください。
  • JMX または Cryostat エージェントが有効になっている Java アプリケーションを Cryostat インスタンスと同じ namespace 内でデプロイした。

手順

  1. Red Hat OpenShift Web コンソールから、Operators > Installed Operators に移動します。
  2. インストールされている Operator のリストから、Red Hat build of Cryostat Operator インスタンスの名前をクリックします。Web コンソールで Operator details ページが開きます。
  3. Provided APIs セクションで、Create instance をクリックします。
  4. Name フィールドなど、アスタリスクでマークされている必須フィールドに入力します。
  5. Create Cryostat 設定ページから、Report Options セクションに移動します。

  6. 展開アイコンをクリックし、Cryostat の自動レポート分析の実装を設定するためのオプションを表示します。

    図2.1 Create Cryostat 設定ページの Report Options セクション

    *Create Cryostat* 設定ページの *Report Options* セクション

  7. ニーズに合わせて、次のレポートオプションのいずれかを設定します。

    1. Replicas: デフォルトは 0 です。この値は、メインの Cryostat コンテナーがレポート生成を処理することを示します。サイドカーコンテナーのレプリカが分析レポートを生成して処理できるように、0 より大きい値を設定する必要があります。
    2. Resources: 各サイドカーレプリカのリソース制限を設定します。展開アイコンをクリックし、各サイドカーレプリカの設定可能な制限とリクエストオプションを表示します。オプションには、CPU cores、Memory、および Storage があります。Storage オプションは、サイドカーレポート生成との関連性が最も低いオプションです。各オプションでサポートされる単位は、Red Hat OpenShift によって設定されます。

    3. Sub Process Max Heap Size: メインの Cryostat コンテナーにのみ適用されます。レポートの生成に使用できるメインの Cryostat コンテナーの最大メモリー量を割り当てます。

      注記

      Sub Process Max Heap Size オプションに指定する値の型には、以下の制限が存在する場合があります。

      • 値が小さいと、レポートサイズがメインの Cryostat コンテナーに割り当てられたメモリーを超える可能性があるため、レポート生成リクエストが失敗する場合があります。さらに、JVM はレポートを処理するためにガベージコレクション (GC) 操作を常に実行する必要があるため、レポートの生成がタイムアウトする場合があります。
      • 値が大きいと、メインの Cryostat コンテナー内で動作する Cryostat インスタンスのメモリーリソースが枯渇する可能性があります。これは、レポート生成操作が終了するまでメモリーの制限が 2 つのメモリーパーティションに適用されるためです。

      オプションのデフォルト設定を使用してレポートを生成することを検討してください。デフォルト設定が要件に合わない場合は、オプションの設定を検討してください。

  8. Create をクリックし、Cryostat インスタンスを生成します。

検証

  1. Cryostat インスタンスの Cryostat details ページに移動し、Details タブを選択します。
  2. Application URL フィールドの下にある URL をクリックします。Web ブラウザーで OpenShift Container Platform ログインページにリダイレクトされたら、そこで認証情報を入力する必要があります。
  3. Cryostat Web コンソールから、ターゲット JVM を選択します。
  4. Recordings メニュー項目に移動し、Java 仮想マシン (JVM) の JFR レコーディングを開始します。

  5. Active Recordings タブまたは Archived Recordings タブで、リストされたレコーディングの横にあるツイストアイコン (v) を展開して、サイドカーの自動分析情報を表示します。

    図2.2 サイドカーレコーディングの自動分析情報を表示する例

    サイドカーレコーディングの自動分析情報を表示する例
  6. Red Hat OpenShift Web コンソールに移動し、Workloads > Pods を選択します。
  7. Pod の名前をクリックします。
  8. Pod details ページで、Logs タブをクリックします。

  9. 一時停止アイコンをクリックし、ログストリームを停止します。ログウィンドウに一連のログメッセージが表示されます。

    図2.3 Pod details ページの Log streaming ボタン

    *Pod details* ページの *Log streaming* ボタン

  10. サイドカーレポートコンテナーがメインの Cryostat コンテナーから生成されたレポートリクエストを受信したことを確認するログメッセージを見つけます。

    図2.4 Logs タブのログメッセージの例

    *Logs* タブのログメッセージの例

改訂日時: 2024-01-02

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