Business Central でのプロジェクトの管理
ガイド
概要
はじめに
プロセス管理者は、Red Hat Decision Manager の Business Central を使用して、1 つまたは複数のブランチで新しいプロジェクト、サンプルプロジェクト、インポートしたプロジェクトを管理できます。
前提条件
- Red Hat JBoss Enterprise Application Platform 7.2 がインストールされている。詳細情報は Red Hat JBoss EAP 7.2 インストールガイド を参照してください。
- Red Hat Decision Manager がインストールされ、Decision Server で設定されていること。詳細は、Red Hat JBoss EAP 7.2 への Red Hat Decision Manager のインストールおよび設定 を参照してください。
-
Red Hat Decision Manager が稼働し、
developer
ロールで Business Central にログインできる。詳細は、Red Hat Decision Manager インストールの計画 を参照してください。
第1章 Red Hat Decision Manager プロジェクト
Red Hat Decision Manager プロジェクトは、Red Hat Decision Manager で開発するビジネスアセットを含み、スペースに割り当てられます (例: MySpace
の MyProject
)。プロジェクトには、Maven プロジェクトのオブジェクトモデルファイル (pom.xml
) などの設定ファイルも含まれますが、設定ファイルには、ビルド、環境、その他のプロジェクト関連情報、KIE モジュール記述子ファイル (kmodule.xml
) が含まれます。KIE モジュール記述子ファイルには、プロジェクトのアセットに関する KIE ベースおよび KIE セッションの設定が含まれます。
第2章 Business Central の既存プロジェクトの変更
Business Central には、製品と機能に慣れるのに使用できるサンプルプロジェクトが多数あります。サンプルプロジェクトは、さまざまなビジネスシナリオを紹介するために設計され、作成されました。サンプルプロジェクトを変更し、ビジネス固有のニーズを満たすことができます。たとえば、Red Hat Decision Manager 7.3 には 住宅ローン のサンプルプロジェクトが含まれており、このプロジェクトは、事前定義済みのデータオブジェクト、ガイド付きのデシジョンテーブル、ガイド付きのルール、フォームおよびビジネスプロセスで設定されます。このサンプルを編集して、ビジネスプロセスを改良できます。
要件を満たす既存の Business Central のプロジェクトサンプルがない場合は、新規プロジェクトを作成するか、git リポジトリーからプロジェクトをインポートできます。詳細は、4章Git リポジトリーからのプロジェクトのインポート を参照してください。git から他のプロジェクトをインポートできます。たとえば、別の Business Central インスタンスで開発したプロジェクトなどがあります。
第3章 プロジェクトの作成
プロジェクトには、お使いのプロジェクト要件に特有のデータモデル、ビジネスプロセス、ビジネスルール、およびフォームを含めることができます。Business Central にプロジェクトを作成すると、プロジェクトは Red Hat Decision Manager インストールと連携している Git リポジトリーに追加されます。
手順
- Business Central で、Menu → Design → Projects に移動します。
- Add Project をクリックします。
Add Project ウィンドウの Name フィールドに
anyName
と入力し、Add をクリックします。anyName
は、新規プロジェクトに指定する名前に置き換えます。図3.1
anyName
プロジェクトの追加
プロジェクトが作成されると、プロジェクトの Assets ビューが開きます。
3.1. Mortgages サンプルプロジェクトの変更
住宅ローン サンプルプロジェクトは、事前定義済みのデータオブジェクト、ガイド付きデシジョンテーブル、ガイド付きルール、フォーム、およびビジネスプロセスで設定されています。サンプルプロジェクトを利用すれば、Red Hat Decision Manager の使い方を簡単に覚えることができます。実際のビジネスシナリオでは、ビジネス要件に適したデータを使用してすべてのアセットを作成します。
住宅ローン のサンプルプロジェクトに移動し、事前定義済みアセットを表示します。
手順
- Business Central で、Menu → Design → Projects に移動します。
- 画面の右上隅の をクリックして、Try Samples を選択します。
- Mortgages を選択して、Ok をクリックします。プロジェクトの Assets ビューを開きます。
- 変更するアセットをクリックします。アセットは、プロジェクト要件に合わせて、すべて編集できます。
第4章 Git リポジトリーからのプロジェクトのインポート
Git は分散バージョン管理システムです。リビジョンをコミットオブジェクトとして実装します。リポジトリーに変更を保存すると、Git リポジトリーに新しいコミットオブジェクトが作成されます。
