7.0.0 リリースノート


Red Hat JBoss Data Grid 7.0

Red Hat JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題および解決済みの問題

Christian Huffman

Red Hat Engineering Content Services

概要

Red Hat JBoss Data Grid 7.0.0 リリースノートでは、Bugzilla のバグをリストし、説明します。これらのバグは、リリースの既知の問題と解決済みの問題を表します。

第1章 Red Hat JBoss Data Grid 7.0 の紹介

Red Hat JBoss Data Grid 7.0.0 へようこそ。最新バージョンの JBoss Data Grid を理解していただくため、本リリースノートでは新しい機能、既知の問題、および解決された問題について説明します。本書は、Red Hat カスタマーサービスポータルの JBoss Data Grid のドキュメントページで入手可能な JBoss Data Grid の全ドキュメントとともに使用してください。

1.1. Red Hat JBoss Data Grid

Red Hat JBoss Data Grid は、Infinispan オープンソースソフトウェアプロジェクトから構築されたオープンソースでインメモリー型の分散キーバリューデータストアです。クライアントサーバーモードでのデプロイや、Java 仮想マシンへの埋め込みに関係なく、弾力性、高パフォーマンス、高可用性、および線形スケールを実現します。
JBoss Data Grid は Java と Java でないクライアントの両方からアクセスできます。JBoss Data Grid を使用すると、データがノードの管理可能なクラスター全体で分散およびレプリケートされ、任意でディスクに書き込まれます。また、REST、Memcached、および Hot Rod プロトコルを使用すると簡単にデータへアクセスできますが、従来の Java Map API を用いてプロセスで直接アクセスすることも可能です。

1.2. 概要

本書には Red Hat JBoss Data Grid バージョン 7.0.0 の既知の問題に関する情報が含まれています。本書を読んでから本バージョンの Red Hat JBoss Data Grid をインストールするようにしてください。

第2章 新機能および改良された機能

2.1. Distributed Stream

Red Hat JBoss Data Grid (JDG) 7.0 では、Java 8 Stream API の分散バージョンを導入しています。これにより、Stream API で利用可能な関数式を使って JDG に保存されたデータに対して高度な解析操作を実行できます。
Distributed Stream はライブラリーモードの機能ですが、新たなリモートタスク実行機能を使うと JDG サーバーでも実行できます。

2.2. リモートタスクの実行

JDG 7.0 では、Java Hot Rod クライアントからタスク (ビジネスロジック) を JDG サーバーに実行できます。このタスクは、JDG サーバーにロードされる Java 実行可能ファイルとして、または JDG サーバーの Java 8 (Nashorn) スクリプトエンジンで実行される JavaScript ストアドプロシージャーとして表されます。
リモートタスクの実行はクライアントサーバーモードに適用されます。

2.3. Apache Spark 統合

JDG 7.0 では、Resilient Distributed Dataset (RDD) および Discretized Stream (DStream) と Apache Spark バージョン 1.6 との統合を導入します。これにより、JDG に保存されたデータに Spark および Spark ストリーミング操作を実行して、JDG を拡張性の高い、高パフォーマンスの Apache Spark のデータソースとして使用できます。
Apache Spark 統合はクライアントサーバーモードで有効です。

2.4. Apache Hadoop 統合

JDG 7.0 は Hadoop の入出力クラス (InputFormat/OutputFormat) の統合を特長としています。これにより、JDG を Hadoop の拡張性の高い、高パフォーマンスのデータソースとして使用できます。さらに、JDG に保存されるデータの処理において InputFormat/OutputFormat をサポートする Hadoop エコシステムのツールを使用することができます。
Hadoop 統合はクライアントサーバーモードで有効です。

2.5. サーバーデプロイメント用の新規管理コンソール

JDG 7.0 では、新規管理コンソールを導入します。これにより、JDG クラスターを表示でき、そのノード全体でクラスター操作を実行できます。これらの操作には、新規キャッシュおよびキャッシュテンプレートの作成、クラスターの開始または停止、ノードの追加または削除、およびリモートタスクのデプロイまたは実行が含まれます。
管理コンソールはクライアントサーバーモードの機能であり、ドメインモードでデプロイされた JDG サーバーを必要とします。

