Eclipse Temurin 17.0.9 のリリースノート
概要
はじめに
Open Java Development Kit (OpenJDK) は、Java Platform Standard Edition (Java SE) のオープンソース実装です。Eclipse Temurin は、OpenJDK 8u、OpenJDK 11u、および OpenJDK 17u の 3 つの LTS バージョンで利用できます。
Eclipse Temurin のバイナリーファイルは、macOS、Microsoft Windows と、Red Hat Enterprise Linux や Ubuntu を含む複数の Linux x86 オペレーティングシステムで利用できます。
Red Hat build of OpenJDK ドキュメントへのフィードバック
エラーを報告したり、ドキュメントを改善したりするには、Red Hat Jira アカウントにログインし、課題を送信してください。Red Hat Jira アカウントをお持ちでない場合は、アカウントを作成するように求められます。
手順
- 次のリンクをクリックして チケットを作成します。
- Summary に課題の簡単な説明を入力します。
- Description に課題や機能拡張の詳細な説明を入力します。問題があるドキュメントのセクションへの URL を含めてください。
- Submit をクリックすると、課題が作成され、適切なドキュメントチームに転送されます。
多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ をご覧ください。
第1章 Eclipse Temurin のサポートポリシー
Red Hat は、一部の Eclipse Temurin のメジャーバージョンをサポートします。一貫性を保つために、これらのバージョンは、Oracle が長期サポート (LTS) として指定している Oracle JDK バージョンと同様のままとなります。
Eclipse Temurin のメジャーバージョンは、最初に導入された時点から少なくとも 6 年間サポートされます。詳細は、Eclipse Temurin のライフサイクルおよびサポートポリシー を参照してください。
RHEL 6 のライフサイクルは 2020 年 11 月に終了します。このため、Eclipse Temurin はサポート対象の構成として RHEL 6 をサポートしません。
第2章 Eclipse Temurin の機能
Eclipse Temurin には、OpenJDK のアップストリームディストリビューションの構造の変更は含まれません。
最新の OpenJDK 17 の Eclipse Temurin リリースに含まれる変更点とセキュリティー修正のリストについては、OpenJDK 17.0.9 Released を参照してください。
2.1. 新機能および機能拡張
Eclipse Temurin 17.0.9 リリースに含まれる新機能と機能拡張について理解するには、次のリリースノートを確認してください。
TLS Diffie-Hellman のデフォルトのグループサイズが増加
OpenJDK 17.0.9 では、TLS 1.2 の JDK 実装は、デフォルトの Diffie-Hellman キーサイズである 2048 ビットを使用します。これは、デフォルトの Diffie-Hellman キーサイズが 1024 ビットであった以前のリリースの動作を置き換えるものです。
これは、TLS_DHE
暗号スイートがネゴシエートされ、クライアントまたはサーバーのいずれかが Finite Field Diffie-Hellman Ephemeral (FFDHE) パラメーターをサポートしない場合にかかわってくる拡張機能です。JDK TLS 実装は FFDHE をサポートします。FFDHE 、デフォルトで有効になっており、より強力なキーサイズをネゴシエートできます。
回避策として、jdk.tls.ephemeralDHKeySize
システムプロパティーを 1024
に設定することで、以前のキーサイズに戻すことができます。リスクを軽減するためには、デフォルトのキーサイズである 2048 ビットを使用することを検討してください。
TLS 1.3 はすでに 2048 ビットの最小 Diffie-Hellman キーサイズを使用しているため、この変更の影響は受けません。
JDK-8301700 (JDK Bug System) を参照してください。
-XshowSettings:locale
オプションの出力には tzdata
バージョンが含まれる
OpenJDK 17.0.9 では、-XshowSettings
ランチャーオプションは、JDK が使用する tzdata
バージョンも出力します。tzdata
のバージョンは、-XshowSettings:locale
オプションの出力の一部として表示されます。
以下に例を示します。
Locale settings: default locale = English default display locale = English default format locale = English tzdata version = 2023c
JDK-8305950 (JDK Bug System) を参照してください。
Certigna ルート CA 証明書の追加
OpenJDK 17.0.9 では、cacerts
トラストストアに次の Certigna ルート証明書が含まれています。
- 名前: Certigna (Dhimyotis)
- エイリアス名: certignarootca
- 識別名: CN=Certigna Root CA、OU=0002 48146308100036、O=Dhimyotis、C=FR
JDK-8314960 (JDK Bug System) を参照してください。
2.2. 非推奨の機能
Eclipse Temurin 17.0.9 で非推奨または削除された既存の機能を理解するには、次のリリースノートを確認してください。
SECOM Trust Systems のルート CA1 証明書が削除される
OpenJDK 17.0.9 では、cacerts
トラストストアから次のルート証明書が削除されます。
- エイリアス名: secomscrootca1 [jdk]
- 識別名: OU=Security Communication RootCA1、O=SECOM Trust.net、C=JP
JDK-8295894 (JDK Bug System) を参照してください。
改訂日時: 2024-05-04