Business Central は Git を使用してプロジェクトデータ (ルールやプロセスなどのアセットを含む) を格納します。Business Central でプロジェクトを作成すると、Business Central に接続される Git リポジトリーに追加されます。Git リポジトリーにプロジェクトがある場合は、Business Central スペースから、そのプロジェクトを Business Central の Git リポジトリーにインポートできます。
前提条件
- Red Hat Decision Manager プロジェクトが外部の Git リポジトリーに存在している。
- 外部の Git リポジトリーへの読み取りアクセスに必要な認証情報が利用できる。
手順
- Business Central で Menu → Design → Projects の順にクリックします。
- プロジェクトをインポートするスペースを選択または作成します。デフォルトのスペースは mySpace です。
- 画面の右側の をクリックして、Import Project を選択します。
- Import Project ウィンドウに、インポートするプロジェクトが含まれる Git リポジトリーの URL および認証情報を入力し、Import をクリックします。プロジェクトを Business Central の Git リポジトリーに追加して、作成したスペースまたはデフォルトのスペースで使用できるようにします。
第5章 プロジェクトバージョンの改訂
プロジェクトの新規インスタンスをデプロイする前に、Red Hat Decision Manager のプロジェクトバージョン番号を改訂できます。プロジェクトの新規バージョンを作成すると、以前のバージョンを保存して、新規バージョンで問題が発生した場合に、以前のバージョンに戻すことができます。
前提条件
Decision Server をデプロイし、Business Central に接続している。
手順
- Business Central で、Menu → Design → Projects に移動します。
- デプロイするプロジェクト (例: Mortgage) をクリックします。
デプロイ をクリックします。
- プロジェクト名にコンテナーがない場合は、デフォルト値でコンテナーが自動的に作成されます。
以前のバージョンのプロジェクトがすでにデプロイされている場合は、プロジェクト設定に移動して、プロジェクトバージョンを変更します。終了したら、変更を保存して Deploy をクリックします。これにより、最新の変更が適用された同じプロジェクトの新しいバージョンが、古いバージョンとともにデプロイされます。
注記実稼働または開発環境では、Build & Install オプションを選択してプロジェクトをビルドし、KJAR ファイルを Decision Server にデプロイせずに設定済みの Maven リポジトリーに公開できます。開発環境では、Deploy をクリックして、実行中のインスタンスを停止せずにビルドされた KJAR ファイルを Decision Server にデプロイするか (該当する場合)、ビルドされた KJAR ファイルを Redeploy をクリックしてデプロイし、実行中のインスタンスを停止します。ビルドした KJAR ファイルを次回にデプロイまたは再デプロイすると、以前のデプロイメントユニット (KIE コンテナー) が同じターゲット Decision Server で自動的に更新されます。実稼働環境では Redeploy オプションは無効になっており、Deploy をクリックして KJAR ファイルを Decision Server 上の新規デプロイメントユニット (KIE コンテナー) にデプロイすることのみが可能です。
Decision Server 環境モードを設定するには、
org.kie.server.mode
システムプロパティーをorg.kie.server.mode=development
またはorg.kie.server.mode=production
に設定します。Business Central の対応するプロジェクトでのデプロイメント動作を設定するには、プロジェクトの Settings → General Settings → Version に移動し、Development Mode オプションを選択します。デフォルトでは、Decision Server と Business Central の新規プロジェクトはすべて、開発モードになっています。Development Mode がオンのプロジェクトや、実稼働モードの Decision Server に手動でSNAPSHOT
バージョンの接尾辞を追加したプロジェクトをデプロイすることはできません。
- デプロイメントを確認するには、Menu → Manage → Process Definitions をクリックし、 をクリックします。
- Actions 列の をクリックして、Start を選択し、プロセスの新規インスタンスを起動します。
第6章 Business Central での複数のブランチ
Business Central では複数のブランチの使用をサポートしており、すべてのアセットを含む、既存のブランチをもとに新規ブランチを作成できます。新規プロジェクト、インポートされたプロジェクト、サンプルプロジェクトはすべてデフォルトの master ブランチで開きます。必要な数だけブランチを作成し、master ブランチのオリジナルのプロジェクトに影響を与えずに、複数のブランチ間を切り替えて作業することができます。
