IBM WebSphere Application Server への Decision Server のインストールおよび設定
ガイド
概要
はじめに
システム管理者は、Red Hat Decision Server に IBM WebSphere Application Server を設定し、IBM サーバーインスタンスに Decision Server をインストールできます。
前提条件
- IBM WebSphere Application Server インスタンスのバージョン 9.0 以降がインストールされている。詳細なインストール手順は IBM WebSphere Application Server 製品ページ を参照してください、
-
WebSphere 統合ソリューションコンソール (通常は
http://<HOST>:9060/ibm/console
) へのアクセスがある。
第1章 Decision Server
Decision Server は、Red Hat Decision Manager のルールおよびその他のアーティファクトが保存され、実行されるサーバーです。Decision Server はスタンドアロンで組み込みのコンポーネントで、REST、Java Message Service (JMS)、または Java クライアントサイドアプリケーションで利用可能なインターフェイス、およびソルバーを介した Red Hat Business Optimizer 機能を使用して、ルールのインスタンスを作成して実行することができます。
Web でデプロイ可能な WAR ファイルとして作成することで、Decision Server は Web コンテナーであればどこにでもデプロイできます。Decision Server の現在のバージョンには、Red Hat Decision Manager および Red Hat Process Automation Manager の両方に対するデフォルトの拡張機能が含まれます。
Decision Server はメモリー消費が最小限でフットプリントが小さいため、クラウドインスタンスに簡単にデプロイできます。このサーバーの各インスタンスでは、複数のコンテナーを開いてインスタンスを作成できるため、並行して複数のルールサービスを実行できます。
Decision Server は、Oracle WebLogic Server、IBM WebSphere Application Server などのアプリケーションサーバーと統合して、Red Hat Decision Manager のアプリケーション管理を合理化できます。
第2章 IBM WebSphere Application Server
IBM WebSphere Application Server は、Java ベースの Web アプリケーションをホストし、Java EE 認定ランタイム環境を提供する、柔軟性がある安全な Web アプリケーションです。IBM WebSphere 9.0 は Java SE 8 に対応しており、バージョン 8.5.5.6 以降の Java EE 7 に完全に準拠しています。
第3章 IBM WebSphere Application Server のインストールおよび実行
Decision Server に対応する多くの設定を適用するために、IBM WebSphere Application Server をインストールして実行する必要があります。本セクションは、IBM WebSphere をインストールして起動する方法を説明します。
インストールに関する最新の詳細説明は、IBM Knowledge Center を参照してください。
手順
- IBM Installation Manager バージョン 1.8.5 以降を IBM Installation Manager and Packaging Utility download links ページからダウンロードします。IBM WebSphere のインストールには IBM Installation Manager が必要です。
ダウンロードしたアーカイブを展開し、作成されたディレクトリーで、root 権限で以下のコマンドを実行します。
sudo ./install
IBM Installation Manager が開きます。
- File → Preferences の順に移動して、Add Repository をクリックします。
- Add Repository ウィンドウに、IBM WebSphere 9.0 のリポジトリー URL を入力します。すべてのリポジトリー URL は、IBM Knowledge Center の Online product repositories for IBM WebSphere Application Server offerings ページで確認できます。
- 端末で、インストール時に指定した IBM WebSphere Application Server ディレクトリーの場所に移動します。
/bin
ディレクトリーに変更し、以下の例のようなコマンドを実行して、IBM WebSphere のプロファイル、ユーザー名、およびパスワードを作成します。プロファイルは、ランタイム環境を定義します。プロファイルには、ランタイム環境でサーバーが処理し、変更できるファイルがすべて含まれます。このユーザーはログインに必要になります。sudo ./manageprofiles.sh -create -profileName testprofile -profilePath /profiles/testprofile -adminUserName websphere -adminPassword password123
端末で、作成したプロファイルの
bin
ディレクトリー (例:/profiles/testprofile/bin
) に移動し、以下のコマンドを実行して IBM WebSphere Application Server インスタンスを起動します。sudo ./startServer.sh <SERVER_NAME>
<SERVER_NAME>
は、WebSphere 統合ソリューションコンソールの Servers → Server Types → IBM WebSphere Application Servers で定義した IBM WebSphere Application Server の名前です。Web ブラウザーで、以下の URL を開きます。
http://<HOST>:9060/ibm/console
<HOST>