2.6. クラスターの制御されたシャットダウンおよび再起動

JDG 7.0 では、永続ストレージからのデータ復元と共に、クラスターを制御された方法でシャットダウンまたは再起動する機能を追加しています。
この機能はクライアントサーバーモードで利用できます。

2.7. Node.js (JavaScript) Hot Rod クライアント

JDG 7.0 では、新規の Node.js (JavaScript) Hot Rod クライアントを導入します。これにより、JDG を Node.js アプリケーションの高パフォーマンスの分散インメモリー NoSQL ストアとして使用できます。
この機能はクライアントサーバーモードに適用されます。

2.8. Cassandra キャッシュストア

JDG 7.0 では、新規の組み込み Cassandra キャッシュストアを導入します。これにより、共有 Apache Cassandra インスタンスで分散キャッシュのエントリーを保持できます。
Cassandra キャッシュストアは、ライブラリーモードとクライアントサーバーモードの両方で使用できます。

2.9. Hot Rod C++ の拡張機能

JDG 7.0 では、Hot Rod C++ クライアントのテクノロジープレビュー機能として、非同期操作、クエリー、リモートタスクの呼び出し、および TLS/SSL を使用したクライアント/サーバー通信の暗号化を導入します。
これらの拡張機能はクライアントサーバーモードに適用されます。

2.10. Hot Rod C# の拡張機能

JDG 7.0 では、Hot Rod C# クライアントのテクノロジープレビュー機能として、クエリー、リモートタスクの呼び出し、および TLS/SSL を使用したクライアント/サーバー通信の暗号化を導入します。
これらの拡張機能はクライアントサーバーモードに適用されます。

第3章 非推奨および削除となった機能

3.1. 非推奨および削除となった機能

Red Hat JBoss Data Grid (JDG) 7.0 は新規のリリースストリームです。JDG 6.6 の一部の機能が JDG 7.0 では削除されているか、または非推奨になっています。これらの機能の一覧については、『JDG 7.0 Migration Guide』を参照してください。

第4章 サポートされる構成

4.1. サポートされる設定

JDG 7.0 でサポートされるハードウェア設定およびソフトウェア設定については、カスタマーポータルの https://access.redhat.com/articles/2435931 を参照してください。

第5章 コンポーネントバージョン

5.1. コンポーネントバージョン

Red Hat JBoss Data Grid で使用されるコンポーネントバージョンの詳細リストについては、カスタマーポータルの https://access.redhat.com/ja/articles/757083 を参照してください。

第6章 既知の問題

6.1. 既知の問題

JDG-435: JDBC store configuration is not copied when creating new template from basic configuration (基本設定で新規テンプレートを作成する際に JDBC ストア設定がコピーされない)

新規テンプレートの作成時に JDBC キャッシュストア設定はコピーされないため、これを手動で入力する必要があります。

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、現時点ではこの問題の回避策はありません。
JDG-436: JMX operation ClusterCacheStats.resetStatistics() not working (JMX 操作 ClusterCacheStats.resetStatistics() が機能しない)

JMX 操作 ClusterCacheStats.resetStatistics() の実行時にクラスターの統計はいずれもリセットされません。

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、この問題の回避策として各サーバーで Statistics.resetStatistics() を個別に実行できます。
JDG-474: CLI - container and cache commands don't work in domain mode (CLI、コンテナーおよびキャッシュコマンドがドメインモードで機能しない)

コンテナーキャッシュベースのコマンドを CLI からドメインモードで実行すると、以下のメッセージが表示されます。
Container does not exists
Copy to Clipboard Toggle word wrap

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、現時点ではこの問題の回避策はありません。
JDG-477: The C# client does not have asynchronous versions of cache operations (C# クライアントには非同期バージョンのキャッシュ操作が含まれていない)

