1.2. アノテーションを使用した認可
Quarkus には、一般的なセキュリティーアノテーション @RolesAllowed、@DenyAll、REST エンドポイント、および CDI Bean の@PermitAll に基づいて、ロールベースのアクセス制御(RBAC) を許可する組み込みセキュリティーが含まれています。
quarkus.http.auth 設定の認可チェックは、標準のセキュリティーアノテーションのセキュリティーチェックの前に実行されます。したがって、@PermitAll は、HTTP 権限によって制限されていないパスへのアクセスのみを許可します。@PermitAll は、HTTP レベルのセキュリティー設定をオーバーライドできず、@RolesAllowed などの他の標準セキュリティーアノテーションによって課せられた制限を緩和するだけです。
| アノテーションタイプ | 説明 |
|---|---|
|
| どのセキュリティーロールも指定のメソッドを呼び出すことができないことを指定します。 |
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| すべてのセキュリティーロールが指定のメソッドを呼び出せることを指定します。
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| アプリケーション内のメソッドへのアクセスを許可するセキュリティーロールのリストを指定します。 |
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Quarkus は、認証されたユーザーがリソースへのアクセスを許可する |
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| 指定されたメソッドを呼び出すことが許可される権限のリストを指定します。 |
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指定された Jakarta REST エンドポイントへのアクセスを許可する名前付きの |
次の SubjectExposingResource の例は、エンドポイントの記述および保護に Jakarta REST と Common Security アノテーションの両方を使用するエンドポイントを示しています。
SubjectExposingResource の例
- 1
/subject/securedエンドポイントは、@RolesAllowed("Tester")アノテーションを使用して "Tester" ロールが付与された認証済みユーザーを必要とします。- 2
- エンドポイントは、Jakarta REST
SecurityContextからユーザープリンシパルを取得します。これは、保護されたエンドポイントに対してnon-nullを返します。 - 3
/subject/authenticatedエンドポイントでは、@Authenticatedアノテーションを指定して、認証されたすべてのユーザーを許可します。- 4
/subject/unsecuredエンドポイントは、@PermitAllアノテーションを指定することにより、認証されていないアクセスを許可します。- 5
- ユーザープリンシパルを取得する呼び出しは、呼び出し元が認証されていない場合は
nullを返し、呼び出し元が認証されている場合はnon-nullを返します。 - 6
/subject/deniedエンドポイントは、@DenyAllアノテーションを宣言することにより、呼び出し元のユーザーに関係なく、REST メソッドとしての直接アクセスをすべて禁止します。このメソッドは、このクラスの他のメソッドによって内部的に呼び出すことができます。
IO スレッドで標準のセキュリティーアノテーションを使用する予定の場合は、プロアクティブ認証 の情報を確認してください。
@RolesAllowed アノテーション値は、デフォルト値やネストされたプロパティー式を含む プロパティー式 をサポートします。アノテーションで使用される設定プロパティーは実行時に解決されます。
| アノテーション | 値の説明 |
|---|---|
|
|
エンドポイントは、 |
|
| 値に複数の変数を含めることができることを示す例。 |
|
|
デフォルト値の例示。必要なロールを、 |
@RolesAllowed アノテーションでのプロパティー式の使用例
サブジェクトアクセス制御の例
- 1
@RolesAllowedアノテーションの値は、Administratorという値に設定されます。- 2
- この
/subject/software-testerエンドポイントには、"Software-Tester" ロールが付与された認証済みユーザーが必要です。ロールの定義では複数の式を使用できます。 - 3
- この
/subject/userエンドポイントには、@RolesAllowed("${customer:User}")アノテーションを使用して "User" ロールが付与された認証済みユーザーが必要です。これは、設定プロパティーcustomerを設定しなかったためです。 - 4
- 実稼働環境では、この
/subject/securedエンドポイントには、Userロールを持つ認証済みユーザーが必要です。開発モードでは、すべての認証済みユーザーが許可されます。 - 5
- プロパティー式
all-rolesは、コレクション型Listとして扱われます。そのため、このエンドポイントには、Administrator、Software、Tester、Userの各ロールがアクセスできるようになります。
1.2.1. エンドポイントセキュリティーアノテーションと Jakarta REST 継承 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Quarkus は、次の例のようにエンドポイント実装またはそのクラスに配置されたセキュリティーアノテーションをサポートしています。
デフォルトのインターフェイスメソッドとして宣言された RESTEasy サブリソースロケーターは、標準のセキュリティーアノテーションでは保護できません。保護されたサブリソースロケータは、次の例のように、インターフェイス実装者に実装され、保護される必要があります。
1.2.2. 権限のアノテーション リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Quarkus は、指定の権限を持つ認証済みユーザーにリソースへのアクセスを許可する io.quarkus.security.PermissionsAllowed アノテーションも備えています。このアノテーションは、一般的なセキュリティーアノテーションの拡張であり、SecurityIdentity インスタンスに付与された権限をチェックします。
@PermissionsAllowed アノテーションで保護されたエンドポイントの例
- 1
- リソースメソッド
createOrUpdateにアクセスできるのは、create権限とupdate権限の両方を持つユーザーのみです。 - 2