は、ターゲットサーバーの名前または IP アドレスです。たとえば、システムで起動している IBM WebSphere のローカルインスタンスに対して WebSphere 統合ソリューションコンソールを起動する場合は、以下の URL を Web ブラウザーに入力します。
http://localhost:9060/ibm/console
- WebSphere 統合ソリューションコンソールのログインページが表示されたら、管理者の認証情報を入力します。
第4章 Decision Server への IBM WebSphere Application Server の設定
IBM WebSphere Application Server に Decision Server をデプロイする前に、システムプロパティー、セキュリティー設定、JMS 要件、その他の IBM WebSphere プロパティーを設定する必要があります。この設定により、Decision Server との最適な統合が促進されます。
前提条件
- IBM WebSphere Application Server をインストールして実行している。
- WebSphere 統合ソリューションコンソールにログインしている。
4.1. 管理セキュリティーの有効化
WebSphere 統合ソリューションコンソールで管理セキュリティーを有効にして、ユーザーおよびグループを作成するのに必要な権限を取得します。
手順
- WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Security → Global Security の順にクリックし、Enable Application Security オプションが選択されていることを確認します。選択していても、サーバーレベルで上書きされている可能性があります。
- Security Configuration Wizard をクリックし、Next をクリックします。
- ユーザー情報を含むリポジトリーを選択します。たとえば、ローカル設定で Federated repositories を選択します。
- Next をクリックします。
- Primary administrative user name および Password を入力します。
- Next をクリックし、Finish をクリックします。
Messages ウィンドウで Save をクリックして、マスター設定への変更を保存します。
図4.1 セキュリティー変更の保存
端末で、インストール時に指定した IBM WebSphere Application Server の
/bin
ディレクトリーの場所に移動し、以下のコマンドを実行して IBM WebSphere を停止して再起動し、セキュリティーの変更を適用します。sudo ./stopServer.sh <SERVER_NAME>
sudo ./startServer.sh <SERVER_NAME>
<SERVER_NAME>
は、WebSphere 統合ソリューションコンソールの Servers → Server Types → IBM WebSphere Application Servers で定義した IBM WebSphere Application Server の名前です。
4.2. Java Message Service (JMS) の設定
Java Message Service (JMS) は、Decision Server が、Oracle WebLogic Server、IBM WebSphere Application Server などのアプリケーションサーバーとメッセージを交換するために使用する Java API です。Decision Server を経由して JMS メッセージを送受信するようにアプリケーションサーバーを設定し、2 台のサーバー間でコラボレーションが適切に行われるようにします。
4.2.1. サービスバスを作成し、IBM WebSphere を追加します。
JMS を使用するためには、サービスバスを作成し、IBM WebSphere Application Server をそのメンバーとして追加します。
手順
- WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Service Integration → Buses → New の順に移動します。
- 新しいバス名を入力し、Bus Security オプションの選択を解除します。
- Next をクリックしてから Finish をクリックし、サービスバスを作成します。
- 作成しておいたサービスバスを選択します。
- Topology で Bus Members → Add をクリックします。
- Add a New Bus Member ウィザードを使用し、IBM WebSphere Application Server と、永続性に関するメッセージストアのタイプを選択します。メッセージストアのプロパティーを指定することもできます。
- Finish をクリックし、バスメンバーを追加します。
4.2.2. JMS 接続ファクトリーの作成
Decision Server でメッセージングを有効にするには、メッセージの送受信に JMS 接続ファクトリーをいくつか作成する必要があります。
前提条件
IBM WebSphere Application Server にサービスバスを作成している。
手順
- WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Resources → JMS → Connection Factories の順に移動します。
- 正しいスコープを選択し、New をクリックします。
- Default Messaging Provider オプションを選択し、OK をクリックします。
-
以下に示す必須の接続ファクトリーに、接続ファクトリー名 (例:
KIE.SERVER.REQUEST
) および JNDI 名 (例:jms/cf/KIE.SERVER.REQUEST
) を入力して、Bus Name ドロップダウンリストからサービスバス名を選択します。残りのオプションはデフォルト値のままにします。 - Apply および Save をクリックして master 設定への変更を保存し、必要な各ファクトリーに上述の手順を繰り返します。
4.2.2.1. Decision Server の JMS 接続ファクトリー
以下は、Decision Server で JMS メッセージングを有効にするために必要な Java Message Service (JMS) 接続ファクトリーになります。
名前 | デフォルト値 | 用途 |
---|---|---|
|
| 全要求を Decision Server へ送信 |
|
