Red Hat Summitスタートガイド
Red Hat Ceph Storage の使用開始に関するガイド
概要
第1章 スタートガイド
Red Hat Ceph Storage の使用を開始する方法とその基本機能を説明します。この情報は、Red Hat Ceph Storage を初めて使用するお客様、または Red Hat Ceph Storage の仕組みとワークフローのどこから始めればよいかの概要を知りたい既存のお客様向けに用意されています。
この情報は、Red Hat Ceph Storage の基本的なワークフローを提供します。詳細な手順は、正しいドキュメントのセクションへのリンクが提供されています。
この情報を使用して、Red Hat Ceph Storage の基本的なワークフローの使用方法を理解してください。詳細な手順は、正しいドキュメントセクションへのリンクが提供されています。
Red Hat Ceph Storage の使用を開始する前に、次の情報をよく理解してください。
第2章 オブジェクトストレージ
Ceph Object Gateway クライアントは、音声、ビットマップ、ビデオなどのオブジェクト向けの RESTful S3 準拠のオブジェクトおよび Swift 準拠のオブジェクトストレージを提供するクラウドプラットフォームの主要なストレージバックエンドです。Ceph Object Gateway は RADOS Gateway (RGW) としても知られている、librados ライブラリー上に構築されたオブジェクトストレージインターフェイスであり、アプリケーションに Ceph ストレージクラスターへの RESTful ゲートウェイを提供します。
一般的なユースケース
以下は、CephFS の最も一般的な使用例の一部です。
- Storage as a Service (SaaS)
- 小規模および大規模オブジェクトストアの両方にスケーラビリティーとパフォーマンスを提供します。
- AI、分析、Big Data (Data Lake と Data Lake House を含む)
- 大規模なスケーラビリティーと高可用性を備えたクラウドネイティブ Data Lake で、要求の厳しいワークロードをサポートします。
- 大量の非構造化データのバックアップとアーカイブ
- イベント駆動型アーキテクチャーを通じてアプリケーション内のデータフローを設計する独自の新しい方法。
- Cloud Native (S3) オブジェクトデータなどのデータ集約型ワークロード
- オブジェクトストレージへのバックアップと復元は、Recovery Time Objectives (RTO) と Recovery Point Objective (RPO) の向上に役立ちます。
- モノのインターネット (IoT)
- オブジェクトゲートウェイは IoT システムの仲介役として機能し、さまざまなデバイスからのデータを集約し、通信プロトコルを変換し、エッジ処理を可能にします。セキュリティーを強化し、デバイス管理を容易にし、相互運用性を確保して、IoT エコシステム全体をストリーミングします。
2.1. オブジェクトストレージの一般的なワークロード
オブジェクトストレージの最も一般的なワークロードを理解します。
- データ効率
- イレイジャーコーディング、シンプロビジョニング、ライフサイクル管理、および圧縮に使用します。
- データセキュリティー
- オブジェクトのロック、キー管理、保存時および処理中の暗号化、および WORM に使用します。
- データの耐障害性
- バックアップ、スナップショット、クローン作成、ビジネス継続性に使用します。
2.2. オブジェクトストレージインターフェイス
3 つのオブジェクトストレージインターフェイスを学びます。
- 管理用 API
- Ceph Object Gateway を管理するための管理インターフェイスを提供します。詳細は、Ceph Object Gateway 管理 API を参照してください。
- S3
- Amazon S3 RESTful API の大規模なサブセットと互換性のあるインターフェイスでオブジェクトストレージ機能を提供します。詳細は、Ceph Object Gateway と S3 API を参照してください。
- Swift
- OpenStack Swift API の大規模なサブセットと互換性のあるインターフェイスでオブジェクトストレージ機能を提供します。Ceph Object Gateway は、Ceph ストレージクラスターと対話するサービスです。詳細は、Ceph Object Gateway と Swift API を参照してください。
2.3. オブジェクトストレージの使用を開始する
このセクションでは、オブジェクトストレージの操作に必要な関連タスクをリストします。
作業を始める前に
Red Hat Ceph Storage を S3 ターゲットとして認定されているバックアップベンダーのリストは Red Hat Ceph Storage 7.0 の互換性マトリックス を参照してください。
前提条件
Ceph オブジェクトストレージを使用するためのネットワークおよびハードウェア要件が存在する。詳細は、Red Hat Ceph Storage に関する考慮事項および推奨事項 を参照してください。
S3 サーバー側セキュリティーのセットアップ
詳細は、サーバー側暗号化 (SSE) を参照してください。
S3 ユーザーの作成と S3 アクセスのテスト
