第1章 Red Hat Decision Manager の Red Hat build of Kogito マイクロサービス
Red Hat build of Kogito は、クラウド対応のビジネスアプリケーションを構築するクラウドネイティブのビジネス自動化テクノロジーです。名前 Kogito は、"Cogito, ergo sum" ("I think, therefore I am") で使用されるラテン語 Cogito を由来とし、[ˈkoː.d͡ʒi.to]
(コジート) と発音します。K という文字は、Red Hat Decision Manager のターゲットクラウドプラットフォームである Red Hat OpenShift Container Platform のベースである Kubernetes と、Red Hat build of Kogito の元となった KIE (Knowledge Is Everything) オープンソースビジネス自動化プロジェクトを指します。
Red Hat Decision Manager の Red Hat build of Kogito はハイブリッドクラウド環境向けに最適化されており、ドメインおよびツールのニーズに順応します。Red Hat build of Kogito マイクロサービスは主に、独自のドメイン固有のクラウドネイティブセットにデシジョンのセットを形成しやすくすることを目的とします。
Red Hat Decision Manager 7.13 バージョンでは、Red Hat build of Kogito のサポートは Decision Model and Notation (DMN)、Drools Rule Language (DRL)、Predictive Model Markup Language (PMML) などのデシジョンサービスに制限されます。このサポートは、将来のリリースで改善され、Business Process Modeling Notation (BPMN) に拡張される予定です。
Red Hat build of Kogito を使用する場合は、クラウドネイティブアプリケーションを独立したドメイン固有のマイクロサービスのセットとしてビルドし、ビジネスバリューを実現します。ターゲットの動作の記述に使用するデシジョンは、作成するマイクロサービスの一部として実行されます。その結果、マイクロサービスは高度に分散され、スケーラブルになり、一元化されたオーケストレーションサービスがなくなります。また、マイクロサービスが使用するランタイムは必要に応じて最適化されます。
ビジネスルール開発者は、Red Hat Decision Manager で Red Hat build of Kogito マイクロサービスを使用して、ビジネスドメインおよびツールに適合するクラウドネイティブアプリケーションを構築できます。
1.1. cloud-first の優先度
Red Hat build of Kogito マイクロサービスは、クラウドインフラストラクチャー上で実行され、スケーリングできるように設計されています。Red Hat build of Quarkus などの最新のクラウドベースのテクノロジーが含まれる Red Hat Decision Manager で Red Hat build of Kogito マイクロサービスを使用し、Red Hat OpenShift Container Platform などのコンテナーアプリケーションプラットフォームでの起動時間および即時スケーリングを向上できます。
たとえば、Red Hat build of Kogito マイクロサービスは以下のテクノロジーと互換性があります。
- Red Hat OpenShift Container Platform は Kubernetes をベースとしており、コンテナー化されたアプリケーションをビルドし、管理するためのターゲットプラットフォームです。
- Red Hat build of Quarkus は、Red Hat build of Kogito マイクロサービスを使用してアプリケーションをビルドするために使用できる Kubernetes のネイティブ Java スタックです。
- Spring Boot は、Red Hat Decision Manager で Spring Framework を設定するために使用できるアプリケーションフレームワークです。