Red Hat Decision Manager 7.3 には、ブランチの永続化サポートがあります。このサポートにより、Business Central が最後に使用したブランチを記憶し、ログインしなおしたときにそのブランチが開くようになります。
6.1. ブランチの作成
Business Central で新規ブランチを作成して、任意の名前を指定できます。最初は、デフォルトの master ブランチだけが存在します。プロジェクトに新しいブランチを作成するときに、選択したブランチのコピーが作成されます。オリジナルの master ブランチバージョンに影響を与えることなく、新規ブランチのプロジェクトに変更を加えることができます。
手順
- Business Central で、Menu → Design → Projects に移動します。
- Mortgages サンプルプロジェクトなど、新規ブランチを作成するプロジェクトをクリックします。
master → Add Branch をクリックします。
図6.1 新規ブランチの作成メニュー
-
Name フィールドに
testBranch1
と入力して、Add Branch ウィンドウから master を選択します。testBranch1
は、新規ブランチに指定する名前に置き換えます。 - Add Branch ウィンドウから、新規ブランチのベースとなるブランチを選択します。既存のブランチであれば、どれでも選択できます。
Add をクリックします。
図6.2 新規ブランチ追加のウィンドウ
新規ブランチの追加後に、そのブランチにリダイレクトされます。このブランチには、master ブランチのプロジェクト内にあったアセットがすべて含まれます。
6.2. ブランチの選択
ブランチ間を切り替えて、プロジェクトアセットに変更を加えて、変更した機能をテストできます。
手順
現在のブランチ名をクリックして、ドロップダウンリストから任意のプロジェクトブランチを選択します。
図6.3 ブランチメニューの選択
ブランチの選択後に、対象のプロジェクトと、定義したアセットがすべて含まれるブランチにリダイレクトされます。
6.3. ブランチの削除
master ブランチ以外のブランチはどれでも削除できます。Business Central では、環境が壊れないように、master ブランチを削除できません。以下の手順は、master 以外のブランチで行わないと、機能しません。
手順
画面の右上隅の をクリックして、Delete Branch を選択します。
図6.4 ブランチメニューの削除
- Delete Branch ウィンドウで削除するブランチ名を入力し、Delete Branch をクリックします。
6.4. プロジェクトのビルドおよびデプロイ
プロジェクトを作成したら、Business Central の指定のブランチでプロジェクトをビルドして、設定した Decision Server にデプロイできます。
手順
- Business Central で、Menu → Design → Projects に移動して、プロジェクト名をクリックします。
右上隅にある Deploy をクリックし、プロジェクトをビルドして Decision Server にデプロイします。ビルドに失敗したら、画面下部の Alerts パネルに記載されている問題に対処します。プロジェクトのデプロイメントオプションに関する詳細は、Red Hat Decision Manager プロジェクトのパッケージ化およびデプロイ を参照してください。
注記実稼働または開発環境では、Build & Install オプションを選択してプロジェクトをビルドし、KJAR ファイルを Decision Server にデプロイせずに設定済みの Maven リポジトリーに公開できます。開発環境では、Deploy をクリックして、実行中のインスタンスを停止せずにビルドされた KJAR ファイルを Decision Server にデプロイするか (該当する場合)、ビルドされた KJAR ファイルを Redeploy をクリックしてデプロイし、実行中のインスタンスを停止します。ビルドした KJAR ファイルを次回にデプロイまたは再デプロイすると、以前のデプロイメントユニット (KIE コンテナー) が同じターゲット Decision Server で自動的に更新されます。実稼働環境では Redeploy オプションは無効になっており、Deploy をクリックして KJAR ファイルを Decision Server 上の新規デプロイメントユニット (KIE コンテナー) にデプロイすることのみが可能です。
Decision Server 環境モードを設定するには、
org.kie.server.mode
システムプロパティーをorg.kie.server.mode=development
またはorg.kie.server.mode=production
に設定します。Business Central の対応するプロジェクトでのデプロイメント動作を設定するには、プロジェクトの Settings → General Settings → Version に移動し、Development Mode オプションを選択します。デフォルトでは、Decision Server と Business Central の新規プロジェクトはすべて、開発モードになっています。Development Mode がオンのプロジェクトや、実稼働モードの Decision Server に手動でSNAPSHOT
バージョンの接尾辞を追加したプロジェクトをデプロイすることはできません。
付録A バージョン情報
本書の最終更新日: 2021 年 11 月 15 日 (月)