Eclipse 4.17 の使用


Red Hat Developer Tools 1

Eclipse 4.17 のインストールとアプリケーション開発の最初のステップ

概要

Red Hat Developer Tools をインストールして使用を開始するユーザー向けの情報。

第1章 Eclipse 4.17

Red Hat Developer Tools on Red Hat Enterprise Linux 7 は、Eclipse Foundation の 2020-09 リリーストレインに基づく Eclipse 4.17 を含む RHEL プラットフォーム上の開発者向け製品です。

Eclipse 開発環境は、開発プロセスの各フェーズにツールを提供します。RHEL 7 の Eclipse 4.17 は Java および Python の開発をサポートします。

Eclipse の詳細は、Eclipse Foundation のメインページ を参照してください。

Eclipse セッションの例

Eclipse はグラフィカル開発環境を提供するため、コマンドラインインターフェイスの代わりに使用されます。

Red Hat JBoss Middleware 用のアプリケーション開発方法の概要や OpenShift Tools のサポートについては、Red Hat Developer Studio を参照してください。

1.1. Red Hat Enterprise Linux 7 での Eclipse RPM へのアクセスの有効化

Eclipse は、RHEL 7 の Red Hat Developer Tools コンテンツセットの一部です。Eclipse をインストールするには、Red Hat Subscription Management ユーティリティーを使用して Red Hat Developer Tools、Red Hat Software Collections、および Optional リポジトリーを有効にします。

前提条件

  • ホストが登録され、サブスクリプションに割り当てられている。Red Hat Subscription Management を使用してシステムを登録し、サブスクリプションに関連付ける方法は、Red Hat Subscription Management のガイドを参照してください。

手順

以下のコマンドで使用するシステム バリアントworkstation または server のいずれかで選択します。Red Hat は、幅広い開発ツールへアクセスするためにも server を選択することを推奨します。

  1. Red Hat Developer Tools にアクセスするには、rhel-7-variant-devtools-rpms リポジトリーを有効にします。

    # subscription-manager repos --enable rhel-7-variant-devtools-rpms
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  2. Red Hat Software Collections にアクセスするには、rhel-variant-rhscl-7-rpms リポジトリーを有効にします。

    # subscription-manager repos --enable rhel-variant-rhscl-7-rpms
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  3. 追加のコンポーネントにアクセスするには、rhel-7-variant-optional-rpms リポジトリーを有効にします。

    # subscription-manager repos --enable rhel-7-variant-optional-rpms
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オプション: Red Hat Developer Tools debuginfo リポジトリーの有効化

Red Hat Developer Tools は、リポジトリーに含まれるすべてのアーキテクチャー依存 RPM の debuginfo パッケージも提供します。これらのパッケージは、コアファイル分析や Eclipse 自体のデバッグに役立ちます。

手順

  • Red Hat Developer Tools の debuginfo リポジトリーを有効にします。variant は、Red Hat Enterprise Linux システムバリアント (server または workstation) に置き換えます。

    # subscription-manager repos --enable rhel-7-variant-devtools-debug-rpms
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  • Red Hat Software Collections debuginfo リポジトリーを有効にします。
# subscription-manager repos --enable rhel-__variant__-rhscl-7-debug-rpms
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関連情報

1.2. Eclipse のインストール

Eclipse をインストールする方法を説明します。

注記

Eclipse は、AMD64 および Intel 64 のアーキテクチャーでのみ利用できます。

前提条件

手順

  • RHEL 7 では、以下のコマンドを実行します。
# yum install rh-eclipse
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1.2.1. 追加の Eclipse コンポーネントのインストール

RHEL 7 の Eclipse 4.17 は Java および Python の開発をサポートします。アップストリームリポジトリーから追加のコンポーネント (CC++ のサポート) をインストールするには、Install New Software ウィザード、Eclipse Marketplace Client、またはコマンドラインインターフェイスを使用します。

1.2.1.1. Install New Software ウィザードを使用した追加の Eclipse コンポーネントのインストール

手順

  • 追加のコンポーネントのインストールに Install New Software ウィザードを使用するには、メインメニューの Help > Install New Software をクリックし、画面の指示に従います。
1.2.1.2. Eclipse Marketplace を使用した追加の Eclipse コンポーネントのインストール

追加コンポーネントのインストールに Marketplace Client を使用するには、「例: Eclipse Marketplace Client を使用した C および C++ Development Tooling (CDT) のインストール」 の手順に従います。

1.2.1.2.1. 例: Eclipse Marketplace Client を使用した C および C++ Development Tooling (CDT) のインストール

手順

  1. メインメニューから Help > Eclipse Marketplace を選択します。
  2. Eclipse Marketplace で Find フィールドを使用して必要なコンポーネントを検索し (この場合は CDT)、Go を押します。

  3. Install ボタンをクリックしてインストールを開始し、画面の指示に従います。

Red Hat は、Eclipse Marketplace または Install New Software ウィザードを使用して追加のコンポーネントを Eclipse にインストールすることを推奨します。ただし、p2 director アプリケーションを使用して、コマンドラインからコンポーネントをインストールできます。

