B.4. LDIF を使用したディレクトリーエントリーの指定
多くのエントリーはディレクトリーに保存できます。本セクションでは、ディレクトリーで使用する最も一般的なエントリーの 3 つ (ドメイン、組織単位、および組織の人のエントリー) を 3 つにまとめる方法を説明します。
エントリーに定義されているオブジェクトクラスは、エントリーがドメインまたはドメインコンポーネント、組織単位、組織人、またはその他のタイプのエントリーを表しているかどうかを示すものです。デフォルトでディレクトリーで使用できるオブジェクトクラスの完全一覧と、最も一般的に使用される属性の一覧は、『Red Hat Directory Server 10 Configuration, Command, and File Referenceを参照してください』。
B.4.1. ドメインエントリーの指定
ディレクトリーにはドメインエントリーが 1 つ以上含まれます。通常、これはディレクトリの最初の、つまり一番上のエントリーです。ドメインエントリーは、多くの場合、ディレクトリーの DNS ホストおよびドメイン名に対応します。たとえば、Directory Server ホストが ldap.example.com と呼ばれている場合は、ディレクトリーのドメインエントリーは dc=ldap,dc=example,dc=com または単に dc=example,dc=com という名前になります。
ドメインの定義に使用される LDIF エントリーは以下のようになります。
dn: distinguished_name objectClass: top objectClass: domain dc: domain_component_name list_of_optional_attributes ...
以下は、LDIF 形式のドメインエントリーの例です。
dn: dc=example,dc=com objectclass: top objectclass: domain dc: example description: Fictional example company
LDIF フォーマットのドメインエントリーの各要素が 表B.2「ドメインエントリーの LDIF 要素」に定義されています。
LDIF 要素 | 説明 |
---|---|
dn: distinguished_name | 必須。エントリーの識別名を指定します。 |
objectClass: top | 必須。top オブジェクトクラスを指定します。 |
objectClass: domain | domain オブジェクトクラスを指定します。この行は、エントリーをドメインまたはドメインコンポーネントとして定義します。このオブジェクトクラスで利用可能な属性の一覧は、『Red Hat Directory Server 10 Configuration, Command, and File Referenceを参照してください』。 |
dc: domain_component | ドメイン名を指定する属性。サーバーは通常、dc=hostname,dc=domain,dc=toplevel の形式で接尾辞または命名コンテキストを持つように初期設定時に設定されます。たとえば、dc=ldap,dc=example,dc=com になります。ドメインエントリーは、dc: ldap のように左端の dc の値を使用する必要があります。サフィックスが dc=example,dc=com の場合、dc の値は dc: example になります。サーバーが接尾辞を使用するよう設定されていない場合は、dn: dc=com のエントリーを作成しないでください。 |
list_of_attributes | エントリーに保持する任意の属性の一覧を指定します。このオブジェクトクラスで利用可能な属性の一覧は、『Red Hat Directory Server 10 Configuration, Command, and File Referenceを参照してください』。 |