C++ および Java Hot Rod クライアントとは異なり、C# クライアントには非同期バージョンのキャッシュ操作が含まれていません。

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、回避策としてタスク API を使用してキャッシュ操作をラップできます。たとえば、以下の例では非同期の Put(key, value) を実行しています。
await Task.Run(() => cache.Put(k,v))
Copy to Clipboard Toggle word wrap
JDG-244: Spark connector fails with CCE when compatibility mode is enabled (Spark connector は、互換性モードを有効にすると CCE を出して失敗する)

互換性モードを有効にした状態で Spark connector を使って値をキャッシュに挿入しようとすると、要求が ClassCastException を出して失敗します。

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、この問題の回避策として互換性モードを無効にすることができます。
JDG-333: NotSerializableException while executing streams via JavaScript in a cluster in DIST mode (DIST モードのクラスター内で JavaScript を使って Stream を実行する際に NotSerializableException が出される)

クラスターが DIST モードの場合、JavaScript で Stream を作成するスクリプトを使用することはできません。これらのスクリプトを実行しようとすると、いずれの場合も Lambdas がシリアライズの試行時に失敗するので NotSerializableException が出されます。

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、この問題の回避策として Iterator を使用してデータに対してイテレーターを手動で実行するか、またはデータがスクリプトから送信元ノードに転送された後に Lambdas を実行することが推奨されます。
JDG-96: Cache events are incompatible with CDI 1.1 in JDG 7 (キャッシュイベントに JDG 7 の CDI 1.1 との互換性がない)

JBoss EAP 7 内にあるバージョンのように CDI 1.1 API で CDI アノテーションを使用する場合、java.lang.RuntimeException がスローされます。この例外がスローされるのは、JBoss Data Grid 7.0 で使用されるキャッシュイベントに CDI 1.1 で削除されているコンテンツが含まれるためです。

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、この問題は CDI 1.2 API で解決されています。この問題の回避策として、以下のステップで説明されているようにリスナーを手動で割り当てることができます。
  1. メソッドからすべての @Observes アノテーションを削除することを含め、リスナー Bean から CDI アノテーションを削除します。
  2. @CacheStarted など必要なメソッドにリスナーのアノテーションを追加します。
  3. AdvancedCache#addListener を使用してリスナーを手動で登録します。
JDG-447: Changing transport configuration results in restarting wrong cluster (トランスポート設定を変更すると、正しくないクラスターが再起動される)

1 つのサーバーグループのトランスポート設定を管理コンソールで更新し、実行中のサーバーグループを起動するプロンプトを受け入れると、2 つ目のサーバーグループが代わりに再起動します。

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、現時点ではこの問題の回避策はありません。
JDG-448: Endpoints column on cache container page shows wrong ports (キャッシュコンテナーページのエンドポイント列に正しくないポートが表示される)

管理コンソールでコンテナーのポートを検査する際に、port-offset が無視され、複数のコンテナーが同じポートに表示されます。

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、現時点ではこの問題の回避策はありません。
JGRP-2088: ArrayIndexOutOfBoundsException on ClassConfigurator.get() (ClassConfigurator.get() の ArrayIndexOutOfBoundsException)

JGroups ENCRYPT プロトコルの使用を試みると、ArrayIndexOutOfBoundsException がスローされます。

これは JBoss Data Grid 7.0.0 の既知の問題であり、この問題の回避策として、『JBoss Data Grid 『管理および設定ガイド』』で説明されている SYM_ENCRYPT または ASYM_ENCRYPT プロトコルを使用します。

付録A 改訂履歴

改訂履歴
改訂 7.0.0-4Sat 16 Jul 2016Christian Huffman
既知の問題のリストを更新。
GA に向けて機能を組み込む。
改訂 7.0.0-2Wed 27 Apr 2016Christian Huffman
C++ クライアントについての注記を更新。
改訂 7.0.0-1Wed 27 Apr 2016Christian Huffman
ポストベータ版の成果物についての注記を組み込む。
改訂 7.0.0-0Tue 5 Apr 2016Christian Huffman
リリースノートの初回ドラフト。
新機能を組み込む。
既知の問題を組み込む。

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