第3章 Red Hat Ceph Storage のインストール
ストレージ管理者は、cephadm
ユーティリティーを使用して、新しい Red Hat Ceph Storage クラスターをデプロイできます。
cephadm
ユーティリティーは、Ceph クラスターのライフサイクル全体を管理します。インストールおよび管理タスクは、2 種類の操作で構成されます。
- Day One 操作では、単一ノードで実行される、最小限のコンテナー化された Ceph ストレージクラスターのインストールとブートストラップが行われます。Day One には、Monitor および Manager デーモンのデプロイや Ceph OSD の追加も含まれます。
-
Day Two 操作では、Ceph オーケストレーションインターフェイスである
cephadm orch
または Red Hat Ceph Storage Dashboard を使用して、他の Ceph サービスをストレージクラスターに追加することで、ストレージクラスターを拡張します。
前提条件
- アクティブなインターネット接続のある稼働中の仮想マシン (VM) またはベアメタルサーバー 1 つ以上。
-
ansible-core
が AppStream にバンドルされている Red Hat Enterprise Linux 9.2。 - 適切なエンタイトルメントを持つ有効な Red Hat サブスクリプション。
- 全ノードへの root レベルのアクセス。
- Red Hat Registry にアクセスするためのアクティブな Red Hat Network (RHN) またはサービスアカウント。
- iptables サービスの更新によってクラスターに問題が発生しないように、iptables で問題となる設定を削除します。例は、Red Hat Ceph Storage 設定ガイド の デフォルトの Ceph ポート用にファイアウォールルールが設定されていることの確認 セクションを参照してください。
3.1. cephadm
ユーティリティー
cephadm
ユーティリティーは、Ceph ストレージクラスターをデプロイし、管理します。コマンドラインインターフェイス (CLI) と Red Hat Ceph Storage Dashboard Web インターフェイスの両方と密接に統合されているため、いずれの環境からでもストレージクラスターを管理できます。cephadm
は SSH を使用してマネージャーデーモンからホストに接続し、Ceph デーモンコンテナーを追加、削除、または更新します。Ansible または Rook などの外部の設定やオーケストレーションツールに依存しません。
cephadm
ユーティリティーは、ホストでプリフライト Playbook を実行した後に使用できます。
cephadm
ユーティリティーは、2 つの主要コンポーネントで構成されます。
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cephadm
シェル。 -
cephadm
オーケストレーター。
cephadm
シェル
cephadm
シェルは、コンテナー内の bash
シェルを起動します。このシェルを使用して、インストールやブートストラップなどの “Day One” クラスターセットアップタスクを実行したり、ceph
コマンドを使用したりします。
cephadm
シェルの起動方法の詳細は、cephadm
シェルの起動 を参照してください。
cephadm
オーケストレーター
cephadm
オーケストレーターを使用して、ストレージクラスターの拡張や Ceph デーモンおよびサービスのプロビジョニングなど、“Day Two” の Ceph 機能を実行します。コマンドラインインターフェイス (CLI) または Web ベースの Red Hat Ceph Storage Dashboard のいずれかを使用して、cephadm
オーケストレーターを使用できます。オーケストラクターコマンドは ceph orch
の形式を取ります。
cephadm
スクリプトは、Ceph Manager によって使用される Ceph オーケストレーションモジュールと対話します。