Cryostat 3.0 から Cryostat 4.0 への移行


Red Hat build of Cryostat 4

Red Hat Customer Content Services

概要

Red Hat build of Cryostat は、OpenShift Container Platform で提供される Red Hat 製品です。『Cryostat 3.0 から Cryostat 4.0 への移行』 ガイドでは、Cryostat 3.0 アプリケーションを Cryostat 4.0 にアップグレードする方法に関する情報が提供されています。

はじめに

Red Hat build of Cryostat は、JDK Flight Recorder (JFR) のコンテナーネイティブ実装です。これを使用すると、OpenShift Container Platform クラスターで実行されるワークロードで Java 仮想マシン (JVM) のパフォーマンスを安全にモニターできます。Cryostat を使用すると、Web コンソールまたは HTTP API を使用して、コンテナー化されたアプリケーション内の JVM の JFR データを起動、停止、取得、アーカイブ、インポート、およびエクスポートできます。

ユースケースに応じて、Cryostat が提供するビルトインツールを使用して、Red Hat OpenShift クラスターに直接レコーディングを保存して分析したり、外部のモニタリングアプリケーションにレコーディングをエクスポートして、レコーディングしたデータをより詳細に分析したりできます。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、用語の置き換えは、今後の複数のリリースにわたって段階的に実施されます。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ をご覧ください。

第1章 Cryostat 移行の概要

Red Hat OpenShift のクラスター管理者は、Cryostat 3.0 から Cryostat 4.0 にアップグレードできます。このガイドでは、Cryostat 4.0 リリースの移行プロセスと、一貫した動作を維持するために必要なアプリケーション設定の更新を説明します。

移行プロセス を開始する前に、次の手順を実行します。

1.1. 移行の推奨事項

アップグレード後にカスタマイズを復元できるように、Cryostat データをバックアップしてから移行することを検討してください。

このデータには以下が含まれます。

  • カスタムイベントテンプレート
  • カスタムダッシュボードのレイアウト
  • アクティブおよびアーカイブされたレコーディング
  • カスタム自動化ルール

    注記

    Cryostat バージョン 3.0 と 4.0 のデータベース管理の違いにより、Cryostat 3.0 で作成した自動化ルールはアップグレード後に自動的には使用できなくなります。アップグレードする前に、引き続き使用する既存のルールをダウンロードしてください。自動化ルールのダウンロードの詳細は、自動化ルールの定義の作成 を参照してください。

以前の SSL 証明書と保存された認証情報の設定がある場合は、移行中にこれらが使用可能であることを確認します。

1.2. アプリケーション設定の変更

Red Hat build of Cryostat 4.0 リリースの新機能の一部として、Cryostat Operator を使用して Cryostat エージェントを自動的に設定できます。この新しい自動設定機能の詳細は、Cryostat のスタートガイドCryostat エージェントの機能: Cryostat エージェントの自動または手動設定 を参照してください。

Red Hat が現在調査中の既知の問題により、Cryostat 4.0 では Cryostat エージェントの手動設定が正しく機能しません。Red Hat は今後のリリースでこの問題を修正する予定です。アプリケーションで 4.0 リリースの Cryostat エージェントを使用する場合は、Cryostat Operator が Cryostat エージェントを自動的に設定できるようにする必要があります。詳細は、Cryostat Operator によるエージェントの自動設定の有効化 を参照してください。

第2章 Cryostat の移行プロセス

Cryostat 4.0 への移行プロセスには、次のタスクが含まれます。

2.1. 既存の Cryostat インストールのアップグレード

Update approval ストラテジーが Automatic に設定されている場合、Cryostat Operator は通常、自動的に更新されます。

Update approval ストラテジーが Manual に設定されている場合は、次の手順を実行します。

注記

使用している Red Hat OpenShift Container Platform のバージョンによっては、アップグレードされた Operator によって Cryostat Web コンソールプラグインもインストールされる場合があります (Cryostat Web コンソールプラグインの自動インストール を参照)。

手順

  1. 管理者は、Red Hat OpenShift Web コンソールのメインナビゲーションで、ドロップダウンメニューをクリックし、Administrator を選択します。
  2. ナビゲーションメニューで、Operators > Installed Operators をクリックします。
  3. インストールされている Red Hat build of Cryostat Operator を検索します。
  4. Cryostat Operator のバージョンとステータスを確認します。

    Cryostat のバージョンは 3.0 になり、Status 列に Upgrade available と表示されます。

  5. Upgrade available をクリックします。
  6. Preview InstallPlanApprove の順にクリックします。

Cryostat 4.0 へのアップグレードが正常に完了しました。

注記

キャッシュされたセッションが確実にリセットされるようにするには、Cryostat Web アプリケーションを開くときにブラウザーのハードリフレッシュが必要になる場合があります。

2.1.1. Cryostat Web コンソールプラグインの自動インストール

Red Hat OpenShift Container Platform 4.15 以降を使用している場合、アップグレードされた Cryostat Operator によって、4.0 リリースの新機能である Cryostat Web コンソールプラグインが自動的にインストールされます。このプラグインを使用すると、OpenShift Container Platform コンソールから直接 Cryostat Web コンソール機能にアクセスできるため、個々の Cryostat インスタンスの個別のユーザーインターフェイスにアクセスする必要はありません。この場合、Web コンソールの更新が利用可能であることを示すトースト通知がパネルの右上隅に表示されます。

図2.1 Web コンソール更新に関するプロンプト

Web コンソール更新に関するプロンプト

Web コンソールを更新すると、OpenShift Container Platform コンソールの左側のナビゲーションペインに Cryostat オプションが自動的に追加されます。1 つ以上の Cryostat インスタンスを作成したら、Cryostat オプションをクリックして、OpenShift Container Platform コンソールからこれらのインスタンスに直接アクセスできるようになります。

注記

アップグレードされた Cryostat Operator は、Red Hat OpenShift Container Platform 4.15 以降での Cryostat Web コンソールプラグインのインストールのみをサポートします。Operator がクラスターのバージョンが 4.15 より前であることを検出すると、Operator は Web コンソールプラグインをインストールできませんが、その他の Cryostat 機能はすべて期待どおりに動作します。

2.2. デプロイされたアプリケーションの更新

Cryostat 4.0 での Java アプリケーションの設定に関する詳細は、Java アプリケーションの設定 を参照してください。

2.3. 以前の設定を復元する

イベントテンプレート、ダッシュボードレイアウト、JFR レコーディング、自動化ルールなど、以前にカスタマイズした Cryostat 設定は、次のガイドを参照してこれらのカスタマイズを復元してください。

イベントテンプレート
詳細は、カスタムイベントテンプレートの使用 のステップ 7 を参照してください。
ダッシュボードのレイアウト
詳細は、ダッシュボードレイアウトの復元 を参照してください。
JFR レコーディング
詳細は、JFR レコーディングの Cryostat アーカイブ先へのアップロード を参照してください。
自動化ルール
詳細は、JSON での自動化ルールのアップロード を参照してください。

改訂日時: 2025-03-25

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