- デフォルトでは、1 つのアノテーションインスタンスを通じて指定された権限のうち、少なくとも 1 つの権限が必要です。
inclusive=trueを設定することで、すべての権限を必須にできます。両方のリソースメソッドcreateOrUpdateに、同等の認可要件があります。 - 3
SecurityIdentityにread権限またはsee権限と、allアクションまたはdetailアクションのどちらかがある場合は、getItemへのアクセスが許可されます。- 4
- 任意の
java.security.Permission実装を使用できます。デフォルトでは、文字列ベースの権限はio.quarkus.security.StringPermissionにより実行されます。 - 5
- 権限は Bean ではないため、Bean インスタンスを取得する唯一の方法は、
Arc.container()を使用してプログラム的に取得することです。
IO スレッドで @PermissionsAllowed を使用する予定の場合は、プロアクティブ認証 の情報を確認してください。
Quarkus インターセプターの制限により、@PermissionsAllowed をクラスレベルで繰り返すことはできません。詳細は、Quarkus の「CDI reference」ガイドの Repeatable interceptor bindings セクションを参照してください。
ロールが有効な SecurityIdentity インスタンスに権限を追加する最も簡単な方法は、ロールを権限にマッピングすることです。次の例に示すように、設定を使用した認可 を使用して、認可されたリクエストに、CRUDResource エンドポイントに必要な SecurityIdentity 権限を付与します。
- 1
userロールのSecurityIdentityインスタンスに、see権限とallアクションを追加します。同様に、@PermissionsAllowedアノテーションには、io.quarkus.security.StringPermissionがデフォルトで使用されます。- 2
create権限、update権限、およびread権限が、adminロールにマッピングされます。- 3
- ロールポリシー
role-policy1は、認証されたリクエストのみが/crud/modifyおよび/crud/idサブパスにアクセスできるようにします。パスマッチングアルゴリズムの詳細は、このガイドで後述する 複数のパスのマッチング: 最長パスが優先される を参照してください。 - 4
java.security.Permissionクラスのカスタム実装を指定できます。カスタムクラスでは、権限名とアクション (任意) を受け入れるコンストラクター (String配列など) を 1 つだけ定義する必要があります。この場合は、権限listがnew CustomPermission("list")としてSecurityIdentityインスタンスに追加されます。
追加のコンストラクターパラメーターを使用して、カスタム java.security.Permission クラスを作成することもできます。これらの追加パラメーター名は、@PermissionsAllowed アノテーションが付けられたメソッドの引数名と一致します。その後、Quarkus が実際の引数を使用してカスタム権限をインスタンス化します。この権限を使用して、@PermissionsAllowed アノテーションが付けられたメソッドが呼び出されます。
追加の引数を受け入れるカスタムの java.security.Permission クラスの例
- 1
- カスタムの
Permissionクラスのコンストラクターは、1 つだけである必要があります。最初のパラメーターは、常に権限名とみなされ、String型である必要があります。Quarkus は、必要に応じてコンストラクターに権限アクションを渡すことができます。これを実現するには、2 番目のパラメーターをString[]として宣言します。
LibraryPermission クラスは、SecurityIdentity が read、write、list などの必要なアクションのいずれかを実行することを許可されている場合に、現在のライブラリーまたは親ライブラリーへのアクセスを許可します。
次の例は、LibraryPermission クラスの使用方法を示しています。
- 1
- 仮パラメーター
libraryは、同じ名前のLibraryPermissionコンストラクターパラメーターと一致するパラメーターとして識別されます。したがって、Quarkus はlibraryパラメーターをLibraryPermissionクラスのコンストラクターに渡します。ただし、updateLibraryメソッドを呼び出すたびにLibraryPermissionをインスタンス化する必要があります。 - 2
- ここで、2 番目の
Libraryパラメーターは名前libraryと一致しますが、migrateパラメーターはLibraryPermission権限のインスタンス化中に無視されます。
LibraryPermission で保護されたリソースの例
CRUDResource の例と同様に、次の例は、admin ロールを持つユーザーに MediaLibrary を更新する権限を付与する方法を示しています。
- 1
- ネイティブ実行可能ファイルをビルドする場合は、権限クラスをリフレクション用に登録する必要があります。ただし、1 つ以上の
io.quarkus.security.PermissionsAllowed#nameパラメーターでもその権限クラスが使用されている場合を除きます。@RegisterForReflectionアノテーションの詳細は、native application tips ページを参照してください。 - 2
MediaLibraryインスタンスをLibraryPermissionコンストラクターに渡します。
quarkus.http.auth.policy.role-policy3.permissions.admin=media-library:list,media-library:read,media-library:write quarkus.http.auth.policy.role-policy3.permission-class=org.acme.library.MediaLibraryPermission quarkus.http.auth.permission.roles3.paths=/library/* quarkus.http.auth.permission.roles3.policy=role-policy3
quarkus.http.auth.policy.role-policy3.permissions.admin=media-library:list,media-library:read,media-library:write
