第8章 レプリケーションパフォーマンスのチューニング


8.1. マルチサプライヤーレプリケーションの効率性の向上

特にサーバーが WAN (Wide Area Network) を使用して接続している場合、マルチサプライヤーレプリケーション環境のレプリケーションレイテンシーは、複数のサプライヤーが同時に更新を受信すると高くなる可能性があります。これは、1 つのサプライヤーがレプリカを長期間解放せずに排他的にアクセスした場合に発生します。このような場合は、他のサプライヤーがこのコンシューマーに更新を送信できないため、レプリケーションのレイテンシーが増加します。
一定期間の経過後にレプリカを解放するには、レプリケーションサプライヤーとハブに nsds5ReplicaReleaseTimeout パラメーターを設定します。
注記
ほとんどの環境では 60 秒のデフォルト値が適しています。設定した値が高すぎるまたは低すぎると、レプリケーションのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。設定した値が低すぎると、レプリケーションサーバーは常に相互に再取得し、サーバーは多くの更新を送信できなくなります。トラフィックの多いレプリケーション環境では、タイムアウトが長いと 1 つのサプライヤーのみがレプリカにアクセスする状況を改善できます。ただし、ほとんどの場合、120 秒よりも高い値を設定するとレプリケーションの速度が低下します。

8.1.1. コマンドラインを使用したレプリケーション解放タイムアウトの設定

コマンドラインを使用してレプリケーション解放のタイムアウトを設定するには、以下を実行します。
  1. タイムアウト値を設定します。
    # dsconf -D "cn=Directory Manager" ldap://supplier.example.com replication set --suffix="dc=example,dc=com" --repl-release-timeout=70
    このコマンドは、dc=example,dc=com 接尾辞のレプリケーションリリースのタイムアウト値を 70 秒に設定します。
  2. Directory Server インスタンスを再起動します。
    # dsctl instance_name restart

8.1.2. Web コンソールを使用したレプリケーション解放タイムアウトの設定

Web コンソールを使用してレプリケーション解放のタイムアウトを設定するには、以下を実行します。
  1. Web コンソールで Directory Server ユーザーインターフェイスを開きます。詳細は、『Red Hat Directory Server Administration Guide』のLogging Into Directory Server Using the Web Consoleセクションを参照してください。
  2. インスタンスを選択します。
  3. Replication メニューを開き、Configuration を選択します。
  4. Show Advanced Settings をクリックします。
  5. Replication Release Timeout フィールドにタイムアウト値を設定します。
  6. Save をクリックします。
  7. Actions ボタンをクリックし、Restart Instance を選択します。
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