第2章 ルールエンジンおよび Red Hat Decision Manager
ルールエンジンは、宣言形式を使用してビジネスロジックに基づいて意思決定を行うソフトウェア要素です。ルールエンジンには、非常に基本的 (単純なルールのサポート) なものや、非常に複雑なもの (洗練されたアルゴリズムをベースとする) があります。
Red Hat Decision Manager は、PHREAK アルゴリズム (有名な Rete アルゴリズムの進化版)、DMN コンプライアンスレベル 3 ランタイム、PMML のサポート、Complex Event Processing (CEP) エンジンに基づいたルールエンジンなど、柔軟性の高いデシジョン機能を提供します。
PHREAK の理由付けアルゴリズムのランタイムを使用すると、レイテンシーが低く、パフォーマンスの高いビジネスルール実行ができるだけでなく、単一のルール実行環境で、何十万ものルールにまで簡単にスケーリングできます。
軽量のエンジンであるため、埋め込みのシステムやマイクロサービスのアーキテクチャーなど、さまざまなアーキテクチャーやデプロイメントのトポロジーで、デシジョンサービスおよびランタイムとして Red Hat Decision Manager を使用できます。デシジョンエンジンと、複数のアプリケーションフレームワークやランタイムを組み合わせることができます。
Red Hat Decision Manager は、オープンな標準仕様 (DMN、XML、JSON、JAX-RS) および事実上の標準仕様 (Git、Maven、Eclipse、IntelliJ) で構築されています。以下の機能が含まれます。
- 意思決定を自動化する
- 洗練されたデシジョンロジックを容易に埋め込む
- 簡単かつ効率的に実装、管理、監査、変更ができるように、デシジョンロジックとプログラムコードを分離して、単純かつ宣言形式で、ビジネスに対応する用語で定義する
- ポリシーの構築で効率的に連携できるようにビジネスエキスパートでも開発者でも使いやすい UI を提供する
これらの機能を使用することで、ビジネスの俊敏性を向上し、一貫性をもたせて効率的にデシジョンを実行し、開発サイクルだけでなく、商品を市場に投入するまでの時間を短縮します。