| Decision Server が生成する応答をすべて受信 |
4.2.3. JMS キューの作成
JMS キューは、ポイントツーポイントメッセージング (point-to-point messaging) の宛先エンドポイントになります。Decision Server で JMS メッセージングを有効にするには JMS キューをいくつか作成する必要があります。
前提条件
IBM WebSphere Application Server にサービスバスを作成している。
手順
- WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Resources → JMS → Queues の順に移動します。
- 正しいスコープを選択し、New をクリックします。
- Default Messaging Provider オプションを選択し、OK をクリックします。
-
以下に示す必須のキューに、キューの名前 (例:
KIE.SERVER.REQUEST
) および JNDI 名 (例:jms/queue/KIE.SERVER.REQUEST
) を入力して、Bus Name ドロップダウンリストからサービスバスを選択します。 - Queue Name ドロップダウンリストで Create Service Integration Bus Destination を選択して一意の識別子を入力し、事前に作成したバスメンバーを選択します。
- Apply および Save をクリックして master 設定への変更を保存し、必要な各キューに上述の手順を繰り返します。
4.2.3.1. Decision Server の JMS キュー
以下は、Decision Server で JMS メッセージングを有効にするために必要な Java Message Service (JMS) キューになります。
名前 | デフォルト値 | 用途 |
---|---|---|
|
| 全要求を Decision Server へ送信 |
|
| Decision Server が生成する応答をすべて受信 |
4.2.4. JMS アクティベーション指定の作成
キューと、JMS を有効にするメッセージ駆動型 Bean との間にブリッジを行うには、JMS アクティベーション指定が必要です。
前提条件
- IBM WebSphere Application Server にサービスバスを作成している。
- JMS キューを作成している。
手順
- WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Resources → JMS → Activation Specifications の順に移動します。
- 正しいスコープを選択し、New をクリックします。
- Default Messaging Provider オプションを選択し、OK をクリックします。
-
以下に示す必須のアクティベーション指定に、アクティベーション指定名 (例:
KIE.SERVER.REQUEST
) および JNDI 名 (例:jms/activation/KIE.SERVER.REQUEST
) を入力して、Bus Name ドロップダウンリストからサービスバス名を選択します。 -
Destination Type ドロップダウンリストで Queue を選択し、Destination lookup に対応するキューの名前 (例:
jms/queue/KIE.SERVER.REQUEST
) を入力します。 - Apply および Save をクリックして master 設定への変更を保存し、必要な各アクティベーション指定に上述の手順を繰り返します。
4.2.4.1. Decision Server の JMS アクティベーション仕様
以下は、Decision Server で JMS メッセージングを有効にするために必要な Java Message Service (JMS) アクティベーション仕様になります。
名前 | デフォルト値 | 用途 |
---|---|---|
|
| 全要求を Decision Server へ送信 |
|
| Decision Server が生成する応答をすべて受信 |
4.3. IBM WebSphere Application Server へのシステムプロパティーの設定
Decision Server をデプロイする前に、IBM WebSphere Application Server に、本セクションに記載するシステムプロパティーを設定します。
手順
- WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Servers → Server Types → IBM WebSphere Application Servers の順にクリックします。
- アプリケーションサーバーの一覧で、Decision Server をデプロイするサーバーを選択します。
Server Infrastructure で Java and Process Management → Process Definition をクリックします。
図4.2 WebSphere 設定ページ
Additional Properties で Java Virtual Machine をクリックします。
図4.3 プロセスの定義設定ページ
これにより、IBM WebSphere を起動するのに使用する JVM の設定プロパティーが開きます。
-
Initial heap size および Maximum heap size の両方を
2048
に設定し、Apply をクリックして Java Virtual Machine (JVM) メモリーサイズを増やします。Decision Server はこの値でテストされています。JVM メモリーサイズを増やさないと、Decision Server のデプロイ時に IBM WebSphere Application Server がフリーズするかエラーが発生します。 - Additional Properties で Custom Properties をクリックします。
New → Custom JVM Properties の順にクリックし、以下のプロパティーを IBM WebSphere に追加します。
表4.4 Decision Server のシステムプロパティー 名前 値 説明 kie.server.jms.queues.response
jms/queue/KIE.SERVER.RESPONSE
Decision Server が使用する応答用の JMS キューの JNDI 名。
org.kie.server.domain
WSLogin