追加のコンポーネントのインストールにコマンドラインインターフェイスを使用するには、「例: コマンドラインインターフェイスを使用した Eclipse C および C++ 開発ツールのインストール」 の手順に従います。

前提条件

  • Eclipse が実行されていない。

手順

  1. コマンドラインインターフェイスで、以下のコマンドを実行します。

    $ scl enable rh-eclipse 'eclipse -noSplash -application org.eclipse.equinox.p2.director -repository https://download.eclipse.org/releases/2020-09 -i org.eclipse.cdt.feature.group'
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  2. Eclipse を起動します。

Eclipse C/C++ Development Tools がインストールされている。

警告

root として p2 director アプリケーションを実行すると、RPM の整合性に大きな問題が発生します。root として p2 director アプリケーションを実行しないでください。

関連情報

1.3. Eclipse の起動

1.3.1. GUI からの Eclipse の起動

GUI から Eclipse を起動するには、以下の手順を実行します。

  • Applications > Programming > Red Hat Eclipse の順にクリックします。

1.3.2. コマンドラインインターフェイスからの Eclipse の起動

コマンドラインから Eclipse を起動するには、シェルプロンプトで以下を入力します。

  • RHEL 7 の場合:

    $ scl enable rh-eclipse eclipse
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Eclipse の起動時に、プロジェクトの ワークスペース ディレクトリーを選択するように求められます。~/workspace/ (デフォルトのオプション) を使用するか、Browse をクリックしてカスタムディレクトリーを選択します。また、Use this as the default and do not ask again を選択すると、Eclipse がこのダイアログボックスを再度表示しなくなります。OK をクリックして選択を確定し、起動を続行します。

1.4. Eclipse コンポーネント

Eclipse 開発環境は、RPM パッケージのセットとして提供されます。このセットには、次の Eclipse コンポーネントが含まれています。

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表1.1 RHEL 7 の Eclipse コンポーネント
パッケージ説明

rh-eclipse-eclipse-egit

Eclipse のチームプロバイダーである EGit は、Git リポジトリーと対話するための機能とプラグインを提供します。

rh-eclipse-eclipse-emf

Eclipse Modeling Framework (EMF) を使用すると、構造化データモデルに基づいてアプリケーションを構築できます。

rh-eclipse-eclipse-gef

Graphical Editing Framework (GEF) を使用すると、既存のアプリケーションモデルから機能豊富なグラフィカルエディターを作成できます。

rh-eclipse-eclipse-jdt

Eclipse Java 開発ツール (JDT) プラグイン。

rh-eclipse-eclipse-jgit

JGit は、Git リビジョン管理システムの Java 実装です。

rh-eclipse-eclipse-mpc

Eclipse Marketplace Client。

rh-eclipse-eclipse-pde

Eclipse プラグインを開発するためのプラグイン開発環境。

rh-eclipse-eclipse-pydev

Eclipse 用のフル機能の Python IDE。

rh-eclipse-eclipse-subclipse

Eclipse のチームプロバイダーである Subclipse を使用すると、Subversion リポジトリーと対話できます。

rh-eclipse-eclipse-webtools

Eclipse Webtools プラグイン。

関連情報

Eclipse とそのすべての機能の詳細な説明は、このドキュメントの対象外です。詳細は、次のリソースを参照してください。

インストールされているドキュメント

  • Eclipse には、統合された各機能とツールに関する幅広いドキュメントを提供するヘルプシステムが組み込まれています。これには、Eclipse のメインメニュー (Help > Help Contents) からアクセスできます。

その他のリソース

1.5. Eclipse 4.17 の変更点

Eclipse 4.17 には、バグ修正や機能拡張が数多く提供される 2020-09 リリーストレインの Red Hat Developer Tools およびプラグインが同梱されています。

このセクションでは、このリリースの主な新機能と互換性の変更点を紹介します。

RHEL 7 の重要なパッケージの更新

eclipse 4.16 → 4.17

Eclipse IDE および JDT/PDE プラグインがバージョン 4.17 に更新されました。より詳細な変更点のリストは、Eclipse 4.17 - New and Noteworthy ページを参照してください。主な機能強化は、次のとおりです。

  • ツリービューとテーブルビューに使用されるフォントをフォント設定でカスタマイズできるようになりました。
  • Previous Edit Location のナビゲーションが拡張され、複数の編集箇所を記憶できるようになりました。
  • GTK ライトテーマが改善されました。
  • Console View の ASCII コントロール文字の解釈が、null バイトを認識するように拡張されました。
  • Java Editor の Content Assist が、タイプのサブ文字列とサブキーワードの両方の一致を完全にサポートするようになりました。
  • 最適化タブが JDT に追加されました。このタブでは、時間パフォーマンスを向上させるクリーンアップ (既存のレイジーオペレータークリーンアップと regex プリコンパイラークリーンアップ) を収集します。
Eclipse-pydev 7.6.0 → 8.0.0
PyDev プラグインがバージョン 8.0.0 に更新されました。主に追加されたのは、型推論の改善とデバッグの問題の修正です。詳細は、アップストリームの PyDev 8.0.0 リリースノート を参照してください。
eclipse-egit/jgit 5.8.0 → 5.9.0
Git 統合プラグインがバージョン 5.9.0. に更新されました。詳細は、アップストリームの EGit 5.9.0 リリースノート および JGit 5.9.0 リリースノート を参照してください。

