4.2. カーネルのチューニング
実稼働環境用のクラスターでは、一般的にオペレーティングシステムのチューニング (特に制限とメモリー割り当て) が有効です。クラスター内の全ノードに調整が設定されていることを確認します。その他のガイダンスは、Red Hat サポートにお問い合わせください。
4.2.1. OSD 用の空きメモリーの確保
OSD メモリー割り当て要求時にメモリー関連のエラーが不十分な状態を防ぐためには、ceph-ansible
ノードの group_vars/all.yml
の os_tuning_params
オプションを設定します。このオプションは、予約する物理メモリーのサイズを指定します。システムメモリーの量に応じて設定を行うことが推奨されます。以下に例を示します。
RAM が 64 GB の場合は、1 GB を確保します。
vm.min_free_kbytes = 1048576
RAM が 128 GB の場合は、2 GB を確保します。
vm.min_free_kbytes = 2097152
RAM が 256 GB の場合は、3 GB を確保します。
vm.min_free_kbytes = 3145728
4.2.2. ファイル記述子の増加
ファイル記述子が不足すると、Ceph Object Gateway がハングアップする可能性があります。Ceph Object Gateway ノードで /etc/security/limits.conf
を変更して、Ceph Object Gateway のファイル記述子を増やします。以下に例を示します。
ceph soft nofile unlimited
4.2.3. 大規模なクラスターでの ulimit
の調整
大規模なクラスター(例:1024 OSD 以上)で Ceph の管理コマンドを実行する管理者の場合は、管理コマンドを実行する各ノードに、次の内容の /etc/security/limits.d/50-ceph.conf
ファイルを作成します。
<username> soft nproc unlimited
<username>
を、Ceph 管理者コマンドを実行する root 以外のアカウントの名前に置き換えます。
Red Hat Enterprise Linux では、root ユーザーの ulimit は既にデフォルトで "unlimited" に設定されています。