第1章 Data Grid クロスサイトレプリケーション
クロスサイトレプリケーションを使用すると、ある Data Grid クラスターから別の Data Grid クラスターにデータのバックアップを作成できます。クラスターを設定する前に、Data Grid クロスサイトレプリケーションの仕組みを理解するための概念を説明します。
1.1. クロスサイトレプリケーション
異なる場所で実行されている Data Grid クラスターは、相互に検出および通信できます。
サイトは通常、地理的にさまざまな場所にあるデータセンターです。以下の図のように、クロスサイトレプリケーションはサイト内の Data Grid クラスターをブリッジし、グローバルクラスターを形成します。
LONは、イギリスのロンドンにあるデータセンターです。
NYCは、米国ニューヨーク市にあるデータセンターです。
Data Grid は、2 つ以上のサイトにまたがってグローバルクラスターを形成できます。
たとえば、LON および NYC のバックアップ場所として、サンフランシスコで実行している 3 番目の Data Grid クラスター SFO を設定します。
1.1.1. サイトマスター
サイトマスターは、Data Grid クラスターのノードであり、バックアップの場所から要求を送受信します。
ノードがサイトマスターでない場合は、バックアップ要求をローカルサイトマスターに転送する必要があります。バックアップの場所に要求を送信できるのは、サイトマスターだけです。
最適なパフォーマンスを得るには、すべてのノードをサイトマスターとして設定する必要があります。これにより、クラスター内の各ノードがバックアップ要求をサイトマスターに転送しなくても、リモートサイトに直接バックアップできるため、バックアップ要求の速度が向上します。
このドキュメントの図では、JGroups RELAY2 プロトコルのデフォルトが 1 つのサイトマスターを持つ Data Grid クラスターであることから、これを示しています。同様に、クラスター内の各サイトマスターはリモートクラスター内の各サイトマスターと通信するため、単一のサイトマスターの方が説明が簡単です。