主な変更点は、コミットおよびプッシュを実行するたびにプッシュ確認ダイアログを表示できることです。

eclipse-webtools 3.18.0 → 3.19.0
Web Tools Platform がバージョン 3.19.0. に更新されました。詳細は、アップストリームの Web Tools Platform 3.19 - New and Noteworthy ページを参照してください。
eclipse-m2e 1.16.0 → 1.16.2
Maven 統合プラグインがバージョン 1.16.2 に更新されました。

RHEL 7 の非推奨の機能

C/C++ Development Tooling (CDT)

CDT は Eclipse の一部として提供されなくなりました。Install New Software ウィザードまたは Eclipse Marketplace から追加でインストールできます。

Eclipse で、Red Hat Developer Toolset ソフトウェアコレクションが自動的に有効化されなくなりました。コレクションを有効にするには、以下のコマンドを使用してコマンドラインから Eclipse を起動します。

$ scl enable rh-eclipse devtoolset-10 eclipse
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Linux Tools プラグイン
Linux Tools プラグインは Eclipse の一部として提供されなくなりました。Install New Software ウィザードから追加でインストールできます。Eclipse Marketplace を使用すると、Linux Profiling Tools、Eclipse Vagrant Tooling、Eclipse Docker Tooling、RPM 統合をインストールできます。
関連情報

新機能の使用方法は、Eclipse の インストールされているドキュメント を参照してください。

1.6. Eclipse 4.17 の既知の問題

このセクションでは、Eclipse 4.17 の既知の問題を説明します。

RHEL 7 の既知の問題

Initializing Eclipse Error Reporting System エラー

このエラーは、古いバージョンの Eclipse で作成されたワークスペースを実行すると発生します。

この問題を回避するには、-clean オプションを指定して Eclipse を起動し、依存関係解決キャッシュを削除します。

$ scl enable rh-eclipse "eclipse -clean"
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このエラーメッセージが表示されることなく、Eclipse が起動します。

NullPointerExceptions

サードパーティーの更新サイトからプラグインをインストールすると、NullPointerException が発生することがあります。その場合、Eclipse は起動に失敗し、ワークスペースのログファイルに NullPointerException が記録されます。

この問題を回避するには、-clean オプションを指定して Eclipse を再起動して、依存関係解決キャッシュを削除します。

RHEL 7 の場合:

$ scl enable rh-eclipse "eclipse -clean"
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Eclipse が正常に起動します。

rh-eclipse-tycho パッケージが、以前のコレクションと同じパッケージと競合する

例: rh-eclipse48-tycho:

結果として、rh-eclipse48-tycho パッケージがすでにインストールされていると、rh-eclipse-tycho パッケージのインストールが失敗する可能性があります。

Tycho が必要なのは、Eclipse をビルドまたは再ビルドする場合、またはそのプラグインに Tycho が必要な場合のみです。必要に応じて、以下のコマンドを使用して rh-eclipse-tycho パッケージをインストールする前に rh-eclipse48-tycho パッケージをアンインストールします。

$ yum remove rh-eclipse48-tycho
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これで rh-eclipse-tycho パッケージのインストールが成功するようになります。

pip 統合で PyDev ユーザーに問題が発生する可能性がある
システムまたは RHSCL Python によって事前にインストールされているモジュールは、pip でアンインストールできません。アンインストールしようとすると、permission denied エラーが発生します。
Python モジュールを管理するための PyDev ショートカットが機能しない

Ctrl+2 ショートカットを使用して pip を選択しても、適切に機能しません。したがって、このショートカットを使用しようとすると、ワークスペースログに SWTException が記録されます。

ユーザーは、PyDev > Interpreters 設定を使用して Python モジュールを引き続き管理できます。

Eclipse Subclipse とベース RHEL Subversion 間の非互換性

Eclipse Subclipse で作成した Subversion リポジトリーのワーキングコピーは、Subversion のベース RHEL バージョンと互換性がありません。このような作業コピーで svn コマンドを使用すると、以下のエラーが発生する可能性があります。

$ svn up
svn: E155021: This client is too old to work with the working copy
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この問題を回避するには、コマンドラインで、Eclipse Subclipse によって使用される Subversion の Pure Java 実装を使用します。

# yum install rh-eclipse-svnkit-cli # Command line support for SVNKit
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これで、svn コマンドを通常使用する場所で svn を使用できます。

$ jsvn up
Updating '.':
At revision 16476.
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