JMS の使用時にユーザーの認証に使用される JAAS
LoginContext
ドメイン。org.jbpm.server.ext.disabled
true
RHDM でサポートされていない Decision Central の機能を無効にします。設定されていない場合は、Decision Server は機能しますが、起動時にエラーメッセージを表示します。
org.jbpm.ui.server.ext.disabled
true
RHDM でサポートされていない Decision Central の機能を無効にします。設定されていない場合は、Decision Server は機能しますが、起動時にエラーメッセージを表示します。
org.jbpm.case.server.ext.disabled
true
RHDM でサポートされていない Decision Central の機能を無効にします。設定されていない場合は、Decision Server は機能しますが、起動時にエラーメッセージを表示します。
org.jboss.logging.provider
jdk
このプロパティーは、
CA SiteMinder TAI (SMTAI)
が環境にインストールされている場合にのみ必要になります。このプロパティーを使用すると、Dashbuilder でログを記録するために、Hibernate がlog4j
ではなく、JDK
を強制的に使用しようとします。CA SiteMinder TAI (SMTAI)
には古いバージョンのlog4j
が含まれており、これにより競合が生じます。- Save をクリックして、マスター設定への変更を保存します。
4.4. IBM WebSphere Application Server の停止および再起動
IBM WebSphere Application Server に必要なシステムプロパティーをすべて設定したあと、IBM サーバーを停止および再起動して、設定が適用されていることを確認します。
手順
端末で、インストール時に指定した IBM WebSphere Application Server の /bin
ディレクトリーの場所に移動し、以下のコマンドを実行して IBM WebSphere を停止して再起動し、設定変更を適用します。
sudo ./stopServer.sh <SERVER_NAME>
sudo ./startServer.sh <SERVER_NAME>
<SERVER_NAME>
は、WebSphere 統合ソリューションコンソールの Servers → Server Types → IBM WebSphere Application Servers で定義した IBM WebSphere Application Server の名前です。
第5章 IBM WebSphere Application Server への Decision Server のインストールおよび実行
IBM WebSphere Application Server に必要なシステムプロパティーをすべて設定したら、IBM WebSphere に Decision Server をインストールして、Red Hat Decision Manager アプリケーション管理を合理化します。
前提条件
4章Decision Server への IBM WebSphere Application Server の設定 の説明どおりに IBM WebSphere Application Server インスタンスを設定している。
手順
Red Hat カスタマーポータルの Software Downloads ページに移動し (ログインが必要)、ドロップダウンオプションから製品およびバージョンを選択します。
- Product: Decision Manager
- バージョン: 7.2
- Red Hat Decision Manager 7.2.0 Decision Server for All Supported EE7 Containers をダウンロードします。
-
rhdm-7.2.0-kie-server-ee7.zip
アーカイブを一時ディレクトリーに展開します。以下の例では、この名前をTEMP_DIR
とします。 kie-server.war
ディレクトリーを再パッケージ化します。-
TEMP_DIR/rhdm-7.2.0-kie-server-ee7/kie-server.war
ディレクトリーに移動します。 -
TEMP_DIR/rhdm-7.2.0-kie-server-ee7/kie-server.war
ディレクトリーのコンテンツを選択し、kie-server.zip
ファイルを作成します。 -
kie-server.zip
の名前をkie-server.war
に変更します。このファイルを使用して、Decision Server をデプロイします。 -
必要に応じて、新しい
kie-server.war
ファイルを、デプロイしやすい便利な場所にコピーします。
-
- WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Applications → Application Types → WebSphere Enterprise Applications の順に移動します。
- Install をクリックします。
-
再パッケージ化した
kie-server.war
ファイルに移動して選択し、アップロードします。 Fast Path を選択し、Next をクリックします。
Install New Application ウィザードが開きます。
-
Application Name を
kie-server
に変更し、Next をクリックします。 - 要件に合わせて Decision Server モジュールをサーバーにマッピングし、Next をクリックします。
-
Bind Listeners for Message-Driven Beans の場合は 、両 Bean に Activation Specification を選択し、Target Resource JNDI Name フィールドに
jms/activation/KIE.SERVER.REQUEST
を入力し、KIE.SERVER.REQUEST
接続ファクトリーのjms/cf/KIE.SERVER.REQUEST
JNDI 名を入力します。 - Map Virtual Hosts for Web Modules セクションでは、デフォルト値をそのままにして、Next をクリックします。
-
コンテキストのルートを
kie-server
に設定します。 - Metadata for Modules セクションで、デフォルト値をそのままにして Next をクリックします。
