2.2. Helm チャート
Red Hat OpenShift 上の Red Hat build of Cryostat Operator を使用して Red Hat Cryostat をインストールする代わりに、Helm チャートを使用できます。Red Hat build of Cryostat Operator は Cryostat のインストールに適した方法ですが、より少ないクラスター権限で柔軟なインストール方法が必要な場合は、Helm チャートで Cryostat をインストールすることができます。
Helm は Red Hat OpenShift 上のパッケージマネージャーであり、以下のようなメリットがあります。
- カスタムフックを使用して、アプリケーションの定期的な更新を適用します。
- 複雑なアプリケーションのインストールを管理します。
- パブリックサーバーまたはプライベートサーバーでホストできるチャートを提供します。パブリックサーバーでチャートを共有する場合は、セキュリティー上のリスクを認識していることを確認してください。
- アプリケーションの以前のバージョンへのロールバックをサポートします。
デフォルトで、Red Hat OpenShift 4.12 には Helm チャートパッケージマネージャーが含まれています。
Cryostat Helm チャートで Cryostat をインストールする前に、Cryostat Helm チャートおよび Red Hat build of Cryostat Operator でサポートされている以下の機能を検討してください。
| 機能 | Cryostat Helm チャート | Red Hat build of Cryostat Operator |
|---|---|---|
| サービスを利用した Cryostat へのアクセス | ✓ | ✓ |
| ルートを利用した Cryostat へのアクセス | ✓ | ✓ |
| Basic 認証 | ✓ | |
| OpenShift OAuth 認証 | ✓ | |
| エンドツーエンドの暗号化 | ✓ | |
| Grafana インテグレーション | ✓ | ✓ |
| 永続ストレージ | ✓ | ✓ |
| Sidecar レポートジェネレーター | ✓ |
前出の表から、Cryostat Helm チャートが Red Hat build of Cryostat Operator と同じレベルの機能をサポートしていないことがわかります。
2.2.1. Helm チャートを使用した Cryostat のインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デフォルトで、Red Hat OpenShift 4.12 には Helm チャートパッケージマネージャーが含まれています。このパッケージマネージャーを使って、Red Hat OpenShift に Cryostat Helm チャートをインストールすることができます。次に、この Helm チャートを使って、Red Hat OpenShift に Cryostat インスタンスをインストールすることができます。
Cryostat Helm チャートをインストールすると、Helm チャートは以下のオブジェクトを作成します。
- Cryostat、Grafana、および Grafana 用のデータソースが含まれる Deployment。
- Cryostat と Grafana のサービスを Red Hat OpenShift クラスターの外部に公開する Routes。このオブジェクトは、Red Hat OpenShift ではデフォルトで有効になっています。
- Cryostat と Grafana の Services。
- Cryostat の Service Account、Role、および Role Binding により、Cryostat Helm チャートはこれらのオブジェクトを使用してアプリケーションを検出することができます。
前提条件
- Red Hat OpenShift Web コンソールを使用して OpenShift Container Platform にログインしている。
- OpenShift Container Platform でアプリケーションおよび他のワークロードを作成するために、プロジェクトで適切なロールと権限を設定している。
手順
- Red Hat OpenShift Web コンソールで、Developer モードに切り替えます。
- +Add メニューをクリックします。
- Developer Catalog パネルから、Helm Chart をクリックします。
Cryostat タイルをクリックします。Red Hat OpenShift の Web コンソールにウィンドウが表示されます。
ヒントCryostat タイルをすばやく見つけるには、検索フィールドに
Cryostatと入力してください。- Create をクリックします。
Create Helm Release ウィンドウで、次のアクションを実行します。
- Release name フィールドに、Cryostat Helm チャートの名前を入力します。
- Chart version ドロップダウンリストから、Cryostat のバージョンが選択されていることを確認します。
- オプション: Form view で Chart Values をクリックしてから、Cryostat Helm チャートのオプションを設定します。
オプション: その他の設定オプションにアクセスするには、YAML View に切り替えて、必要に応じてパラメーターを編集します。
図2.13 OpenShift Create Helm Release ウィンドウ
Create をクリックします。
Cryostat Helm チャートの情報を表示できるタブ付きのウィンドウが Web コンソールで開く場合があります。Release notes タブで、インストール後に実行する必要のある手順を確認できます。これらの手順を実行するには、Red Hat OpenShift クラスターの
ocCLI を使用する必要があります。Cryostat Helm チャートは、デフォルトでネットワークにRoutesを使用します。Routesを無効にしている場合、選択したネットワークの種類によって手順が異なる場合があります。重要Cryostat Helm チャートの
core.route.enabledまたはgrafana.route.enabledをfalseに設定すると、Routesリソースが無効になり、Web コンソールにポート転送ocの指示が表示されます。オプション: トポロジーウィンドウで Pod アイコンをクリックし、Details タブまたは Resources タブに移動して、Pod の詳細情報を表示します。
ヒントPod をすばやく見つける必要がある場合は、オプションの表示、リソースによるフィルタリング、Pod の名前の入力ができるフィルターツールバーの使用を検討してください。
Release notes タブに記載されているインストール後の手順を完了すると、アプリケーションで Cryostat を使用できるようになります。
図2.14 OpenShift の Pod トポロジーウィンドウ
検証
- インストール後の手順を完了したターミナルで、"Visit the Cryostat application at …" ステップに進み、Cryostat アプリケーションにアクセスできる URL を表示します。
Cryostat アプリケーション URL にアクセスするための URL は、選択した設定パラメーターによって異なります。
改訂日時: 2024-07-02