S3 ユーザーの作成の詳細は、S3 ユーザーの作成 を参照してください。S3 アクセスのテストの詳細は、S3 アクセスのテスト を参照してください。
ダッシュボードを使用したオブジェクトゲートウェイの管理
詳細は、ダッシュボードを使用した Ceph Object Gateway の管理 を参照してください。
バックアップの障害復旧を可能にするマルチサイトレプリケーション
詳細は、フェイルオーバーと障害復旧 を参照してください。
Ceph Orchestrator を使用した Ceph Object Gateway のデプロイ
Ceph Object Gateway は、コマンドラインインターフェイスで Ceph Orchestrator を使用するか、サービス仕様を使用してデプロイされます。また、マルチサイト Ceph Object Gateway を設定して、Ceph Orchestrator を使用して Ceph Object Gateway を削除することもできます。cephadm コマンドは、Ceph Object Gateway を、単一クラスターデプロイメントまたはマルチサイトデプロイメントの特定のレルムおよびゾーンを管理するデーモンのコレクションとしてデプロイします。
Ceph Object Gateway のデプロイメントの完全な情報と手順は、デプロイメント を参照してください。
あるいは、コマンドラインインターフェイスを使用して Ceph Object Gateway をデプロイすることもできます。詳細は、コマンドラインインターフェイスを使用した Ceph Object Gateway のデプロイ を参照してください。
第3章 ブロックストレージ
Red Hat Ceph Storage はブロックストレージを使用し、これを Ceph Block Device と呼びます。ブロックベースのストレージインターフェイスは、ハードドライブやフラッシュストレージ (SSD および HDD) などの回転メディアにデータを保存する最も一般的な方法です。
Ceph Block Device は、librbd ライブラリーを使用して OSD と対話します。
Ceph Block Device は、libvirt ユーティリティーおよび QEMU ユーティリティーに依存して Ceph Block Device と統合するために、Quick Emulator (QEMU) などの Kernel Virtual Machines (KVM) や OpenStack などのクラウドベースのコンピューティングシステムに、無限のスケーラビリティーと、高いパフォーマンスをもたらします。同じストレージクラスターを使用して、Ceph Object Gateway および Ceph Block Device を同時に運用できます。
Ceph Block Device は、Ceph ダッシュボードまたはコマンドラインインターフェイス (CLI) コマンドを通じて簡単に管理できます。Ceph ブロックデバイスの詳細は、Ceph ブロックデバイスの概要 を参照してください。
3.1. ブロックストレージの一般的なワークロード
Ceph Block Device の最も一般的なワークロードを理解します。
- データベースストア
- データ保護アプリケーションデータベースのバックアップに使用します。
- デバイスのミラーリング
- データ損失やサイト障害から保護するために使用します。
- データの耐障害性
- レプリケーションおよびイレイジャーコーディングに使用します。
3.2. ブロックストレージの使用を開始する
このセクションでは、ブロックストレージの操作に必要な関連タスクをリストします。
ダッシュボードを使用した Ceph Block Device の管理
Red Hat Ceph Storage ダッシュボードを使用して Ceph Block Device を管理します。ストレージ管理者は、Red Hat Ceph Storage Dashboard でブロックデバイスイメージを管理し、監視することができます。機能は、一般的なイメージ機能とミラーリング機能に分けられます。たとえば、新規イメージの作成、クラスター間でミラーリングされたイメージの状態の表示、イメージでの IOPS 制限を設定できます。
詳細は、Ceph ダッシュボードを使用したブロックデバイスの管理 を参照してください。
一般的なブロックストレージ CLI コマンド
この情報は、基本的なブロックイメージ CLI コマンドのクイックリファレンスを目的としています。各コマンドの完全なリストと詳細情報は、Ceph ブロックデバイスの概要 を参照してください。
イメージの作成
構文
rbd create IMAGE_NAME --size MEGABYTES --pool POOL_NAME
重要ブロックイメージを作成する前に、プールを作成する必要があります。詳細は、ブロックデバイスプールの作成 を参照してください。
イメージのリスト表示
構文
rbd ls POOL_NAMEデフォルトプール内の特定のイメージからイメージ情報を取得
構文
rbd --image IMAGE_NAME infoプール内のイメージから情報を取得します。
構文
rbd --image IMAGE_NAME -p POOL_NAME info
イメージのサイズを変更します。
デフォルトの
rbdプールの Ceph Block Device イメージの最大サイズを増やします。構文
rbd resize --image IMAGE_NAME --size SIZE
