Red Hat build of OpenJDK 11.0.18 のリリースノート
概要
はじめに
Open Java Development Kit (OpenJDK) は、Java Platform Standard Edition (Java SE) のオープンソース実装です。Red Hat build of OpenJDK は、8u、11u、17u、21u の 4 つのバージョンで利用できます。
Red Hat build of OpenJDK 向けパッケージは、Red Hat Enterprise Linux および Microsoft Windows で利用でき、Red Hat Ecosystem Catalog の JDK および JRE として同梱されています。
Red Hat build of OpenJDK ドキュメントへのフィードバック
エラーを報告したり、ドキュメントを改善したりするには、Red Hat Jira アカウントにログインし、課題を送信してください。Red Hat Jira アカウントをお持ちでない場合は、アカウントを作成するように求められます。
手順
- 次のリンクをクリックして チケットを作成します。
- Summary に課題の簡単な説明を入力します。
- Description に課題や機能拡張の詳細な説明を入力します。問題があるドキュメントのセクションへの URL を含めてください。
- Submit をクリックすると、課題が作成され、適切なドキュメントチームに転送されます。
多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ をご覧ください。
第1章 Red Hat build of OpenJDK のサポートポリシー
Red Hat は、Red Hat build of OpenJDK の一部のメジャーバージョンを製品でサポートします。一貫性を保つために、これらのバージョンは、Oracle が Oracle JDK 向けに長期サポート (LTS) を指定しているバージョンと同じになります。
Red Hat build of OpenJDK のメジャーバージョンは、最初に導入された時点から少なくとも 6 年間サポートされます。詳細は、OpenJDK のライフサイクルおよびサポートポリシー を参照してください。
RHEL 6 のライフサイクルは 2020 年 11 月に終了します。このため、Red Hat build of OpenJDK は、サポート対象の設定として RHEL 6 をサポートしていません。
第2章 アップストリームの OpenJDK 11 との相違点
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) の Red Hat build of OpenJDK には、OpenJDK のアップストリームディストリビューションの構造上の変更が数多く含まれています。Red Hat build of OpenJDK の Microsoft Windows バージョンは、RHEL の更新にできる限り従います。
次のリストは、Red Hat build of OpenJDK 11 の最も注目すべき変更点を詳しく示しています。
- FIPS のサポート。Red Hat build of OpenJDK 11 は、RHEL が FIPS モードであるかどうかを自動的に検出し、Red Hat build of OpenJDK 11 がそのモードで動作するように自動的に設定します。この変更は、Microsoft Windows 向けの Red Hat build of OpenJDK ビルドには適用されません。
- 暗号化ポリシーのサポート。Red Hat build of OpenJDK 11 は、RHEL から有効な暗号化アルゴリズムとキーサイズの制約のリストを取得します。これらの設定コンポーネントは、トランスポート層セキュリティー (TLS) 暗号化プロトコル、証明書パス検証、および署名された JAR によって使用されます。さまざまなセキュリティープロファイルを設定して、安全性と互換性のバランスをとることができます。この変更は、Microsoft Windows 向けの Red Hat build of OpenJDK ビルドには適用されません。
-
RHEL の Red Hat build of OpenJDK は、アーカイブ形式のサポート用の
zlib
、イメージのサポート用のlibjpeg-turbo
、libpng
、giflib
などのネイティブライブラリーと動的にリンクします。また、RHEL はフォントのレンダリングと管理のために、Harfbuzz
およびFreetype
に対して動的にリンクします。 -
src.zip
ファイルには、Red Hat build of OpenJDK に同梱されるすべての JAR ライブラリーのソースが含まれています。 - RHEL の Red Hat build of OpenJDK は、タイムゾーン情報のソースとして、システム全体のタイムゾーンデータファイルを使用します。
- RHEL の Red Hat build of OpenJDK は、システム全体の CA 証明書を使用します。
- Microsoft Windows の Red Hat build of OpenJDK には、RHEL で利用可能な最新のタイムゾーンデータが含まれています。
- Microsoft Windows の Red Hat build of OpenJDK は、RHEL から入手可能な最新の CA 証明書を使用します。
関連情報
- システムが FIPS モードであるかどうかの検出の詳細は、Red Hat RHEL Planning Jira の システム FIPS 検出の改善 の例を参照してください。
- 暗号化ポリシーの詳細については、Using system-wide cryptographic policies を参照してください。
第3章 Red Hat build of OpenJDK の機能
最新の Red Hat build of OpenJDK 11 リリースには、新機能が含まれる可能性があります。さらに、最新リリースは、以前の Red Hat build of OpenJDK 11 リリースに由来する機能を強化、非推奨、または削除する可能性があります。
その他の変更点やセキュリティー修正は、OpenJDK 11.0.22 Released を参照してください。
Red Hat build of OpenJDK の新しい機能と機能拡張
Red Hat build of OpenJDK 8.0.392 リリースが提供する新しい機能と機能拡張について理解するには、以下のリリースノートを参照してください。
