1.4. Directory Server 11 への移行に関する注意事項
既存の Directory Server 10 環境を Directory Server 11 に移行する場合は、次の情報を考慮してください。
Directory Server 11 コマンドラインユーティリティーの使用
Directory Server 11 には、サーバーインスタンスおよびユーザーを管理するための新しいコマンドラインユーティリティーが用意されています。これらのユーティリティーは、Directory Server 10 およびそれ以前のバージョンで管理タスクに使用される Perl スクリプトに代わるものです。
以前のバージョンのコマンドと、Directory Server 11 における代替コマンドは、Red Hat Directory Server インストールガイドの付録 Red Hat Directory Server 11 で置き換えられたコマンドラインユーティリティー を参照してください。
Directory Server 10 以前のバージョンの管理タスクに使用される Perl スクリプトは、389-ds-base-legacy-tools
パッケージで引き続き利用できます。ただし、Red Hat は、新しいコマンドラインユーティリティーの dsconf
、dsctl
、dscreate
、および dsidm
のみをサポートします。
Directory Server 11 のデフォルトのパスワード保存スキームが PBKDF2-SHA512
に変更されました。
Directory Server 11 は、デフォルトのパスワードストレージスキームとして PBKDF2-SHA512
スキームを使用します。これは、SSHA
、SSHA512
、およびその他のスキームよりも安全です。したがって、freeradius などの一部のアプリケーションが PBKDF2-SHA512
スキームをサポートしておらず、強度の弱いパスワード保存スキームを設定し直す必要がある場合は、アプリケーションがユーザーエントリーを追加または変更したときだけでなく、バインド操作が成功したときも、Directory Server がユーザーパスワードを更新する点に注意してください。ただし、cn=config
エントリーの nsslapd-enable-upgrade-hash
パラメーターを off
に設定すると、バインド操作で更新を無効にできます。
移行手順
Directory Server 10 を Directory Server 11 に移行する手順は、Red Hat Directory Server インストールガイド の該当する章を参照してください。