- Finish をクリックして Decision Server をインストールし、Save をクリックして master 設定に変更を保存します。
5.1. Decision Server のグループおよびロールの作成
Decision Server をインストールしたら、kie-server
グループと、ユーザーを作成します。
前提条件
- Decision Server が IBM WebSphere Application Server インスタンスにインストールされている。
手順
- WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Users and Groups → Manage Groups の順にクリックします。
- Manage Groups 画面で Create をクリックします。
-
Create a Group 画面の Group name ボックスに
kie-server
と入力し、Create をクリックします。 -
kie-server
グループに追加するユーザーを作成するには、Users and Groups → Manage Users の順にクリックします。 - Create a User セクションで、必要な情報を入力します。
- Group Membership をクリックします。
-
Group Membership 画面で
kie-server
をクリックして Mapped To に移動し、Close をクリックします。 - Create a User 画面で Create をクリックします。
5.2. Decision Server のグループおよびロールのマッピング
Decision Server をインストールしたら、WebSphere 統合ソリューションコンソールで kie-server
ロールを kie-server
グループにマッピングして、Decision Server を実行します。
前提条件
- Decision Server が IBM WebSphere Application Server インスタンスにインストールされている。
-
IBM WebSphere Application Server に、1 人以上のユーザーが追加されている
kie-server
グループがある。
手順
-
WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Applications → Application Types → WebSphere Enterprise Applications に移動し、新たにインストールした
kie-server
アプリケーションを選択します。 - Detail Properties で Security Role to User/Group Mapping をクリックします。
-
kie-server
ロールを選択し、Map Groups をクリックして、kie-server
グループを検索します。 kie-server
グループを、Available 一覧から Selected 一覧に移動し、OK をクリックします。このマッピングにより、IBM WebSphere Application Server の
kie-server
グループのユーザーに、Decision Server へのアクセスが付与されます。- Save をクリックしてマッピングを完了します。
5.3. Decision Server のクラ出力ディングの設定
Decision Server をインストールしたら、親クラスを最後にロードするように、クラ出力ディングを設定する必要があります。
手順
-
Applications → Application Types → WebSphere Enterprise Applications に移動し、
kie-server
をクリックします。 - 左側の Detail Properties の見出しにある Class Loading and Update Detection をクリックします。
- プロパティーで、Class Loader Order を Classes loaded with local class loader first (parent last) に、WAR Class Loader Policy を Single class loader for application に変更します。
- 変更をマスター設定に保存します。
5.4. インストールの検証
Decision Server をインストールして Decision Server グループマッピングを定義したら、サーバーが実行していることを確認します。
前提条件
- Decision Server が IBM WebSphere Application Server インスタンスにインストールされている。
- ヘッドレス Decision Manager コントローラーに必要なシステムプロパティーをすべて設定している。
- IBM WebSphere Application Server に Decision Server グループマッピングを定義している。
手順
Decision Server の URL (http://<HOST>:<PORT>/kie-server
) に移動し、サーバーが実行していることを確認するか、GET
要求を http://<HOST>:<PORT>/kie-server/services/rest/server
に送信して、Decision Server REST API が応答するかどうかを確認します。
<HOST>
は、Decision Server ホストの ID または名前です (例: localhost
または 192.7.8.9
)。
<PORT>
は、Decision Server ホストのポートです (例: 9060
)。
Decision Server が実行していない場合は、IBM WebSphere Application Server インスタンスを停止して再起動し、Decision Server の URL または API に再度アクセスしてみてください。
第6章 IBM WebSphere Application Server へのヘッドレス Decision Manager コントローラーのインストールおよび実行
Decision Server REST API または Java Client API を使用して Decision Server に接続するには、IBM WebSphere Application Server にヘッドレス Decision Manager コントローラーをインストールします。ヘッドレス Decision Manager コントローラーは、一元化された方法で Decision Server 設定を管理するため、このコントローラーを使用してコンテナーの作成および維持を行い、他のサーバーレベルのタスクを実行することができます。
