第1章 Red Hat OpenShift Container Platform での高可用性イベント駆動型デシジョン機能
デシジョンエンジンを使用して、Red Hat OpenShift Container Platform に高可用性イベント駆動型デシジョン機能を実装できます。
イベント は、特定の時点で発生するファクトをモデル化します。デシジョンエンジンは、一時オペレーターが豊富にあり、イベントの比較、相関、累積ができます。イベント駆動型のデシジョン機能では、デシジョンエンジンがイベントをもとに一連の複雑なデシジョンを処理します。イベントはすべて、エンジンの状態を変更でき、後続のイベントのデシジョンに影響を与えます。
Operator を使用した Red Hat OpenShift Container Platform への Red Hat Decision Manager 環境のデプロイメントの記載のとおり、Red Hat OpenShift Container Platform では、Red Hat Decision Manager の標準デプロイメントを使用して、高可用性イベント駆動型デシジョン機能を実行できません。デプロイメントには、Decision Server (KIE Server) Pod が含まれており、スケーリング時も Pod ごとに独立したままになります。Pod の状態は同期されません。そのため、ステートレス呼び出しのみを確実に処理できます。
複合イベント処理 (CEP) API は、デシジョンエンジンを含むイベント駆動型デシジョン機能で便利です。デシジョンエンジンは、CEP を使用してイベントコレクションにある複数のイベントを検出して処理し、イベント間に存在する関係を明確にして、このようなイベントや関係をもとに新規データを推測します。デシジョンエンジンでの CEP に関する情報は、Red Hat Decision Manager のデシジョンエンジン を参照してください。
Red Hat Decision Manager が提供する参照実装をもとに、Red Hat OpenShift Container Platform に高可用性イベント駆動型デシジョン機能を実装できます。この実装を使用すると、安全にフェイルオーバーできる環境が実現できます。
この参照実装では、処理コードを使用して Pod をスケーリングできます。Pod のレプリカは独立していません。レプリカの 1 つが自動的に リーダー として指定されます。リーダーが機能を停止した場合には、別のリーダーが自動的にリーダーになり、中断やデータの損失なしに、処理が続行されます。
リーダーの選択は、Kubernetes ConfigMaps で実装されます。リーダーと他のレプリカは、Kafka を介してメッセージを交換することで連携します。リーダーが必ず、最初にイベントを処理します。処理が完了したら、リーダーは他のレプリカに通知します。リーダーではないレプリカは、リーダーでの処理が完了してからでないとイベントは実行されません。
新規レプリカがクラスターに参加すると、このレプリカは、リーダーから、現在の Drools セッションのスナップショットを要求します。Kafka トピックで利用可能なスナップショットがある場合に、リーダーは既存で最新のスナップショットを使用できます。最新のスナップショットがない場合はリーダーがオンデマンドで新しいスナップショットを生成します。スナップショットを受信後に、新しいレプリカはそのスナップショットをデシリアライズし、最終的に、スナップショットに含まれていない最後のイベントを実行し、その後にリーダーと連携して新規イベントの処理は開始されません。