2.6. コロケーションの仕組みとその利点
コンテナー化された Ceph デーモンを同じホストの同じ場所に配置できます。Ceph のサービスの一部を共存する利点を以下に示します。
- 小規模での総所有コスト (TCO) の大幅な改善
- 最小設定の場合は、6 ホストから 3 ホストまで削減します。
- より簡単なアップグレード
- リソース分離の改善
コロケーションの仕組み
Cephadm オーケストレーターを利用すると、次のリストにある 1 つのデーモンを 1 つ以上の OSD デーモン (ceph-osd) と併置できます。
-
Ceph Monitor (
ceph-mon
) および Ceph Manager (ceph-mgr
) デーモン -
Ceph Object Gateway (
nfs-ganesha
) 用の NFS Ganesha (nfs-ganesha) -
RBD ミラー (
rbd-mirror
) - 可観測性スタック (Grafana)
さらに、Ceph Object Gateway (radosgw
) (RGW) および Ceph File System (ceph-mds
) の場合は、OSD デーモンと上記のリストのデーモン (RBD ミラーを除く) のいずれかと同じ場所に配置できます。
特定のノード上で 2 つの同じ種類のデーモンを共存させることはサポートされていません。
ceph-mon
と ceph-mgr
は密接に連携するため、コロケーションのために、2 つの別のデーモンとしてカウントしません。
Red Hat は、Ceph Object Gateway を Ceph OSD コンテナーと併置してパフォーマンスを向上することを推奨します。
上記で共有したコロケーションルールを使用すると、これらのルールに準拠する次の最小クラスターサイズが得られます。
例 1
- メディア: フルフラッシュシステム (SSD)
- 使用例: ブロック (RBD) とファイル (CephFS)、またはオブジェクト (Ceph Object Gateway)
- ノード数: 3
- レプリケーションスキーム: 2
ホスト | デーモン | デーモン | デーモン |
---|---|---|---|
host1 | OSD | Monitor/Manager | Grafana |
host2 | OSD | Monitor/Manager | RGW または CephFS |
host3 | OSD | Monitor/Manager | RGW または CephFS |
レプリカが 3 つあるストレージクラスターの最小サイズは 4 ノードです。同様に、レプリカが 2 つあるストレージクラスターのサイズは 3 ノードクラスターです。クラスターが長期間にわたって劣化状態にならないように、要件として、クラスター内に追加のノードを備えたレプリケーション要素の一定数のノードを用意します。
図2.2 同じ場所に配置されたデーモンの例 1
例 2
- メディア: フルフラッシュシステム (SSD) またはスピニングデバイス (HDD)
- 使用例: ブロック (RBD)、ファイル (CephFS)、およびオブジェクト (Ceph Object Gateway)
- ノード数: 4
- レプリケーションスキーム: 3
ホスト | デーモン | デーモン | デーモン |
---|---|---|---|
host1 | OSD | Grafana | CephFS |
host2 | OSD | Monitor/Manager | RGW |
host3 | OSD | Monitor/Manager | RGW |
host4 | OSD | Monitor/Manager | CephFS |
図2.3 同じ場所に配置されたデーモンの例 2
例 3
- メディア: フルフラッシュシステム (SSD) またはスピニングデバイス (HDD)
- 使用例: ブロック (RBD)、オブジェクト (Ceph Object Gateway)、および Ceph Object Gateway の NFS
- ノード数: 4
- レプリケーションスキーム: 3
ホスト | デーモン | デーモン | デーモン |
---|---|---|---|
host1 | OSD | Grafana | |
host2 | OSD | Monitor/Manager | RGW |
host3 | OSD | Monitor/Manager | RGW |
host4 | OSD | Monitor/Manager | NFS (RGW) |
図2.4 同じ場所に配置されたデーモンの例 3
以下の図は、同じ場所に置かれたデーモンと、同じ場所に置かれていないデーモンを使用するストレージクラスターの相違点を示しています。
図2.5 同じ場所に配置されたデーモン
図2.6 同じ場所に配置されていないデーモン