実稼働環境で最適な結果を得るには、Decision Server とヘッドレス Decision Manager コントローラーを別のサーバーにインストールします。開発環境の場合は、Decision Server とヘッドレス Decision Manager コントローラーを同じサーバーにインストールできます。
前提条件
- 4章Decision Server への IBM WebSphere Application Server の設定 の説明どおりに IBM WebSphere Application Server インスタンスを設定している。
- Decision Server が IBM WebSphere Application Server インスタンスにインストールされている。
- インストールを完了するのに必要なユーザーパーミッションがある。
手順
Red Hat カスタマーポータルの Software Downloads ページに移動し (ログインが必要)、ドロップダウンオプションから製品およびバージョンを選択します。
- Product: Decision Manager
- バージョン: 7.2
- Red Hat Decision Manager 7.2.0 Add-Ons をダウンロードします。
-
ダウンロードした
rhdm-7.2.0-add-ons.zip
ファイルを一時ディレクトリーに展開します。 -
rhdm-7.2.0-add-ons.zip
ファイルを一時ディレクトリーに展開します。以下の例では、この名前をTEMP_DIR
とします。 -
rhdm-7.2.0-add-ons/rhdm-7.2.0-controller-ee7.zip
ファイルを展開します。 controller.war
ディレクトリーを再パッケージ化します。-
TEMP_DIR/rhdm-7.2.0-add-ons/rhdm-7.2.0-controller-ee7/controller.war
ディレクトリーに移動します。 -
TEMP_DIR/rhdm-7.2.0-add-ons/rhdm-7.2.0-controller-ee7/controller.war
ディレクトリーのコンテンツを選択して、controller.zip
ファイルを作成します。 -
controller.zip
の名前をcontroller.war
に変更します。このファイルを使用して、ヘッドレス Decision Manager コントローラーをデプロイします。 -
必要に応じて、新しい
controller.war
ファイルを、デプロイしやすい場所にコピーします。
-
- WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Applications → Application Types → WebSphere Enterprise Applications の順に移動します。
- Install をクリックします。
-
再パッケージ化した
controller.war
ファイルに移動し、選択してアップロードします。 Fast Path を選択し、Next をクリックします。
Install New Application ウィザードが開きます。
-
Application Name を
controller
に変更し、Next をクリックします。 - 要件に合わせて ヘッドレス Decision Manager コントローラーモジュールをサーバーにマッピングし、Next をクリックします。
-
Bind Listeners for Message-Driven Beans の場合は 、両 Bean に Activation Specification を選択し、Target Resource JNDI Name フィールドに
jms/activation/KIE.SERVER.REQUEST
を入力し、KIE.SERVER.REQUEST
接続ファクトリーのjms/cf/KIE.SERVER.REQUEST
JNDI 名を入力します。 - Map Virtual Hosts for Web Modules セクションでは、デフォルト値をそのままにして、Next をクリックします。
-
コンテキストルートを
controller
に設定します。 - Metadata for Modules セクションで、デフォルト値をそのままにして Next をクリックします。
- Finish をクリックしてヘッドレス Decision Manager コントローラーをインストールし、Save をクリックして master 設定への変更を保存します。
6.1. ヘッドレス Decision Manager コントローラーへのクラ出力ディングの設定
ヘッドレス Decision Manager コントローラーをインストールしたら、親クラスを最後にロードするように、Decision Server クラ出力ディングを設定する必要があります。
手順
-
Applications → Application Types → WebSphere Enterprise Applications に移動し、
kie-server
をクリックします。 - 左側の Detail Properties の見出しにある Class Loading and Update Detection をクリックします。
- プロパティーで、Class Loader Order を Classes loaded with local class loader first (parent last) に、WAR Class Loader Policy を Single class loader for application に変更します。
- 変更をマスター設定に保存します。
6.2. ヘッドレス Decision Manager コントローラーのシステムプロパティーの設定
ヘッドレス Decision Manager コントローラーをインストールしたら、本セクションで紹介するシステムプロパティーをアプリケーションサーバーに設定して、ヘッドレス Decision Manager コントローラーとの適切な接続を有効にします。
実稼働環境で最適な結果を得るには、Decision Server とヘッドレス Decision Manager コントローラーを別のサーバーにインストールします。開発環境の場合は、Decision Server とヘッドレス Decision Manager コントローラーを同じサーバーにインストールできます。いずれの場合も、ヘッドレス Decision Manager コントローラーがインストールされているすべてのアプリケーションサーバーでこのプロパティーを変更します。