新しい JFR イベント jdk.SecurityProviderService
java.security.Provider.getService (String type、String Algorithm)
メソッドを呼び出すと、新しい JFR イベント jdk.SecurityProviderService
がトリガーされるようになりました。
jdk.SecurityProviderService
イベントには、次の 3 つのフィールドが含まれます。
- Type: サービスのタイプ
- Algorithm: アルゴリズム名
- Provider: セキュリティープロバイダー
jdk.SecurityProviderService
イベントはデフォルトでは無効になっています。このイベントは、標準の JFR 設定ファイルとオプションを使用して有効にできます。
JDK-8254711 (JDK バグシステム) を参照してください。
jdk.jar.maxSignatureFileSize
システムプロパティーのデフォルト値の増加
Red Hat build of OpenJDK 11.0.20 では、Java アーカイブ (JAR) ファイルで署名関連のファイルに許可される最大バイト数を設定するための jdk.jar.maxSignatureFileSize
システムプロパティーが導入されました (JDK-8300596)。デフォルトでは、jdk.jar.maxSignatureFileSize
プロパティーは 8000000 バイト(8 MB)に設定され、Mend (以前の WhiteSource)Unified Agent JAR ファイルなどの一部の JAR ファイルでは小さすぎていました。
Red Hat build of OpenJDK 21.0.1 では、jdk.jar.maxSignatureFileSize
プロパティーのデフォルト値が 16000000 バイト (16 MB) に増加します。
JDK-8312489 (JDK Bug System) を参照してください。
Telia Root CA v2 証明書の追加
Red Hat build of OpenJDK 11.0.22 では、cacerts
トラストストアに Telia ルート認証局(CA) v2 証明書が含まれています。
- Name: Telia Root CA v2
- エイリアス名:teliarootcav2
- 識別名:CN=Telia Root CA v2、O=Telia Finland Oyj, C=FI
JDK-8312489 (JDK Bug System) を参照してください。
Let's Encrypt ISRG Root X2 CA 証明書の追加
Red Hat build of OpenJDK 11.0.22 では、cacerts
トラストストアに Let's Encrypt からの Internet Security Research Group (ISRG) Root X2 CA 証明書が含まれています。
- 名前:Let's Encrypt
- エイリアス名:letsencryptisrgx2
- 識別名:CN=ISRG Root X2, O=Internet Security Research Group, C=US
JDK-8312489 (JDK Bug System) を参照してください。
DigiCert, Inc. ルート証明書が追加されました
Red Hat build of OpenJDK 11.0.22 では、cacerts
トラストストアに 4 つの Digicert, Inc. ルート証明書が含まれています。
- 証明書 1
- 名前:DigiCert, Inc.
- エイリアス名:digicertcseccrootg5
- 識別名:CN=DigiCert CS ECC P384 Root G5, O="DigiCert, Inc.", C=US
- 証明書 2
- 名前:DigiCert, Inc.
- エイリアス名:digicertcsrsarootg5
- 識別名:CN=DigiCert CS RSA4096 Root G5, O="DigiCert, Inc.", C=US
- 証明書 3
- 名前:DigiCert, Inc.
- エイリアス名:digicerttlseccrootg5
- 識別名:CN=DigiCert TLS ECC P384 Root G5, O="DigiCert, Inc.", C=US
- 証明書 4
- 名前:DigiCert, Inc.
- エイリアス名:digicerttlsrsarootg5
- 識別名:CN=DigiCert TLS RSA4096 Root G5, O="DigiCert, Inc.", C=US
JDK-8312489 (JDK Bug System) を参照してください。
eMudhra Technologies Limited root certificates added
Red Hat build of OpenJDK 11.0.22 では、cacerts
トラストストアに 3 つの eMudhra Technologies Limited root certificates が含まれています。
- 証明書 1
- Name: eMudhra Technologies Limited
- エイリアス名:emsignrootcag1
- 識別名:CN=emSign Root CA - G1 O=eMudhra Technologies Limited, OU=emSign PKI, C=IN
- 証明書 2
- Name: eMudhra Technologies Limited
- エイリアス名:emsigneccrootcag3
- 識別名:CN=emSign ECC Root CA - G3, O=eMudhra Technologies Limited, OU=emSign PKI, C=IN
- 証明書 3
- Name: eMudhra Technologies Limited
- エイリアス名:emsignrootcag2
- 識別名:CN=emSign Root CA - G2, O=eMudhra Technologies Limited, OU=emSign PKI, C=IN
JDK-8312489 (JDK Bug System) を参照してください。
第4章 このリリースに関連するアドバイザリー
このリリースに含まれるバグ修正と CVE 修正を文書化するために、次のアドバイザリーが発行されます。
改訂日時: 2024-05-10