quarkus.http.auth.policy.role-policy3.permission-class=org.acme.library.MediaLibraryPermission
quarkus.http.auth.permission.roles3.paths=/library/*
quarkus.http.auth.permission.roles3.policy=role-policy3
- 1
read、write、およびlistアクションを許可する権限media-libraryを付与します。MediaLibraryはTvLibraryクラスの親であるため、adminロールを持つユーザーもTvLibraryを変更することが許可されます。
/library/* パスは、Keycloak プロバイダーの Dev UI ページからテストできます。Dev Services for Keycloak により自動的に作成されるユーザー alice が、admin ロールを持っているためです。
これまでに示した例は、ロールと権限のマッピングを示しています。SecurityIdentity インスタンスには、プログラムで権限を追加することも可能です。次の例では、SecurityIdentity をカスタマイズ して、以前に HTTP ロールベースのポリシーで付与したものと同じ権限を追加します。
プログラムで SecurityIdentity に LibraryPermission を追加する例
- 1
- 作成された
media-library権限を追加すると、read、write、およびlistアクションを実行できます。MediaLibraryはTvLibraryクラスの親であるため、adminロールを持つユーザーもTvLibraryを変更することが許可されます。
アノテーションベースの権限は、カスタムの Jakarta REST SecurityContexts では機能しません。jakarta.ws.rs.core.SecurityContext に権限がないためです。
1.2.2.1. 権限チェッカーを作成する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デフォルトでは、SecurityIdentity は、この ID が @PermissionAllowed 認可制限を通過するかどうかを確認するために使用できる権限で設定されている必要があります。または、@PermissionChecker アノテーションを使用して、任意の CDI Bean メソッドを権限チェッカーとしてマークすることもできます。@PermissionChecker アノテーション値は、@PermissionsAllowed アノテーション値により宣言された必要な権限と一致する必要があります。たとえば、権限チェッカーは次のように作成できます。
- 1
ProjectResource#renameProjectにアクセスするために必要な権限は、rename-project権限です。- 2
ProjectResource#canRenameProjectメソッドは、ProjectResource#renameProjectエンドポイントへのアクセスを承認します。- 3
SecurityIdentityインスタンスは、任意の権限チェッカーメソッドに注入できます。- 4
- この例では、
rename-project権限チェッカーが同じリソースで宣言されています。ただし、次の例に示すように、この権限チェッカーを宣言できる場所に制限はありません。
権限チェッカーメソッドは、通常のスコープの CDI Bean または @Singleton Bean で宣言できます。@Dependent CDI Bean スコープは現在サポートされていません。
上記の権限チェッカーでは、renameProject エンドポイントを承認するために SecurityIdentity インスタンスが必要です。rename-project 権限チェッカーをリソース上で直接宣言する代わりに、次の例のように任意の CDI Bean 上で宣言できます。
権限チェックは、デフォルトでイベントループで実行します。ワーカースレッドでチェックを実行する場合は、権限チェッカーメソッドに io.smallrye.common.annotation.Blocking アノテーションを付けます。
@PermissionsAllowed 値と @PermissionChecker 値のマッチングは、次の例に示すように、文字列が同じかどうかに基づいて行われます。
1.2.2.2. 権限メタアノテーションを作成する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
@PermissionsAllowed はメタアノテーションでも使用できます。たとえば、新しい @CanWrite セキュリティーアノテーションは次のように作成できます。
- 1
@CanWriteアノテーションが付けられたメソッドまたはクラスは、この@PermissionsAllowedアノテーションインスタンスにより保護されます。
1.2.2.3. @BeanParam パラメーターをカスタム権限に渡す リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Quarkus は、保護されたメソッドパラメーターのフィールドをカスタム権限コンストラクターパラメーターにマップできます。この機能を使用すると、jakarta.ws.rs.BeanParam パラメーターをカスタム権限に渡すことができます。次の Jakarta REST リソースについて考えてみましょう。
- 1
paramsアノテーション属性は、ユーザープリンシパル名をBeanParamPermissionChecker#canSayHelloメソッドに渡す必要があることを指定します。customAuthorizationHeaderやqueryなどの他のBeanParamPermissionChecker#canSayHelloメソッドパラメーターは自動的に一致します。Quarkus は、beanParamフィールドとそのパブリックアクセサーの中からBeanParamPermissionChecker#canSayHelloメソッドパラメーターを識別します。あいまいな解決を避けるため、自動検出はbeanParamフィールドに対してのみ機能します。そのため、ユーザープリンシパル名へのパスを明示的に指定する必要がありました。
SimpleBeanParam クラスは以下の例のように宣言されています。
以下は、ユーザープリンシパル、カスタムヘッダー、クエリーパラメーターに基づいて say-hello 権限をチェックする @PermissionChecker メソッドの例です。
@BeanParam を @PermissionChecker メソッドに直接渡し、プログラムでそのフィールドにアクセスできます。@PermissionsAllowed#params 属性を使用して @BeanParam フィールドを参照する機能は、構造が異なる複数の @BeanParam クラスがある場合に便利です。