前提条件
Decision Server およびヘッドレス Decision Manager コントローラーがアプリケーションサーバーインスタンスにインストールされている。
手順
ヘッドレス Decision Manager コントローラーがインストールされているアプリケーションサーバーインスタンスに、以下の JVM プロパティー値を指定します。
表6.1 ヘッドレス Decision Manager コントローラーに必要なプロパティー 名前 要件 org.kie.server.user
kie-server
ロールが割り当てられているユーザーorg.kie.server.pwd
org.kie.server.user
プロパティーに指定したユーザーのパスワードDecision Server がインストールされているアプリケーションサーバーインスタンスに、以下の JVM プロパティー値を指定します。
表6.2 ヘッドレス Decision Manager コントローラーがインストールされている場合に Decision Server に必要なプロパティー 名前 要件 org.kie.server.controller.user
kie-server
ロールが割り当てられているユーザーorg.kie.server.controller.pwd
org.kie.server.controller.user
プロパティーに指定したユーザーのパスワードorg.kie.server.id
Decision Server インストールの ID または名前 (
rhdm700-decision-server-1
など)org.kie.server.location
Decision Server の URL (
http://<HOST>:<PORT>/kie-server/services/rest/server
)org.kie.server.controller
ヘッドレス Decision Manager コントローラーの URL (
http://<HOST>:<PORT>/controller/rest/controller
)<HOST>
は、Decision Server ホストの ID または名前です (例:localhost
または192.7.8.9
)。<PORT>
は、Decision Server ホストのポートです (例:7001
)。
6.3. ヘッドレス Decision Manager コントローラーのグループおよびロールのマッピング
ヘッドレス Decision Manager コントローラーをインストールしたら、WebSphere 統合ソリューションコンソールに kie-server
グループを作成し、kie-server
ロールを kie-server
グループにマッピングします。
前提条件
- ヘッドレス Decision Manager コントローラーが IBM WebSphere Application Server インスタンスにインストールされている。
手順
-
WebSphere 統合ソリューションコンソールで、Decision Server グループおよびロールの作成 の記載通りに、
kie-server
グループと、このグループのユーザーを作成します。 - Applications → Application Types → WebSphere Enterprise Applications に移動し、新たにインストールしたヘッドレス Decision Manager コントローラーを選択します。
- Detail Properties で Security Role to User/Group Mapping をクリックします。
-
kie-server
ロールを選択し、Map Groups をクリックして、kie-server
グループを検索します。 kie-server
グループを、Available 一覧から Selected 一覧に移動し、OK をクリックします。このマッピングにより、事前に作成した管理者ユーザーに Decision Manager へのアクセスが付与されます。
- Save をクリックしてマッピングを完了します。
6.4. インストールの検証
ヘッドレス Decision Manager コントローラーをインストールし、必要なシステムプロパティーとロール要件をアプリケーションサーバーに定義したら、ヘッドレス Decision Manager コントローラーが正しく動作していることを確認します。
前提条件
- Decision Server およびヘッドレス Decision Manager コントローラーがアプリケーションサーバーインスタンスにインストールされている。
- アプリケーションサーバーで、ヘッドレス Decision Manager コントローラーに必要なシステムプロパティーおよびロール要件をすべて設定している。
手順
端末で以下のコマンドを実行して、ヘッドレス Decision Manager コントローラーが動作していることを確認します。
curl -X GET "http://<HOST>:<PORT>/controller/rest/controller/management/servers" -H "accept: application/xml" -u '<CONTROLLER>:<CONTROLLER_PWD>'
<HOST>
は、Decision Server ホストの ID または名前です (例: localhost
または 192.7.8.9
)。
<PORT>
は、Decision Server ホストのポートです (例: 7001
)。
<CONTROLLER>
および <CONTROLLER_PWD>
は、本セクションで作成したユーザーの認証情報です。
このコマンドにより、Decision Server インスタンスに関する情報が返されます。
別の方法では、Decision Server Java API Client を使用してヘッドレス Decision Manager コントローラーにアクセスすることもできます。
ヘッドレス Decision Manager コントローラーが実行していない場合は、アプリケーションサーバーインスタンスを停止して再起動し、ヘッドレス Decision Manager コントローラーの URL または API へ再度アクセスしてみてください。
第7章 次のステップ
付録A バージョン情報
本書の最終更新日: 2021 年 11 月 15 日 (月)