第15章 アセットの種類
Business Central リポジトリーでバージョン管理されているものはすべてアセットです。プロジェクトには、ルール、パッケージ、ビジネスプロセス、デシジョンテーブル、ファクトモデル、ドメイン固有言語 (DSL)、またはプロジェクト要件に固有のその他のアセットを含めることができます。
次の図では、Red Hat Decision Manager 7.13 で利用可能なアセットを紹介します。
以下のセクションでは、Red Hat Decision Manager 7.13 の各アセットを説明します。
ビジネスプロセス
ビジネスプロセスは、ビジネス目標を達成するのに必要なステップを示すダイアグラムです。
データオブジェクト
データオブジェクトは、作成するルールアセットの設定要素です。データオブジェクトは、プロジェクトで指定したパッケージに Java オブジェクトとして実装されているカスタムのデータタイプです。たとえば、データフィールドの Name、Address、および Date of Birth を使用して、ローン申請ルールに詳細な個人情報を指定できます。このカスタムのデータタイプは、アセットとデシジョンサービスがどのデータに基づいているかを指定します。
デシジョンテーブル (スプレッドシート)
デシジョンテーブルは、スプレッドシートまたは Red Hat Decision Manager ユーザーインターフェイスにガイド付きデシジョンテーブルとして保存されるルールの集まりです。外部の XLS ファイルまたは XLSX ファイルにルールを定義したら、Business Central のプロジェクトに、そのファイルをデシジョンテーブルとしてアップロードします。
重要通常は、デシジョンテーブルのスプレッドシートを 1 つだけアップロードする必要があります。これには、Business Central の 1 つのルールパッケージに必要なすべての
RuleTable定義が含まれます。異なるパッケージに複数のデシジョンテーブルのスプレッドシートをアップロードすることはできますが、同じパッケージに複数のスプレッドシートをアップロードすると、RuleSet属性またはRuleTable属性が競合するコンパイルエラーが発生する可能性があるため、これは推奨されません。DMN
Decision Model and Notation (DMN) は、ビジネスデシジョンの設計とデシジョン実装の間のギャップを標準的に埋めていきます。Business Central の DMN デザイナーを使用すると、DMN 意思決定要件ダイアグラム (DRD) を設計し、完全で機能的な DMN 意思決定モデルの意思決定論理を定義できます。
DRL ファイル
ルールファイルは一般的に、.drl 拡張子を持つファイルです。DRL ファイルには、複数のルール、クエリー、関数だけでなく、お使いのルールやクエリーが割り当てて、使用する import、global、属性などのリソース宣言が含まれています。ただし、複数のルールファイルでルールを使用することもできます (その場合は、.rule という拡張子が推奨されますが必須ではありません)。ルールを複数のファイルで使用すると、多くのルールを管理しやすくなります。DRL ファイルは単なるテキストファイルです。
DSL 定義
ドメイン固有言語 (または DSL) は、問題があるドメインに対するルール言語を作成するために使用します。DSL 定義のセットは、DSL "センテンス" から DRL コンストラクトへの変換で構成され、基礎となるすべてのルール言語とデシジョンエンジン機能の使用を可能にします。
列挙
データの列挙は任意のアセットタイプで、ガイド付きデザイナーのドロップダウンリストを提供するように設定できます。これらは他のアセットと同じように保存および編集され、所属するパッケージに適用されます。
グローバル変数
グローバル変数を使用すると、ルールに利用できるアプリケーションオブジェクトを作成できます。一般的に、グローバル変数は、ルールが使用するデータまたはサービス (特に、ルール結果で使用されるアプリケーションサービス) を提供したり、ルールからデータ (ルール結果で追加されるログや値など) を返したり、ルールがアプリケーションと対話してコールバックを行ったりするために使用されます。
ガイド付きデシジョンテーブル
デシジョンテーブルは、スプレッドシートまたは Red Hat Decision Manager ユーザーインターフェイスにガイド付きデシジョンテーブルとして保存されるルールの集まりです。
ガイド付きデシジョンテーブルのグラフ
ガイド付きデシジョンテーブルのグラフは、1 つのデザイナーに表示される関連するガイド付きデシジョンテーブルの集まりです。このデザイナーを使用して、1 つの場所で関連するさまざまなデシジョンテーブルを視覚化し、使用できます。さらに、条件またはアクションが同じデータ型を、別のテーブルの条件またはアクションとしても使用する場合、テーブルは、テーブルのグラフデザイナーの行に物理的にリンクされます。
たとえば、1 つのデシジョンテーブルがローンの申請料を決定し、別のテーブルがその申請料を使用してその他のアクションを決定する場合、ガイド付きデシジョンテーブルのグラフでは 2 つのデシジョンテーブルがリングされます。
ガイド付きルール
ルールは、デシジョンエンジンが実行するロジックを提供します。ルールには、名前、属性、ルールの左側にある
whenステートメント、およびルールの右側にあるthenステートメントが含まれます。ガイド付きルールテンプレート
ガイド付きルールテンプレートは、Drools Rule Language (DRL) に組み込まれ、プロジェクトのデシジョンサービスの中心となる、複数のルールで再利用可能なルール構造を提供します。
パッケージ
すべてのアセットは Business Central のパッケージに含まれます。パッケージはルールのディレクトリー、および "名前空間" となります。
Solver の設定
Solver 設定は Solver デザイナーにより作成され、KJAR のデプロイ後に Execution Solver またはプレーンな Java コードで実行できます。Business Central に Solver 設定を修正および作成できます。
テストシナリオ
Red Hat Decision Manager のテストシナリオでは、ルール、モデル、およびイベントの機能を実稼働環境にデプロイする前に検証できます。テストシナリオでは、ファクトまたはプロジェクトモデルのインスタンスと類似する条件のデータを使用します。このデータは指定のルールセットと照合され、想定された結果が実際の結果と一致するとテストに成功します。想定された結果が実際の結果と一致しないと、テストは失敗します。
テストシナリオ (レガシー)
デフォルトのテストシナリオアセットが開発中であるため、Red Hat Decision Manager 7.13 には、レガシーのテストシナリオのサポートが含まれています。