特定のプールの Ceph Block Deivce イメージの最大サイズを増やします。
構文
rbd resize --image POOL_NAME/IMAGE_NAME --size SIZE
デフォルトの
rbdプールの Ceph Block Device イメージの最大サイズを減らします。構文
rbd resize --image IMAGE_NAME --size SIZE --allow-shrink
特定のプールの Ceph Block Device イメージの最大サイズを減らします。
構文
rbd resize --image POOL_NAME/IMAGE_NAME --size SIZE --allow-shrink
イメージをゴミ箱に移動します。
構文
rbd trash mv POOL_NAME/IMAGE_NAME
ゴミ箱からイメージを復元します。
構文
rbd trash restore POOL_NAME/IMAGE_NAME
rbd_supportCeph Manager モジュールが有効であることを確認します。構文
ceph mgr module ls
第4章 ファイルストレージ
Ceph File System (CephFS) は、Ceph の RADOS (Reliable Autonomic Distributed Object Storage) と呼ばれる分散オブジェクトストアの上に構築された POSIX 規格と互換性のあるファイルシステムです。
Ceph File System
CephFS は、Red Hat Ceph Storage クラスターへのファイルアクセスを提供し、可能な限り POSIX セマンティクスを使用します。
4.1. ファイルストレージの一般的なワークロード
CephFS を使用する場合の最も一般的なワークロードは、データセキュリティーです。
CephFS を使用したデータの保護の詳細は、Ceph ファイルシステム を参照してください。
4.2. ファイルストレージの使用を開始する
このセクションでは、ファイルストレージの操作に必要な関連タスクをリストします。
制限
Ceph File System を使用するときに考慮すべき制限事項と POSIX 標準は、Ceph File System の制限事項と POSIX 標準 を参照してください。
Ceph File System のセットアップ
Ceph File System をセットアップするには、次の手順を使用します。
基本的な CephFS CLI コマンド
この情報は、基本的な CephFS CLI コマンドのクイックリファレンスを目的としています。各コマンドの完全なリストと詳細情報は、Ceph File System ボリューム、サブボリュームグループ、およびサブボリュームの管理 を参照してください。
Ceph File System ボリュームの作成。
構文
ceph fs volume create VOLUME_NAMEFile System のサブボリュームの作成。
構文
ceph fs subvolume create VOLUME_NAME SUBVOLUME_NAME [--size SIZE_IN_BYTES --group_name SUBVOLUME_GROUP_NAME --pool_layout DATA_POOL_NAME --uid UID --gid GID --mode OCTAL_MODE] [--namespace-isolated]
File System のサブボリュームグループの作成。
構文
ceph fs subvolumegroup create VOLUME_NAME GROUP_NAME [--pool_layout DATA_POOL_NAME --uid UID --gid GID --mode OCTAL_MODE]
Ceph File System ボリュームの一覧表示。
構文
ceph fs volume ls
Ceph File System のサブボリュームのリスト。
構文
ceph fs subvolume ls VOLUME_NAMECeph File System のサブボリュームグループのリスト。
構文
ceph fs subvolumegroup ls VOLUME_NAMECeph File System ボリュームに関する情報の表示。
構文
ceph fs volume info VOLUME_NAMECeph File System ボリュームの削除。
構文
ceph fs volume rm VOLUME_NAME [--yes-i-really-mean-it]ファイルシステムのサブボリュームの削除。
構文
ceph fs subvolume rm VOLUME_NAME SUBVOLUME_NAME
ファイルシステムのサブボリュームグループの削除。
構文
ceph fs subvolumegroup rm VOLUME_NAME GROUP_NAME [--force]
ファイルシステムのサブボリュームのスナップショットの作成。
構文
ceph fs subvolume snapshot create VOLUME_NAME SUBVOLUME_NAME SNAP_NAME [--group_name GROUP_NAME]
4.3. Ceph File System の導入
Ceph File System の基本的なデプロイメント手順を理解します。
Ceph File System のデプロイメント手順の詳細は、Ceph File System のデプロイメント を参照してください。
