第3章 Business Central でのテストシナリオデザイナーの使用
Red Hat Decision Manager には、2 つのデザイナーが同梱されており、テストシナリオを作成して実行し、ビジネスルールとデータを検証できます。この 2 つのデザイナーの相違点は、テストシナリオ デザイナーでは DMN ベースと、ルールベース両方のテストシナリオを作成して実行できますが、テストシナリオ (レガシー) デザイナーではルールベースのテストシナリオの作成と実行しかできません。Red Hat では、どちらのデザイナーも実稼働環境での使用をサポートします。本章のセクションを確認すると、テストシナリオ デザイナーを使用したテストシナリオの作成と実行方法が理解しやすくなります。
現在、テストシナリオ デザイナーは、デフォルトの KIE セッションしか利用できません。
3.1. テストシナリオデザイナー
Red Hat Decision Manager には、DMN モデルテストを完全にサポートする テストシナリオ デザイナーが新たに同梱されるようになりました。このデザイナーは、DMN ベースのテストシナリオをテストするか、検証するときのユーザー体験を一新し、強化しています。この新しいデザイナーの目的は、作成したルールやナレッジベースが正しく機能していることをテストしやすくするためです。
3.1.1. テストシナリオデザイナーのレイアウト
デザイナーは、テーブル形式のレイアウトを導入し、シナリオテンプレートと関連のテストケースすべてを定義できるようにします。デザイナーレイアウトはヘッダーと個別の行を持つテーブルで設定されています。ヘッダーは、GIVEN と EXPECT の行、インスタンスの行、対応のフィールドの行の 3 つで設定されます。ヘッダーは、テストシナリオテンプレートとしても知られており、個別の行はテストシナリオ定義と呼ばれます。
テストシナリオテンプレートまたはヘッダーは以下の 2 つの部分で設定されます。
- GIVEN データオブジェクトおよびそのフィールド: 入力情報を表現します。
- EXPECT データオブジェクトおよびそのフィールド: オブジェクトとフィールドを表現します。実際の値が指定の情報をもとにチェックされ、想定の結果を設定するのにも、この値を使用します。
テストシナリオの定義は、個別のテストケーステンプレートを表現します。
デザイナーの左パネルから Project Explorer にアクセスでき、右パネルからは、Test Tools と Test Report にアクセスできます。右パネルから Test Tools を使用ををして、データオブジェクトのマッピング (Test Editor) を設定したり、参考として使用するノードが含まれるチートシート (Scenario Cheatsheet) にアクセスしたりできます。
3.1.2. データオブジェクトのインポート
テストシナリオ デザイナーは、テストシナリオと同じパッケージ内に配置されている全データオブジェクトを読み込みます。すべてのデータオブジェクトは、デザイナーの Data Objects タブから表示できます。読み込んだデータオブジェクトは、Test Tools パネルの Test Editor タブにも表示されます。
データオブジェクトが変更された場合に (新規データオブジェクトの作成時や、既存のデータオブジェクトの削除時など) デザイナーを終了して、開き直す必要があります。一覧からデータオブジェクトを選択して、フィールドとフィールドタイプを表示します。
テストシナリオとは異なるパッケージに配置されているデータオブジェクトを使用する場合には、先にそのデータオブジェクトをインポートする必要があります。以下の手順に従い、ルールベースのテストシナリオ用にデータオブジェクトをインポートしてください。
DMN ベースのテストシナリオの作成中にデータオブジェクトをインポートできません。DMN ベーステストシナリオは、プロジェクトからのデータオブジェクトを使用せず、DMN ファイルで定義したカスタムのデータタイプを使用します。
手順
- Test Scenario デザイナーの Project Explorer パネルに移動します。
- Test Scenario からテストシナリオを選択します。
- Data Objects タブを選択して、New Item をクリックします。
- Add import ウィンドウで、ドロップダウンリストからデータオブジェクトを選択します。
- Ok をクリックしてから Save をクリックします。
- Test Scenario デザイナーを終了して開きおなし、データオブジェクトリストから新しいデータオブジェクトを表示します。
3.1.3. テストシナリオのインポート
プロジェクトビューの Asset タブにある Import Asset ボタンを使用して、既存のテストシナリオをインポートできます。
手順
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Business Central で、Menu
Design Projects に移動して、プロジェクト名をクリックします。 - プロジェクトの Asset タブから Import Asset をクリックします。
Create new Import Asset ウィンドウで、以下を実行します。
- インポートセットの名前を入力します。
- Package ドロップダウンリストからパッケージを選択します。
- Please select a file to upload から、Choose File… をクリックしてテストシナリオファイルを参照します。
- ファイルを選択して Open をクリックします。
- Ok をクリックすると、レビューデザイナーでテストシナリオが開きます。