Eclipse Temurin 8.0.382 のリリースノート
概要
はじめに
Open Java Development Kit (OpenJDK) は、Java Platform Standard Edition (Java SE) のオープンソース実装です。Eclipse Temurin は、OpenJDK 8u、OpenJDK 11u、および OpenJDK 17u の 3 つの LTS バージョンで利用できます。
Eclipse Temurin のバイナリーファイルは、macOS、Microsoft Windows と、Red Hat Enterprise Linux や Ubuntu を含む複数の Linux x86 オペレーティングシステムで利用できます。
Red Hat build of OpenJDK ドキュメントへのフィードバック
エラーを報告したり、ドキュメントを改善したりするには、Red Hat Jira アカウントにログインし、課題を送信してください。Red Hat Jira アカウントをお持ちでない場合は、アカウントを作成するように求められます。
手順
- 次のリンクをクリックして チケットを作成します。
- Summary に課題の簡単な説明を入力します。
- Description に課題や機能拡張の詳細な説明を入力します。問題があるドキュメントのセクションへの URL を含めてください。
- Submit をクリックすると、課題が作成され、適切なドキュメントチームに転送されます。
多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ をご覧ください。
第1章 Eclipse Temurin のサポートポリシー
Red Hat は、一部の Eclipse Temurin のメジャーバージョンをサポートします。一貫性を保つために、これらのバージョンは、Oracle が Oracle JDK 向けに長期サポート (LTS) を指定しているバージョンと同じになります。
Eclipse Temurin のメジャーバージョンは、バージョンの初回導入時点から最低 6 年間サポートされます。詳細は、Eclipse Temurin Life Cycle and Support Policy を参照してください。
RHEL 6 のライフサイクルは 2020 年 11 月に終了します。このため、Eclipse Temurin はサポート対象の設定として RHEL 6 をサポートしません。
第2章 Eclipse Temurin の機能
Eclipse Temurin には、OpenJDK のアップストリームディストリビューションの構造の変更は含まれません。
Eclipse Temurin の最新の OpenJDK 11 リリースに含まれる変更点とセキュリティー修正の一覧は、OpenJDK 11.0.20 Released を参照してください。
2.1. 新機能および機能拡張
次のリリースノートを確認して、Eclipse Temurin 8.0.382 リリースに含まれる新機能と機能拡張を理解してください。
TLS Diffie-Hellman のデフォルトのグループサイズが増加しました
OpenJDK 11.0.21 では、TLS 1.2 の JDK 実装はデフォルトの Diffie-Hellman キーサイズ 2048 ビットを使用します。これは、デフォルトの Diffie-Hellman キーサイズが 1024 ビットであった以前のリリースの動作を置き換えるものです。
これは、TLS_DHE
暗号スイートがネゴシエートされ、クライアントまたはサーバーのいずれかが Finite Field Diffie-Hellman Ephemeral (FFDHE) パラメーターをサポートしない場合にかかわってくる拡張機能です。JDK TLS 実装は FFDHE をサポートします。FFDHE 、デフォルトで有効になっており、より強力なキーサイズをネゴシエートできます。
回避策として、jdk.tls.ephemeralDHKeySize
システムプロパティーを 1024
に設定することで、以前のキーサイズに戻すことができます。リスクを軽減するためには、デフォルトのキーサイズである 2048 ビットを使用することを検討してください。
TLS 1.3 はすでに 2048 ビットの最小 Diffie-Hellman キーサイズを使用しているため、この変更の影響は受けません。
JDK-8301700 (JDK Bug System) を参照してください。
サーバー側の暗号スイート設定がデフォルトで使用されるようになりました
OpenJDK 11.0.21 では、SunJSSE プロバイダーはデフォルトでローカルサーバー側の暗号スイートの設定を使用します。これは、サーバーが接続クライアントが指定した設定を使用していた以前のリリースの動作に代わるものです。
サーバー側で SSLParameters.setUseCipherSuitesOrder(false)
を使用すると、以前の動作に戻すことができます。
JDK-8168261 (JDK Bug System) を参照してください。
PKCS#1 形式の RSA 鍵がサポートされるようになりました
JDK プロバイダーが、SunRsaSign プロバイダーの RSA KeyFactory.impl
など、PKCS#1 形式の RSA (Rivest-Shamir-Adleman) 秘密鍵および公開鍵を受け入れることができるようになりました。この機能を使用するには、RSA 秘密鍵または公開鍵オブジェクトが PKCS#1 形式であり、PKCS#1 RSA 秘密鍵および公開鍵の ASN.1 構文に一致するエンコーディングである必要があります。
JDK-8023980 (JDK Bug System) を参照してください。
-XshowSettings:locale
オプションの出力には、tzdata
バージョンが含まれています
OpenJDK 11.0.21 では、-XshowSettings
launcher オプションは JDK が使用する tzdata
バージョンも出力します。tzdata
のバージョンは、-XshowSettings:locale
オプションの出力の一部として表示されます。
以下に例を示します。
Locale settings: default locale = English default display locale = English default format locale = English tzdata version = 2023c
Locale settings:
default locale = English
default display locale = English
default format locale = English
tzdata version = 2023c
JDK-8305950 (JDK Bug System) を参照してください。
Certigna ルート CA 証明書の追加
OpenJDK 11.0.21 では、cacerts
トラストストアに以下の Certigna ルート証明書が含まれています。
- 名前: Certigna (Dhimyotis)
- エイリアス名: certignarootca
- 識別名: CN=Certigna Root CA、OU=0002 48146308100036、O=Dhimyotis、C=FR
JDK-8314960 (JDK Bug System) を参照してください。
デフォルトの java.security
ファイルのロードに失敗した場合にエラーが出力されるようになりました
以前のリリースでは、java.security
ファイルが正常にロードできなかった場合、OpenJDK はハードコーディングされたセキュリティープロパティーのセットを使用していました。しかし、このプロパティーのセットは十分に維持管理されておらず、JDK がこれらのユーティリティーを使用していることがユーザーにはわかりませんでした。
この問題に対処するために、java.security
ファイルが正常にロードできない場合、OpenJDK 11.0.21 は代わりに InternalError
を出力します。
JDK-8155246 (JDK バグシステム) を参照してください。
いくつかの JAAS コールバッククラスで配列が複製されるようになりました
以前のリリースでは、ChoiceCallback
および ConfirmationCallback
JAAS クラスで、配列がコンストラクターに渡されるとき、または返されるときに、配列が複製されませんでした。この動作により、外部プログラムがこれらのクラスの内部フィールドにアクセスできるようになっていました。
OpenJDK 11.0.21 では、JAAS クラスはクローン作成された配列を返します。
JDK-8242330 (JDK Bug System) を参照してください。
2.2. 非推奨の機能
次のリリースノートを確認して、Eclipse Temurin 11.0.21 で非推奨または削除された既存の機能を理解してください。
SECOM Trust Systems のルート CA1 証明書が削除されました
OpenJDK 11.0.21 以降では、cacerts
トラストストアに SECOM Trust Systems ルート証明書が含まれなくなりました。
- エイリアス名: secomscrootca1 [jdk]
- 識別名: OU=Security Communication RootCA1、O=SECOM Trust.net、C=JP
JDK-8295894 (JDK Bug System) を参照してください。
改訂日時: 2024-05-10