第29章 データセンター間のレプリケーションのセットアップ
Red Hat JBoss Data Grid では、データセンター間レプリケーションにより、管理者は複数のクラスターでデータバックアップを作成することができます。3 つのクラスターを同じ物理ロケーションまたは異なるロケーションに置くことができます。JBoss Data Grid のサイト間レプリケーションの実装は JGroups の
RELAY2
プロトコルをベースとします。
データセンター間レプリケーションにより、複数のクラスター間のデータ冗長性が保証されます。理想的には、これらのクラスターをそれぞれ他のロケーションとは異なる物理サイトに置くべきです。
29.1. データセンター間レプリケーションの操作
Red Hat JBoss Data Grid のデータセンター間レプリケーションの操作は、以下のような例を使用して説明できます。
例29.1 データセンター間レプリケーションの例

図29.1 データセンター間レプリケーションの例
この例では、
LON
、NYC
および SFO
の 3 つのサイトが設定されます。それぞれのサイトは、3 つから 4 つの物理ノードから構成される実行中の JBoss Data Grid クラスターをホストします。
Users
キャッシュは、3 つのすべてのサイトでアクティブです。LON
サイトでの Users
キャッシュへの変更は、他の 2 つのサイトでレプリケートされます。ただし、Orders
キャッシュは、他のサイトにレプリケートされないので LON
サイトのローカルでのみ利用可能です。
Users
キャッシュは各サイトで異なるレプリケーションメカニズムを使用できます。たとえば、データのバックアップを SFO
に同期的に、NYC
と LON
に非同期的に行います。
さらに
Users
キャッシュにはあるサイトから別のサイトへとそれぞれ異なる設定を持たせることもできます。たとえば、これを LON
サイトで numOwners
を 2
に設定した分散キャッシュとして、NYC
サイトではレプリケートされたキャッシュとして、さらに SFO
サイトでは numOwners
を 1
に設定した分散キャッシュとして設定することができます。
JGroups はサイト間通信と共に各サイト内の通信のために使用されます。たとえば、
RELAY2
という JGroups プロトコルは、サイト間の通信を容易にします。さらに詳しくは、「RELAY2 について」を参照してください。